CASE.02

今日俺は罪の裁きを受ける。投獄されてから早5年いよいよその日がやってきた。
7年前、20歳の俺は女達を欲望のままに犯し、そして・・・殺した。当時の俺はこの非道な罪に対しても何も感じなかった。そんな俺をマスコミは21世紀のジャック・ザ・リッパーと呼び糾弾した。
 7年の月日が経ち、今になって俺の中には罪の意識が芽生えていた。・・・おかしな話だが、それも今となってはどうでもいいことだ。どうせあと数えるほどの時間しか生きることが出来ないのだから。
 静寂が支配する監獄に靴音が響く、いよいよその時間がやってきたようだ。
「大塚邦夫・・・時間だ」
「はい」
俺はただ静かに頷き、独房から出た。長い廊下を看守に続いて歩く、その距離はまるで永遠のように長く感じられた。
 永遠と思えたそれもやがて終わりを告げる。看守に言われるままに部屋に入るとそこには俺の予想に反し白衣の男が待ち受けていた。そしてその男が言った言葉も俺の予想と違うものだった。
 「大塚邦夫君待ちわびたよ。君が死ぬ前に会えて嬉しいよ。」
その男は俺を知っている様子だった。だが俺はその男の顔には見覚えが無かった。
 「あなたは・・・」
「ふん、顔も覚えていないとはな・・・まあいい後で教えてやろう。それより、私は君に罰を与えに来たのだ。絞首刑よりも君にふさわしい罰を。」
その男は俺に冷たい笑みを向けるとポケットから何かを取り出すと俺の背後に回りこんだ。
「ちょっとそいつを押さえていてくれ。すぐに済むから。」
男が看守たちに命令すると看守たちは2人がかりで俺を押さえ込んだ。
「それでは後ほど・・・また会おう大塚邦夫君」
首筋に痛みが走る、何かを注射されたようだ。暫くすると視界がゆがみ始め俺の意識は混濁した闇に落ちていった。

 ん・・・・ここは・・・俺は確か・・・
 蛍光灯の無機質な光が俺の目に飛び込んできた。身体を起こし周りを見回すとそこは古ぼけた民家のベッドの上だった。
 たしか・・・おれは拘置所で・・・・白衣の男に何かを打たれて・・・・それから記憶が無い。
 まだ意識がはっきりしない頭で自分の置かれた状況を整理しようとしていると背後から聞き覚えがある男の声がした。
 「お目覚めかな?大塚邦夫君。気分はどうかね?」
 振り向くと拘置所で会ったあの男が椅子に座りこちらを見据えていた。
 「あなたはたしか・・・!?」
 自分で声を発したときその異変に俺は気づいた。
 「お・・・俺の声が・・・」
 「ふふふ・・・声がどうしたかね大塚君」
 「声が・・・・女・・・」
 今まで野太かった俺の声はか細く、透き通る少女のようなものになっていた。それを見ていた男は肩を震わせ静かに笑っていた。
 「ふっふっふ・・・・はーはははは・・・・よもや21世紀のジャック・ザ・リッパーがそんな姿になっているとはまさか思うまい・・・・あそこに鏡がある自分で確かめてみるといい。」
 男に言われるがままベッドから立ち上がる、視線が・・・低い、180センチはあった俺に比べかなり低い、違和感を感じながら一歩、また一歩と鏡に近づく、そこで鏡に映っていたのは白いパジャマを着たまだあどけなさが残る少女の姿だった。

 部屋には男の笑い声だけが響いていた。
 「これは・・・いったい・・・・どういうことだ。」
 俺は力なく呟く。それを聞き男は笑いを止めた。
 「くっくっく・・・・判らないか?復讐だよ。私の名は草川栄治・・・・草川玲の父親だよ。」
 その名を聞き俺は青ざめた、草川玲は・・・・俺が初めて犯し・・・殺した女だ。
 「大塚君・・・私は探したよ君に娘と同じ苦痛を与える方法を・・・そしてやっと見つけた。君の脳を女性の身体に移植するという方法を。喜びたまえ、世界で君が二人目の成功例だそうだ。」
 ・・・正気じゃない・・・・俺は草川の異様な雰囲気を感じ取り思わずあとずさった。
 「おっと・・・逃げてもいいが君には戸籍が無い、逃げても野たれ死ぬだけだ。それでもいいのなら逃げたまえ。私は君とは違う、殺しはしないから安心したまえ。」
 それを聞き俺の気力は完全に失せ、その場にへたり込んだ。そんな俺の姿を見て草川はいやらしい笑みを浮かべ俺を抱き上げた。
 「さて、早速始めるとするか・・・・」
 そういう草川の股間はすでにはちきれんばかりに膨らんでいた。

