大樹「山本君、この書類先方さんに送っておいて。」
山本「はい。」
大樹「田中君は、このプロジェクトの骨子をもう一度まとめておいて。この導入部分がちょっと効率悪いよ。」
田中「そうですか・・・わかりました!次は課長を納得させてみますよ!」
大樹「お、その意気だ!がんばれよ!」

彼は西田大樹 38歳 前田建設の営業部の課長だ。
今日も彼は精力的に部下へ指示を出している。彼は部下からの信頼も厚く、上司からの受けもいい普通の出来るサラリーマンであった。

そして彼には2歳年下の妻「紗英」と中学二年生のかわいい娘「美夜子」がいる・・・

美夜子「お父さん、今度友達とスキーに行こうかな?って思っているんだけど・・・ダメ?」
紗英「あなた、2学期の成績上がったから許してあげてくださいな。」
大樹「んーー。友達ってだれだ?まさか!お・と・こじゃないだろうな!」ウガーーー
美夜子「ちがうよ!お父さん、トモちゃんとアキちゃんだよ!そんな、男だなんて・・・あたし・・・もてないし・・・」シュン
大樹「あはは、トモちゃんとアキちゃんなら安心だ。しかし、みゃこ、もてないって・・・こんなにかわいいのに!!」スリスリ
美夜子「ちょ、ちょっと頬ずりするのやめてよ!もーーー。お髭が痛いんだからね!」プンスカ
紗英「もーあなたったら!みゃこはもう中学二年生ですよ。そんなベタベタして・・・」ムー
大樹「あはは。妬いてるのか?もちろん紗英も愛してるよ」チュッ
美夜子「はいはい、そんなところでイチャイチャしないでくださる?多感な時期の中学二年生の娘がここにいるんですけどぉ。」ジーッ
イヤン・・・
イイダロ?
チュッー
美夜子「はー全く聞いてないし・・・」
美夜子「じゃ、ガッコいってきまーす・・・」
ウッフン
アッハン
美夜子「いってきます!!!」バン
大樹紗英「おおう!「びっくりしたぁ!いってらっしゃーい」」


第一話「Accept!なんで魔法少女!?」


大樹「そろそろ俺も行ってくるわ。」
紗英「行ってらっしゃい。」
大樹「そうだ、今日は会議があるからちょっと遅くなる。」
紗英「あら、夕飯は?」
大樹「んー何時になるかわからんから、俺の分は用意しなくてもいいや。」
紗英「わかったわ。行ってらっしゃい」チュッ


大樹の勤めている会社は、自宅から電車で約1時間半の場所にある。
大樹の自宅は所謂ベッドタウンというところで、娘の誕生を機に35年ローンで夢の一軒家をこの地に建てた。

ガタンゴー

大樹「ぐはっ・・・」ムギュ
大樹(はぁ・・・通勤ラッシュ・・つれぇなあ・・・)

通勤ラッシュを経験したことのある諸兄はわかると思うが、つらいよねぇラッシュ。苦しいよねぇ。

プルルル・・・ハイマエダケンセツエイギョウ2カデス

大樹「じゃ、先方さんのところいって契約まとめてくる。」

部下たち「行ってらっしゃい!」

大樹「期待してろよ!」

・・・・

ちょっと条件が・・・
もうちょっと練りなおしていただけないでしょうか・・・
大樹「はぁ・・・わかりました。改めて出直してきます。」

・・・・

大樹「あーあー。契約できなかったか・・・むー何がいけなかったのかなあ・・・完璧だと思ったんだが・・・」

大樹は取引先との契約に失敗してしまい、少々落ち込んでいるようだ。

大樹「どうしてかなぁ・・・・みんなに合わせる顔がないな・・・」ショボン

ドドーーーン!!!

大樹「うぇ!?な、何の音だ???」

突如として鳴り響く轟音!大樹は音がした方向を探した。
そして、あたりを見回して周囲がおかしいことに気がつく。

大樹「な、なんだ・・・・ここ!!!空が赤?いや紫?え?緑?なんだこりゃ!」
大樹「と、ともかく、どっから音がした???」

大樹はキョロキョロして辺りを見回すと、ビルの向こうから煙が上がっていることに気がついた。

大樹「あっちだ!」タッタッタ

大樹「って・・・さっきまで人がいっぱい歩いていたのに・・・だれもいないなんて?避難したのか?」キョロキョロ

大樹「あ、あれはなんだ?げっ・・・」


大樹「か、怪物ぅ???!!!」


ぐぎゃぁぁぁぁぁ!!
ドーン
ドーン

???「ったく!しつっこいわねえ!!!!これでどうだぁぁぁぁ!!!」キュイーーーーン
カッ
ッドーーーン!!

大樹「な、なんだ?あれ・・・・お、女の子???なんで???」

???「アーシィ!右から来てるよ!!」
アーシィ「わっかってるわよーーーー!!」
ガキィィィン

アーシィと呼ばれる少女は大きなハンマーを片手に怪物に向かっていった。

アーシィ「アースハンマーであの無獣をたたくから、アルデバラン!右の奴はあなたが防いで頂戴!」
アルデバラン「わかった!」

大樹「ね・・・こ???ねこがしゃべってる??」
大樹「はっあの女の子!後ろの奴に気が付いていない!危ないぞ!!!!!」

大樹は考えるよりも早く動いていた!

アーシィ「!!!な、なんで一般人がこのウィッチーズスペースにいるのーーーー!!??」
アルデバラン「しらないょぉおお!!!」ガッキイーン
アーシィ「ちょっと、あなた!危ないわよ!離れていなさい!!!」

しかし、大樹には全く聞こえていなかった。

大樹「あ、あぶなーーーい!!」

グシャ!

大樹「ぐ、ぐっはぁぁぁ・・・・!な、なんだこれ・・・・かはっ」ポタタタ
大樹「血、血か???や、やられのか?俺・・・」

アーシィ「後ろから?!あの人!あたしをかばって???」
アーシィ「アルデバラン!凍結フィールド展開して!」
アルデバラン「正気か?アーシィ!今使ったら君のエネルギーがなくなるぞ!」
アーシィ「だ、だって!今助けないとあのひと死んじゃう!!!」
アルデバラン「わ、わかった!」
アルデバラン「凍結フィールド展開!座標x231y4321!」

フィーーーーーン!!
カキーーーン
グギャァァ・・・

アーシィ「と、とまったわね・・・」

ダッ
アーシィは大樹の倒れているところに駆け寄った。
大樹の倒れているところは血の海になっていた。


アーシィ「ひ、ひどい・・・」
アルデバラン「これじゃ、もう助からないよ・・・」
アーシィ「いや、助けるの!」
アルデバラン「しかし、どうするんだ?助けるっったって・・・」
アーシィ「こうなってしまったら、気の毒だけどあの方法を使うしかないわ。」
アルデバラン「ま、まさか!」
アーシィ「そのまさかよ。スピカを呼んで頂戴。このヒトがここにこれたって事はその素質があるってことよ。」
アルデバラン「だって、このヒト男だし、しかも結構おじさんだよ?」
アーシィ「いいの!しょうがないでしょ?いいから呼んで!」
アルデバラン「わかった!どうなっても知らないからね!」

アルデバラン「n&θλ§БΞй・・・・」

シューーーーーン
アルデバランが呪文を唱えるとある一点に光が集まってきた。
その光は徐々に形が作られ、最終的には光る猫のような姿になった。

アルデバラン「スピカ、ようやく君の出番だよ。次が見つかったんだ・・・」
スピカ「ふぁぁぁ。久しぶりねアルついにあたしの出番ってことね。って戦闘中なの??」
アーシィ「スピカ!再開を懐かしんでいる場合じゃないわ!このヒトが適合者よ。」
スピカ「きゃっ!血まみれじゃないの!っておとこぉぉぉぉぉぉぉ??なんであたしが担当するのが男なの???しかもおじさんじゃない!」
アーシィ「いいから、早くしないと死んじゃうの!それに、この凍結フィールドも長くは持たないわ!」
アルデバラン「おねがいだ。スピカ!やってくれ。」
スピカ「しょうがないわね・・・アルとアーシィの頼みじゃやるしかないじゃない。」
スピカ「離れていて頂戴」

スピカは大樹の前に行くと体の上にピンク色のハート型の宝石のようなものを置いた。

スピカ「コネクト!我スピカはパートナーとしてこの者の精神、肉体、時間を接続する!そして新たな魔法少女として構築、再生を行う!」

スピカは背中から生えた羽を伸ばし、大樹の体を包みこんだ。
すると、ハートの宝石が輝き出し、まず止めどなく流れていた血を止め、次に傷が塞がっていった。

シューシュー

そして驚いたことに傷が完全に無くなると、大樹の体が宙に浮かび上がった。
完全に大樹の体が浮かび上がると、体全体が光り輝き、どんどん光は強くなって光がまるで繭のようになった。


光の中では何が起こっているのだろうか・・・

スピカ「大樹・・・大樹・・・聞こえてる?」
大樹「ん・・・・あ・・・・お・・俺は・・・・死んだ・・・のか??」
スピカ「いいえ、あなたは死んでいないわ。私が再生させたの。」
大樹「ね・・・ねこ?喋ってる?なんだ、やっぱり死んだんじゃないか。」
スピカ「ねーあなた私の話聞いてる?再生させたって言ったでしょ?」
大樹「え?え??どういうこと?」
スピカ「あなたはアーシィと無獣との戦いに巻き込まれて瀕死の重傷を負ったの。だから私が呼ばれ、あなたを再び蘇らせたの。」
スピカ「ただし、あなたはこれからこの戦いに参加しなくてはならない。」
大樹「な、なんで?」
スピカ「それは私とコネクトしたから。私たち種族とコネクトした者は敵組織ダークウィチーズから狙われる運命にあるの。」
大樹「なんだそりゃ!そんなことが本当に?マンガやアニメじゃあるまいし。」
スピカ「だから、あなたには変身する能力を授けたから変身してダークウィッチーズと戦ってちょうだい。」
大樹「変身って○面ライ○ーとかウルトラ○ンとかみたいにか!俺小さい頃から憧れてたんだ!」
スピカ「はぁ・・・あなたのんきね・・・これから戦うってのに。」
大樹「で、どうやって変身するんだ?ベルトつけて変身!ってポーズするのか?」
スピカ「いいえ、このハーティジュエルはチョーカーになってるから、首にこのハーティジュエルを巻いて、こう叫んで手で術式を描いて頂戴。」
スピカ「アクセプト!キューティメタモルトランスレーションエアリィアップ!」
スピカ「あなたの声で叫べば術式はハーティジュエルが自動的に手を動かしてくれるわ。」
大樹「・・・・なんだって?ずいぶん女の子っぽいな・・・」
スピカ「しょうがないでしょ。このハーティジュエルはそういうものなんだから。」
大樹「しょうがない・・・」

スチャ

大樹「アクセプト!」
大樹が叫ぶと首のハーティジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
大樹「キューティメタモルトランスレーションエアリィアップ!」

するとハーティジュエルからピンク色の光が出て大樹の体にまとわりついていく。
パキィンと光が弾けるとハート型の花びらのようなものが舞う。
花びらの中かから現れるのは・・・

腕は白にピンク色の縁取りがされたロンググローブ
足はハイヒールのようなロングブーツ
頭はピンク色の髪になり急激に伸びていき、ツインテールのように
そして、最終的に首にあるハーティジュエルからリボンのようなものが出て全身を包み込む。

大樹は膝をかかえリボンにつつまれると。
体が小さくなっていき、体の線が丸くなっていった。
そして、自分の胸が窮屈になっていくのを感じた。

大樹(な、なんだ・・・何が起きている・・・体が熱い・・・胸が苦しい・・・光で何も見えない・・・)

光が収まり、大樹は周りが徐々にに見えてきた。
そして、無意識に叫んだ。


大樹「そよ風のように幸せ運ぶ!キューティエアリィ!おまたせっ」

大樹(ん?なんだ今の声・・・誰が喋った?)
大樹(なんかあの女の子以外に大きいんだな。私と同じくらい・・・え?私?なんで?)

アーシィ「よかった!助かったのね!エアリィ!」
大樹「え?なんで?エアリィ?私の名前・・・」
アルデバラン「アーシィまだ混乱しているみたいだよ?鏡持ってる?」
アーシィ「あ、そっか。はい、これが今のあなた。エアリィよキューティエアリィ。」
エアリィ「え?ピンク色の髪の可愛い女の子・・・え?」
エアリィ「私の娘と同じくらいの年か・・・?あれ?これ私??あれーーーーー!!!????」
スピカ「ようこそ。私たちの仲間へ。あなたは魔法少女キューティエアリィよ。」
エアリィ「魔法少女ぉぉぉぉぉぉぉっ????!!!!なんで魔法少女!?」
スピカ「そうよ、あなたはこれから魔法少女としてダークウィッチーズたちと戦うの。」
エアリィ「胸!おっぱいがあるーーーー!!」
エアリィ「も、もしかして下も・・・?」コソコソ
エアリィ「な、ないーーーーー!!!」orz
エアリィ「変身っていうからもっとカッコイイものを想像したのに・・・女の子になってるぅぅぅ」orz
スピカ「ちょっと、話し聞いてるの?」プンスカ
エアリィ「妻と娘になんて言おう・・・」
スピカ「だ、大丈夫かしら・・・いささか不安が・・・」

アルデバラン「っく!もう・・・限界だ!アーシィ!君の変身も解けるぞ!」
アーシィ「わかったわ!エアリィ!続きをお願い!あいつを倒して!」
エアリィ「え!無理だって!」
アーシィ「無理でもやるの!大丈夫、私がだいぶダメージ加えたし、スピカがアシストしてくれるわ。」
エアリィ「まじぃ!?」シクシク
アルデバラン「っく!凍結フィールドが解除されるぞ!」

パキィィィィン

凍結フィールドが解けると同時にアーシィも黄色い光に包まれ、変身が解け普通の女の子の姿に戻った。

ぐがぁぁぁぁぁ!
そして無獣が動き出す。


エアリィ「しょ、しょうがない・・・いっちょやってやるか!」
スピカ「いくわよ!」
エアリィ「ど、どうすりゃいいんだ?」
スピカ「あなたの頭に必要な武器のイメージを送るわ。そして、敵の攻撃の方向も教える。
エアリィ「わ、わかったわ!」
大樹(う、うわぁ女の子言葉使ってる・・・無意識に出ちゃうんだなあ)
スピカ「飛ぶわよ!」
エアリィ「う、うん!」

ふわり

エアリィが飛ぶイメージをすると、エアリィの周りに風が巻き起こりなんと体が浮かび上がった。
エアリィ「うかんだぁぁぁ!」
スピカ「落ち着いて!あなたは大気を司ってるのだから空気を自在に操れる。だから飛ぶのもわけないわ!」
スピカ「ほら!左から攻撃来るわよ!」
エアリィ「う、うわあああ!」

ガキィィィン

エアリィ「っくぅ・・・ってぇ・・・」
スピカ「ほら、次は攻撃して!」
エアリィ「攻撃って言ったって!」
スピカ「キックでもパンチでもどっちでもいいから!」
エアリィ「だって、あいつ硬そうだよぉぉぉ!」

そのころ地上では・・・


明日美「だ、大丈夫かしら・・・」
アルデバラン「だから言わんこっちゃない。」
明日美「しょうがないでしょ!緊急だったんだから。」
明日美「きっと大丈夫だから、み、見守っていましょう。今あたしたちができるのはそれくらいよ。」
アルデバラン「わかったよ。」

そして上空では・・・

エアリィ「きゃぁぁぁん!」
スピカ「あなた!男でしょ!逃げてばかり居ないの!」
大樹(そうだ!西田大樹38歳!ここで負けたら男がすたる!家には妻と娘が待っているんだ!!)
キッ
エアリィは無獣を睨みつける。
エアリィ「そうよ、逃げるのはここまで!これ以上暴れさせないわ!覚悟しなさい!」
スピカ「その意気よ!」
エアリィ「いくわよ!!!エアリィ!インパクト!!!」

ッドーーーーン!!!
ぐげぇぇぇぇぇ!!!
グルルルル

エアリィ「私のパンチ・・・すごい威力・・・」
スピカ「感心してないで!ここまで弱ったら私がホールドするから、狙いを定めで止めを打って!」
エアリィ「わかったわ!」
スピカ「ホールド!座標x234y4328z35!無獣を固定化!」


無獣の周りに光の輪ができる。
その輪は回りだし、少しずつ速くなっていった。
速くなってくると、ランダムに無獣の周りを回りだし、ついには球体のようになって無獣を囲んだ。
シュンシュンシュン
カキーーン
グ・・・グ・・・グギャ・・・グルルル・・・

スピカ「いまだ!エアリィ!」

エアリィ「えぇ!わかったわ!」
エアリィ「我の呼びかけに応え、イメージを具現化せよ・・・ウィンドヴァーゴ!」

エアリィが叫ぶと彼女の手の中に弓が出現した。

エアリィ「いっくわよぉぉぉぉ!!!あたしの生活を邪魔するやつは許さない!エアリィシューティングスター!!!!」

ヴンッ

エアリィが弓を放つと、彼女の周りに無数のピンク色の矢が現れ、無獣に向かって飛んでいった。

バシュバシュバシュ!

