夜。由紀と一緒のベッドで栄太が寝ていると、ドアが開いて一人の女が姿を現した。
「――うふふ、栄太ク〜ン……もう寝てるぅ〜?」
それは由紀の姉、沙紀だった。
長く伸びた金色の髪を揺らし、扇情的な紫色のキャミソールを身にまとっている。
沙紀はベッドに近づくと、狭いベッドに並んで寝ている二人の少女に視線を向けた。
「……むむっ !? これじゃどっちがどっちかわかんないじゃなぁ〜い……困ったなぁ〜」
女はしばしの間悩んでいたが、ふと何かを思いついたように、寝ている二人の片方の耳に口を寄せた。
「――由紀ちゃ〜ん……愛してるぅ〜、愛してるぅ〜、愛してるぅ〜」
「……う、うーん、お姉ちゃんやめて……」
「はぁい、こっちが本物の由紀ちゃんねぇ〜♪」
返ってきた寝言に彼女は満足そうにうなずくと、もう一方の少女に手を伸ばした。
「じゃあ栄太クン、ちょっとベッドから降りましょうねぇ〜」
「……ん、んん……」
軽い栄太の体を引きずって、床に敷いた座布団の上にゆっくり下ろす沙紀。
楽しくて仕方がないといった様子で笑みをこらえ、青いパジャマ姿の妹もどきを見下ろしている。
「はぁ〜い、じゃあ栄太クン、お姉ちゃんとイイコトしましょうねぇ〜♪」
プチプチとパジャマのボタンが外され、栄太の乳房が露になった。
「……もう由紀ちゃんてば、ちゃんとブラつけないとダメって言ってるじゃない〜。
 おっぱいを大事にしないから、あんまり大きくならないのよぉ〜?」
沙紀はベッドの上の妹を見やってそうつぶやいたが、すぐに栄太に向き直ると
その二つの乳房の間、肉のへこんだ部分にそっと舌を這わせた。
「――ん……」
冷たい唾液の感触に声を漏らす栄太。だがまだ彼は目覚めない。
沙紀はにやにや笑い、眠り姫の双丘に丹念に己の唾を塗りこんでいった。
桃色の乳首に吸いつき、赤子のようにちゅうちゅうそれを吸い上げる。
「ん、んあぁっ……」
まだ栄太は眠ったままだったが、その声は既に桜色に染まっていた。
――ぺろ……ちゅ、ちゅるちゅる……。
「あ、ああっ……ん、はぁんっ……」
目を閉じたまま顔を赤くし、女としての喘ぎ声をあげ続ける栄太。

沙紀が悪戯っぽい表情で白い歯を硬くなった乳首に立てたとき、ようやく彼が覚醒した。
「はぁっ……だ、誰……だ……?」
「あ、起きたぁ栄太クン? 私よぉ〜、沙紀お姉ちゃんだよぉ〜」
「え……沙紀さん……?」
自分の置かれた状況をとっさに飲み込めずに栄太は戸惑っていた。
ベッドから引きずり下ろされパジャマの前は開き、自分の乳房を恋人の姉に舐められている。
彼が本物の女なら悲鳴の一つもあげただろうが、栄太はそれを思いつかず
子犬のような柔弱な目で沙紀を見上げることしかできなかった。
「沙紀さん……な、何してんすか、こんな……」
「だって栄太クン可愛いんだもん〜。せっかくだから私も由紀ちゃんみたいに、
 女の子のカラダのこと、色々教えてあげようかなってぇ〜」
「や、やめて下さい……うぁっ !?」
乳首をきつく吸われ、栄太は身をよじって悲鳴をあげた。
「ど〜お? こんなお姉ちゃんはキライかしらぁ?」
「き、嫌いじゃないですけど……正直、男のときにしてほしかったなって、はい……」
「あらぁ、残念ねぇ〜。でも今の栄太クンも可愛くてとっても素敵よぉ?」
「はぁあぁっ……や、やめ……ひぃぃっ!」
沙紀は舌と歯、細い指先を駆使して栄太の乳房を入念に愛撫してくる。
女としての経験が皆無の栄太はそれに逆らうこともできず、彼女に鳴かされるばかりだった。