・・・・ To be continued





 「うわ・・・なにする・・・・んん!」
 ベッドに放り投げられ俺は思わず叫んだ・・・がすぐに草川は俺に覆い被さり、口を唇でふさいだ。
 「ん・・・んん!んぅ・・・・・はぁはぁ・・・や・・・めろ」
 舌を入れられ口内を犯され抗議の声をあげる。しかしその声は俺の意思に反し弱々しいもので草川にとっては目の前の料理に添えられたスパイスでしかなかった。
 身体をよじり両腕で草川の体を押すがか細い今の俺の腕では中年太りで肥え太った草川の身体を押し返すことは出来ず逆に両腕を掴み上げられ完全に草川のなすがままになってしまった。
 「っ・・・!!」
 草川の右手がパジャマの上から胸を愛撫する。パジャマの下には何も身につけていないため生地と乳首がこすれ、しびれるような感触が全身を走る。俺の表情を楽しむように草川はなおも俺の身体をまさぐった。
 「どうかね・・・・犯される側になった気分は。」
 草川は首筋に舌を這わせ耳元でいやらしく呟く。
 「うるさい!この変態野郎!!」
 身体に残った力を振り絞るように叫ぶ。だが草川はその手を緩めなかった。
 「ふふ・・・女達を獣のように犯し、殺した君に言われたくないねえ・・・変態は君だろう。21世紀のジャック・ザ・リッパー君」
 「ひぁ!!・・・くっ!はぅ」
 乳首を捻り上げられ思わず悲鳴にも似た声をあげる。それを見下ろす草川の顔は満足げな笑みを浮かべていた。

 びりぃぃぃぃぃ・・・・・
 「っく・・・・」
 部屋に布を引き裂く音が響く。そしてそれと同時に白い乳房が部屋の淀んだ空気にさらされた。俺は思わず身を捩り胸を隠そうとした。
 「ほう・・・女のような反応をする・・・・嬉しいよ」
 その草川の言葉は羞恥心をあおり俺はただ羞恥に顔を赤らめ顔をそらすしかなかった。
 
 「はぁ・・・はぁ・・・・美しいよ大塚君、ここも・・・こんなに紅潮して・・実に美しい。」
 草川は剥き出しになった双丘をざらざらとした舌で執拗に舐めあげる。そのたびに俺の口からは自分のものとは思えない艶っぽい声が漏れ出ていた。
 「くぅ・・・・くひぃはぁ・・はあぁぁぁ」「
 「はははははは・・・・いいぞ、もっと・・・もっとだ、泣き叫べ」
 「はっ・・・・・ふっ・・・・ひぃぁ・・・ああぁあぁあああああ」
 もう何も考えることが出来なくなっていた。
 「そろそろ頃合か・・・仕上げと行くとするか。」
 草川は片手で俺を押さえつけながら器用に服を脱いでいった。

・・・・ To be continued






 「さて・・・覚悟は出来たかね・・・大塚君」
 赤黒くそそり立つ草川のモノが嫌でも目に入ってくる、嫌だ・・・怖い・・・今まで自分が犯した女達も同じ事を考えたのだろうか、俺は贖罪の言葉を呟いた。
 「すま・・・な・・・かった、俺が悪かった・・・・ゆる・・・してくれ」
 「何を今更・・・贖罪の言葉を聞いたところで娘は・・・・戻ってこない。その身をもって私の裁きを受けろ。」
 草川は怒気を強め力任せにズボン、そして下着をも引きずり下ろした。
 一糸まとわぬ姿となった俺を草川は満足げな表情で見下ろし、再び身体をまさぐり始めた。舌が口内を陵辱し、同時に右手は乳房・・・・そして秘唇へと体中を這い回る。
 「くぁ・・ん・・・・んはぁ・・・・んんん・・・・ぁあぁぁぁ」
 口内を犯されている為声にならない声が口からこぼれる。だが、身体の奥から来る電気が流れるような感覚は確実に俺の理性を壊し秘唇から発する水音は激しさを増していた。
 「ふふふ・・・やさしいねぇ私は・・・こんなになるまで準備をしてあげたんだから。ほら、みてごらんこれは君の膣から出たものだよ。」
 草川は俺の目の前に粘液で濡れた指を突き出した。その指と指の間に掛かる糸が俺の羞恥心を激しく刺激した。
 「さて、私もそろそろ我慢できない・・・遠慮なく挿入させてもらうとしよう。」
 俺は草川の意図を察し、ベッドの上で逃げようとした。だが腰に力が入らず草川から逃げることは出来なかった。草川は俺の腰を捕まえると感触を楽しむように少しずつ挿入してきた。
 「あ・・・あぐぅ・・・うっ・・かはぁ・・・・くふぅ・・・いや・・・だ、や・・・めろ・・・やめてくれ」
 「私の娘も泣いて懇願したはずだがねぇ・・・言った筈だよ君にも同じ屈辱を味あわせる・・・と」
 「うっ・・・・う・・・・う・・・」
 涙が流れた、その涙は屈辱の涙なのか、それとも贖罪の涙なのか自分にも判らなかった。だがこれは現実なのだと身体を引き裂くような痛みが突きつけていた。