グ・・・グァァァァァァ

すべての矢が無獣に突き刺さると苦しみだし、無獣を包みこむ光の球体がどんどん小さくなっていった。

そしてついには光の球体は一点に集中して弾けた。

ギャァァァァァァァァ

周囲には無獣の断末魔が木霊する。

明日美「や、やったわ!彼女・・・彼?やったのよ!」
アルデバラン「やれやれだ・・・」

エアリィ「はぁはぁはぁ・・・・やった・・・の?」
スピカ「ええ、終わったわ。初めてにしちゃ上出来よ。」
エアリィ「なかなかしんどいわね。これがずっと続くのかぁ。ふぃぃぃ。」
スピカ「ずっとじゃないわ。魔法少女が全員揃ってやつらに対抗すればダークウィッチーズを倒せるわよ!」
エアリィ「全員揃うってあと何人いるの?」
スピカ「あと二人よ。」
エアリィ「私が二人目になるまでどれくらいかかったの?」
スピカ「半年くらいかな?それまでずっとアーシィは一人で戦っていたのよ。」
エアリィ「えーん!まだまだ先じゃないのよぉぉ」


エアリィとスピカは地上に降り、地上で待つアーシィこと明日美とアルデバランに駆け寄った。

明日美「やったじゃない!おめでとう!あ、はじめまして。大地を司るキューティアーシィこと南野明日美です。」
アルデバラン「俺は明日美のパートナーのアルデバランだ。よろしくな。」
エアリィ「あ・・・私は大気を司るキューティエアリィこと西田大樹です。」
エアリィ「ね、ちょっと聞いていい?私、もとに戻れるよね?」
明日美「ええ、変身を解けば戻れるわ。」
エアリィ「よかったぁ。」
アルデバラン「しかし、無獣を倒したのはいいが、操者であるダークウィッチがいない・・・どこかに隠れたか、それとも無獣の単独暴走か・・・」
エアリィ「ダークウィッチ?」
明日美「ええ、私たちの敵、ダークウィッチーズは無獣を使って人々の悲しみを集めて世界を悲しみに包もうとしてるの。」
明日美「悲しみに包んだあと、世界を支配するつもりよ。」
明日美「そして、無獣を操っているのがダークウィッチと呼ばれる存在。恐ろしい敵よ」
エアリィ「そ、そうなんだ・・・私やっていけるかな?」
明日美「大丈夫!あなたならやれるわ。」
明日美「あ、ひとつだけ注意して。あたしたちが魔法少女だってこと、絶対に他人に知らせてはいけないわ。」
エアリィ「知られるとどうなるの?」
明日美「変身が解けなくなるわ。」
エアリィ「えぇぇぇぇぇ!!!このままは困る!」
明日美「バレなきゃいいのよ。」
エアリィ「そりゃそうだけど・・・ま、この姿バレたら恥ずかしくて表に出られないから絶対にばらさないようにするよ。」

アルデバラン「あ、ウィッチーズスペースが解けるぞ。」

色とりどりの空が溶けていき、普段の空の色に戻って行く。
それと同時にエアリィは光りに包まれ元の西田大樹に戻っていった。

大樹「はぁ。よかった。あのままだったら家族になんて言えばいいか・・・」
明日美「じゃ、何かあったらこれに連絡して。はいあたしのメアド」
大樹「あ、ありがとう。じゃ、これは俺のメアド・・・なるべく夜は送んないでくれるかな?妻に疑われちまう。」
明日美「そ、そうね。あなた妻子あるんだったわね。」
大樹「頼むよ。」
大樹「って、会社に帰る途中だった!早く帰らないと!」
明日美「大丈夫よ。ウィッチーズスペースでの出来事は、外の世界では時間が止まっているから。
あなたが迷いこんでからほとんど時間は経っていないわ。」
大樹「よかった・・・じゃ、俺急ぐから!」タッタッタ

明日美「あ、ちょっと!・・・ハーティジュエル首に巻いたままだったけど・・・
ちょっとカッコイイおじさんとはいえ、男の人がアレを付けているとちょっと怖いものがあるわね。」

大樹会社にて・・・
ちょっと、西田さん?首に巻いているの忘れてませんか?


大樹「あーみんな!ごめん!契約取れなかった!ただ、先方はまた企画書もってこいって言っていた。」
田中「か、課長、課長・・・」
大樹「田中君、なんだい?」
田中「首、首・・・そのなんか見えてます・・・」
大樹「あ!あああ!!!ちょ、ちょっとまってぇぇぇ、ト、トイレ!そう急にお腹が・・・」
タタター
山本「だいじょうぶ・・・かな???」

大樹「はぁはぁ・・・あっぶねー。これ付けてたら変態だよ
。このハート・・・ハーティジュエルって言ったか・・・ネクタイに隠れてハート型は見られてないようだ。」
大樹「はぁ、この先やっていけるかな。」



そして大樹は帰宅の途につく。


大樹「ただいまー。」
紗英「あら、あなた、意外と早かったのね。」
美夜子「おかえりーお父さん!」
美夜子「あれ?その後ろの・・・お父さん!猫買ってきてくれたの!?」
大樹「え?」
大樹はちらりと後ろを見る。
スピカ「ニャー」
大樹「えーーーー!」
紗英「何を叫んでいるの?あなた美夜子が猫飼いたいって言ってたのちゃんと覚えていたのね。」
美夜子「おいでおいでー」
スピカ「にゃーん」スリスリ
大樹「ちょっと、ちょっとまっててなー、外に置きっぱなしのものがあった。」
ガチャ
美夜子「変なお父さん。ねこちゃん連れていっちゃった。」

大樹「スピカ!なんで着いてきたんだ!」
スピカ「言ったじゃない。私とあなたはパートナーだって。」
スピカ「安心して。家族の前では猫に徹するから。」
大樹「安心って言ったってなぁ・・・トホホ」
ガチャ

紗英「あなた?大丈夫?」
大樹「あ、ああ大丈夫だ。」
美夜子「この猫なんて名前にしようかなー」
大樹「あ、も、もう名前決めているんだ。スピカってうのはどうだ?」
美夜子「いいじゃん、お父さんにしてはセンスいいと思うよ。」
大樹「そ、そうか・・・?」

大樹(これから先が思いやられる・・・)



次回予告!

ついに魔法少女になった38歳の男は戸惑いを覚えながらも魔法少女キューティエアリィとしてダークウィッチーズとの戦いを続けていく。
しかし、毎回無獣の操者であるダークウィッチに逃げられてしまう。
そしてエアリィは運命ダークウィッチとめぐり合うことになる。
果たして彼女とダークウィッチとの戦いはどうなるのか。
次回、「Beginning!ダークウィッチミーヤと遭遇」
エアリィ「あなたに何もかも変わる覚悟はあるかしら?」




アーシィ「いくわよ!エアリィは後ろに回って!」
エアリィ「うん!」
アーシィ「我の呼びかけに応え、イメージを具現化せよ・・・グランタウラス!」

アーシィが叫ぶとアーシィの持っていたアーシィハンマーが光を帯び、形状を変える。
エアリィ「エアリィスピア!」
エアリィは無獣に対して流星のようなキックを放った。

ドッゴォォォン
フォォォォォ!
アーシィ「今よ!アル!ホールドして!」
アルデバラン「わかった!ホールド!座標x1414y3325z11!無獣を固定化!」

無獣の周りに光の輪ができる。
その輪は回りだし、少しずつ速くなっていった。
速くなってくると、 ランダムに無獣の周りを回りだし、ついには球体のようになって無獣を囲んだ。
キュインキュインキュイン
カキーーン
フルルルル・・・ブォ・・ブォォォン
アーシィ「いっけぇぇぇ!!アーシィクェイク!!!」

パキン!
アーシィがハンマーを無獣に叩きこむと衝撃の強さの割に甲高い音がした。
アーシィ「貴方の心に響いたかしら?」パチン
アーシィが指を鳴らす。

その直後、体全体が波紋のように波打ち、体にひびが入った。
ズズズズズ・・・
ピシッピシピシッ
ギィィィィィン

フォォォォオオオオン
そして、無獣を取り囲む球体が徐々に小さくなり、光の球体は一転に集中するとはじけ飛んだ。

ダークウィッチ「っちぃ!こいつもダメか!」
シュン

エアリィ「あ・・・・また逃げた!」

無事に新しい魔法少女?が生まれてから何度か無獣と戦い、敵のダークウィッチを追い詰めることができるのだが、いつも逃げられてしまっていた。

エアリィ「ふう・・・また今日も逃げられちゃったか・・・」キュイーン
アーシィ「そうね、次こそは!」
大樹「あ、まずい!すぐに会社へ帰らないと!じゃ、あとはよろしく!」
明日美「あ!ちょっと!」
明日美「こっちもまた逃げられちゃった・・・一度時間作って話さないと駄目ね。」

そして、我らがヒーローインwキューティエアリィこと西田大樹は、いつも無獣を倒すとすぐにサラリーマン生活に戻って行くのであった。


所変わって大樹の一人娘美夜子は学校帰り。
普通の中学生と同じく、美夜子も友達とのおしゃべりが大好きなご様子・・・

美夜子「そうだね!トモちゃん、アキちゃん。」
アキ「じゃ、あさっての日曜日にスキー旅行のことで話しあおうよ。」
トモ「いいわね!10時に駅前のカフェで待ち合わせね!」
美夜子「うんわかった!じゃ、あたしこっちだから、またね!」
アキトモ「ばいばーい!」

美夜子「ふふふ・・・スキー旅行楽しみだなー。」
美夜子「スキー場で食べるカレーって格別なんだよねー・・・あ、ラーメンもいいなぁ・・・迷っちゃう。」
美夜子「ホテルの夕食ってバイキングだったよねぇ・・・あそこの名物は・・・やーんおいしそう・・・」イヤンイヤン

あのー、美夜子さん・・・何しに行くんでしょう。彼女はスキーよりも食い気のようですね。
ヨダレ、ヨダレ出てますよ。

美夜子「じゅるり」

???「美夜子・・・美夜子・・・聞こえるかい?僕だよ・・・」

美夜子はその声にハッとして周囲を見回した。
しかし、周囲を見回しても声の主は聞こえなかった。
???「美夜子、どこを見ているんだ。君の足元だよ」
美夜子は恐る恐る足元を見るとくま・・・でしょうか・・・ぬいぐるみがちょこんと座っていた。道端にくまのぬいぐるみ異様な光景です・・・
美夜子「あたしの・・・ぬいぐるみのくまちゃん・・・どうして。」
美夜子が打き抱えた瞬間、くまのぬいぐるみの目が赤く光・・・
美夜子はくまのぬいぐるみを抱き抱えたまま動かなかった。

???「ふふふっ聞こえているわよイオ。どうしたの?また悲しみが溢れたの?」
イオ「違う。新しい魔法少女が生まれたんだ。ミーヤ」
ミーヤ「へぇ。二人目か。やっと見つけたのね。じゃ、次は私が出てやろうかしら。」
イオ「ちょうどいい。悲しみが溢れそうな人間がいるんだ。明後日の日曜日盛大に溢れさせてやろう。」
ミーヤ「ふふふ。いつも一人の相手してたから飽きちゃっていたのよねぇ。楽しみだわ。どんな子かしら・・・」


美夜子「あら?あたし・・・どうして・・・ま、いっかぁ。」テクテク
美夜子はくまのぬいぐるみを抱えたまま帰っていった。どうものんきな人ですね。


第二話「Beginning!ダークウィッチミーヤと遭遇」


そして、またまた場面変わって大樹の職場・・・

山本「課長、資料ここに置いておきますね。」
大樹「ありがとう。」
ヴーンヴッヴーン
大樹「お、メールだ・・・」パカッ
大樹「北島・・・あいつか・・・」

明日美『今後のことでいろいろ話しておきたいことがあるから、今度の日曜日駅前のカフェで会えないかしら?』
大樹「え・・・今度の日曜日か・・・とりあえずなんもないけどなあ・・・紗英にはなんて言って出よう。」
大樹「うーん・・・しょうがない。休日出勤ということにして出るか。」
大樹『わかった。9時に待ち合わせしよう。それと、俺にメールするときは女の子言葉やめてくれないか?』ポチッ
ヴーンヴッヴーン
明日美『なんでよ』
大樹『考えてもみろ。俺みたいなおっさんが女の子とメールしてるの知られたらうちの家庭は崩壊だ。』ポチッ
ヴーンヴッヴーン
明日美『それもそうだな。わかった。今度からそうするぜ!』
大樹「ぷっ。これが男の言葉か・・・無理してんなぁ。なんだかんだ言ってまだ中二だもんなぁ。」


どうやら日曜日いろいろな約束が重なり合っているようですね。

そしていよいよ日曜日。

・・・

???「先生!512号室3番ベッドの患者さんが目をさましました!」

・・・

美夜子「ふぁぁぁ・・・あれー?今日お父さん仕事ー?」ネムネム
大樹「あ、ああ。そうなんだよ。参っちゃうよなあ。今日中にまとめないといけなくってさ。」
美夜子「ふーんそうなんだぁ・・・zzz」グー
紗英「美夜子ったら。まだそのくまちゃん抱っこして寝てるの?」
美夜子「だってー・・・zzzz」
紗英「ほら、あなたも今日お友達とお約束があるんでしょ?早く支度しないと!」
美夜子「はーい。ふぁふ。」
大樹「じゃ、行ってくる。」
紗英「行ってらっしゃい。」チュッ
美夜子「いってらっふぁーい」オメメゴシゴシ

さて、何とかごまかして出てきた大樹さん。
これから女子中学生と密会です。

大樹「人聞き悪いこと言うな!」

大樹「しかし・・・何度もこの手は使えないよなあ・・・」


チリンチリン
イラッシャイマセー

大樹「よっ早いな。」
明日美「よっじゃないわよ。なんでスーツなの!?」
大樹「しょうがないじゃないか。休日出勤だって言って出たんだから。」
ヨッコイセ
大樹「んで?話ってなんだ?」

明日美「あなたには、あたしたちのこと、敵組織のこと、詳しく説明してなかったから、
改めて説明しようと思って。」
大樹「ほうほう、それで?」

明日美「まず、敵組織、ダークウィッチーズについてだけど・・・」
大樹「ああ、あの怪獣を操るやつらのことだろ?さすがに何度かやってるとやり方もわかってくるよ。
毎回逃げられて悔しいよなぁ。」
明日美「そうよ。そしてあの怪獣は私たちは「無獣」と呼んでいるわ。ここまでは知ってるわよね。」
大樹「ああ、わかるよ。」
明日美「あの無獣はどこから来るのかわかる?」
大樹「うーん・・・どこだ?どっから連れてくるんだ?ジュラシックパークか?はははっ
まさかあいつらが飼っているのか?」
明日美「ふざけないで。連れて来たり、飼ったりしているんじゃないの。あの無獣ていうのは、人の悲しみが具現化した姿よ。」
大樹「悲しみ?世の中には悲しみだらけじゃないか。この前も紗英に小遣い減らされて・・・くーっ」サメザメ
明日美「そんな程度の悲しみじゃ無獣は生まれないわ。悲しみの質が違うのよ。」
明日美「その悲しみの質っていうのはね、悲しみを持っている人の深い絶望、そしてそこから生まれるやり場のない怒り、
やるせなさ、無力感といった性質の悲しみなの。
そういった性質の悲しみが蓄積され続けて人から溢れだしそうなとき、やつらはその人間に目をつける。」
明日美「そして悲しみを解消できずに飽和状態になった時にやつらは囁きかけるの。」

・・・君の悲しみの原因の全ては世界にある。だから世界を壊せばいい・・・

明日美「とね。」
大樹「こわいな・・・」
明日美「悲しみを逃がすことができないんだもの、その悲しみの逃げ道を作ってあげるだけでその人間は変質するわ。」
明日美「その無獣が生まれる直前の状態をやつらは、「悲しみが溢れた」と言ってる。」
明日美「ダークウィッチに囁かれた人間は、溢れた悲しみの力を具現化して無獣を作り出すのよ。」
明日美「その無獣は自らの力でウィッチーズスペースを作り出して、その中で暴れまわるの。」
明日美「幸いなことにウィッチーズスペース の中での小さな変化は外界への影響はないの。
だからあたしたちはウィッチーズスペースの中に入って小さな変化のうちに無獣を叩く。」
大樹「外界に影響がないならそのまま暴れさせておけばいいじゃないか。」
明日美「小さな変化はって言ったでしょ?
ウィッチーズスペースの中で破壊の限りを尽くすと中は大きく変化することになるすると、外界とウィッチーズスペースの均衡が崩れる。」


