最終更新:ID:nCgeG5RZSw 2010年06月22日(火) 20:40:55履歴
きっかけは、ひとえに好奇心によるもので、工藤が俺に興味を示した理由が気になった為だった。
刺激的な言葉で、俺達男子を撹乱させたりしている工藤。
流石に保体のテストや試召戦で負けることはなかったが、心の片隅や頭の片隅には、
沸々として絶えない興味や疑問が積もりつつあった。
それは、希望者に対する写真や写真素材の販売をした帰りのこと。
偶然Aクラスの近くを通ったとき、工藤に声をかけられた。
「いたいた、ムッツリーニ君」
「……工藤愛子、偶然だな」
「久保君がホクホク顔で戻ってきたからね。今日はこの辺りを通るんじゃないかなと思ったんだ。」
明久や、通称アキちゃん目的の顧客の筆頭で、Aクラスの次席だ。
明久の写真の顧客という意味では、姫路もその1人だったりする。
「……用事は何だ?」
尋ねるが、工藤はこちらを振り返って両手を合わせ、無声のメッセージを俺によこした。
(——友達に呼ばれているから改めて。ともかく、実技でリベンジさせて……?)
保体で俺に負けたことがショックなのか、はたまた、貞操概念がやや希薄なのか……
疑問を抱きつつ、鼻血を垂らしつつ、2-Fに戻るのだった。
同日、放課後。再び"商会"に訪れていた久保から伝言を受け、
部活が終わる頃を見計らい、プールの傍まで来ていた。
ちょうど出てきた彼女の、しっとりと濡れた髪や首筋は
年頃の女子らしい健康的な色気を伴っていた。
「……ごめんね、場所を伝えるのをすっかり忘れていたよ」
申し訳なさそうな彼女に問題ないと応え、ひとまず場所を変える事にする。
「ボクは保健室や体育倉庫も興味あるけど、FFF団のこともあるだろうから」
と連れられて来たのは、彼女の自宅だった。
爽やかな色彩の、中性的な部屋。
「……工藤らしいな。それで、用件って何だ?」
「私のことをもっと知って欲しいし、ムッツリーニ君のことも、土屋君のことも知りたい。
保健体育も、それ以外も、君と研磨し合いたいんだ。……つまりね」
——2人きりの時だけで良いから、愛子って呼んで。
そう言った彼女と、唇が触れるだけのキスをした。
きっかけは、単なる興味本位だった。
転入してきたときに聞いた、ムッツリーニ君の噂。
寡黙さと、性に対する好奇心や行動力のギャップが興味深くて
ボクの好奇心もくすぐられたのだった。
(急に声を掛けたりしたから、訝しがられているかもしれないな)
興味が絶えなくて、なんとなく目で追いかけることも少なくなかったからか
代表や優子には、勘違いされているかもしれない。
好意の有無で言えば好きかもとは思うけど
どちらかと言えば、同志とか友達に対する感情に近くて
(だからこそ、ボク自身も気持ちを持て余していて)
良くある恋愛関係には、ほど遠い気がした。
どう誘うか考え倦ねていて
保留にしていた、例の権利のことを思い出す。
(……研磨し合いたいんだ、とでも誘えば良いかな。)
それから、場所を伝えていなかったので久保君に伝言をお願いした。
刺激的な言葉で、俺達男子を撹乱させたりしている工藤。
流石に保体のテストや試召戦で負けることはなかったが、心の片隅や頭の片隅には、
沸々として絶えない興味や疑問が積もりつつあった。
それは、希望者に対する写真や写真素材の販売をした帰りのこと。
偶然Aクラスの近くを通ったとき、工藤に声をかけられた。
「いたいた、ムッツリーニ君」
「……工藤愛子、偶然だな」
「久保君がホクホク顔で戻ってきたからね。今日はこの辺りを通るんじゃないかなと思ったんだ。」
明久や、通称アキちゃん目的の顧客の筆頭で、Aクラスの次席だ。
明久の写真の顧客という意味では、姫路もその1人だったりする。
「……用事は何だ?」
尋ねるが、工藤はこちらを振り返って両手を合わせ、無声のメッセージを俺によこした。
(——友達に呼ばれているから改めて。ともかく、実技でリベンジさせて……?)
保体で俺に負けたことがショックなのか、はたまた、貞操概念がやや希薄なのか……
疑問を抱きつつ、鼻血を垂らしつつ、2-Fに戻るのだった。
同日、放課後。再び"商会"に訪れていた久保から伝言を受け、
部活が終わる頃を見計らい、プールの傍まで来ていた。
ちょうど出てきた彼女の、しっとりと濡れた髪や首筋は
年頃の女子らしい健康的な色気を伴っていた。
「……ごめんね、場所を伝えるのをすっかり忘れていたよ」
申し訳なさそうな彼女に問題ないと応え、ひとまず場所を変える事にする。
「ボクは保健室や体育倉庫も興味あるけど、FFF団のこともあるだろうから」
と連れられて来たのは、彼女の自宅だった。
爽やかな色彩の、中性的な部屋。
「……工藤らしいな。それで、用件って何だ?」
「私のことをもっと知って欲しいし、ムッツリーニ君のことも、土屋君のことも知りたい。
保健体育も、それ以外も、君と研磨し合いたいんだ。……つまりね」
——2人きりの時だけで良いから、愛子って呼んで。
そう言った彼女と、唇が触れるだけのキスをした。
きっかけは、単なる興味本位だった。
転入してきたときに聞いた、ムッツリーニ君の噂。
寡黙さと、性に対する好奇心や行動力のギャップが興味深くて
ボクの好奇心もくすぐられたのだった。
(急に声を掛けたりしたから、訝しがられているかもしれないな)
興味が絶えなくて、なんとなく目で追いかけることも少なくなかったからか
代表や優子には、勘違いされているかもしれない。
好意の有無で言えば好きかもとは思うけど
どちらかと言えば、同志とか友達に対する感情に近くて
(だからこそ、ボク自身も気持ちを持て余していて)
良くある恋愛関係には、ほど遠い気がした。
どう誘うか考え倦ねていて
保留にしていた、例の権利のことを思い出す。
(……研磨し合いたいんだ、とでも誘えば良いかな。)
それから、場所を伝えていなかったので久保君に伝言をお願いした。
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