メニュー
Wiki内検索
最近更新したページ
タグ

1-433

「…っく、に、兄さん…」
それは草木も眠る丑三つ時。
真っ暗な部屋から、密やかに淫猥な吐息が漏れ聞こえる。
「…う………ル


      「…ぁ……に、兄さん…」
      真っ暗な部屋から、密やかに淫猥な吐息が漏れ聞こえる。
      さらに耳をそばだてたなら、ぴちゃ、ぴちゃ、という音も微かに聞こえるだろう。

      一糸まとわぬ、生まれたままの姿の二人。兄は、乳首をちろちろと舐めながら言った。
      「…可愛いよ………ル…」


その世界的に有名な「兄弟」は、二人で窓の外を見つめていた。
「……はぁ…」
陰鬱なため息は、窓の外へと吸い込まれて消える。
それを眺めていた赤い帽子の兄は、そっと緑の帽子の上に手を置いた。
「どうしたんだい?」
「…なんでもないよ…兄さん」
兄の問いかけにも、悩ましげな表情で遠くの星を見つめるばかり。

兄は緑の帽子を取り、髪をくしゃくしゃと撫でる。
「どうして…一人でそうやって悩みを抱えようとするんだい。たった二人きりの「兄弟」じゃないか…」
「…………はぁ…」
しかし帰ってきたのは、より陰鬱なため息。


      兄は、そっと手を太股に添えた。
      そして、その手をゆっくりと上に這わせる。

      やがて辿り着いたその場所。
      「ははっ、もうこんなになってるじゃないか」
      その耳元での囁きに、真っ赤になってかぶりをふる。
      「……兄さんの、いじわる…」


沈黙。
そして、嗚咽。
「……兄さん…やっぱり……ピーチ姫や、ゼルダ姫や、サムスさんのほうがいいんだよね…」
突然の嗚咽に狼狽えながらも、とっさにハンカチを取り出して涙をぬぐってやる兄。
「お、おい…なに言ってんだよ」
「だって…だって、ボクはそんなに魅力的じゃないし…
みんなはお姫様だったり強いヒロインだったりするし…なのにボクなんて…」
そう言ってベッドに泣き崩れる。

そして、呆然と立ちつくす兄。
「だ、だけど…僕らは、「兄弟」じゃないか…」
ただ言えた台詞は、それだけ。


      「もう、ここは「欲しい」って言ってるぞ」
      穴を、指でそっと触れながら兄は笑った。
      「…だ、だって……」
      「だって…どうしたんだい?」

      しばらくの沈黙。
      兄に聞こえるのは、二人の心臓の鼓動。
      二人の吐息。
      そして、ほとんど声にならない呟き。

      「だって……欲しいんだもん」


「兄弟とか…そんなの関係ないよ……だって、好きなんだもん。
兄さんのためだったら…ボク、なんでもするよ…」
そういうなり、立ち上がって服を脱ぎ出す。
その涙の跡の残る顔には、しかし悲壮なまでの決意があらわれていた。
「……ボク…おかしいかもしれないけど…でも…」

…兄は、突如笑い出した。
「ははは…確かにおかしいよ、ルーイ」
そして、「妹のつけ髭をピリッと剥がしてやる」。
妹は一瞬きょとんとした後、くすくすと笑い出した。
「そっか…まだボク、「ルイージ」の格好のまんまだったね」
そう言いながら、妹は胸にきつく巻いた布を、はらりと外していく。

妹の一糸まとわぬ姿は、女性らしい綺麗な曲線を描いていた。
「ルーイ…いつのまにか、大人になったんだな…」
2007年05月08日(火) 15:59:57 Modified by smer




スマートフォン版で見る