大樹「つまり・・?」
明日美「空気の入ったペットボトルを想像してくれるかしら?」
大樹「うん」
明日美「ペットボトルも少々空気が抜けたくらいじゃ形は変わらないわよね。」
大樹「そうだな。」
明日美「でも、その空気を全て抜くとどうなる?」
大樹「ペットボトルはひしゃげるな・・・もしかして・・・」
明日美「そうよ。均衡が保てなくなったウィッチーズスペースは空気が抜けたペットボトルのようにひしゃげる。」
明日美「その時外界の元々あった空間は捻じり取られるの。」
明日美「そして、ウィッチーズスペースができる範囲は悲しみの大きさにもよるけど、
無獣発生地点から大体半径5kmから10kmね。」
大樹「そんな広い範囲が捻じりとられるって言うのか・・・」
明日美「ええ、捻じり取られた空間はどうなると思う?」
大樹「めちゃくちゃになる?」
明日美「めちゃくちゃなのは確かだけど、やつらはその捻じり取った空間をエネルギーに変換して自分たちのものにするの。」
明日美「時々世界各地で起きる大規模地震・・・ニュースになるわよね。」
大樹「あ、ああ。まさか・・・」
明日美「そう、あれは捻じり取られた空間が影響してるのよ。」
明日美「だからあたしたちはそうなる前に無獣を倒して元の世界に戻すの。」
明日美「少しだけならウィッチーズスペース内が破壊されても外界には影響ないしね。」
大樹「そうだったのか。」
明日美「そうそう、無獣を倒したあと、忘れちゃならないのが、無獣を発生させた人間を助けること。」
大樹「助ける?」
明日美「だって、元は何も知らない人間だもの。ほっとくわけにはいかないでしょ?」
明日美「必ず近くにいるはずだから、探して助けてあげるの。」
大樹「じゃぁ、毎回戦ったあと、俺なにもしてないけど・・・」
明日美「そ、毎回あたしが助けて病院に連れて行っているのよ。」
大樹「そうだったのか・・・ごめんな。」
明日美「いいの。事情知らなかったんですもの。」
明日美「そ、それと・・・初めて会った時言えなかったことがあるの・・・」
大樹「なんだ?今になって。」
明日美「あの・・・その・・・た、助けてくれてありがとう///」カーッ
大樹「ああ、なんだ、そんなことか。気にすんなって。」
明日美「だって、あたしがもっとしっかりしていたら、あなたを巻き込むことはなかった・・・グスッ」ポロポロ
大樹「え、な、泣くなって!こんなのところで!」

え、女の子泣いてる・・・
大の大人が・・・
もしかして援助交際?
いやぁねぇ・・・
ヒソヒソボソボソ

大樹「ほら、あの!とりあえず泣き止もう。な、気にしてないから。」
明日美「うん・・・グスッ」

大樹(あーあ・・・変な噂立たなきゃいいけど・・・)
大樹(普段は気丈に振舞っているけど、こいつも娘と同じ中学生なんだもんな・・・本当はおしゃれしたり友達と遊んだりしたいだろうに。)


チリンチリン
イラッシャイマセー
ガヤガヤ

???「でさー、数学の先生に怒られちゃったわけよー」
???「やだートモちゃん!」
???「それよりおなかすいちゃったー」
???「みゃこは食いしん坊だから・・・それでそのスタイル反則だよねー」

大樹「ん?みゃこ??トモちゃん?・・・」チラリ
大樹「げーーーっみゃこじゃないか!!なんでこんなところに!」
明日美「どうしたのよ。」
大樹「じ、実は、俺の娘がこの店に入ってきた!」
明日美「それがどうしたの?」
大樹「だって、仕事だって言って出てきたんだぞ!いいか?こんなところで自分の父親が見ず知らずの女子中学生と会っているのを目撃してみろ!明日美ならどう思う?」
明日美「・・・疑うわね・・・間違いなく。父親のこと嫌いになると思うわ。」
大樹「あーしかも入り口付近に席取ってるし!こっそり出られないじゃないか!」
明日美「ばらばらに出て見つかったら偶然を装うとか?」
大樹「俺の会社はここから1時間以上離れたところにあるんだよ。
それがこんなところにいたんじゃどっちにしてもおかしいだろうが!」
明日美「あなたのパートナーに聞いてみたら?どうにかしてくれるかもよ?」
大樹「そんな、飼い猫つれて出てきているわけないだろう。」
明日美「あら、聞いていないの?自分のパートナーはどこにいたって呼べばテレパシーのようなもので応えてくれるし、必要ならテレポートしてきてくれるわよ。」
大樹「聞いてなかった・・・」
大樹「と、とりあえず、トイレに駆け込むから!」ガタタ

ギーィバタン

大樹「はぁはぁ・・・まずいなあ・・・ちょっと呼んでみるか・・・」
大樹「コホン・・・あーあーこちら大樹、スピカさん聞こえますか?どーぞー」
スピカ「なによ変な呼びかけして。」
大樹「実は、明日美と会っている時に娘が同じ店に来たんだ。」
スピカ「・・・浮気者・・・変態・・・」
大樹「ちがーう!」
スピカ「冗談よ。で、あなたはどうしたいの?」
大樹「娘にばれずにこの場をやり過ごしたい。」
スピカ「なんだそんなの。ハーティジュエルは持っているわよね?だったら変身すれば?」
大樹「ここはウィッチーズスペースじゃないぞ?ウィッチーズスペースじゃないと変身できないんじゃないのか?」
スピカ「戦闘モードはね。スタンバイモードなら現実世界でも変身できるわよ。」
大樹「そうか・・・でも、変身って言ったって女の子になるんだろ?ちょっとなぁ。」
スピカ「なによ、どうにかしたいんじゃなかったの?だったらそれしか方法はないんじゃないの?」
大樹「そうだよなぁ・・・で、どうしたらいいんだ?」
スピカ「よく聞いてね。」
スピカ「アクセプト!スタンバイメタモルトランスレーションエアリィ!」
スピカ「って叫ぶの」
大樹「叫ぶの?」
スピカ「叫ぶの!」
大樹「えーこんなトイレの中でかーそれにスピカがいないと変身できないんじゃ・・・」
スピカ「えーい!ごちゃごちゃ言わない!スタンバイモードはあたしがいなくても大丈夫なの!
あたしはもう眠いから話しかけないで!」
大樹「しょうがないなぁ」
大樹「アクセプト!スタンバイメタモルトランスレーションエアリィ!」


外の人「ビクッ!な、なんだ!?」

叫ぶと大樹の体はハーティジュエルから放たれたピンク色の光に包まれる。
体が徐々に小さく、体の線が丸くなっていった。
そして徐々に光が収まるとその姿が見えてきた。

外の人「トイレが光ってる・・・フラッシュ?と、盗撮?」

エアリィ「ふー変身できた・・・って、私スーツ姿のまま・・・ひぇぇブカブカだよぉ。」
エアリィ「私ってこんな大きかったんだ・・・とりあえず上着を脱いで・・・」ヌギヌギ
エアリィ「ワイシャツの袖とズボンの裾をめくって・・・」メクリメクリ
エアリィ「靴はしょうがないかぁ」カポカポ
エアリィ「よっと」
ギィィィ

外の人「ひっ・・・女の子??」

エアリィ「あ、ごめんなさーい、間違えちゃいました・・・」
ズルルカポンズルルカポン

外の人「あの女の子なんで男物の服着てるんだ?へ、変態?」

エアリィ「スタンバイモードだと髪の毛はピンクじゃないんだ・・・ちょっと茶色がかった黒って感じだな。」


明日美「あなた、変身したの!?」
エアリィ「あ、あはは・・・スピカはこうするしかないだろうってさ。」
明日美「そうかもしれないけど・・・」
明日美「その服、どうにかならない?」
エアリィ「しょうがないでしょ。これしかないんだから!」
明日美「あなた、社会人だからお金は持っているわよね。」
明日美「あなたの服を買いに行きましょう!」
エアリィ「えー!いいよこのままで。」
明日美「いいえ、あたしが恥ずかしいの!さ、行くわよ!」
スタスタ

アリガトウゴザイマシター

エアリィ「ちょ、ちょっと待って!このブカブカの靴歩きにくいんだから!って、私が奢り!?」
ズルルカポンズルルカポン
エアリィ「あ、支払いはカードで・・・」

アリガトウゴザイマシター


エアリィ「とりあえず服屋に来たけど・・・」
明日美「あ!これかわいい!これはちょっと大人っぽ過ぎるかなー?こっちもいいかも!」
エアリィ「楽しんでいるのは明日美じゃないのか??」


・・・
エアリィ「結局何着試着させられたんだ・・・」
明日美「とりあえず、ピンクのフード付きワンピと黒のニーソックス、靴は編み上げのショートブーツね。」
明日美「うん、かわいいじゃない。」
エアリィ「これ、スカートじゃなくってもいいんじゃないか?」
明日美「いいじゃない、おしゃれしたほうが楽しいわよ。」
エアリィ「そういうものか・・・」
明日美「そういうものよ。」
エアリィ「さて、どうする?もう一回どこかで話すか?」
明日美「・・・次は下着ね・・・」
エアリィ「えー!下着はいいよぉ。」
明日美「よくない!女の子の体はデリケートなんだからね!大事にしなきゃ。」
エアリィ「トホホ」

明日美「これなんかどう?フリルがとってもかわいいわよ。」
店員「サイズ測りましょうか?」
明日美「ええ、お願いします。この子初めて買うからわからないの。」
店員「は、初めてですか?」

店員「D70ですね。」
明日美「え・・・ま、負けた・・・お、男に負けた・・・」orz
店員「?」
エアリィ「あ、あははは・・・」

エアリィ「結局パンツも合わせて2セットずつ買ってしまった・・・」
エアリィ「終わりだ・・・私は男として終わった気がする・・・」orz
明日美「気にしないの。それよりほら、鏡を見てみて。」
エアリィ「え?」

エアリィは髪の毛も整え、下着をつけ、服を着替えて姿見を見た。

エアリィ「これが・・・私?・・・か、カワイイ・・・」
明日美「ほんと、あたしが嫉妬しちゃうくらいかわいい女の子よ。元男とは思えないわよ。」
エアリィ「元男って!オカマちゃんみたいに言わないでー」ポカポカ
明日美「ごめんごめん!でも、ほんとうかわいいわ。」

明日美「これからあたしと会う時は、変身してその服を着てから会うといいわ。」
エアリィ「・・・」
明日美「女の子同士ならおかしくないでしょ?」
エアリィ「確かにそうだけど・・・」

明日美「あー楽しぃ。今日はあなたとこういうことができてよかったわ。
女の子同士で買い物ってしたことなかったから・・・」
エアリィ「え、友達とかって・・・」
明日美「あたしは、学校でも浮いていて、友達なんて呼べる存在はいないわ。」
エアリィ「え・・・」
明日美「みんな気を使って話しかけてくれるし、いじめみたいなのはないけど・・・」
明日美「みんな気を使っているのがまるわかりなの。」
エアリィ「それって・・・」
明日美「あの・・・その・・・もしよかったら・・・これからもこうやってあたしと遊んでくれたら嬉しいな。」
エアリィ「でも、私は・・・」
明日美「それ以上は言わないで。わかってる。ただ、時々でいいの、こうして女の子同士のお友達として、あ、遊んでほしいなぁって・・・///」カァーッ
明日美「あの!あなたとお、男のままで会うと、あ、あたしが恥ずかしいからだから!その!無理にとは!あの!えっと・・・あー何が言いたいかわからない!」
エアリィ「あはは。明日美ちゃんもかわいいなぁ。」
明日美「え!そんな・・・そんな・・・///」


明日美「コホン・・・さっき、無獣を発生させた人間を助けて病院に連れて行くっていう話をしたわよね。」
エアリィ「うん」
明日美「病院に連れていくだけじゃだめなの。実は一番大変なのはそのあとよ。」
エアリィ「どういうこと?」
明日美「無獣化から救ったとしても、その人の心は悲しみに満ちたまま。また悲しみが溢れてしまえば無獣化は避けられないわ。」
エアリィ「そんな!」
明日美「だから、そうならないようにあたしが病院に行ってその人の話を聞いてあげるの。」
エアリィ「え、と、ということは・・・」
明日美「そう、学校が終わると毎日毎日あたしが救った人のところに行って話を聞いてあげてるの。」
エアリィ「そんなのって、まだ中学生だよ?遊びたいよね、お友達欲しかったよね?
辛すぎるよ・・・明日美ちゃん、今まで一人で頑張ったね。これからは私もいるからね。」シクシク
明日美「そんな、泣かないでよ。仕方が無いことなんだから。あたしが頑張らなくちゃ世界はもっと悲しみに包まれる。」
明日美「でも、一緒に戦える仲間ができてよかった。それは素直に嬉しく思う。」
エアリィ「ううん、仲間じゃない。仲間ってだけじゃない。もう私たちは友達だよ!」
明日美「エアリィ・・・ありがとう///」

・・・
アキ「じゃ、スキー旅行はこういうプランで行こうか!」
美夜子「ふふふ・・・ラーメン、カレー、鍋、バイキング、ステーキぃぃぃ!!」
トモ「みゃこちゃん、落ち着いて・・・何しに行くかわかってる?スキーだよ?スキー」
アキ「はーぁ・・・大丈夫かいな・・・」
アキ「じゃ、旅行の買い出しはまた次の日曜日にってことでぇ、今日は解散!」
トモ「うん、じゃ、またね〜」
美夜子「あれもおいしそう、これもいいなぁ・・・はっ・・・あ、トモちゃん、アキちゃんまたねぇぇ。」フリフリ
アキ「あははは・・・」

アリガトウゴザイマシター
チリンチリン

美夜子「スキー旅行楽しみだなあ。」
美夜子「お小遣いたりるかなぁ・・・お母さんはダメだろうなぁ。
お父さんに言ったらお小遣い前借できないかなあ。」スタスタ

フィン
突如として美夜子の前に立ちはだかるくまのぬいぐるみ。
イオ「美夜子・・・美夜子・・・目を覚ますんだ。」
美夜子「あたしの・・・くまちゃん・・・」
美夜子がくまのぬいぐるみを見ると、美夜子はゆっくりと目を閉じた。
次に目を開くと美夜子の目は鋭く、瞳はエメラルドのように緑色に染まった。
ミーヤ「ふふふ。イオ、遅かったじゃない。で、どうなの。」
イオ「機は熟した。あとは君が囁くだけで悲しみは溢れる・・・」
ミーヤ「場所は?」
イオ「ここから西へ約800mの市民病院、512号室だ。」
ミーヤ「わかったわ。飛んでいくわよ。」

ミーヤとイオはふわりと空中へ浮かびあがり、西の方へ消えていった。

そして、ミーヤが消えてからしばらくすると、空の色が変化しだした。
無獣が生まれた瞬間だ。


エアリィ「!空が・・・」
明日美「!!やつらが来たのね!」

エアリィたちが気がつくと既にあたりはウィッチーズスペースになっていた。

アルデバラン「明日美!無獣が出た!変身するぞ!」

エアリィ「スピカ!来て!」
スピカ「もう来てるわよ!って、女の子の格好・・・ぷぷぷっかわいいわよ。」
エアリィ「もう!茶化さないで!」

明日美「アクセプト!」
明日美が叫ぶと首の黄色いハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
明日美「キューティメタモルトランスレーションアーシィアップ!」

ハーティジュエルから黄色い光が出て明日美の体にまとわりついていく。
パキィンと光が弾けるとハート型の花びらが舞 う。
花びらの中かから現れるのは・・・

腕 は白に黄色の縁取りがされたロンググローブ
足はハイヒールのようなロングブーツ
頭は黄色の髪になって 急激に伸びてポニーテールになった。
そして、最終的に首にあるハーティジュエルからリボンのようなものが出て全身を包み込む。
リボンが腰に巻きつき、黄色いフリルがあしらわれたスカートになる。
リボンが体に巻きつき、黒いラインの入った袖が広く、襟が大きなフリルだらけの黄色いジャケットになる。

エアリィ「アクセプト!」
エアリィが叫ぶと首のピンクのハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
エアリィ「キューティメタモルトランスレーションエアリィアップ!」

ハーティジュエルからピンク色の光が出てエアリィの体にまとわりついていく。
パキィンと光が弾けるとハート型の花びらが舞う。
花びらの中かから現れるのは・・・

腕 は白にピンク色の縁取りがされたロンググローブ
足はハイヒールのようなロングブーツ
頭はピンク色の髪になり 急激に伸びていき、ツインテールのように
そして、最終的に首にあるハーティジュエルからリボンのようなものが出て全身を包み込む。
リボンが腰に巻きつき、ピンクの段々のフリルがあしらわれたスカートになる。
リボンが体に巻きつき、無数のピンクのラインのついた袖が広く、襟が大きなフリルだらけの白いジャケッ トになる。

アーシィ「大地の優しさで包んであげる!キューティアーシィ!おまたせっ」
エアリィ「そよ風のように幸せ運ぶ!キューティエアリィ!おまたせっ」


???「おーっほっほっほ!現れたわね!魔法少女!」

前時代的な笑い声とともに叫び声が聞こえた。
声が聞こえるビルの上を見ると・・・
エアリィと同じくらいの背、年齢の女の子が黒いボンテージファッションのような格好でエアリィたちを見下ろしていた。

アーシィ「出たわね!」
エアリィ「私たちと同じくらいの女の子・・・?」
アーシィ「あいつかぁぁ!」
エアリィ「知ってるの?」
アーシィ「油断しないほうがいいわよ。ああ見えてもかなり強いわよ。」
エアリィ「え、そうなの!?」

???「あなたが新しい魔法少女ね・・・噂は聞いているわ。なかなか強いそうじゃないの。」
???「私はミーヤ。ダークウィッチミーヤよ!以後お見知りおきを。」

エアリィ「あ、どうもご丁寧に。私、キューティエアリィと申します。」ペコペコ
アーシィ「なに畏まってるのよ!」ペシィ
エアリィ「あいたー☆殴られた!私、年上なのに殴られた・・・ついサラリーマンの癖が・・・」