 パンパンパン・・・・・
 肉のぶつかり合う音が響いていた。それに混じるのは結合部から漏れ出る淫らな水音、そして・・・俺自身のすすり泣く声だけだった。
 「ふふふ・・・はーはっはっはは・・・どうした?もう抵抗しないのかい?それではこれではどうかい?」
 草川は俺の身体を抱き上げ鏡の前で俺の両足を押し広げた。
 「どうかね?これなら君のいやらしい所が丸見えだ。」
 「こ・・の・・・へんた・・い・・や・・ろう、あああああ・・・・」
 「何か言ったかね?まあいい仕上げだ・・・君が殺した娘の無念を受け取りたまえ。」
 草川は腰のグラインドをより激しいものへと強めた。同時に俺に襲い掛かる快楽の波は理性という名の堤防を壊しつつあった。
 「あ・・・いや・・・だ・・・・やめ・・・くはぁ・・あ・・ああああ・・・い・・・いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 「い・・・いくぞ・・・・はぁ・・はぁはぁ・・・7年分の恨み受け取れ・・・・・うくぅ!!」
 「やめ・・ろ・・・・いや・・あ・あっああああああああああああああ」
 その瞬間、草川のモノが震え熱いものが身体の中でほとばしる・・・俺は・・・男に・・・犯された。

 草川は部屋から出て行き俺は独り部屋に残された。部屋のバスルームで身体にこびりついた精液を洗い流す・・・・惨めだ・・・今もなお秘唇からは精液がこぼれ落ちている。
 「う・・・・うっく・・・う・・・・うああああああ」
 堰を切ったように涙が止まらくなった。そしてバスルームに俺の喚き声とシャワーの音が織り成す死んだ女たちへの鎮魂歌が響いていた。。

 ・・・・ To be continued



 「ん・・・あむ・・ん・・ちゅ・・・」
 あの夜・・・初めて貫かれた夜から1ヶ月が経った。私はいまだ草川とベッドを共にしていた。
 毎夜のように繰り返される陵辱は私から男としての意識を削り取っていった。そしていつしか自分のことを"俺"ではなく"私"と呼ぶようになっていた。
 草川は私を慰み者にはしたが傷つけることはしなかった。それどころか部屋を与え、食事や衣類も何一つ不自由することが無かった。
 もちろん逃げ出そうとし、実際に逃げ出したこともあったが戸籍すらない私は仕事に就くことすら出来ず結局、自ら草川の下へと戻るしかなかった。

 「ん・・・あ・・いい・・・・あん・・あっ・・いい・・もっと・・」
 今日もまた昼間は読書をし、夜になれば草川に抱かれる。まるでペットのような・・・いや、ペットそのものの暮らしをしていた。
 口からこぼれる喘ぎ声も始めて貫かれたあの日とはちがい、女そのものの歓喜を含んだものになっていて自分がかつて男だったことがまるで夢のように思える。だが頭に僅かに残る傷跡が夢ではないことを物語っていた。
 「だいぶ従順になったね・・・大塚君。安心したまえ君は私が飼って上げるから・・・飽きるまではね。」
 いつまでこの関係は続くのだろう・・・私には判らない。ただ私はその日1日を生き抜く為に今日も草川にその身を捧げる。

 The END

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