妖艶な笑みを浮かべた沙紀が栄太の顔に接近してくる。
「うふふぅ〜。ほんと、食べちゃいたい――んっ……」
「んっ……んむぅっ……!」
なすすべもなく唇を奪われ、強引に舌をねじ込まれる。
女の触手は欲望のままに栄太の歯や舌を舐め回し、じっくり彼を味わっていった。
――じゅる……じゅっ、ちゅぱっ……。
沙紀と栄太の唾が交じり合い、二人の間ではっきりと音をたてた。
あまりの刺激に彼の目は光をなくし、人形のように意思のない瞳をただ闇に向けている。
「うふぅ……」
思う存分栄太の口内を貪った女は彼から顔を離し、唇から汁を滴らせて微笑みながら
今や妹の分身となった少年の呆然とした表情を観察していた。
栄太と沙紀、二人の口を繋いでいた唾液の線が伸ばされてぷつんと千切れる。
「栄太クン……由紀ちゃんとは、キス……した?」
「んあ……? は、はい……」
悦楽に染まった女を前に、彼は正直にそう告白した。
軽くうなずいた沙紀が面白そうに目を光らせ、至近から彼の顔を覗き込んでくる。
「ごめんねぇ〜……あのコ暴れんぼさんだから、栄太クンも大変でしょぉ〜?」
「い……いや、そんなことないっすよ……」
「それでぇ……あのコとは、どこまでいってるのぉ?」
「え、えーとえーと……」
答えにくい質問を連発され、沙紀から顔を背ける栄太。
だが由紀の姉は彼から目を離さず執拗に返答を要求してやまない。
「駄目よぉ……ちゃんと答えてくれないと、お姉ちゃん怒っちゃうわよぉ?」
「と、言われても……あはは……」
「そんなイケナイ栄太クンにはお仕置きが必要ねぇ……ふふ……」
「え? あ、さ、沙紀さん……?」

ただならぬ雰囲気を感じて、一筋の汗が栄太の頬を垂れていく。
その眼前、沙紀の手には暗い室内で鈍く輝く輪と鎖が握られていた。
「……な、何すかそれ……? ひ、ひょっとして手錠ってやつじゃ……」
「ピンポーン。こんなとき役に立つのよぉ〜」
「な……ま、まさか俺を……ひぃぃっ !?」
彼女は異様なほどの力で栄太を押さえ込み、彼の両手首を体の後ろで拘束してしまった。
金属の鎖が鳴らすジャラジャラという音が重々しい響きとなって栄太の鼓膜を揺さぶる。
「ど〜お? こんなプレイも由紀ちゃんとやってたりするのかしらぁ〜?」
「そ、そんなわけ……」
「じゃあ下も脱ぎ脱ぎしましょうねぇ〜」
沙紀は楽しくて堪らない様子で栄太の下半身に手をかけ、青いパジャマをずり下ろそうとする。
「だ……ダメですっ! やめて下さいっ……!」
「だ〜めだめぇ。由紀ちゃんとイチャイチャするんだったら、
 ちゃんと気持ちよくさせてあげないとぉ〜。
 だからオンナノコの扱い方をお姉ちゃんが手ほどきしてあげるわぁ〜♪」
必死に両足を閉じる栄太だったが、沙紀はそんなことで止まりはしない。
パジャマの下も今日買ったばかりのショーツも脱がされ、栄太の下半身は裸に剥かれてしまった。
「うふふ……綺麗な肌ねぇ。さすが由紀ちゃんのカラダ……♪」
沙紀の指が彼の太ももを真っ直ぐ下から上へと伝っていく。
「す、すいません……もう、許して……」
「何言ってるのぉ〜。お楽しみはこれからよぉ〜?」
「あ、脚ぃ……」
女は仰向けになった栄太の両脚を開き、奥にある綺麗な割れ目に視線を向けた。
「うふふぅ、これが栄太クンのおマンコ……綺麗ねぇ……」
「ひぃっ! さ、触らないで……」
性器に触れる指の感触に彼は思わず声をあげ、怯えた目で沙紀に許しを乞う。
「どぉ? 栄太クンてば、もう由紀ちゃんとセックスした?」
「い、い、いえ、いいえ……そ、そんなことは……」
「そお? 正直に言わないと駄目よぉ〜?」