ミーヤ「ふーん、あなた面白いわね・・・エアリィね・・・覚えておくわ。
でもせっかく覚えても無駄になっちゃうかしら・・・だって、あなたたち今日で終わりだもの。」

エアリィ「なにぃーーーちょっとあなた!そんなぴっちぴちの格好して!
お父さんやお母さんが知ったらどんなに悲しむか!ちゃんと学校行ってるの?」クドクド

ミーヤ「あなたのその少女趣味のフリフリの格好したやつに言われたくないわよ!」

アーシィ「なに言い争ってるのよ・・・」ハーァ

ミーヤ「と・に・か・く!あなたたちはこれでおしまいなの!」
ミーヤ「この無獣は強いわよ!ほら、あいつらをやっちゃって!」

グゲェェェェェ

アーシィ「くっ」
エアリィ「あの子生意気!」
エアリィ「アーシィ!行くわよ!」
アーシィ「ええ!」




第三話「Conversation!心と心で繋がる気持ち」

ミーヤ「と・に・か・く!あなたたちはこれでおしまいなの!」
ミーヤ「この無獣は強いわよ!ほら、あいつらをやっちゃって!」

グゲェェェェェ

アーシィ「くっ」
エアリィ「あの子生意気!」
エアリィ「アーシィ!行くわよ!」
アーシィ「ええ!」

グルルルル

アーシィ「え?・・・攻撃してこない??」
エアリィ「チャンスじゃない!一気に行くわよ!」
エアリィ「私は空から行くから、アーシィは下からお願い!!」フワリ

アーシィ「まって!なにか嫌な予感がするの!」
エアリィ「嫌な予感でも、なんかしなきゃ道は見つからないわよ!」

アーシィ「まって!・・・何かしなきゃ・・・か・・・たしかに相手が動かないからってこっちまで動かなかったら何時まで経っても道は見えてこないわよね。」

アーシィ「もうあんなところにいる・・・あの子のいいところはあの思い切りの良さね・・・最初逃げまわってた時とは大違い・・・ふふふ」
アーシィ「ま、考えてもしょうがないか・・・さ、アル!あたしたちも行くわよ!アーシィハンマー!」

エアリィ「ほんとになにもしてこないわね・・・じゃ、こっちから行っちゃいますよ〜♪エアリィボウ!」

エアリィ「せーのっ!」
アーシィ「せーのっ!」

エアリィとアーシィは同時に無獣に攻撃を開始した。

エアリィ「そりゃーーーーーーー!!!!!」バシュバシュバシュ
エアリィが放つ矢は無数に無獣に当たっていく。

アーシィ「よっ!ほっ!よいしょっ!」パン!キィン!タタン!
アーシィはハンマーを無獣に叩き入れる。

スピカ「攻撃するのやめて!ちょっとなにかおかしいわ!」
スピカがエアリィの肩に乗る。
エアリィ「え?どうして?」

ミーヤ「ふふふ・・・それで終わり?」


グ・・・グルルルルル
ドクン

一瞬、無獣の体が波打つ。と同時に・・・

バシュバシュバシュ
無獣の体からエアリィが放った矢が、

ドンッ
無獣の体からアーシィに向かって衝撃波が、

それぞれ彼女たちに襲いかかる。

エアリィ「きゃぁぁぁ!!!」
アーシィ「っぐっ・・・」

アーシィ「は、反射?」

ミーヤ「おーっほっほっほ!どう?貴方達の攻撃はそっくりそのままお返しするわよ。」
ミーヤ「じゃ、次はこっちの番ね。」

ガァァァァァァ!!!

無獣が口を開ける・・・口が光、両腕が光る。
その三点が中心に向かって光の軌跡を描いてそれぞれが結ばれたその瞬間・・・
クォォォォォ
キュイーーーン
カッ
ドンッ
ゴゴゴゴゴ!!!
見えなかった・・・
光ったと思ったらエアリィの背後が爆発していた。
エアリィ「ひっ!ビーム!?見えなかった!」ビリビリビリ
背後を見ると扇状に焼け野原になっていた。
エアリィ「ゴホッゴホッ・・・あんなの当たったら一溜まりもないじゃない!
近くをかすめただけですごい衝撃!」ビュオォォォッ
そして遅れて衝撃波がエアリィに向かってくる。

アーシィ「あんなビームを使う無獣・・・初めて見るわ!」

ミーヤ「どう?おもしろいでしょ!さぁ、どんどんいらっしゃい。
私は優しいから貴方達の攻撃全て受け止めてあげる。ああ、私ったらなんて慈悲深いのかしら」


エアリィ「っく!ふざけないでよ・・・なにが慈悲深いですって!?やってやろうじゃないの!」

エアリィ「はぁぁぁぁ!!!!エアリィインパクトォォォォ!!!」ッドドーーン
エアリィのパンチが無獣に当たる。

エアリィ「エアリィスピアァァァァ」ドッゴーーーン
エアリィのキックが無獣に突き刺さる。

エアリィ「エアリィショットガン!!!!」バシュッ
エアリィの放つ矢が細分化され広範囲に無獣に当たる。

それらすべて反射していくが、エアリィの持ち前のスピードでなんとか回避していた。

エアリィ「はぁはぁはぁ・・・全然効いてないじゃない!」
エアリィは自分の体に影がかかるのを感じた。
が・・・気づくのが遅かった。
エアリィ「!しまっ!!」
スピカ「!」
無獣の体が光り、光が無獣の腕に集まる。
ピカッ!
凄まじい爆発がエアリィ達を襲った。
そして爆炎の中、少し埃まみれのエアリィが現れる。
スピカ「・・・だ、大丈夫?あたしのシールド展開が間に合わなかったらあなた死んでたわよ。」
エアリィ「はぁはぁはぁ・・・た、たしかに強いわね・・・どうしようか・・・」
エアリィ「はぁはぁ・・・アーシィは?・・・」

アーシィ「・・・・アーシィストライク!」バキィン
アーシィハンマーが無獣にたたきつけられる。
そして、アーシィに向かって反射される。
アーシィは寸前で反射を回避!

その直後、無獣の体が光、尾に光が集中する。
アーシィ「来るわね!アル!」
アルデバラン「わかってる。」

カッ
光った瞬間、アーシィを中心に爆発が起こる。
爆炎の中からは、無傷のアーシィ達がいた。

アーシィ「ふーん・・・そういうこと・・・」
アーシィ「アル、今くらいのビームなら大丈夫だった?」
アルデバラン「そうだな、何発も打たれたら持ちこたえられないとは思うが・・・一回に一発程度なら防げる。
でも、最初に撃ったあのでかいビーム、あれは防げんだろうな。」
アーシィ「なるほど・・・同時攻撃のあとの反射、そしてメインのビーム、単発攻撃の後は攻撃を受けた相手への小ビーム・・・ふーん・・・」ニヤリ
アーシィ「なんだ、蓋を開けてみたら全然たいしたことないじゃない・・・これならなんとかなるかも・・・」
アルデバラン「アーシィらしいな・・・ははは。」

アーシィ「ミーヤ!!そっちからの攻撃はないの?!あたし、こいつを相手にするの飽きちゃったんだけど!!!」

ミーヤ「な!なんですってぇぇ飽きたぁぁ??」
ミーヤ「やってやろうじゃない!こっちからも攻撃できるわよ!」
ミーヤ「無獣よ!あの黄色いやつに攻撃よ!バイバイアーシィ・・・」


グォォォォォン!!

無獣が口を開ける・・・口が光、両腕が光る。
その三点が中心に向かって光の軌跡を描いてそれぞれが結ばれたその瞬間・・・

光がアーシィに向かって放たれた。

しかし、放たれた場所にはアーシィはいなかった。

ドドドドドドーーーーーーン!!

アーシィのいた場所に放たれたビームは地面を削りとっていった。

アーシィ「なるほどね。この無獣たいしたことないわね!攻撃パターンが読めるもの!」
アーシィ「ズバリ!無獣からの攻撃はあのメインビームだけね!」
アーシィ「そしてこのメインビームは放たれるまでに時間がかかるから予測がしやすい。
だから避けるのも簡単よ。威力は強いし、真ん中が光ってからじゃ遅いけどね。」

エアリィ「す、すごい・・・アーシィ・・・やっぱり戦い慣れてるなぁ・・・」

ミーヤ「ぐぬぬ・・・はんっ!攻撃パターンがわかったところでそっちからの攻撃が全部反射されちゃうんじゃ貴方達の勝ち目はないじゃない!
このままウィッチーズスペースを破壊し尽くして空間を捻りとってやればいいんだからね!」

アーシィ「ふーん・・・それは出来るかしらねぇ。」
アーシィ「エアリィ!ちょっと降りてきて頂戴!」

エアリィ「え、わかったわ!」
タッ
アーシィ「こいつの攻撃パターンはさっき私が言ったとおり。あとは反射後の小ビームだけなんだけど・・・」
エアリィ「うん。」
アーシィ「小ビーム、あなた受けてくれない?」

エアリィ「えぇぇぇぇぇ!!!!な、なんでぇぇぇ!」

アーシィ「あたしに考えがあるの。それを確認するためにも、お願い。
そして小ビームも複数は撃たれないわ。一発づつならスピカのシールドで防げるはず。」
スピカ「そりゃ防げるけど・・・アルのシールドほど強くないわよ。」
アーシィ「スピカのシールドとエアリィのスピードがあれば大丈夫。なんとかなるわ。」

エアリィ「わかった。あなたを信じる!」
エアリィ「スピカ!行くわよ!」フワリ
シュン!

エアリィ「なんだかわからないけど・・・覚悟しなさい!」ビシィッ

エアリィ「いっけぇぇ!!エアリィ!インパクトぉぉぉ!!!」
ドドドドーーーン!!!

ドクン

スピカ「光った!来るわよ!」


カッ
ドドドーーーン

アーシィ「アーシィ!ストライク!」パッキィィン

グァァァァァァァン

エアリィ「スピカ!大丈夫?」
スピカ「ふ、防いだわ!それより、アーシィを見て!」
エアリィ「攻撃が効いてる?それに反射もしてないみたい!」
エアリィ「そうか、そういうことね!」
エアリィはアーシィに向かって微笑みかけると、アーシィは黙って頷いた。

アーシィ「次はエアリィよ!はぁぁぁぁ!」
アーシィが力を込めるとハンマーが黄色く光りだす。

アーシィ「アーシィ!ビートォォォ!」ドゴゴゴゴゴォォォッ
アーシィは無獣に連撃を浴びせる。

ドクン

アーシィ「アル!お願い!」
アルデバラン「まかせとけ!」

カッ
ドドドーーーン

エアリィ「エアリィ!ランサァァァァ!!!」
ドドドドーーン!!

ギャァァァァァァグルルル・・・

エアリィ「やった!ダメージあるわ!」

こうして、どちらかが攻撃、小ビームを防いでいる間にもう一方が叩く。
その方法で無獣にダメージを少しずつ与えていった。

ミーヤ「くっ!」

アーシィ「いけるわ!このまま体力を削っていきましょう!」

ミーヤ「くっくっ・・・」
エアリィ「ミーヤ、あはは!下向いているよ!悔しいんだね!」

ミーヤ「くっくっくっく・・・あーっはっはっはっは!」
アーシィ「?!な、なにがおかしいの!」


ミーヤ「いや、あんたらは単純だなあって思ってね。おかしくって思わず噴き出してしまったじゃない。」
ミーヤ「誰がこちらからの攻撃はメインビームだけだと言った?」
ミーヤ「アーシィ、あなたが勝手に思い込んでいるだけでしょ?ふふふっ」

エアリィ「!!アーシィ!!!危ないーーー!!!」シュン!
アーシィ「!」
今まで動かなかった無獣の手がアーシィを薙ぎ払おうとした。
ガッギィィィン!!

ところが・・・
ミーヤ「あら残念。」
エアリィ「かっ・・・かはっ・・・ぐっ・・・はぁぁぁ。」ポタタ
エアリィ「きっつぅぅぅ・・・こりゃきついなぁ・・・」ポタポタ
アーシィ「エアリィ!あなた!血が出ているじゃない!」
フラフラ・・・ドサリ
エアリィ「だ、大丈夫・・・でも、ごめんねぇ・・・ちょっとしばらく動けなさそう・・・ぐっ」

アーシィ「ごめん、ごめんねぇ・・・またあなたに助けてもらっちゃった・・・」
エアリィ「アーシィ・・・わ、私は大丈夫だから、ちょっと休んでいれば大丈夫だから・・・」

アーシィ「ミーヤ!!私はあなたを許さない!!」

ミーヤ「あら、怒ったの?怖いわねぇ。元はと言えば貴方の浅墓な分析のせいじゃない。」
アーシィ「!」
ミーヤ「エアリィがやられたのは、貴方のせいねぇ。かわいそうなエアリィちゃん・・・ふふふふ」
アーシィ「そうよ・・・私の責任よ・・・私がもっと、もっと強くなれれば・・・こんなことにはならないのに・・・」
ミーヤ「反省はあの世でしてね。」

グゲェェェェ

ガシッ

無獣はアーシィを両手で掴んだ。

アーシィ「っぐ!!」
ミーヤ「このまま握りつぶしちゃって♪」

エアリィ「アーシィ!!!」

アーシィ「ぐふっ・・・」
アーシィ「くくくくっ・・・ミーヤぁ・・・ぐっあなたも・・・ぐっ・・・浅墓ね・・・」
ミーヤ「なによ、負け惜しみ?」
アーシィ「アル、アル・・・お願いがあるの・・・」
アルデバラン「アーシィ!今助けるぞ!」
アーシィ「大丈夫、ぐっ・・・この方法しかないと思う・・・から・・・お願い・・・」
グググッ
アーシィ「・・・・・・・・・て」
アルデバラン「!な、何だって!!」

無獣の手の中でぐったりしてくるアーシィ・・・
そして、一瞬黄色い光に包まれてアーシィの変身が解除される。


エアリィ「変身が・・・と・・・けた??」

グシャァァァ
そして無獣の手が完全に閉じた。

エアリィ「!!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

ミーヤ「あーっはっはっはっは!あー面白い。ついに魔法少女を倒したわ!」

アクセプト!
キューティメタモルトランスレーションアーシィアップ!

無獣の手の中が黄色い光で満たされる。
そして光が膨れ上がり、無獣の手ごと弾ける!

グッギャァァァァァァ
黄色い光の中、そこにはアーシィがいた。
無獣の腕は肘付近まで千切れ飛んでいた。
グルルル・・・

アーシィ「はぁはぁはぁ・・・大地の優しさで包んであげる!キューティアーシィ!おまたせっ」
エアリィ「!!アーシィ!!!」

アーシィ「こういうことにも使えるのよ!ミーヤ!この無獣はもうおしまいよ!

エアリィ「アーシィ!!ど、どういうことなの?」
アーシィ「変身中はどんな攻撃も受け付けないことを利用して、防御が最強なら攻撃に使えないかな?って思ったの。」
アーシィ「でも、そんなことした事なかったし、ほんとに攻撃できるかわからなかったから、賭けだったわ。」
アルデバラン「アーシィ!無茶するなよ!自殺行為だ!」

・・・

アーシィ「大丈夫、ぐっ・・・この方法しかないと思う・・・から・・・お願い・・・」
グググッ
アー シィ「あたしの変身を解除して」
アルデバラン「!な、何だって!!」
アルデバラン「人間に戻ったらひとたまりもないぞ!」
アーシィ「ぐっ・・・こうでもしなきゃ、こいつは倒せないから・・・解除したらすぐにまた変身する!」
アルデバラン「!そうか!しかし・・どうなっても知らないぞ!」
アーシィ「お・・・ね・・・が・い・・」

・・・

アーシィ「と、言うわけよ。」
エアリィ「す、すごい!アーシィ!!」
アーシィ「さぁ、とどめよ!もう動けるわよね?」
アーシィ「二人でとどめを刺しましょう!二人じゃないとダメージ足りないと思うから。」
エアリィ「わかったわ!」

ミーヤ「ま、まさか!そんなことが!!信じられない!」


エアリィ「スピカ!ホールドよ!」
アーシィ「アル!こっちもホールド!」

スピカ「わかったわ!ホールド!座標x3809y1451z5!無獣を固定化!」
アルデバラン「ホールド!座標x3809y1451z5!無獣を固定化!」

無獣の周囲に二つの光の輪ができる。
二つの輪は高速で回転し、そして光る球体になって無獣を取り囲む。
球体表面から無獣に向かって無数のプラズマが走る。
キシュンキシュンキシュン
キィィィィン
バチバチバチ
グァァァ・・・ァァン!グルルル・・・

エアリィ「我の呼びかけに応え、イメージを具現化せよ・・・ウィンドヴァーゴ!」
アーシィ「我の呼びかけに応え、イメージを具現化せよ・・・グランタウラス!」

エアリィが持っているエアリィボウが光を帯び、形状を変える。
アーシィが持っているアーシィハンマーが光を帯び、形状を変える。

アーシィ「いっけぇぇぇ!!アーシィクェイク!!!」
パキィィン
アーシィ「貴方の心に響いたかしら?」パチン
アーシィが指を鳴らす。

エアリィ「いっくわよぉぉぉぉ!!!あたしの生活を邪魔するやつは許さない!エアリィシューティングスター!!!!」
ヴンッ
無数のピンク色の矢が無獣へ放たれる。
バシュバシュバシュ!
ドドドドドッ

