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調子に乗って書いてみた。委員長と彼 図書室編
「委員長、ちょっといいかな」  図書室で本を読んでいると、後ろから声をかけられた。  振り返ると、席のすぐ後ろに私の片想いの相手が立っていた。  どきりとする。なんでここに? 「何読んでたの?」  彼の問いに私は慌てて文庫本を持ち上げ、表紙を見せた。サン=テグジュペリの『夜間飛行』。 「おもしろいの?」  真っ白な頭で反射的に頷く。えっと、私はおもしろいから頷いていいんだよね。あ、でも彼にはどうなんだろう。 「委員長ってたくさん本読んでるよね」 「え……」  彼の言葉に私は戸惑った。  読書は好きだけどそ
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%c4%b4%bb%d2%a4%... - 2008年02月15日更新
委員長と彼デート編
 私は駅前の時計台の下で人を待っていた。  時刻は午前十時。天気は快晴だ。  私は自分の身なりを確認する。髪はお気に入りの髪留めでまとめてある。枝毛もない。  服は薄手のブラウスにロングスカートだけど、変なところはないだろうか。不安だ。  バッグの中身も確認する。必要なものはちゃんと入っていた。忘れてなくて一安心だ。  ドキドキする。ああ、早く時間が過ぎてほしいような。でも心の準備なんていつまで経ってもできそうにないからこのまま時が止まってほしいような。  うわぁ、混乱してるよぉ私……。だって
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%b0%d1%b0%f7%c4%... - 2008年02月15日更新
保守替わりに
朝の満員電車。 私はいつも乗る度に憂鬱を感じる。 特に最近に至っては、嫌気すら覚えるようになっている。 学校近くの駅までの20分。 乗って暫くすると… 「…!?」 まただ。私のお尻をなでる手の存在。痴漢されている。 入学した直後2、3度された後は無かったのだが、ここ2週間は電車に乗る度にお尻を触られている。 私にとって不快以外の何者でもない。が人見知りで無口な私には、大声を出して助けを求める事がどうしてもできなかった。 その事が相手を増長させているのを知りながら。 いつもの様に黙って耐えるだけ
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%ca%dd%bc%e9%c2%... - 2008年02月14日更新
「あ」から連想して即興でこんなの書いてみた
「さっき何か言った?」  こっちを振り向いて彼が私に尋ねてきた。  私はなんでもないと首を振る。 「いや、『あ……』とかなんか言いかけたように聞こえたんだけど」  そう言って彼は右手の缶コーラを一口飲んだ。  耳がいい。鈍いのか鋭いのかはっきりしてほしい。  呟いたわよ。呟きましたとも。  隣を歩きながらなんとか手をつなぎたいと思っていたのに、喉が渇いたからって自販機に走り寄っていっちゃうんだもの。  思わず声の一つくらい漏らしますとも。  不満はたくさんある。  こっちの気も知らない
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%a1%d6%a4%a2%a1%... - 2008年02月14日更新
ソラカラノオクリモノ(小雪編)
私はサンタクロース。 子供達にプレゼントを与える存在で、それ以外の何者でもない。 今日は12月24日。私がこの世界に存在する事が出来る唯一の、特別な1日。 子供達の純粋なサンタを信じる思いで私達は生まれる。雪で人間の体と服を作り、 雪で作られたソリと共に、この願いを叶えるサンタの袋を使ってプレゼントを配るのが私の使命。 それが私の存在意義。 私が担当する事になった街で、私はあの人に出会いました。 そう、優しいあの人に・・・・・・ 目を開けるとそこはどこかの部屋らしく、暗い夜空ではない部屋
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%a5%bd%a5%e9%a5%... - 2008年01月20日更新
ソラカラノオクリモノ(耕太編2)
それからは早かった。 住宅地のおかげで移動は短時間で済み、マンションの所では宅配便を渡すようにポンポン拍子に 渡す事が出来たりと、かなりのハイスペースで渡す事が出来た。 途中、気づかれそうになり、ヒヤヒヤした場面もあったが。 それでも、小雪は子供にプレゼントを渡す時は必ず嬉しそうに笑って、最後に頭を撫でてあげる。 耕太はそれを見るたびに、一緒に手伝えてよかったと思えた。 やがて・・・・・・ 「次で最後か・・・・・・」 カーナビに表示された数はついに1になっていた。耕太は腕時計を見てみると時
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%a5%bd%a5%e9%a5%... - 2008年01月20日更新
ソラカラノオクリモノ(耕太編1)
「はぁ………」 バスから一人降りた若い男は疲れたようにため息をついた。 今日は12月24日、クリスマス。 もう空は黒く夜になっており、星が輝いている。 バスは街の方向へ独特のエンジン音を響かせながら戻っていき、残されたのは一人の男と、 男と同じように寂しく立っているバス停の看板。 男は更にため息を付いた後、トボトボと街とは反対の暗い夜道を歩き始めた。 「何だってクリスマスの日にバイトやったんだろ、俺………ん?」 ブツブツ呟きながら点々と点いている街灯を頼りに、住んでいるアパートに向かってい
