「勇猛で知られた騎士であるそなたも、女になってしまえばか弱いものよのう」
グレン帝国の皇帝は腰掛けた王座から剣士ルインを見下ろし侮蔑の笑みを見せる。
剣士ルインは口惜しげに唇を噛み、目尻に涙を浮かべながらうつむいた。
美しい女である。年齢は二十代半ば。波打つ黄金の髪を長く伸ばした絶世の美女だ。
身長は百八十センチほどの長身。男ならばむしゃぶりつかずにはいられない豊満な乳房、くびれた腰、形のいい大きな桃尻。
どこからどう見ても超一流の美女である。それが一糸まとわぬ姿で謁見の間に立たされ、大勢の視線に晒されていた。
この女がつい数日前までは泣く子も黙るオールドムーン王国の騎士団長、史上最強の騎士であったのだと言われたところで、だれも信じることはできないだろう。
なぜなら騎士団長ルインは正真正銘の男性であるはずだからだ。
二メートルを越える長身と鍛え抜かれた強靭な肉体を誇り、並の人間では持ち上げることすらかなわぬ大剣を自在に使いこなし、あらゆる敵を切り裂き、屠る。それが人々に伝えられているルインの姿。
だが、この美しい女がルインであるというのもまた、正真正銘の事実なのだ。


領土拡大の野心が旺盛なグレン帝国がオールドムーン王国に宣戦布告をしたのが一年前。
数多くの国家を攻め滅ぼして人材や知識、技術、文化を吸収し、兵員を増強、高度な戦略を展開。
さらには最新鋭の兵器を駆使するグレン帝国の圧倒的な軍事力の前に、オールドムーンはまったくの無力に等しかった。
いかに騎士団が強力、ルインが最強の騎士であるとはいえ、しょせんは戦力が違いすぎたのだ。
瞬く間にオールドムーンの首都寸前まで迫った、超巨大移動軍事要塞ギガント・ノア。無敵の火力を有する最新鋭兵器を前にして、オールドムーンの民の心には絶望が広がった。
だが、そのギガント・ノアにグレン帝国皇帝バルノスがいるとの情報を入手したとき、ルインは起死回生の手段を決行することにしたのだ。
ギガント・ノアに潜入して、皇帝を暗殺する。
あまりにも危険度の高い選択であったが、もはやオールドムーンが生き残るためにはこれしかなかった。


あまりにも危険度の高い選択であったが、もはやオールドムーンが生き残るためにはこれしかなかった。
現皇帝のバルノスは冷酷でしたたかな男。有能だが、それゆえに帝国内部にも敵が多く、彼が死ねば帝国は後継者争いが勃発して侵略戦争どころではなくなる。
ルインたちは、オールドムーンを救うため、皇帝暗殺という一発逆転のわずかな希望にすべてを賭けた。
そして、敗北した。
敗因は簡単だ。皇帝バルノスはルインたちが想像していたよりもはるかに強かった。
筋骨隆々とした大男でありながら疾風のごとく駆け抜け、ルインと渡り合う腕力と剣技を誇り、強力な魔法をも自由自在に操る最強の皇帝は、オールドムーン騎士団の奇襲を容易に返り討ちにしてみせたのだ。
少数精鋭でギガント・ノアに潜入した、わずか三十名の団員たちは、ひとり残らず生け捕りにされた。ルインは最後まで勇敢に戦ったが、仲間を人質にとられて恫喝された際の一瞬の隙をつかれ、倒された。
気絶したルインが目を覚ますと、そこはギガント・ノアの内部にある牢獄だった。両手を手錠で縛られ、足枷をつけられ、冷たい床に転がされている。しかも衣服をすべて剥ぎ取られていた。



囚われの身になってしまったルインだが、絶望はしない。まだ殺されてはいないのだから。たとえ生きているのが自分だけになったのだとしても、生ある限りはあきらめない。必ずここから脱獄し、皇帝を討つ。
決意を固めたルインだったが、本当に絶望するのはそこからだった。
冷静になってくると、ふと、自分の身体が少し小さくなっていることに気づく。
岩石のごとき筋肉の鎧に覆われていたはずの全身が丸みを帯びて柔らかくなり、胸にはあってはならない膨らみが存在し、股間にはあるべきはずのものがなかった。
ルインは思わず悲鳴を上げた。その声ですら、自分で知っているものよりも不自然なほど高い声だった。
「おい、やっと目覚めたようだぞ」
「ヒャハハ、お嬢さんのお目覚めだ!」
あわてふためくルインを馬鹿にするような声が、鉄格子の外から上がった。看守たちだ。