矢が無獣の体を削りとり、ハンマーの衝撃で無獣の体がひび割れる。

ズズズズ
バキバキバキィ

そして、無獣を取り囲む球体が徐々に小さくなり、光の球体は一転に集中するとはじけ飛んだ。

エアリィ「や、やったわね・・・はぁはぁはぁ」
アーシィ「はぁはぁはぁ・・・ゆ、油断しないで・・・」
エアリィ「え、どういうこと?」

バシィ!
エアリィ「きゃーーっ!」
エアリィはとっさに受け身を取ったものの、突然弾き飛ばされ何が起こったかわからない様子だった。

アーシィ「エアリィ!」


ミーヤ「ぐ・・・ぐぅぅぅぅっ・・・きっさまらぁぁぁぁ!!!よくも!よくもやってくれたなぁぁぁ!」
ミーヤ「ちくしょう!ちくしょう!ちくしょうーーー!!」

エアリィ「な、なに・・・あれ・・・」
アーシィ「ああなると厄介よ・・・こっちの方がミーヤの本性と言ったところかしら。」
エアリィ「今までのダークウィッチと違う・・・」

ミーヤ「おいゴルァ!かかってこいよ!二人まとめて相手してやる。」
エアリィとアーシィは攻撃することに躊躇していた。

ミーヤ「こないならぁ・・・こっちから行く・・・」シュン

エアリィ「き、きえた?」
アーシィ「エアリィ!防御して!!!」

バシィィィ
エアリィ「くっくくく・・・なんて・・・重いパンチ・・・」
アーシィ「ぐぅぅぅっ・・・ぼ、防御しててもこのダメージとは・・・」
ミーヤは目にも見えない速さでエアリィにはパンチを、アーシィにはキックを叩きこんでいた。

エアリィ「おうりゃぁぁぁぁ!!」
エアリィはミーヤに対して最大速度でパンチを繰り出すが、
ミーヤはすべてをそれ以上の速さで避けていた。

そして、アーシィも同時にミーヤに攻撃を加えていたが、軽々といなしていた。

アーシィ「はぁはぁ・・・二人同時でも追いつかないなんて・・・なんて速さなの!?」
エアリィ「こ、こいつ何者??はぁはぁはぁ。」

ミーヤ「もうおしまいか?なんならお前らの必殺技受けてやるぞ。撃ってこいよ。」

エアリィ「な、何言って・・・」

ミーヤ「私は馬鹿は嫌いだよ!っと」
ドゴォォン
エアリィ「きゃぁぁぁぁ!!かはっ」
ミーヤ「撃ってこいと言ったら撃てばいいんだよ!ほら、こいよぉ!!」
アーシィ「だめ!エアリィ!ダメよ!!」
エアリィ「やってやるわよ!スピカ!!」
スピカ「ホールド!座標x3810y1455z2!ミーヤを固定化!」
無獣の周囲に光の輪ができる。
輪は高速で回転し、やがて光る球体になってミーヤを取り囲む。
シュインシュインシュイン
キィーーーン

アーシィ「ミーヤの挑発に乗ってはだめぇぇぇ!!!」


エアリィ「いっけぇぇぇぇぇ!エアリィシューティングスター!!!!」
ヴンッ
無数のピンク色の矢が無獣へ放たれる。
バシュバシュバシュ!
ドドドドドッ

ミーヤを中心に爆煙がモウモウとあがる。
次第に煙が収まっていくと・・・
エアリィ「う・・・うそ・・・!!」

ミーヤ「ふんっ・・・いま・・・なにかやったか?」

ミーヤは傷どころか埃さえ付いていなかった!

アーシィ「逃げて!逃げて!!!!」

ミーヤ「10秒待ってやるが、逃げてみるか?」

エアリィ「う・・・・うぁぁぁぁぁぁ!!!!!」シュイン

ミーヤ「・・・ろーく・・・しーち・・・はーち・・・きゅーう・・・じゅーーう」
ミーヤ「鬼ごっこを始めるぞ・・・」ッパッ

エアリィは最大速度で逃げた・・・逃げた・・・逃げた・・・もうプライドも何もかも投げ捨てるように・・・
しかし・・・
エアリィ「そ、そんな!!!」
エアリィの進行方向に既にミーヤはいた・・・
ミーヤ「つまらんなぁ・・・もう鬼が交代してしまう。くっくっく・・・悪い、交代はなかったな。終わりだよ、おまえ」
エアリィ「た・・・たすけて・・・たすけて・・・ひっぐひっぐ」ガチガチガチ
エアリィは生まれて初めて死への恐怖を感じた。
エアリィになる前に瀕死の重傷を負ったときとは違う、本能に訴えかける純粋な恐怖だった。

ミーヤ「どーうやってぇ・・・苦しめてぇ・・・やろ・・・う・・・ドクン!かっ!ぐはっ!」ガクガクガク

ミーヤ「ぎゃぁぁぁぁぁぁ・・・っくう!もう・・・時間かぁぁぐううううっ。」
ミーヤ「やめろ!やめろおおおおお!!!」

エアリィ「ひっぐひっぐ・・・・・・え・・・・ど、どうしたの・・・」
アーシィが遅れてエアリィの元へたどり着いた。
アーシィ「はぁはぁはぁはぁ・・・こ、今回は意外と早かった・・・ミーヤはいつも途中で苦しみだして消えてしまうのよ・・・」
エアリィ「ぐすっ・・・なぜ?」
アーシィ「はぁはぁ・・・何故かはわからないけど・・・なんらかの時間制限があることは確かね。」

イオ「ミーヤ!時間だ!君の体は限界だ・・・」
ミーヤ「まだだ!まだだぁ!もう少しなんだ!許さんぞぉぉ!
こいつらをぉぉ私と同じ・・・し・・・み・・・にぃぃ・・・」
イオ「ごめん、ダメなんだ僕は君に苦しい思いはさせたくない・・・今日は諦めてほしい・・・」
ミーヤ「ぐぁぁぁぁぁ!!!悔しい!悔しい!!!」シュン

ミーヤはイオに触られると一瞬のうちに消えてしまった。


エアリィ「助かった・・・の?」
アーシィ「ええ、今回はね・・・」
エアリィ「こ、怖かったよぉぉぉ・・・ごめん、ごめん・・・私、逃げちゃった・・・逃げちゃったよぉぉぉ・・・」
エアリィはアーシィに抱きついて大泣きした。
アーシィ「仕方ないわ・・・レベルが違いすぎるもの・・・」ポンポン
エアリィ「でもでも・・・」

アーシィ「ほら、空が・・・もどって行く・・・なにはともあれ、終わったのよ・・・」

ウィッチーズスペースが解けていった。

エアリィ「はぁ・・・えぐっえぐっぐすっ次は負けない・・・負けないんだからぁぁ・・・ぐすん・・・」キュイーン
エアリィの変身が解け、人間体のエアリィに戻った。
エアリィ(人)はしばらくその場にヘタリこんで、呆然としていた。

しばらくすると、気持ちが落ち着いたのか自分の姿を困惑して見回す・・・
エアリィ(人)「あれ?変身が解けても女の子のまま・・・まさかもう戻れないんじゃ・・・」
明日美「あなた、魔法少女になる前はなんだったのよ。変身が解けるときはひとつ前に戻るだけよ。」
エアリィ(人)「よかったぁ。じゃ、もう一つ元に・・・」
明日美「ちょっと待ったぁ!今の格好のまま元に戻る気?それで街中歩けるの?」
エアリィ(人)「ああ!そっかぁぁ!」
明日美「はぁ・・・それよりも!無獣発生者を助けるわよ!」
エアリィ(人)「あ、今度は私がやらせて!」
明日美「じゃ、お願いしようかしら。」
エアリィ(人)「えっと・・・どこかな・・・」キョロキョロ

エアリィ(人)が辺りを見回すと、ちょうど無獣を倒したあたりに人が倒れているのを見つけた。
エアリィ(人)「あ!あれかな?!」
明日美「きっとそうよ!」
エアリィ(人)と明日美は倒れている人の所へ駆け寄った。
タッタッタ


エアリィ(人)「けが・・・してる・・・病院服?患者さんだったのかな?結構若いね・・・」
エアリィ(人)は倒れている人に声をかけた。

エアリィ(人)「もしもし、大丈夫ですか?もしもーし」
病院服の男「ん・・・んん・・・」
病院服の男はゆっくりと目を覚ました。
エアリィ(人)「よかったぁ・・・目を覚ました!」
エアリィ(人)「大丈夫ですか?」
病院服の男「イタタ・・・僕は・・・どうして・・・何があった・・・」フリフリ
男は自分の身に何が起きたか分からない様子で頭を振った。
徐々に男の目の焦点が合ってきて、エアリィ(人)を見上げる・・・

病院服の男「の・・・のぞ・・・み?ぐすっ良かった・・・のぞみ・・・ぐすっ」ポロポロ
突然泣き出した男に困惑するエアリィ(人)
病院服の男「のぞみぃぃぃぃ!!!!」がばぁぁぁぁっ

エアリィ(人)「きゃんっ!!///」
エアリィ(人)は男に突然力いっぱい抱きつかれ、戸惑っていた。
エアリィ(人)「え、なんでなんで??」
明日美「とりあえず、その人落ち着かせた方がいいんじゃない?」
エアリィ(人)「えーコホン。ごめんなさい、私はそのあなたの言うのぞみさんって人じゃないです。」ペコリ
病院服の男「え・・・どういうこと・・・?だって、君はまさに望美じゃないか。」
エアリィ(人)「もしかしたら望美さんって人は、私にそっくりなのかもしれないけど、私は・・・私の名前は・・・えっと・・・」ンー

エアリィ(人)「明日美、どうしよう・・・」コソコソ
明日美「んーエアリィだから・・・絵梨・・・なんてどう?」コソコソ
エアリィ(人)「それいただき!」コソコソ

絵梨「えっと、私の名前は・・・に・・・西山絵梨と言って、あなたの言う望美さんとは全くの別人なの。」
病院服の男「え・・・そうか・・・やっぱり・・・望美は・・・」
絵梨「ごめんなさい・・・」
病院服の男「いや、いいんだ。こっちこそごめん、見ず知らずの男に抱きつかれて迷惑だったろう?」
絵梨「いえ、そんな!そうだ!あなたどこかの病院の患者さん?私が連れて行ってあげる!」ニコッ
病院服の男「あ、ありがとう。
でも、気が付いたらこんな恰好してたから、どこの病院かなんてわからないんだ・・・。」

明日美「この病院服は・・・市民病院ね。ほら、ここに書いてある。」
絵梨「あ、ほんとだ。」
絵梨「じゃ、市民病院まで一緒に行きましょう。えっと・・・」
病院服の男「ああ、ごめん、僕の名前は中山・・・中山明人。よっと・・・ぐっいててて」ヨロヨロ
絵梨「きゃっ大丈夫?怪我してるんだから無理しちゃだめよ。私につかまって。」
明人「ご、ごめん・・・会ったばかりなのにこんなことしてもらって。その、ありがとう、西山さん・・・」
絵梨「その・・・え、絵梨・・・でいいよ///」
明人「うん、ありがとう・・・絵梨ちゃん・・・なんだか悪い夢を見ていた気がする・・・」
明日美「絵梨、顔真っ赤よ・・・」
絵梨「うそっ!///」アタフタアタフタ

明日美「・・・余計に真っ赤になった・・・へぇ・・・これは・・・まさかねぇ」ニヤニヤ
スピカ「ふふふ・・・明日美もそう思った?」ニヤニヤ
アルデバラン「はぁあ、これだから女の子ってやつぁ・・・」ヤレヤレ




美夜子「・・・なんで・・・あたし・・・泣いてるの??」フラフラフラ
美夜子「な・・・んだか・・・とっても疲れた・・・トモちゃんたちとお話ししてただけなのに・・・」
美夜子「今日は・・・お買い物やめてもう帰ろう・・・」トボトボ

第四話「Distance!光と闇の狭間で」

ガイライ3バンデオマチノヤマダサンシンサツシツ1バンマエデオマチクダサーイ

ここは市民病院、絵梨たちは無獣にされた中山明人を連れてきていた。

看護師「中山さん!あなたまだ動いちゃいけないのにどうして外なんかでたの!」
明人「ご、ごめんなさい・・・」
絵梨「違うの・・・明人さんは悪くありません。その・・・わ、私が連れだしてしまったんです!」
看護師「どうして、そんなことを・・・」
明人「絵梨ちゃん・・・」
絵梨「あ、明人さんの意識が戻ったって聞いて・・・嬉しくなって・・・」
明人「いいんだ、絵梨ちゃん。君は悪くないよ。」
明人「ごめんなさい、看護師さん、この子は僕をかばってくれてるんです。どうも僕は意識が朦朧としてていつの間にか外に出ていたみたいです。
すみません、ご迷惑をおかけしました。」
医師「まだ君の体は回復してないんだ、無理をしてはいけないよ。念のため精密検査をしておこう。」
明人「はい。絵梨ちゃん、しばらくかかりそうだからもういいよ。ここまで連れてきてくれてありがとう。嬉しかったよ。」
絵梨「うん・・・でも私は・・・!」
明日美「絵梨、今日はここまでにしておきましょ。ずっといても病院の迷惑になるだけだし。ケアには時間がかかるものよ。」
絵梨「うん・・・じゃ、明人さん、またね。」
明人「ありがとう。」

・・・

明日美「えーり!・・・んふふふぅ」ニッコニッコ
絵梨「な、なに?そんな笑い方して・・・」
明日美「えーだってぇ・・・ねぇ・・・むふふふふ」テッカテッカ
明日美「明人さんの事好きになっちゃった?」
絵梨「げほぉっ!!な、なんでよ!好きになるワケないじゃない!だって私男だよ?妻子いるんだよ?」
明日美「その真っ赤な顔で言っても全然説得力ないけどねぇ・・・明人さんたしかにカッコイイから無理も無いよ。」ウンウン
絵梨「変なふうに納得しないで〜!急に抱きつかれちゃったからびっくりしちゃっただけだよっ!もうっ」
明日美「ふふふ、ごめんごめん。でも彼、絵梨のことのぞみさん・・・だっけ?その人と間違えてたよね。」
絵梨「うん・・・私にそっくりみたいだけど・・・今回のことは望美さんって人が関係しているのかな・・・」
明日美「おそらくはそうでしょうね。その望美さんを引き金にして無獣を発生させたんでしょう。」
絵梨「今度病院に行って話を聞いてみるね。」
明日美「でも、話を聞くのはいいけど、無理矢理に聞いたらダメよ。」
絵梨「わかってるって。」
絵梨「さーってと。そろそろ帰ろうか。あたしゃ今日はもう疲れたよぉ」ヘロヘロ
明日美「そうね、あたしもヘトヘト。また今度ね。」
絵梨「あ、悪いけど・・・いま着ている私の服、次会う時まで預かっててくれない?」
明日美「自分のものなんだから持って帰ったらいいじゃないの。」
絵梨「だって、私が着用済みの女の子の服を持って帰ったらおかしいでしょ?変態でしょ?」
明日美「ぷっそうね。あたしの友達に変態になって欲しくはないわね。」
絵梨「でしょでしょ?だからおねがい!この通り!」オガミオガミ
明日美「しょうがないなあ。じゃ、次パフェおごりね。」
絵梨「えー友達でしょー!ま、しょうがないなぁ。ま、お・れは社会人だしな!はっはっはっは!どおーんとまかしとけ」エッヘン
明日美「その姿で俺なんていうとすっごい違和感」
絵梨「俺!」フンス


絵梨「じゃ、着替えてくるからどっか男女共同トイレのある喫茶店に行こう?」
明日美「なによその限定的な店。」
絵梨「そのほうが便利なの!」

・・・
さて、ここはとある喫茶店の共同トイレ・・・

絵梨「さてと・・・このまま元に戻ったら服破いちゃうな・・・脱いでから元に戻らないと・・・」ヌギヌギ
スッポンポン
絵梨は思わずトイレ内の鏡を見てしまった。
絵梨「いっ・・・私の・・・は、はだか・・・///初めてじっくり見るけど・・・おっぱいがあるってやっぱりなんか・・・変な感じだなぁ・・・」ドキドキ
絵梨「な、なんだかイケナイものを見ている気分になってくる・・・」ゴクリ
絵梨「い、イカンイカン・・・イカーーーン!さ、さっさと着替えて解除しなきゃ!!」アセアセ
絵梨「リリース!」キューーーン
絵梨の体がピンク色の光に包まれ、徐々に体が大きくなり、体の線が太くしっかりしてくる。
大樹「ふぅ・・・なんだかずいぶん長い時間女の子やってた気がする・・・」
大樹「それにしても・・・俺があの男の子のこと好き?なーーてことがあるかい!
俺は男だ!アイツの事考えてもちっともドキドキしないし赤くもなっていない。」ジロジロ
大樹「今日はもう疲れたよ・・・」
ギィバタン
大樹「おまたせ。」
明日美「あなたのその男性の姿を見ているとすごく違和感を覚えるわ。」
大樹「失礼な・・・俺は絵梨の時のほうが違和感あるよ。」
大樹「男の時だと感じなかったことや考えもしないことが女の子になると頭に浮かんでくるんだ。頭がおかしくなりそうだよ。」
明日美「そう。そのうち慣れるでしょ。」
大樹「明日美・・・なんか絵梨の時と態度違わないか?」
明日美「そう?もしかしたらあなたが男の姿だからかもしれないわね。」
大樹「絵梨と俺は同一人物なんだが・・・まぁいいか。ほら、俺の服。悪いなお願いするよ。」
明日美「なんだか、俺の服って言われると嫌な感じね。」
大樹「俺の服なんだから事実だろう。じゃ、なんて言えばいいんだ。」
明日美「そうねぇ・・・絵梨ちゃんの服とか?別の人間として扱うといいんじゃない?」
大樹「おまえなあ。まあいいけどさ。じゃ、改めて、絵梨ちゃんの服お願いします。」ペコリ
明日美「わかった。じゃ、また今度ね。絵梨によろしく言っておいて。フフフ」
大樹「はいはい、言っておくよ。」