人差し指を栄太の肉壷に突っ込む沙紀。
彼女は浅く突っ込んだその指をゆっくり動かし、栄太の中をかき回した。
「あ、あ……ひぃぃっ……!」
「ど〜なのぉ? もう由紀ちゃんとしちゃったのぉ?」
「ひっ、は、はいぃっ! しま、しましたぁ……!」
「ふ〜ん、そうなんだぁ……若いっていいわねぇ……」
モルモットを見る研究者の目で彼を見つめ、沙紀は自分の濡れた指をひと舐めする。
「で、どうだったぁ? 由紀ちゃんのナカ、キモチよかったぁ?」
「……は、はい……とっても……とっても良かったです……」
「へえ〜。ところでそのときの栄太クンと由紀ちゃん、どっちがキモチよかったと思う〜?」
「……え……?」
不意に思いもしなかった質問をされ、栄太は言葉を詰まらせた。
「そ、そんなこと、言われても……わかりませんよ……」
「そぉ? 今の栄太クンならわかるんじゃないかなぁ〜?
 だってオンナノコの、しかも由紀ちゃんのカラダになってるんでしょお〜?」
「え、い、いや、あの……その……」
「ほら、お姉ちゃんが付き合ってあげるからぁ……どお、やってみない? コ・レ♪」
そう言って沙紀が取り出したのは一本のディルドだった。
太くいかめしい外見にグロテスクな嫌悪を感じ、彼は一瞬声を失った。
「………… !!」
「まずは濡らさないとねぇ〜。栄太クンのおマンコ、たっぷりペロペロしてあげるわぁ〜」
「ひ、ひぃ……! た、助け――」
ベッドで何も知らずに眠っている恋人に助けを求めようとする栄太だったが
その前に沙紀の左手が異常な速度で伸びて彼の口を塞いでしまう。
「――むっ !? ん、んぐぅ……!」
「だ〜め。由紀ちゃんはぐっすりおやすみしてるんだから、起こしちゃいけないわぁ〜」
(ゆ……由紀ぃっ! 助けてくれぇっ……!)
目に涙を浮かべてうなる栄太を、金髪の女が押さえつけて楽しんでいる。

次に沙紀が取り出したのは小さな白い布だった。
ちょうど手のひらに収まるサイズの布切れで、ところどころリボンだかフリルだか
そんな感じの飾りがついているようだったが、栄太にはそれが何かとっさにはわからなかった。
「うふふ……これ覚えてる? 栄太クン」
「…………」
口を押さえられたまま、彼は静かに首を横に振った。
沙紀がにやにや笑って右手を開き、指の間にその布切れを挟みこむ。
広げられて全てが露になったそれは、栄太にもはっきり見覚えのあるものだった。
(こ、これ……もしかして俺の――)
「そう、今日栄太クンがはいてたパンツよぉ〜。洗う前にこっそり取ってきちゃったのぉ〜。
 で、よく見たらここの部分……シミになってるじゃな〜い?」
「…………!」
「女の子になって自分のおっぱいとかアソコとか見て、すっごく興奮しちゃったのねぇ〜。
 とってもエッチで素敵な子だわぁ〜……栄太ク〜ン」
(ち、違う……! 俺はそんな……)
彼は涙ながらに首を振って否定したが、女はそれを一顧だにしない。
ただ栄太に汚れた下着を見せつけ、淫らな言葉で彼を責めたてるだけだ。
「今日暑かったから、結構汗も吸っちゃってるわよぉ〜。
 ほら、嗅いでみなさぁい……女の子になった自分のカ・オ・リ♪」
「む……むむ、むぐぅっ……!」