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%a5%bd%a5%e9%a5%... - 2008年01月20日更新
膝枕の彼女(仮題)
目が覚めた。 どうやらいつの間にか眠っていたらしい。 「・・・・・・・・・おはよう」 聞きなれたか細い声がした。そちらへ目を向けると、 春の優しい日差しに照らされた見慣れた彼女の顔と、真っ青な空。 そこで男は自分が膝枕をされている事に気が付いた。 「・・・・・・おはよう」 恥かしくなって起き上がろうとしたが、彼女の手が男の頭を 幸せそうに撫でているので起き上がる事が出来ない。 しばらく彼女の好きなままにしていると、ボソリと呟く。 「・・・・・・時間・・・・・・止まればいいのに・・・・・
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%c9%a8%cb%ed%a4%... - 2008年01月20日更新
幼馴染の彼女(仮題)
 「俺の子供を産んでくれないか」 プロポーズのつもりで彼女の手を握り、瞳を見つめた。 あまりに唐突だったせいか、彼女の動揺は手に取るように明らかだった。 幼い頃からいつも一緒だった。家が隣で同い年だった俺たちは兄妹と間違われるほど一緒にいた。 口数の少ない彼女は 時に残酷な子供たちの標的になった。 泣きじゃくる彼女を背に、年上の大きな少年を相手に大立ち回りを演じたこともあった。 幼稚園、小学校。俺の隣か後ろに必ず彼女がいた。 気の合う同性の友人にも恵まれたはずなのに、彼女が俺から離れること
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%cd%c4%c6%eb%c0%... - 2008年01月20日更新
リレー小説〜his & her side〜(前編)
&color(#000080){''〜his side〜''} 夢を見た、あの頃の俺と彼女の夢を。 いや、正確には……違う。 なぜなら、その夢では俺と彼女が楽しそうに笑いながら話していたからだ。 きっと、これはあの頃の俺が願っていたこと、 きっと彼女と再び再開したのをきっかけに心のどこかで思いだしだのだろう、 それは一つの分岐、今からでも、少し遅いかもしれないけど、辿れる一つの未来。 夢が色褪せていく、きっともうすぐ目覚めるのだろう。 なぜか、そのなかでこの夢は、この夢で考えたことは思い出
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%a5%ea%a5%ec%a1%... - 2008年01月20日更新
リレー小説〜his & her side〜(再会編)
&color(#000080){''〜his side〜''}  記憶の仕組みは未だ難解不可思議だ。  五分前の大切な要件を忘れてしまうかと思えば、10年前の何気ない記憶をふと思い出させる。  なぜ俺がこんなことを思ったかというと、理由は二つ。  一つは今日、図書館に来たのが記憶のメカニズムについてのレポートを書くための資料を借りに来たため。  もう一つは、その図書館のカウンターに座って本を読んでいた司書の横顔に見覚えがあったため。  思い出されるのは中学の頃、ほんの数か月の間、自分の横に
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%a5%ea%a5%ec%a1%... - 2008年01月20日更新
リレー小説〜his & her side〜(思い出)
&color(#FF0000){''〜her side〜''} 今日も、あの人がとなりに座る。 席替えで決まった席順、たまたま私はあの人のとなりの席に座る。 ずっと気になってた男の子。 神様が気を利かせてくれたのか。 でもそれは、お節介。 こうして、あの人の一番近くに座っていても、私はあの人に、声をかけることも出来ない。 ずっと、本を開いてページに目を落とすだけ。 もちろん、本の中身なんて、ちっとも頭に入らない。 私が、好きなヒトに声をかける勇気がないことを知っていて、神様は
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%a5%ea%a5%ec%a1%... - 2008年01月20日更新
彩花(仮題)
「……や」 「ああ、何だ。入ってたのか」 「ん」 「ん、じゃ俺は先に身体を…待て貴様一体どうやって侵入した」  一日の締めは熱い風呂に限る。  そういつものように浴室に入ると、幼馴染の彩花さんがバスタオル一枚で待ち構えておられました。 「これで」  と、何事でもないように銀色の鍵をちらつかせる彩花殿。  …正直うちの両親にはもう少し思慮のある行動を望みたい。無駄とはわかっているのだけれども切実に。 「…で、何故ここに?」 「お風呂、一緒」  What? 「洗いっこ」  …( ゚д
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%ba%cc%b2%d6%a1%... - 2008年01月20日更新
裾をつまむ彼女(仮題)
