性転換療法

熱烈な恋愛の末、結婚した治憲と佳菜だったが、
「なるほど、最近、妻との仲が上手くいっていないって事か」
「一体どうすれば」
同僚の幸弘に相談すると、あるしせつの資料を見せられ、
「僕も結婚する前だけど、妻と一緒に行った事があって」

幸弘に渡された資料を手に帰宅すると、佳菜が、
「ねえ、私達のこれからの事なんだけど」
結婚して10年近くになるが、なかなか子供に恵まれず、
その事に子供好きの佳菜は苛立ちを感じているのだが、
「友達がね、そのチラシ・・・」
佳菜が治憲の持っているチラシを見て、
「今度、一緒に行きましょう」
「休みぐらいゆっくりさせて・・・」
「もう私だけ行っても何にもならないの」
「わ、分かったよ」

治憲と佳菜が資料に書かれていた施設へ向かうと、
「今後の夫婦生活に不安があるのですね」
自分達の悩みに真摯に対応する相談員に佳菜は、
「治療が必要って、費用とかは」
不安げの様子に相談員は、
「いえ、無償で行いますし、すぐに終わりますので今から始めましょう」

治憲と佳菜はそれぞれ別の部屋に案内され、
「衣服は全て脱いでからあちらに入って下さい」
治憲が服を脱いでから指示通りにある装置に入っていくと、
装置の透明な球体の部分に緑の液体が注ぎ込まれ、
「では私はこれで」
案内をしていた女性がその場を去っていくと、
「ま、待って下さ・・・」

透明な球体が液体で満たされると、治憲は意識を失うが、
しばらくして勃起していたペニスが勝手に射精し始めると、
乳首の辺りが腫れて、胸が膨らんでいき、
最近、弛んできたお腹周りが引き締まって、腰の辺りがくびれ、
髪の毛が伸びて肩に触れる程になり、
次第にペニスは小さくなりながら体内に吸収され、
やがて液体は排出され、治憲は意識を取り戻すが、
「ど、どういう事だよ」
まるで中学生か高校生くらいの少女になっているのに戸惑っていると、
隣の部屋から、同じように男になった佳菜が、
「股間の出っ張った感触が慣れないな」
佳菜の股間には治憲が男だった頃のよりも大きなペニスが勃起しており、
「それにしても不妊治療ってのが俺達を性転換させる事だったとは」

治憲と佳菜は相談員の説明を受けて、施設を後にするが、
治憲はどうしても気になる事があった。
幸弘とは同期に入社しているが、それまで何の接点もなかった筈だ。
しかし、幸弘は入社した頃から何故か治憲の事をよく知っていた。
「もしかして」
ふと高校の頃に仲の良かった、幸恵というクラスメートの事を思い出し、
「アイツ、男勝りだったからな」
「どうしたの?」
「何でもない」
「あのさ、子供欲しいのはやまやまだけど・・・」
佳菜は股間にぶら下がっているペニスの感触に違和感を持っているが、
「俺も女になりたてだし、お前も男になりたてだもんな」
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