ショーツを顔にかけられ、栄太は半泣きになって逃げようとする。
だが彼が今日身に着けていた下着は顔に密着して、栄太の鼻に濃厚な体臭を送り込んできた。
(う、これが……俺の匂い……? 嫌だ、嫌だぁ…… !!)
自分の下着を嗅ぐという普段なら怖気が走る行為も、今は栄太の心をしっかりと高ぶらせてくる。
じんわり濡れて染みがついたショーツから漂ってくる女の香りは
間違いなく今の彼自身が発したもので、もはやそれは否定の余地がなかった。
閉じた目から涙を散らして栄太は逃げ惑ったが、隠しようのない興奮は
彼の乳首を否応もなく勃起させ、栄太の女の入り口を少しずつ湿らせていく。
「うふふ……興奮しちゃってるのねぇ。無理もないわぁ……ホント可愛い。
 おっぱいもこんなにいやらしくて……もうビンビンじゃな〜い♪」
「んんぅぅっ……! むぐ、あぐぅぅ……!」
いきなり乳首をつねられ、彼の体が仰向けに反り返る。
そのとき沙紀の左手がようやく口を離れ、栄太はようやくの解放感に胸を撫で下ろした。
「へ……? は、はぁ……はぁ……」
だが沙紀の責めはそんなことで終わるはずがなかった。
「手で押さえとくのも大変だもんねぇ……コレ、くわえといてぇ〜」
「んんっ !? ふ、ふぐぐぐ……」
顔に当てられていたショーツを押し込まれ、両手の使えない栄太は抗うこともできずに
自分がはいていた女物の下着を口いっぱいに味わされてしまった。
涙をぼろぼろ流して沙紀を見上げるが、それも彼女の嗜虐心をそそる効果しかない。

「はぁい♪ じゃあ栄太クンのココ、ペロペロしてあげるぅ……」
「んん――っ! んむぅ――っ !!」
両手両脚、その上言葉も封じられた彼に逃げ延びる手段はなかった。
沙紀の笑顔が彼をいたぶるようにゆっくりと、湿り気を帯びた栄太の性器に近づいていく。
――ツ……。
「…………っ !!」
女の舌が濡れた肉に触れた瞬間、栄太はビクリと震え上がった。
その反応に満足げな笑みを浮かべ、沙紀が割れ目を舐めあげていく。
「んんんっ !! んぐぅっ……!」
「あはぁ……おいしいわぁ……栄太クンのエキス……」
吸血鬼のような表情で彼の陰唇に長い舌を這わせる沙紀。
唾液と愛液が入り混じり、すぐに栄太の陰部はとろとろに溶けていった。
彼は頬を涙で濡らして喚いたが、愛欲にまみれた沙紀を止めることはできない。
栄太の蜜をさも旨そうに舐め吸い上げる女の姿はこの上なく淫らで、
彼が男だったら何としてでもこの一部始終を見届けようとしただろう。
しかしその栄太は今、蜘蛛に囚われた雌の蝶として沙紀の玩具になってしまっている。
じゅるじゅると女陰を貪られ、栄太はあられもない姿でよがり続けた。
「ふぐぅぅっ! んむぅぅっ……はぐぅっ !!」
「凄いわぁ、大洪水ねぇ……いくら舐めても溢れてきちゃう……」
「ん、んん、はむぅぅぅっ !!!」
(ゆ、由紀ぃ……由紀ぃぃぃっ……!)
彼氏と姉の痴態にも気づかず、由紀はひとりベッドで眠り込んでいる。
心の中で少女の名を呼びながら、栄太は女の性感に理性を溶かされていた。