ガー
アリガトウゴザイマシター

大樹「アレくらいの年頃じゃあな・・・俺みたいなおっさんと話すのは慣れていないだろうからなぁしょうがないか。」
大樹「明日美も苦労してるんだ、せめて絵梨だけでも友達として仲良くしてやらんとなぁ。」
大樹「・・・そういえば・・・明日美ってどこの学校に通っているんだ?このあたりかな?
もし近くなら美夜子とも仲良くなれればいいんだが・・・」
大樹「そうしたら、うちにも気兼ねなく呼べるのにな。」
大樹「俺の友達!って言って紹介したらみんな卒倒してしまうだろうな。
家庭崩壊!離婚の危機!娘の非行化!なーんてな。」

大樹「さて、そろそろ帰るとするか。
そうだ、今日は久しぶりに家族みんなで外食にでも行くか〜休日出勤の罪滅しってことで。」


・・・
帰宅の途につく明日美、今日の出来事を考える。

明日美(ふふふ・・・絵梨・・・ちゃんか・・・あたしにも友達できたよ・・・)
明日美(ちょっと普通じゃない友達だけどね・・・)
明日美(・・・今日もミーヤには全く歯が立たなかった・・・)
明日美(他のダークウィッチとは・・・明らかに別格・・・)
明日美(他との違いは・・・なんだろう・・・明らかにあたしたちに対しての気持ち?が違う・・・)
明日美(いや・・・逆?か?・・・他のダークウィッチには・・・意思・・・が感じられない?)
明日美(私たちとそれなりに会話はしているけど・・・毎回同じようなやりとりばかり・・・そして無獣がやられてもすぐに逃げてしまう。)
明日美(うーん・・・ミーヤの他に私たちに向かってくる奴は今まで居なかった・・・似たような奴は・・・他には居ない?どうだろう・・・)
明日美(でも、アレだけ強いならミーヤだけでもいいのに・・・あえてそうしない・・・)
アルデバラン「ぶつかるよ。」
明日美(うーん・・・)
テクテクテク
ゴン!
明日美「☆いったぁぁぁ!なんで・・・こんなところに・・・」スリスリ
電柱にぶつかった明日美さん、どうやら深く考えてしまうと周りが見えなくなってしまうらしい。
明日美「誰にも・・・見られて居ないわね・・?」コソコソ
アルデバラン「みたよ。」
明日美「!なんで覗いてるのよ!ってか見てるならぶつかる前に声かけなさいよー」
アルデバラン「声かけたさ。ぶつかるよって。聞いてない明日美が悪いんじゃないか。」
明日美「!そう・・・なの?」
アルデバラン「そう。」
明日美「あああ・・・あたしの悪い癖ね・・・アル!もうすぐうちに着くんだから
何時までも覗いていないで寝てなさいよ!」
アルデバラン「はいはい。寝ますよ。気をつけて帰ってね。」
明日美「はぁ・・・」

・・・

明日美「ただいま!ママ!」
ママ「おかえり!あら、どうしたの?そのおでこ、赤くなってるわよ。」
明日美「え、ほんと?ちょっとぶつけちゃって・・・」ナデナデ
明日美「そ、それよりもね、聞いてママ!あたし今日お友達ができたのよ!絵梨ちゃんっていうの!」
ママ「よかったじゃない!だからね、嬉しそうなのは。」
ママ「明日美この頃ずいぶんと思いつめているようだったし、心配だったのよ?」
明日美「大丈夫だよ。もう、大丈夫!ママ!」ギュ
ママ「あらあら、どうしたの?こんなに甘えて・・・」ギュ
明日美「ふふふ、ママ、あったかーい・・・」
ママ「明日美とこんな風に触れ合えるようになるなんてママとても嬉しいわ。」
アルデバラン「ニャーンゴロゴロ」スリスリ
ママ「アルも甘えたいの?いらっしゃい。今日はママモテモテね。ふふふ」

母親の前だけ一人の少女に戻る明日美であった。


・・・

大樹「たっだいまーー」
紗英「あら、あなた早かったのね。」
大樹「うん、なかなかハードだったけどパッパって片付けたらすぐに終わったよ。」
紗英「そう。よかったわね。みゃこももう帰ってるわよ。」
大樹「お、そうか!みゃこーーちょっとこっちおいでー」
美夜子「おかえりなさーい。お父さん。」
大樹「実はな、今日お父さん休日出勤で家に居なかっただろ?」
美夜子「うん。」
大樹「だから、家族サービスしたいと思います!」
美夜子「なになに!?」
大樹「久し振りに外食しましょーーー!」
美夜子「えぇぇぇ!うれしぃ!」パァァァァ
大樹「イタリアンでいいか?」
美夜子「うんうん!やったぁ!お父さん大好き!!」ギュッ
大樹「よっしゃよっしゃ、かわいいなぁ美夜子は。よし、今度スキーに良くんだろ?足りないもの有ったら言いなさい。買ってやるぞ!」ナデクリナデクリ
美夜子「なんでもいいの!?」
紗英「あなた、いいの?お小遣い足りるの?」ハァ
大樹「あーーううーえっと、じょ、常識の範囲内でな?」
美夜子「はーい♪わかってるわよ。お父さんのおさいふ事情くらい。」
美夜子「うっれしいな。んふふふ〜パスタでしょピザでしょドリア〜フォカッチャ〜ピカタにミネストローネ、アクアパッツァ・・・あーん迷っちゃうううう」クネクネ
大樹「お、お金足りるかな・・・」
紗英「だから言ったでしょ?いいわよ食事は家計から出すから。」

大樹「じゃ、行くか!」

ブロロロロ〜

こうして西田一家は市街まで出向き、スキー用品やついでに美夜子の洋服、紗英の化粧品を買ってイタリアンレストランへ行くのであった。
やっぱり、お小遣い大丈夫ですか?大樹さん・・・まだお小遣い日まで程遠いですよ?
大樹「あんな事言わなけりゃ良かったよ・・・とほほ〜」シクシク

ナンダカンダでレストランについた一家、美夜子はずーっとメニューとにらめっこしていました。

大樹「えーっと・・・俺達の家族にカンパーイ」カチン
美夜子「ぷっなにそれ。」
大樹「いいじゃないか。それだけ俺はこの家族を愛してるってことだよ。」
美夜子「はっずかしぃ〜ふふふ。でも嬉しいよ。ありがとう。」
紗英「そうね、私もこの家族だーいすき♪」
大樹「さ、どんどん食べろ〜遠慮はいらんぞ!」
紗英「自分の小遣いからじゃなくなったから元気になっちゃって・・・ふふふ」
美夜子「わーい」パクパク

大樹「みゃこ、トモちゃんたちとスキーの話はできたのか?」
美夜子「?なんで?なんでトモちゃんたちとスキーの話したって知ってるの?
今日トモちゃんたちと会うって話お母さんにしか言ってないのに。」
大樹「えっ!あ・・・その・・・いや、スキーに行くって言ってたからさ・・・
うん、そろそろ色々打ち合わせとかしないといけないんじゃないかと思ってさ。」
美夜子「ふーん・・・なんでしどろもどろになってるのかわからないけど、だいぶ話し進んだよ。また今度会って話すんだ。」
大樹「そうか、楽しめるといいな。スキー旅行。」
美夜子「うん!」

美夜子「はーーおなかいっぱーーい。まんぞくまんぞく」ポンポン
大樹「この店うまかったな、また来ような。」
紗英「そうね。私もついつい食べ過ぎちゃったわ。」
美夜子「また来ようね!」


そして・・・市民病院・・・

明人「僕は・・・取り返しの付かないことをしてしまった・・・なぜ・・・望美・・・」
明人「望美・・・僕は君にどうやったら許してもらえるだろうか・・・」
明人「心の奥底で響くあの声・・・アレは本当だったのだろうか・・・きっと君は僕を許してくれないだろう・・・」
・・・アキト・・・お前のせいだ・・・おまえが私を殺したんだ・・・
明人「じゃあ、僕はこの先どう生きて行ったらいいのか・・・」
明人「望美・・・望美・・・ごめんよ・・・そんなつもりじゃなかったんだ・・・」
明人「こわい・・・こわいよ・・・いっそのこと僕も消えていなくなりたい・・・」

そして・・・西田家・・・

美夜子「じゃ、お父さん、お母さん、おやすみなさーい」
紗英「おやすみなさい」
大樹「ああ、おやすみ。歯磨きちゃんとしたか?宿題したか?お父さんにお休みのちゅーは?」
美夜子「もー、あたしちっちゃい子じゃないんだからね!」ンベェ
大樹「ははは、すまんすまん。」

バタン

大樹「そういえば・・・もうすぐあの日だな・・・俺たちにとっての誕生日・・・」
紗英「そうね・・・あの時はあなた無理したわよね。」
大樹「仕方ないさ。しかし早いな・・・時が経つのは・・・」
紗英「そうね・・・あの子には幸せになってもらいたいわ。」
大樹「もちろん、俺達が幸せにしてみせるさ。俺は何としてもこの家族を守って見せる。」
紗英「どうしたの?そんな力こもって。」
大樹「ん?ただ、なんとなく、な」
大樹「さ、俺達もそろそろ寝るか、明日からまた仕事だ。」
紗英「明日もでしょ?」
大樹「あ、そうさ、明日もだ。」

夜は思案する時間帯・・・色々な思いが巡っているようです。


美夜子「zzzz・・・」
静かに寝ている美夜子・・・しかし、突然すすり泣き始めてしまった。
夢・・・を見ているのだろうか・・・

美夜子「!やめて!なんで!そんなことするの!!?」
美夜子「いたいよ・・・いた・・・いよう・・・ひっぱらないで・・・なんでみてるだけなの?どっかいかないでえ!」
美夜子「ひとりにしないで・・・ひとりにしないでよぉ・・・おなかすいたあ・・・」
美夜子「ごめんなさい!ごめんなさい!」
美夜子「あたしのくまちゃんにひどいことしないで!もう・・・やめてよぉ・・・やめて・・・やめて・・・」ヒックヒック
美夜子「もう・・・ひとりはいや・・・」

バタン

大樹「美夜子!」
紗英「大丈夫!?」
大樹は美夜子を抱き抱える。

大樹「すごい汗だ・・・また見たのか・・・あの夢・・・」
大樹「みゃこ、お父さんはここにいるぞ、大丈夫だ・・・大丈夫だよ」
紗英「お水持ってきたわ。」
大樹「美夜子、一度起きるんだ。ほら、ただの夢だから・・・な、お父さんもお母さんもここにいる。」
美夜子「お、おとうさん・・・おかあさん・・・ごめんなさい・・・大丈夫・・・もう大丈夫・・・ありがとう。」
紗英「さ、お水飲んで・・・」
美夜子「んくんく・・・はぁ・・・最近、あの夢見なくなったと思ったのにな・・・」
大樹「そうか・・・安心しろ。お父さんはいつまでもみゃこの味方だよ。」
美夜子「うん・・・」
紗英「今日は私が横に寝てあげるから、大丈夫よ。寂しくないわ。」
美夜子「うれしい・・・おかあさん・・・」zzz
紗英「あら、もう寝ちゃった。」
大樹「よっぽど安心したんだな。いい顔で寝てる。」
大樹「俺は美夜子に悪夢を見させないようにしなきゃな。」
紗英「あなたなら大丈夫、できるわよ。」

・・・

美夜子「おっはよーーー!」
大樹「ああ、おはよう。みゃこは今日も元気で可愛いな!」
美夜子「うん、私はきょうも元気元気ぷりてぃ!あーお腹すいた〜」ググー
紗英「昨日あんだけ食べたのにねぇ。」
美夜子「みゃこちゃんが元気な証拠ですよー♪」
大樹「みゃこ、おはようのちゅーは?」
美夜子「お母さん、バターもうないよー?」
大樹「無視ですか・・・」シクシク
紗英「まぁまぁ・・・冷蔵庫の奥に新しいのがあるはずよ。よく見てみなさい。」
美夜子「あ、あったー」

大樹「元気になってよかったな。」コソコソ
紗英「ええ、ニコニコしているときの美夜子が一番輝いているわ。」コソコソ

美夜子「そこ!娘の目の前でイチャイチャしない!」バンッ

大樹「はいはい。」
大樹「じゃ、そろそろ行ってくるよ。」
大樹「今日、少し遅くなるかもしれん、夕食は食べないから作っておいてくれないか?」
紗英「わかったわ。行ってらっしゃい。あなた、忘れ物ない?」
大樹「あ、忘れ物あった。」チュッ
紗英「あらあらまぁまぁ・・・ふふふ」

美夜子「朝っぱらから見せつけてくれるねぇ、お二人さん♪」


・・・

木下「課長、10時からの会議の資料、これです。」
大樹「ありがとう。そうだ、今日の夕方客先に行ってそのまま直帰してもいいかな?」
木下「わかりました。今日は特に事案はないですし、大丈夫です。」
大樹「ありがとう。」
バリバリはたらく西田課長、カッコイイですね。

大樹「そうだ・・・メールしておこう。」
パカッ
ポチポチ
大樹『今日の夕方、病院に行くから一緒に来てくれないか?服を持ってきてほしい。』
ヴーンヴッヴーン
明日美『わかった。待ち合わせ場所はあのカフェでいいな?』
大樹『ああ、頼むよ。』
ヴーンヴッヴーン
明日美『わかったぜ。』

大樹「いつもながら、なんか罪悪感があるんだよなぁ別に浮気しているわけじゃないのに・・・」

・・・

大樹「さて、仕事も終わりっと。じゃ、客先行ってくるな!」
みんな「いってらしゃい。」

・・・

ガーッ
イラッシャイマセー

大樹「遅くなってごめんな。」
明日美「いいわよ。はい、絵梨の服。」
大樹「って、制服か・・・」
明日美「なに?制服じゃいけない?」
大樹「いや、明日美の制服姿初めて見たから・・・」
明日美「!」ガタッ
大樹「あ、いや、そういうつもりじゃなくてな?引くなよ・・・」
明日美「と、とりあえず着替えてきてよ。」
大樹「わかったよ、ちょっとすぐ着替えてくるから。」


ギィバタン

大樹「ふぅ・・・」
大樹「俺ってそんなにスケベそうな顔してるのかな?」
大樹「アクセプト!」
大樹「スタンバイメタモルトランスレーションエアリィ!」
叫ぶと大樹の体はハーティジュエルから放たれたピンク色の光に包まれる。
体が徐々に小さく、体の線が丸くなっていった。
光が収まるとその姿が見えてきた。
絵梨「服に着替えてっと・・・抵抗なく女の子の服を着られるようになるってのもやっばいよねぇ・・・はぁ・・・」
絵梨「この・・・戦いが終わったら・・・ちゃんと元の姿に戻れるのかな?」

ギィバタン
絵梨「おまたせ」
絵梨「あのさ、さっきの話の続きなんだけど、明日美の学校って・・・」
明日美「あれ?言ってなかったかしら?私立桜山女子中学校よ。」
絵梨「みゃこの行っている学校のすぐ近くじゃない!」
明日美「美夜子ちゃんの学校って・・・あたしの学校の近くというと・・・もしかして美星中学?」
絵梨「うん。桜山に通わせようか迷ったんだけどさ、少しだけ美星のほうがうちに近かったからこっちにしたのよ。」
明日美「へぇ・・・もしかしたらあたしと同級生になっていたかもしれないのね。そしたら、あたしとお友達になれたかな?」
絵梨「今からでも遅くないよ!みゃことお友達になってあげてよ。」
明日美「え、ど、どうやってよ・・・」
絵梨「うーん・・・明日美、塾に通ってたりする?」
明日美「う、うん・・・一応・・・」
絵梨「調度良かった、みゃこにもそろそろ塾行かせようかなって妻と相談してたのよ。」
明日美「つまり?」
絵梨「うん、明日美と同じ塾に通わせようと思うの。そしたら自然に友達になれるでしょ?」
明日美「大丈夫かなぁ・・・」
絵梨「大丈夫大丈夫。って、大変!早く行かないと面会時間なくなっちゃう!」
明日美「そうね!」
絵梨「さ、行こうか」
明日美「うん。」


・・・

そして市民病院にやってきた二人。
インフォメーションに明人の病室を尋ねて512号室へ
入って来ない・・・?