「だから!先約入ってんだって!勘弁してくれよ!」 ある日曜日の早朝のこと、一人の青年が携帯電話に向かってなにやら怒鳴っている。 「しつこ過ぎるっつーの!こっちは一週間前からだっての!」 その電話口の論争を眺める少女がいた。 凛とした黒髪を肩まで伸ばし、対照的な白のワンピースで着飾っている。 「あー!もう!だから違うって!明日でいいだろ……って…切りやがった…。」 ぼやきながら携帯電話を閉じる青年の服の裾をいつのまにか隣にいた少女が引っ張っる。 「……行けないの…?」 泣きそ
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%bf%fe%a4%f2%a4%... - 2008年01月20日更新
生徒会の無口な面々(仮題)
「「「「…………」」」」 無言の重圧、キツい、正直キツい 「……俺がなにかしたか?」 292は問いかける、生徒会の面々に、 「「「「…………」」」」 が、返ってきたのはまたしても無言、何故か冷や汗が背中を伝う。 ――まずい、なんか知らないが非常にまずい。 第六感が警告を告げる、ここに居るとやばいぞ、と。 「あー……用事なさそうだから俺は帰るよ」 そう言い、後ろにある扉に向かって歩きだそうとしたら 「待て」 「待って」 「待ちなさい」 「待ってください」 制止の言葉がかけられる。
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%c0%b8%c5%cc%b2%... - 2008年01月20日更新
朝の挨拶
………………。 ………。 ぴくっ。 「おーい」 たったったった……。 ぴと。 「おっと」 ぎゅ。 「うん。おはよう。今日は大丈夫?」 こくこく。 「じゃあ行こっか」 くいくい。 「ん?忘れ物?」 ふるふる。 「じゃあ、オンブ?」 ……。っふるふる。 「今、いいなとか思った?」 ぼ。 「顔、赤いよ?」 ぽかっぽかっぽかっ。 「あはは、ごめんごめん」 ぐいっ。 「わっ」 どてっ。 「いたた…なにす、」 ちゅ。 「………」 ………。 「…言ってくれればしゃ
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%c4%ab%a4%ce%b0%... - 2008年01月20日更新
饒舌な彼女(仮題)
二人はおしゃべりでいつも賑やかなバカップル 毎日のように喧嘩もするけどすぐ仲直り。 でも今回ばかりは許せない。 本気で怒った彼女は、彼氏にちょっとした復習を思いつく。 TVでやっていた催眠術の特番。 これで彼氏を黙らせてしまおう!と。 さすがに完璧にしゃべれないのはかわいそうだと思った彼女は、 一日に一言だけならOKと自己流にアレンジを加えた。 そして翌日。 彼氏に催眠術をかけていたはずの彼女は、 目の前のろうそくの明かりが…… …………だんだん……霞んで…きて… しゃべりた
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%f1%c1%c0%e5%a4%... - 2008年01月20日更新
きみのこえ(後編)
 制服を着て家を出ると霧のような雨が降っていました。 傘を差そうか少し迷い、そのまま立ち尽くしてしまいました。 昨日の事を思い出して顔が熱くなります。 段々と粒が増えてきた雨が私の肌を伝い冷やしていきます。 そして事の始まりまでに記憶を振り返ってしまった時、 火照っていた頬は急速に熱を失い涙が溢れてきてしまったのです。 問題は解決したわけではなく、一時の安らぎに身を任せていただけなのだと。 一晩にして、私の心には根の深い欲望が張り巡らされていたのです。  せめて初めてだけは、それさえあれば
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%a4%ad%a4%df%a4%... - 2008年01月20日更新
透けてる彼女(仮題)
 その少女が見えるようになったのは、つい先日の事。  特に何かきっかけがあったような覚えは無い。振り返ったらそこにいた。  いや、居たというのは正確じゃないな。彼女は浮いていたんだから。 「俺、霊感無いはずなんだけどなー」  その少女は、どこからどう見ても幽霊だった。これ以上無いくらいに幽霊である 事を主張していた。向こうが透けて見える、半透明の身体に白っぽい顔や手。 手足ではなくて、手。幽霊の常に漏れず、彼女に足はなかった。  彼女が幽霊でないというのなら、一体何だと言うのだろうか。 「
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%c6%a9%a4%b1%a4%... - 2008年01月20日更新
梔子
 近所の公園でよく見るヤツなんだがベージュ色のコート一年中着てるヤツ。 チラッとみえたんだけど、けっこスタイルよくてさ、 よくアニキと「あんな女抱いてみたいもんだよな」なんて話してたわけ。 そしたら「やっちまうか」なんて言うもんだから俺も「いいッスね」 なんて答えたんだけど、そんときゃ冗談だとばっかおもってたワケよ。  んでさ、ベンチに座ってダラダラ学校がクソだの話してた。 夕方になった頃にさ「口裂け女だー」「キャー」とかガキ共が走り回ってんの。 その女いつもマスクして帽子かぶっててさ、今
https://seesaawiki.jp/w/n18_168/d/%db%e9%bb%d2... - 2008年01月20日更新
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