「ぷはぁ……! そろそろかしらぁ……?」
「…………?」
熱のこもった息を吐いてそう口にする沙紀を、栄太はぼんやりと見つめた。
「入れる前にこっちも濡らさないとねぇ〜」
沙紀はディルドに愛しげに目をやり、びちゃびちゃの口内にそれをくわえ込んだ。
偽者の陰茎をいかにも旨そうに味わい、自らの唾液と栄太の愛液とをそれに塗りたくっていく。
(あぁ、沙紀さん……あんなに……)
激しいフェラチオを見ているような気分になって、彼の心はぼやけた快感に塗り潰された。
――あれを今から入れられるのか。まともな思考力が少しでも残っていたならば
全力で逃れようとしたであろう事態を、今の栄太は抵抗もせず受け入れようとしていた。
「ちゅぱっ……ふふ、もういいわよねぇ……♪」
女の細い手には禍々しい太さの張形が握られ、彼の大事な部分にどんどん近づいていく。
すっかり心が麻痺してしまった栄太は、どこか他人事のような目でそのディルドを眺めていた。
――ズブ……ズチュッ、ズッ…… !!
「んんん――っ !!? んぐううぅぅっ !!!」
とうとう彼の女が沙紀の作り物の男に貫かれる。
充分に濡れた膣は極太の張形を突きこまれ、音をたててそれをゆっくり飲み込んでいった。
由紀の体を写し取ったからか、破瓜の痛みを感じることはなかったが
偽者とはいえ初めて男を受け入れる栄太の女性器は、力強い挿入に敏感に震え
次から次へと愛液を分泌して性具を汁で包み込んでいく。
「んんっ、んうぅ……ひぐぅぅぅ……!」
「ど〜お? 初めてのオンナノコの感触はぁ〜?
 こんなにジュプジュプさせちゃって、とってもキモチイイのねぇ〜?」
(や、やめろっ……やめてくれぇっ……!)
栄太の濡れそぼった肉壷を沙紀は絶え間なくえぐり続ける。
女としての初の経験は彼が想像もできなかったほどの刺激と快感に満ち溢れており、
栄太は声すらあげられず、岸に打ち上げられた魚のようにその場で跳ね回るしかなかった。

――ジュポッ……ジュル、ジュポポッ……。
巧みな手つきでディルドが栄太の中を蹂躙する。
彼の目から涙がこぼれ、頬を伝って流れ落ちていくのを沙紀は満足げな顔で眺めていた。
その耳元に唇を寄せ、淫らな言葉で責めたてる。
「栄太クンたらすっごい感じちゃって……もうすっかりオンナノコよねぇ〜。
 もしこれが本物のおチンチンだったらって思うと、もっと燃えるわよぉ〜?」
(だ……誰が……っ!)
彼は泣きながら沙紀を睨んだが全く止める気配はない。
「うわぁ……栄太クンのおマンコ、思いっきりくわえ込んでるわぁ〜。すご〜い……。
 もっとかき回してほしいのねぇ〜? ほら、ほら〜あ」


「ひぐぅっ !! ん、んむうぅぅっ !!」
(や、やめろおぉぉっ !!)
張形が膣内を往復するたび、栄太は声にならぬ声をあげてよがり狂った。
自分にありえないはずの女性器を硬い張形にこねくり回され、女としての快感と
男としての屈辱感に涙を流して身をよじる姿は、沙紀の憐憫と愛情とを誘わずにはいられない。
彼女は彼女で自分の妹と瓜二つの少年が激しく乱れる姿に鼻息を荒げ、
サディスティックな笑みを浮かべてひたすら栄太の中に性具を突き込ませた。
(このコ、本当に可愛い……妹にしたいなぁ〜……)
このまま由紀の姿で自分のもう一人の妹になってくれないだろうか。
そうしたら毎日こんなことをして可愛がってやれるのに。
気の強い由紀はなかなかこうしたスキンシップをさせてくれないのだ。
「ふぐ、ふぐぐぅっ――ふうううっ !!」
顔は女体の快感に歪み、口にくわえた下着は唾でベトベト、極太ディルドに膣をかき回されて
喘ぐ栄太はどこからどう見ても愛欲に染まった一匹の雌だった。
「いいわぁ栄太クン……お姉ちゃん大好きよぉ……♪」
沙紀が彼に顔を寄せ、その頬に軽く口づけをした。
「声出せなくて辛いでしょ? ホントにごめんねぇ〜。
 でも、今由紀ちゃんを起こす訳にもいかないのよぉ〜」
(い……イヤだ、やめてくれぇぇぇ……っ !!)
彼女は面白くてたまらないといった顔で、泣きながら首を振る栄太を嬲り続ける。
「すごぉい、こんなにエッチなお汁が溢れてるぅ……もうサイコ〜♪」
「ふぅっ! はふぅぅっ !! うむぅぅぅっ !!」
「栄太クン、オンナノコの素質あるわよぉ……うふふふふ……」
彼が否定すればするほど、栄太の膣は蜜を垂れ流して沙紀を喜ばせる。
そして彼の方も、いつしか心の片隅に嫌悪とは違う感情が芽生えているのを自覚していた。