明日美「絵梨?な、何してるの?」
絵梨「え、明日美・・・私、変なかっこしてない?大丈夫?変な風に思われないかな?」モジモジ
明日美「なに言ってるのよ、あなたが話聞いてあげるんでしょ?
それに、あなたは変な格好じゃないし、十分かわいいわよ!知らないの?ここに来るまで何人があなたを見て振り返ったと思ってるの?」
絵梨「え、それは明日美の方を見てたんだって。」
明日美「はぁ・・・あなたって自覚ないのねぇ・・・それに他人からどう見えているかってこの場合は関係ないでしょ?」
絵梨「う、うん・・・そうだけど・・・」
明日美「絵梨って、元の時の姿とぜんっぜん性格変わるのね・・・」
絵梨「だって、だって!その、こういうの初めてだし!」
看護師「ごほん!ちょっとあなたたち?入るの入らないの?そんなところに立って揉めてたら邪魔なんですけど?」
絵梨「わひゃぁ!ご、ごめんなさい!」ペコペコ

明人「?・・・!」
絵梨「あの・・・こ、こんばんは・・・昨日はどうも。」
明人「ああ、絵梨ちゃん・・・と明日美ちゃん、こんばんは。」ニコッ
明日美「こんばんは。」ペコチ
絵梨「あの、な、何か私が力になれることがあるかなと思って・・・キタンデスケド・・・///」シュー
明日美(あーあ、また真っ赤になってる・・・)
明人「・・・とりあえず談話コーナーまで行こうか・・・」
絵梨「はい。・・・肩、貸しましょうか?」
明人「・・・大丈夫。」

何度かよろけながら懸命に歩く明人、その度に絵梨は手を貸そうとしたが、
自分で歩かないと意味がないから、と一人で歩き続けた。
その姿に少し心が痛くなる絵梨であった。

明人「さて、どこから話したものかな。」
絵梨「え、あの話したくなければ無理に話さなくても・・・」
明人「絵梨ちゃん、僕に今回のこといろいろ聞きたいからここに来たんじゃないのかい?」
絵梨「・・・そう・・・です。」
明人「まあ、君が・・・君らが僕の話を聞いたところで何の意味があるか分からないけど・・・」

明人は何かを絞り出すように、思い出しながら少しずつ話し始めた。

明人「あれは・・・1か月前か・・・僕は部活の帰りだったんだ・・・」


・・・

明人「はぁはぁ・・・お待たせ。ごめん、片付けが長引いちゃってさ。」
???「ううん、いいのよ。委員の仕事さっき終わったから、私も約束の時間には間に合ってないの。」
???「だから、あなたが遅れてくれてちょうどよかったわ。フフフ」
明人「そうか、ちょうどよかった。じゃ、行こうか。望美。」
望美「うん。」ピラピラ
明人「?なに?手をヒラヒラさせて・・・」
望美「もー!相変わらず。鈍感なんだから!彼女が手を出したら彼氏は手を握るものでしょ?」プンスカ
明人「あ・・・ごめん。」ギュ
望美「あったかーい」
明人「そ、その帰りにさ、ちょっと付き合ってほしいところがあるんだけど、いいかな?」
望美「いいわよ。」

こうして僕たちは駅前までやってきて、僕の部活・・・サッカー部なんだけど、
スポーツ用品店で新しいソックスを買ってから、望美にクレープを買ってあげたんだ。
それで、望美がクレープを食べている間に・・・

明人「あ、望美、ここでちょっと待ってて。」
望美「なあに?」モグモグ
明人「買い忘れがあったんだ。すぐ戻ってくるから〜!」タッタッタ

ほんとにこのときすぐに戻ってくればよかったんだ。
僕は望美に付き合うことになった記念に指輪を買ってあげたくてアクセサリーショップに駆け込んだ。
前から目をつけていた指輪があったからそれを買おうと思ったら、
隣にもっと望美に似合いそうな指輪が有ったんだよ。
ただ、その指輪は少し高かったんだ。
それで迷いに迷って高い方の指輪を買った。

明人「大分迷っちゃった。望美怒ってるかなあ・・・急がないと。」
望美「おそーい。もう全部食べ終わっちゃったよ。」
明人「ゴメン!あ、あのさ、まだ僕、望美に何にもプレゼントしたことないだろ?
だ、だからこれをあげようと思って・・・」
望美「なあに?・・・あ、指輪!カワイイ!!ありがと!じゃ、遅くなったのは許してあげるー」
明人「えー、それだけ?」
望美「嘘よ。すごくうれしい・・・ね、つけてみてよ。」
明人「うん。」
望美「なんだか結婚式みたいだね。」ドキドキ


ワーワー
このとき僕の後ろが騒がしかったんだけど、緊張しててあまり気に留めなかった。
僕が望美の指を取って指輪を入れようとした時の望美の顔は覚えてる・・・
ひどく驚いた顔をしていた。
そのあと一瞬で場面が切り替わって、気がつくと僕は横たわっていた。
いや、正確には僕らは・・・か
僕は見上げるとすぐ目の前に望美がいた。
でも、その望美は血だらけで、僕は体が動かなくて痛くて・・・
望美が僕に何かを話しかけたんだ。
でも僕は聞こえなくて・・・聞き返すこともできなくて・・・
そのあと望美が僕の胸の上に力なく倒れてきて・・・
僕はそこから意識がなくなった・・・
望美が倒れてくる前僕に笑いかけて来たような気がする・・・
そして、僕が目を覚ますと、そこは見ず知らずの所で・・・
看護師さんに聞いてみると、僕は酒気帯び運転の車に轢かれたらしかった。
僕は頭を強打してて腕と足を骨折する大怪我で、1ヶ月ほど意識が不明だったらしい。
そして、望美が死んだことを知らされたんだ・・・

あまりの出来事で現実感がなくって混乱したまま、ぼーっと外を眺めていたんだ。

そうしたら、空の向こうに何か黒いものが飛んでいるなと思った瞬間・・・
エメラルドのような奇麗な緑色の大きな目が目の前にあった。
そして僕にこう言ったんだ・・・

・・・あの時言えなかった言葉を伝えに来た。
お前のせいで私は死ぬことになった。
・・・アキト・・・お前のせいだ・・・おまえが私を殺したんだ・・・
お前があんなことをしなければ・・・

と・・・
そのあとはよくわからない。

・・・

明人「気が付いたら望美が目の前にいたと思ったら、絵梨ちゃんだったんだ。」


絵梨「・・・そうだったの・・・」
明人「僕は、僕は・・・望美を死なせてしまった・・・僕が殺してしまったんだ!」ガンガンッ
悔しさのあまり明人は壁に頭を打ち付ける。
絵梨「きゃっ!やめっやめて!!」
必死で明人を抑えつける絵梨。
明人「もう・・・望美は・・・帰って来ないんだ・・・」
明人「きっと望美は僕のことを恨んでいる。僕と付き合わなかったらこんなことにもならなかったのに。」
明人「僕だけがこうやってのうのうと生き残って・・・代われるなら僕が代わってやりたい・・・」
大粒の涙を流す明人・・・そして声にならない叫び声を上げている・・・
絵梨「明人さん、明人さん、落ち着いて良く聞いて?望美さんは明人さんを恨んでいないと思うよ?」
明人「部外者の君に何がわかる!」
絵梨「わかるわよ。だって、その車って、明人さんの後ろから来た車でしょ?」
絵梨「だったら、明人さんが下になることはないんじゃない?」
明人「ど、どういうこと?」
絵梨「つまり、望美さんは明人さんを守ったのよ。
絵梨さんが上になって明人さんの衝撃を和らげたんだと思うわ。」
絵梨「それに、恨みを持った人がその恨んでいる相手に微笑みかけるなんてことある?」
絵梨「きっと、明人さんが生きていたから嬉しかったんじゃないかな?」
絵梨「うん、私なら大好きな人を何があってもまず守ると思う。」
絵梨「望美さんは明人さんから指輪をつけてもらえなかったかもしれないけど、
もっと大切なものをもらって行ったんじゃないかな?」
明人「の・・・のぞみ・・・ごめ・・・ごめん・・・・」
絵梨「明人さん、望美さんに償うとするならば、自暴自棄になってはダメ。」
絵梨「望美さんが助けた命ですもの、大事にしなきゃ。
早く回復して望美さんに元気な姿を見せてあげないとね。」
明人「うん・・・ぐすっ・・・のぞみぃ・・・・ぐすっ・・・」
絵梨「そ、その・・・私って望美さんに似てるんでしょ?
ほ、本物じゃないけど私でよければ・・・時々・・・お見舞い来てあげるし・・・///」ポリポリ
絵梨「ね、元気出して?」
明人「あ、ありがとう・・・少しモヤモヤが晴れた気がする・・・ぐすっ」

明人は全身から力が抜けていくのを感じた。

・・・

望美「良かった・・・気がついて・・・ありがとう・・・明人、私明人と付き合えて嬉しかったよ。大好きだよ・・・」

・・・




明日美「明人さんの心が落ち着いて良かったわね。」
絵梨「でも、まだ完全に回復していないから、早く元気になるように私が頑張らないとね。」
明日美「明人さんの方はまだわからないけど、絵梨ぃ・・・あなた明人さんとまんざらでもないでしょ?フフフ」
絵梨「な、なによ。その変な笑い方は・・・」
明日美「んー・・・絵梨ぃ・・・明人さんと付き合っちゃえばぁ?」ニヤニヤ
絵梨「ぶほぉっ!げほげほっ・・・な、な。何をいうのよーーー!!」

第五話「Experience!絶交の危機?二人はもうおしまいですか?」

絵梨「前にも言ったけど!わ、私には愛するつまと!むすめが!いるんですからね!!」ガーーッ
明日美「ふふふ。わかってるわよ。でもそれは大樹の時のあなたであって、
絵梨の時には妻も娘もいないでしょ?」
絵梨「同じ私ですっ!それに、明人さんはそんな私みたいな変な子なんか好きになってくれる・・・ハズ・・・ないもん・・・」シュン
明日美「ま、まぁ冗談だって。絵梨の明るさがあれば明人さんもすぐ元気になるわよ。」
絵梨「うん、私頑張るね!」

明日美「そろそろ帰ろっか。」
絵梨「そうね・・・そうそう、やっぱり私の服・・・私が自分で持って帰るよ。」
明日美「え、いいの?だって、あなた・・・」
絵梨「だって、明日美に毎回持って帰ってもらうの悪いし・・・」
明日美「いいって。これくらい。その、あたしの方が絵梨に無理してもらってるんだし。」
絵梨「・・・明日美・・・」
明日美「それに・・・あたしたち、友達でしょ?」
絵梨「・・・ぶわっ・・・明日美っ」ギュゥ
明日美「わわっ・・・絵梨・・・何泣いてるのよ。」
絵梨「なんだか、すごくうれしくなっちゃって・・・ダメだね私・・・
なんだか女の子になったら涙もろくなっちゃって・・・」
明日美「そうだ、絵梨の服、あたしが洗濯してあげる。」
絵梨「え、そこまでしてもらったら悪いよ・・・」
明日美「洗濯しないと汚いでしょ?あ、そうだ、絵梨にあたしの服も貸してあげる。
いつもおんなじ服じゃつまらないでしょ?」
絵梨「ほ、ほんと?ありがとう!!!!」ギュギュゥ
明日美「え、絵梨・・・抱きつきすぎ・・・痛いって。」
絵梨「あ、ごめん」パッ
明日美「ふふふ。じゃ、着替えましょうか。」
絵梨「うん!」

・・・

大樹「ふう、じゃこの服、お願いするよ。」↓
明日美「わかったわ・・・な、なによ人の顔じろじろ見て・・・」↑
大樹「明日美・・・君の身長何センチくらいあるんだ?」↓
明日美「なに?どうせ小さいわよ!150センチゴニョゴニョ・・・まだ成長期なんだからね!
背ももっと高くなる・・・予定だし、胸だって・・・」ムー
大樹「俺が絵梨になると君よりも少し小さくなるから・・・30センチも俺の身長縮むのか。」
明日美「あなた、180センチくらいあるの?無駄にでかいわね・・・」↑
大樹「無駄って言うな。正確には177センチくらいだな。」↓
大樹「まあいいや。そうかそうか・・・ありがとな。」↓
明日美「何よ、気持ち悪いわね。」↑
大樹「いいじゃないか。あんまり話しこんでもまずいしな。じゃ、今日はありがとう。」ヒラヒラ
明日美「なんなのよ・・・まったく、ほんとに絵梨と大樹って同一人物なのかしら。」
明日美「大樹の時は冷静で・・・その・・・少し・・・だけよ?カッコイイのに、
絵梨の時はドジッ娘属性なんだから・・・なんか、そこが面白くもあるんだけど。」
明日美「・・・よく考えたらあたしって妻子ある男性とお友達なのよね・・・」
明日美「他人が聞いたら・・・不健全に聞こえるわね・・・ってか、普通に抱き合ったりしてるし!///」マッカッカ
明日美「うーん・・・絵梨と大樹は別人・・・絵梨と大樹は別人・・・絵梨と大樹は別人・・・」ブツブツ

明日美は困ったり喜んだり焦ったり一人身悶えていた・・・
通行人は関わらないように明日美を避けて歩いていたのは明日美が知ってはいけない事実。


・・・

そしてここは大樹の自宅楽しい楽しい家族での夕食の時間

大樹「そうそう、みゃこ。」
美夜 子「なあに?」モギュモギュ
大樹「前に塾に行ってみたいって言ってたろう?」
美夜子「うん。あ、お醤油 とって。」ムグムグ
紗英「はい。」
大樹「俺の会社の知り合いの娘がいい塾通ってるんだが・・・行ってみ ないか?」
美夜子「うん!行きたい!」
大樹「じゃ、今度一緒に行ってみようか。」
美 夜子「うん!」
美夜子「それと、スキー旅行の話なんだけど・・・」
大樹「なんだ?」
美 夜子「もうすぐ冬休みだからそろそろ準備しないといけないんだけどさ。
宿の予約とかは一応したんだけど・・・」
大 樹「うん」
美夜子「トモちゃんとこの親がね、大人も一緒に行かないとダメ。って言うんだ。」
大樹「そりゃま あ、そういう親もいるだろうな。それで?」
美夜子「トモちゃんとこも、アキちゃんとこもみんな忙しくてついていくこと出来ないって 言うの。」
大樹「なるほどな。で、もしかして?」
美夜子「お願い!お父さん、お母さん!せっかくここまで計 画したんだからついてきて・・・くれないかな?」
大樹「・・・うーん・・・どうする?紗英。」
紗英「私はい いけど・・・あなたこのうちにしばらく一人になるけど・・・大丈夫?」
大樹「うーん・・・それは寂しいかも。俺も行っていいか?金 曜日の夜からになるが。」
美夜子「家族旅行みたいだね。みんなに聞いてみるよ!」
美夜子「とりあえず中止に ならなくてよかった〜」

・・・

時と場所が変わってここは大樹の職場。
プルルルルル
カチャカチャカチャッターン

大樹(うーん・・・このままアーシィとエアリィはバラバラに戦っていていいのだろうか・・・)
大樹(この前はただ単に同時に必殺技を発動させただけだしな・・・)
大樹(本当の意味での合体技みたいなの作らないとな・・・)
カチャタタタカチャカチャッターン!
大樹(かといって、具体的にどうすりゃいいんだ?)
カチャカチャカチャカチャカチャッターン!カチャッターン!
大樹(アーシィのハンマーで俺をティーショットして敵の懐に)
大樹(意味ないな・・・しかも俺は近距離攻撃タイプじゃねぇ懐に入っても攻撃できね・・・)
大樹(俺がアーシィ担いで空から無獣めがけてアーシィ落とす・・・)
ッターン!ッターン!ッターン!
大樹(イラッ)

大樹「ちょっと!田中君!!キーボード打つ時はもうちょっと落ち着いて打ってくれないか?!」
田中「あ、すいません!」


大樹(そうだ、明日美にも考えてもらうようにメール打っておこう。)
パカッ
ポチポチ
大樹『いままで俺達ってバラバラにやってきたけど、合体技とかやってみないか?』
ヴーンヴッヴーン
明日美『いきなり何を言うのよ!変態!バカ!!』
大樹(へ?何を怒ってるんだ?明日美・・・口調も女になってるし・・・)
ポチポチ
大樹『何を怒っているか知らんが、やつらを倒す時に合体必殺技みたいなのを使ったら強力じゃないか?』
ヴーンヴッヴーン
明日美『なんだ・・・驚いた。そんなもの必要?
一人ひとりが相手の弱点を見極めて戦略を立てて行く方が重要だと思うけど?
それに、一撃一撃を集中して精度を高めれば強い攻撃も可能だし。』
ポチポチ
大樹『確かに、戦略と集中力は重要かもしれないが、せっかく二人いるんだ。
協力して合体技を使わない手はないだろう。
それに何より合体技は燃えるし派手だ!』
ヴーンヴッヴーン
明日美『はぁ、これだから男は・・・まあ、考えてみる。』
大樹『それと今日も行くからお願い。』
ヴーンヴッヴーン
明日美『了解』

大樹「合体技名も考えないとな・・・」カキカキ

山本「課長・・・なんだか真剣な顔して仕事してる・・・今度のプロジェクトのことかな??」

部下たちもまさか上司が真剣に必殺技を考えているとは夢にも思いますまい。

タカタカタカタッターン!ッターン!
大樹(またやってる・・・)
大樹「田中君!?まったく釘を打ち込むみたいに・・・そんなにしたら壊れる・・・じゃないか・・・」
大樹「ん?釘?・・・打つ?・・・!ハンマー・・・釘・・・矢?」ピコーン
田中「すみません!癖なんです・・・」
大樹「そうか!!」ガタン!
田中「ひっ!」
大樹「あ、すまんすまん、仕事を続けてくれ。」ニコッ
山本「田中、課長に微笑みかけられたぞ・・・気を付けたほうがいい・・・」
田中「ガクガクガクブルブルブル」