「これはどういうことだ! なぜ私が女になっている!?」
半狂乱になって声を荒げるルイン。いかなる厳しい修業にも耐え抜いた頑強な精神が、いともたやすく掻き乱されてしまっている。
看守たちは下品な笑みを浮かべながら言った。
「偉大なる皇帝陛下の秘術だよ。おめでとう! あんたは女になったんだ」
「う、うそだ・・・・・・そんな・・・・・・私が、女に・・・・・・?」
青ざめた美しい顔立ち。今まで恐怖というものを感じたことのないルインだったが、このときばかりは、得体の知れぬ寒気のようなものを感じて身を震わせた。
そして、ルインの悪寒は的中する。
その日からすぐさま始まったのである・・・・・・雌奴隷ルインの屈辱にまみれた淫靡なる日々が。
屈強なる騎士団長ルインの物語が終わりを告げた瞬間であった。



まず最初に、ルインはバルノスの待ち受ける謁見の間へと向かうことになった。同行する四人の兵隊が見張っている。
もちろん、衣服など与えられることはなく、全裸のままである。
豊満な乳房の先端にある可愛らしいピンク色の乳首も、黄金の茂みが生えそろった秘所も、大きな白い尻も丸出しである。
道中、すれ違った兵隊どもの欲情した視線を無数に浴び、卑猥な軽口を叩かれ、乳房さや尻を遠慮なく触られ、足を止めようものなら鞭打たれた。
(私は男だ! 私は男だ! こんなことをされても恥ずかしくなどない! 私は女ではないんだ!)
身を焦がすような屈辱を少しでも和らげるため、自分にそう言い聞かせるしかなかった。
やがて、謁見の間に到着した。
王座に座るバルノスは尊大な態度で敗者ルインを迎え、冒頭の台詞を言い放ったのである。
うつむいていたルインは顔を上げ、バルノスを睨みつけた。


「私の身体を元に戻せ!」
「断る。なぜ元に戻す必要がある? せっかく美しい女になったというのに」
「私は男だ! 誇り高きオールドムーン王国騎士団団長、ルインだ!」
「ああ、そうだったな。だがこれからのそなたは、雌奴隷ルインとして生きるのだ」
あまりの言葉に絶句するルイン。
ニヤニヤとした笑みを浮かべるバルノスが指をパチンと鳴らした。
「犯せ」
皇帝の命令が下った。
数十人の衛兵たちが、興奮した顔つきを隠そうともせず、ルインへと歩み寄る。
「や、やめろ、来るな!」
焦った声を上げるルインだったが、その言葉に耳を貸そうとする者がいるはずもない。
たちまち衛兵たちに捕まってしまったルインは床に押さえ付けられ、いまの自分の非力さを嫌というほど思い知らされた。
(こ、こんな連中、いつもなら敵ではないのに!)
普通の人間とは比べものにならない怪力を誇ったルインならば、たとえ数十人の衛兵に押さえ付けられようともはねのけられたはずだ。
だが、もはやルインからはかつての怪力が失われている。
ルインは、ただの女になってしまったのだから。


「やめろ! やめっ」
「うるせえ!」
バシィィィンッッ!!
凄まじい音が鳴り響く。
ルインの抵抗をうっとうしく思った衛兵のひとりが、むきだしの無防備な尻を平手で打ったのだ。
「ひぎあああああッッ!?」
たまらず甲高い悲鳴を上げるルイン。
どんな苦痛からもルインを守ってくれていた、鍛え上げた鋼鉄の肉体はすでにない。
いまのルインを包むのは柔らかな脂肪。痛みを和らげてはくれない。
「でかいケツだぜ! 騎士団長さんよお!」
バシィィィン! バシィッ、バシィィィン!
ビシイイイッ!
「ぎっ、ひぎいいっ、やめ、あぎああああっ、やめろおおおっ」
叩くたびに背を弓なりに反らして泣き叫ぶルインを面白く思ったのか、その衛兵は十回以上も平手打ちを繰り返した。
「おい、面白そうだな」
「俺にもやらせろ!」
「いいぜ! おとなしくなるまでケツをブッ叩いてやりな!」
「そ、そんなっ、もうやめっ」
バシィィィンッッ!
「ひぎゃあああああっ」



結局、十人以上の男たちが情け容赦のないスパンキングを楽しみ、肉を叩く音は数え切れないほど鳴り響いた。
叩かれ続けたルインの尻は哀れなほど腫れ上がり、真っ赤に染まってしまっている。
「見ろよ、こいつのデカ尻を」
「ハハハ、真っ赤だ。まるで猿だな」
衛兵どもの笑い声。
ルインは惨めにもゴミのように床に転がり、全身をピクピクと痙攣させていた。
あまりの悲しみと痛み、屈辱のあまり、ルインの瞳からは光が失われ、涙をぽろぽろとこぼしている。
しかし、ルインへの凌辱はまだまだ始まってすらいないことを、彼はまだ知らない・・・・・・。
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