(う……うぅ……俺、おれぇ……!)
――気持ちいい。
激しい責めと高ぶる快楽に、もはや彼自身もその事実を認めざるを得なかった。
由紀と何度か交わったことはあったが、そのとき彼女がこんなにも感じていたとは思わなかった。
(こ、これが……女の……)
硬くて太いモノを入れてほしい。蜜壷をグジュグジュにかき回されて思う存分嬌声をあげたい。
抑えきれない女の本能にとうとう栄太は屈服して、涙と鼻水で顔を汚して苦しげに息を吐き、
媚びるような視線を沙紀に向け自分から性器への罰を乞い願った。
それが伝わったかどうかはわからないが、沙紀の手つきはどんどん過激に、淫らなものになっていく。
「ふぅぅっ !! ふぅおおぉぉおぉっ !!」
(いい――いい、沙紀さんいいっ !! これキモチイイっ !!)
「うふふ、可愛い……栄太クン、好き……大好き♪」
沙紀はとどめと言わんばかりに彼の下半身に覆いかぶさり、
小さな陰核を指で弄びながら張形で膣を思い切り刺し貫いた。
「――あぐうぅぅぅぅぅっ !!?」
――プシャアアアアァ……。
ひときわ大きな動作で栄太の体が跳ね、陰部から熱い汁が床にこぼれた。
べとべとになった乳房は乳首がピンと立って天井に向けられている。
「……あはぁ、イッたのねぇ……いい顔だわぁ……」
そのままピクピクと身を震わせながら焦点の合わぬ目で虚空を見つめる栄太を
彼女はしばらくの間、熱のこもった眼差しで見つめていた。

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



栄太の意識は闇に飲まれ、現世と夢の狭間を彷徨っている。
(う……あ……)
上下も左右もわからない虚無の世界で、彼は目を閉じたまま動けずにいた。
手足の感覚もおぼろげで、自分が自分なのかもよくわからない。
(俺……どうしたんだろ……)
自分が溶けて辺りに拡散してしまったかのような錯覚。
何をすることもなく、何をすることもできずに栄太はただここに漂っている。
そんな彼に、どこかから唐突に声がかけられた。
「――やあ。こんばんは」
(誰……だ?)
聞き覚えがあるのかないのか忘れてしまった、そんなどうでもいい声。
透き通る水晶のようなその声の響きも、今の彼にとっては何の意味ももたなかった。
囁きに合わせるように闇がゆらめき、一人の人間の姿を形作る。
栄太が苦労して目を開けると、そこには彫刻や絵画の世界から抜け出したのではないかという
端正な顔立ちの少年がたたずみ、やや呆れた顔でこちらを見つめていた。
「……しかし、まったく君ってやつは……」
少年はため息をついてそう口にした。
そんな動作でさえも、この少年には完璧な美となって周囲の空間を従えてしまうようだった。
「せっかく彼女に負けない力をあげたのに夜の玩具とか、事態が悪化してるじゃないか。
 これじゃ何のためにその姿にしたのやら……やれやれ困ったもんだ」
ちらりとこちらを見る。
それにつられて栄太が自分の姿を見下ろし、彼ははじめて自分がセーラー服を着た
茶髪の少女になっていることを認識した。
(ああ、そうか――俺、由紀に……)
記憶の一部が掘り起こされて生々しく蘇る。
自分が由紀になったこと。彼女と彼女の姉の遊び道具にされたこと。
そして夜、沙紀に犯されて女の快感を味わってしまったこと。
「――はあぁ……」
鈍い頭が一連の事実に火照り、恥じらいと興奮が吐息となって漏れ出した。
少年はそんな栄太に構うことなく淡々と言葉を続ける。
「仕方ないから元の姿に戻してあげるよ……あーあ、君には結構期待してたのになぁ」
何を期待していたのかはわからないが、どうやらこの少年は栄太に失望しているらしい。
だが彼は少年に怒りを覚えることもなく、ただぼうっとして彼を眺めるだけだった。