・・・

大樹は仕事が終わると明日美と待ち合わせをしてすぐに市民病院へ向かう。

絵梨「・・・でね、あのチームのFWは私はサイドから切り込むべきだと思ったんだけど・・・
なぜか中央突破しちゃったのよね。」
明人「へぇ!僕もそう思っていたんだよ!あれで結局カウンターもらったんだよなぁ」
絵梨「でしょでしょ!?あれはイカン、イカンよぉ。
思わずビール片手におじさん叫んじゃったね。」グッ
力いっぱい力説する絵梨(中身38歳おっさん)であった。
明人「ビール・・・おじさんって・・・あはは面白いなぁ絵梨ちゃんは。
でも、絵梨ちゃん詳しいねぇ。女の子でここまで詳しい人見たことない。」
絵梨「え。あはは・・・ちょっとサッカー好きだから良く試合見るの。
あの、ビールってのは冗談よ?」アセアセ
明人「あははは。わかってるよ。面白いなぁ。」
明日美「・・・ちょっと地が出たわね・・・ふふふっ」
絵梨「あ、そろそろ帰らなきゃ。じゃ、またね。」
明人「うん、ありがとう。楽しかったよ。」

・・・
そしてとある喫茶店。

明日美「明人さんも大分元気に笑うようになってきたね。」
絵梨「そうだねっ。よかったよかった。私の愛ある看護のおかげかなっ?」フンス
明日美「愛・・・ねぇ」ニヤニヤ
絵梨「はっ!違う!その愛じゃなくって!違うのよ?えーっと・・・」
絵梨「あ、そうだ!合体技の話なんだけど・・・考えた?」
明日美「うーん・・・いまいちピンとこないのよね。
やっぱり、そんなの必要?
それよりも個々の技を強くしたり、戦略に重点を置くべきだと思うの。」
絵梨「もー!それも重要かもしれないけど、二人の力を合わせたら何倍もの威力になると思うの。
だから合体技は必要よ!絶対!」ウンウン
絵梨「でね、私が考えた合体技聞いてくれる?」


明日美「まぁ・・・一応聞くけど・・・」
絵梨「先ずね、私のウィンドヴァーゴで無獣の周囲に矢を撃ちこむの。
そうすると、それの打ちこんだ矢の内側で風が起こり始めて、最終的には竜巻並みの風が起こるわけよ。
エアリィストームの強化版みたいなものね。」
絵梨「それでね、私が空めがけて分散型じゃない集中型のエアリィシューティングスターを撃つから、
アーシィが無獣めがけてアーシィクエィクで撃ち落とすの。」
絵梨「名前も考えているのよ?これ見て?」スッ
明日美「それ本当にできるの?やっぱり、個々の技を磨くべきよ。それに戦略も一度考えた方がいいわ。」
明日美「いつも行き当たりばったりだから倒すのに結構苦労するんだと思うの。」
明日美「絵梨、それにねあなた戦闘中ちっともあたしの話きかないで突っ走るわよね。
だからあたしは戦略とかを考えた方がいいって思うわけよ。」
絵梨「だって、戦闘中にいちいち戦略なんて考えてられないじゃない!」
明日美「あなた、本気でそれ言ってるの?だから前もって考えておきましょうって言ってるのよ。」
絵梨「そりゃぁ、戦略も大事だと思うよ?でも、二人いるんだよ?二人力合わせて敵に立ち向かうことも必要だと思うの。」
明日美「あなた仕事してるんでしょ?管理職なんでしょ?だったら戦略とか事前打合せとか大事なのはわかっているはずでしょ?」
絵梨「何も戦略立てないとは言ってないじゃない!戦略立てたうえで合体技みたいな切り札があれば戦いやすくもなるでしょ?」
明日美「絵梨、あなた合体技したいだけじゃないの?こういうのは練習しないと意味ないでしょ?
わかる?あたしたちは魔法少女にならないと技を使えないのよ?
だからぶっつけ本番でしかできないの。」
絵梨「だから、それはイメージトレーニングで」
明日美「イメージトレーニングでどうにかなるもんじゃないでしょ!」
絵梨「なによ・・・私たちの技は全部イメージから作り出したものじゃない・・・だったらできるはずでしょ・・・」
明日美「それとこれとは別よ!だって私たちの技のイメージは全部アルやスピカから送られてくるものでしょ?」
絵梨「そうだけど・・・」
明日美「アルとスピカの中にイメージを持っていなかったらできないでしょ?」
絵梨「そんなこと言って、明日美、できる自信がないんでしょ・・・こわいんだ・・・」ボソッ
ハッ
絵梨は明日美に対してひどいことを言ってしまった。
しかし、既に出てしまった言葉はもう元には戻せない。
明日美「!・・・・もういい・・・絵梨・・・一人でやればいいじゃない。」
明日美「友達ができたと思ったのに・・・」キラン
絵梨「あの・・・!・・・あす・・・み・・・」
一言、一言だけゴメンと言えばいいのに言葉を紡げない絵梨。
追いかけることもできない・・・


そして、大樹に戻り帰宅。

紗英「・・・あなた、今日はひどくお疲れね。」
大樹「・・・ん?ああ・・・ちょっと仕事で失敗しちゃってねぇ・・・」
紗英「あら。あなたが珍しいわね。」
大樹「ちょっと意見の違いがあって、些細なことなんだ。
それで喧嘩別れしてしまった。」
紗英「あなたの仕事のことだから私はわからないけど・・・どういう風な意見の相違があったの?」
大樹「んー何と言ったらいいか・・・
俺はAというプランがいいと言ったんだが、相手はAよりもBだと言って聞かないんだ。
だから俺はBも考えるけど、そこはBよりもAだという意見を押したんだよ。
そしたら相手は怒っちゃって・・・それで相手にひどいことを言ってしまったんだ。」
紗英「うーん・・・私に言えることは、あなた自分の意見ばかり押し通してたら、
相手の人はは絶対にあなたの言うプランは受け入れてくれないと思うわ。
あなたは相手のプランを受け入れて肯定しなきゃ。突き進むばかりが最善策ではないと思う。」
紗英「大人なんだから、相手の意見も聞かなきゃ。
だから、あなたのプランを実行する前に相手のプランもあなた自ら実行してみたら?」
大樹「そうだ・・・俺が子供だったんだ・・・本当は大人なのに・・・忘れていたよ。」
紗英「それと・・・大切なことだけど。
悪いなと思ったら、まず最初に相手に謝ること。ひどいこと言ったのならなおさらよ。」
大樹「そうだ、確かに・・・許してもらえるかわからないけど・・・」
紗英「許してもらう前提ではなく、誠意をもって謝るの。
あなたの気持ちが伝われば、きっと何か変わるはずよ。」
大樹「ありがとう。気持ちが落ち着いたよ。さすが僕の妻だ。」
紗英「ふふふ。おだてても何も出ないわよ。」
大樹「えーそりゃないなあ。」
紗英「じゃあ、明日の夕飯、あなたの大好きなから揚げにしてあげる♪」
大樹「まじか!」
紗英「ええ、おおマジよ♪」
大樹「やったぁぁ!紗英!愛してるぞぉ」
紗英「ほんと子供みたい。ふふふ」

から揚げでこんなに喜ぶ大樹さん、うらやましい限りです。


・・・

そして、朝・・・

大樹「行ってきまーす!」
大樹「から揚げ〜♪」フンフンフーン
朝から上機嫌な大樹さんですが・・・

タッタッタッタ
大樹「!・・・なんてことだ・・・空が・・・」
大樹「っち!こんな時にぃ!!!」

空の色が変わる。ウィッチーズスペースが展開された。

大樹「アクセプト!」
大樹が叫ぶと首のピンクのハーティ ジュエルが光り、手がハートの形に動いていった。
大樹「キューティメタモルトランスレーションエアリィアッ プ!」

ハーティジュエルからピンク色の光が出て大樹の 体にまとわりついていく。
体が徐々に小さくなり、体の線が丸くなってくる。
パキィンと光が弾けるとハート型の花びらが舞う。
花びらの中かから現れるのは・・・

腕 は白にピンク色の縁取りがされたロンググローブ
足はハイヒールのようなロングブーツ
頭はピンク色の髪になり 急激に伸びていき、ツインテールのように
そして、最終的に首にあるハーティジュエルからリボンのようなものが出て全身を包み込む。
リボンが腰に巻きつき、ピンクの段々のフリルがあしらわれたスカートになる。
リボンが体に巻きつき、無数のピンクのラインのついた袖が広く、襟が大きなフリルだらけの
白いジャケッ トになる。

エアリィ「そよ風のように幸せ運ぶ!キューティエアリィ!おまたせっ」

エアリィ「無獣はどこっ?」
エアリィが周囲を見回す。

その横を黄色い影が横切る。


アーシィ「どこ見てるの?あなたの真上よ」

エアリィ「!アーシィ!上?」
エアリィが上を向くと、大きい球体が宙に浮かんでいた。
エアリィ「はっ・・・ボール??なに・・・あれ・・・こんなの見たことない・・・」
その姿は一種異様であった。手足どころか顔や尾らしきものもなく、文字通りボールのような体に鱗がびっしりと生えていた。

アーシィ「無獣は怪獣体ばかりではないわ。このようなおよそ生物には見えない形もある・・・」
アーシィ「じゃ、あたしは行くから。」

アーシィはそう言ってアーシィハンマーを出すと地面を思い切り叩き跳躍した。

エアリィ「アーシィ・・・!」
エアリィはアーシィとの溝を感じ、追いかけることができなかった。

アーシィ「アーシィストライクゥゥゥゥ!!!」
アーシィはそのボールの真上を叩きつけた!
すると、今まで宙に浮いていたボールが地面に叩きつけられる。

ガッゴォォォン!!!
クォォォォォン

その衝撃で地面にクレーターができる。相当な重量のようだ。

エアリィ「アーシィ・・・すごい・・・」
間髪入れずにアーシィは地上に降り、アーシィハンマーを鱗に引っかけ無獣の周囲を駆け抜ける。
バキバキバキバキィ
鱗が剥がれ落ち、無獣の一部がむき出しになる。

ゴロッ・・・
無獣が転がり始め、アーシィへ襲い掛かる。

アーシィ「甘いわ!」
無獣が転がる方向にすでにアーシィはいなかった。

再び無獣の鱗にハンマーを引っかけ鱗をはがしていく。

アーシィ「最初の一撃であなたの体が防御に適していることはわかってる!だから!こうやって!防御の要を剥がして!むき出しにすれば!」
アーシィ「本体へダメージも与えられるのよ!」
バキバキバキバキバキバキィ

アーシィは何度も何度も鱗を剥がしていった。
徐々にむき出しになる無獣。

クォォォォォ
残った鱗が一枚一枚逆立ち始める。
アーシィ「そういう攻撃も想定済みよ!」
鱗が周囲に弾幕のように無数に発射される。
ドンドンドンドンッ

しかし、アーシィはハンマーを回転させすべての鱗を弾き返した。


その戦い方を見て、エアリィは手を出すことができなかった。
エアリィ「さすが・・・アーシィはすごいなぁ・・・私じゃあんな戦い方できないよ・・・いつも突っ走って、当たって砕けろだもんなぁ・・・」

そして・・・

アーシィ「最大出力で行くわよぉぉぉ!アーシィ!ビートォォォ!!!!!」
アーシィハンマーが無獣のむき出しになった部分に当たる瞬間!

バキィン!

なんと全ての鱗が復活した。
それにより弾き飛ばされるアーシィ!

アーシィ「きゃぁぁぁぁ!」
エアリィ「アーシィ!」
アーシィ「っく!こうなれば鱗が尽きるまで何度でも!!」

アーシィは何度も何度も鱗を剥がし、剥がしては攻撃を繰り返したが、すべて鱗の復活により弾き返されてしまうのであった。

アーシィ「なんで!終わらないのよ!はっ・・・そうか!剥がすのと同時に攻撃しなきゃならないのか・・・!!」
アーシィ「それって・・・っく・・・あたしってやっぱりバカだぁ・・・イメージがないなら・・・作り出せばいいじゃない・・・」

エアリィ「アーシィ!大丈夫!!その・・・この前は・・・ごめんなさい!!」

アーシィ「あたしこそごめん!!そのエアリィの言う事を頭から否定してしまって!」

エアリィ「ううん、確かにあの時はカッコばっかり気にしていてアーシィの事受け入れようとしていなかった。ごめんなさい。」

アーシィ「二人の協力も大事」

エアリィ「敵の行動を見極めて作戦を立てるのも大事」

「「両方大事なんだ」」

アーシィ「やった事が無いからって!」

エアリィ「今経験すればいいじゃない!」


アルデバラン「おしゃべりはおしまいだよ!無獣が攻撃を始めようとしている!」

アルデバランの言うとおり、無獣がその場でコマのように自転し始めた。

アーシィ「回転力を使って全方位に弾幕を張るつもりね!」
アーシィ「あの合体技やるわよ!」

エアリィ「うん!」フワリ

エアリィは無獣の直上へと飛んだ。

エアリィ「我の呼びかけに応え、イメージを具現化せよ・・・ウィンドヴァーゴ!」
エアリィの持つエアリィボウが光を帯びて形状を変える。

アーシィ「我の呼びかけに応え、イメージを具現化せよ・・・グランタウラス!」
アーシィの持つアーシィハンマーが光を帯びて形状を変える。


エアリィ「アーシィ!行くわよ!!」

エアリィ「エアリィシュート!」
バシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュバシュ!

エアリィは無獣の周囲に矢を放つと地面に突き刺さった。

エアリィ「エアリィ!ストーーーム!!」
すると矢の内側に風が巻き起こり、その風は徐々に大きくなり無獣を竜巻が包み込んだ。

バキババキバキバキィィィ!

無獣の鱗が吹き飛んで行く。

エアリィ「今だ!!いっくわよぉぉぉぉ!!!エアリィ!シューティングスタァァァ!!!」
エアリィは直上に矢を放つ。それを見たアーシィは地面を叩き跳躍する!

アーシィ「アーシィ!クエィク!!」
ズドン!

スピカ「ホールド!」
アルデバラン「ホールド!」
スピカとアルデバランは加速度を増した矢に向かってホールドリングを展開。
プラズマを発しながら無獣へと向かっていく。

バチバチバチィ

「「いっけぇぇぇぇぇ!!キューティ!メテオストライク!!!」」

「「二人の心の力を思い知れぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」」

ズズ---ン!!!

キューティメテオストライクが無獣へ突き刺さる。


クォォォォォォン!!!

すると、球体型の無獣が真っ二つに割れ、四散した。


エアリィ「やった・・・・!」

アーシィ「やれば・・・できるものね・・・」

エアリィ「うん!二人の息はぴったりだもん!なんたって友達だもん!」

アーシィ「友達・・・ごめん・・・あなたにひどいことを・・・ごめんなさい。」

エアリィ「こっちこそごめん。昨日妻に怒られちゃった・・・あなた子供っぽいわよ!って・・・
ダダこねてたのは私のほうだ。ごめんね。」

アーシィ「ううん・・・その・・・これからも、友達でいてくれるかな?」

エアリィ「もっちろん!」


これで二人の危機は回避された。
そしてウィッチーズスペースが解けていき、大樹は絵梨に変身して二人は無獣発生者のもとへ駆け寄る。

助け出された人は女性で怪我はしていなかったのだが、念のため病院へ連れて行った。


明日美「よかった・・・大したことなくて。」
絵梨「うん・・・私たちも仲直りできてよかった・・・」
明日美「うんうん。」

絵梨「そうだ!今度ねうちの娘が明日美の塾へ見学しに行くの。うちの娘ともお友達になってあげて?」
明日美「え!やっぱり来るの?き、緊張しちゃう・・・」ピコーン
明日美「そうだ!ねぇ!絵梨も塾に一緒に入って!!」

絵梨「うんうん私も一緒に・・・って!えぇぇぇぇぇぇ!!??」
絵梨「無理だよぉぉ!なんでぇぇぇ?」
明日美「お願い!あなたがいないと不安なの!」
絵梨「うううう・・・ちょ、ちょっとだけだよ?私仕事あるし・・・」
明日美「わかってるわよ。1週間に一回だけでいいからさ、ね。」
絵梨「しょうがないなぁぁ・・・」
絵梨「明日美って結構甘えんぼなんだよねえ。」
明日美「いいじゃない。絵梨のこと大好きなんだから。」
絵梨「えっ!ななななな何を言ってるの。いくら仲直りしたからってそこまで仲良くならなくても!私にそんな趣味はないよぉぉ・・・ってあれ?この場合はOKなのか?いや?あれ?」
絵梨「うーん???なんだか混乱してきた・・・」
明日美「もー、あたしの好きってのはその恋愛の好きじゃなくってぇ・・・勘違いしないでぇ」


絵梨「って、あーあ、会社完全に遅刻だなぁ・・・いくら戦っている間の時間が止まっているからって・・・」
明日美「あたしもよ・・・はぁ」

絵梨と明日美は顔を見合わせる。

明日美「たまには・・・」
絵梨「さぼっちゃおうか!」

二人は大笑いした。

そのあと絵梨は一旦大樹に戻り、会社へ休みの連絡をして、明日美の学校へ保護者として休みの連絡をした。

絵梨「不良中学生なんだから。」
明日美「絵梨こそ。不良社会人め。」

「「ぷっぷぷっあははははは」」

二人は大いに笑いあった。

ガールズショップでは・・・
明日美「絵梨!やっぱりかわいい!!」
絵梨「え、そそうかな?」
絵梨を着せ替え人形にして遊び

コスメショップでは・・・
明日美「絵梨にはこのファンデーションとチークが似合うと思う。」
絵梨「お化粧なんて初めてだよう。」
絵梨にお化粧の仕方をレクチャーし

ゲームセンターでは・・・
明日美「もっとくっつこうよ!」
絵梨「えちょっと恥ずかしいよ。」
二人でプリクラを撮った。

こうして二人は丸一日遊び倒したのだった。



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