(戻れる、のか……俺……?)
今日一日体験した由紀の体。それが終わり、彼は佐藤栄太として元の生活に帰れるのである。
栄太の心は半分が喜びと安堵に、そしてもう半分が不満と失望に彩られていた。
(ふぅ、このカッコともお別れか……。まあ、でも……いい経験だったかな……)
口を安らかな笑みの形に変えて少年を見やる。
また明日から由紀との平和な日常が始まるだろう。彼女の意外な側面、
そして女の感覚や生活に触れた栄太はもっと由紀と理解し合えるはずだ。
それだけはこの少年に感謝しなくてはならないと思う。
「それじゃあ僕はもう行くよ。彼女を大事にね」
その言葉と共に少年の姿が薄れ、闇に消えていった。
栄太の姿も同じように闇に溶け、だんだんと輪郭を失っていく。
(あぁ、俺が――消えてく……)
薄れゆく意識の中、彼はぼんやりと由紀のことを考えながら再び眠りについた。


東の空が白み、朝日が顔を出そうとしている。
薄明かりのついた室内に三人が横たわっていた。
「――ん、寒……」
朝の冷えた空気に軽く身を震わせ、一人の少女が目を覚ます。
薄手のパジャマの前ははだけ下は脱がされ、裸に近いあられもない姿になっていた。
これでは風邪をひいてしまってもおかしくない。
彼女はとりあえずパジャマの前だけをとめ、ゆっくりとその場に起き上がった。
すぐ隣では長い金髪の女がいびきをかいて布団にくるまっている。
「え、あれ……?」
少女は自分の体を見下ろし、不思議そうな顔をしている。
その表情が疑問から驚きに変わり、怒りに変化したのは間もなくのことだった。
「――あいつ……戻ってねえじゃねーか……!」
年頃の少女には似つかわしくない乱暴な言葉遣いで吐き捨てる。
騙されたような気持ちで立腹し、彼女は何気なくそのまま室内を見回した。
壁の辺りに置かれたベッドには何も知らない少女が眠っているはずだった。
「はあ、由紀……」
軽く息を吐いてベッドに近づき、起こそうと中をのぞき込む。
まだ起きるには早い時間だが、とにかく誰かに愚痴を聞いてもらいたくて仕方がなかった。

「……おい、由紀―― !?」
そのとき、少女の顔が先ほどよりも激しい驚愕に歪んだ。
まるで死人でも見たかのように目を見開いて全身をわななかせている。
彼女は慌てた様子でベッドで寝ていた人間を揺り起こし、大声で問いかけた。
「――おい、おい !? お前っ !?」
「……ん、誰ぇ……?」
やがて身を起こしたのは、高校の制服に身を包んだ一人の少年だった。
眠そうに目をこすり、自分を起こした少女を見つめている。
「あ、あたし……じゃなくて栄太か。もう学校行く時間なの?」
「いや、そうじゃなくって……お前、ひょっとして由紀か?」
「……あたしがあたしじゃなくて何なのよ。眠いんだから変なこと言わないでよね」
不機嫌な声でそう言った少年を、少女は震えて指差している。
その顔も声も昨日の自分と全く同じ、男としての佐藤栄太の姿だった。
「由紀、お前……俺になってる。んで俺はお前のまま……」
「え? 何馬鹿なこと言ってんのよ。あたしはあたし――きゃああああぁっ !!?」
少年は自分の体を見下ろしてかん高い悲鳴をあげた。
その黒いズボンの股間からは硬くなった肉棒が力強く布地を押し上げている。
「……もう、朝から大声出さないでよねぇ〜。お姉ちゃん眠〜い……」
横で眠そうに文句を言う沙紀に目もくれず、二人は狼狽して騒ぎまわった。
「な、なんであたしがあんたになってんのよっ !? どーなってんのこれ !!」
「さてはあんの野郎――間違えやがったなぁっ !!? 絶対ブッ殺す !!」
「ち、ちょっと栄太ぁ! コレ何とかしてよっ !!」
「うるせー、男の朝立ちってのはそんなもんだ! いちいち騒ぐんじゃねえっ!」
「な、何ですってぇっ !?」
「だから静かにしてってばぁ〜!」
早朝だというのに賑やかな坂本家の騒動は、まだしばらく収まりそうになかった。

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