メニュー
Wiki内検索
最近更新したページ
タグ

c-194

春の夜の独特の寒さを湛える部屋。中で響くのは荒い呼吸と淫らな水音。
粘液と粘液が擦れ合うときのあの淫猥な音を奏でるのは、雄の馬程の大きさの屈強な獅子と、対して白く華奢な生物の二匹である。
仰向け、所謂服従の姿勢で金縛りをかけられ動けない魔獣ガノンの白い腹の毛に埋まるように、跨がる影は最強のポケモンミュウツー。
彼女とも言えるその存在は、目尻や頬を赤く染め、眼前でそそり立つ雄を見て、どうしようもない征服感を覚えていた。
「だらしがないな、こんなに硬く勃起して……んむっ……口に含むのが実に厄介だ」
獣の、その堂々とした体躯に見合う、剥き出しの陰茎を扱きながら、舌先に皮肉と唾液をたっぷり滲ませ、尿道口をちろちろとくすぐる。頭上からくぐもった唸り声が上がった。
犬のように短く浅い呼吸をして、青い舌をだらりと出しているこの巨大な猪が、ほぼ毎夜己を弄び犯し狂わせる男、ガノンドロフだと思うと、戸惑いと奇妙な感覚を自覚せずにはいられない。
あのいつでも余裕綽々とした、不愉快なしたり顔の奴が、今や自分に蹂躙され、情けなく焦らされる――興奮した。
せめて、今だけでも、攻守が逆転するたった一時の非日常を、もっと濃厚に味わい尽くしたい。
そのようなことを心の隅で願いながら、湧き上がる肉欲に動かされて、舌先の肉を責めることに意識を集中させる。
「ふふ……見ろガノンドロフ。貴様のカウパー腺液で、私はこんなに汚れてしまった」
ちゅっと音を立てて、先端から零れる先走りを味わった。途端に己の下半身が熱くなる。
一旦陰茎への責めを休止し、秘所をまさぐってみるとぬるりとした感触を感じた。
以前男に、しゃぶるだけで濡らす淫乱、と罵られたことを思い出し、思わず苦笑する。
――その通りだ。私は、淫乱だ――
そして、思案に俯いた顔を上げると、いきなりの愛撫中断に高められた射精欲に耐えびくびくと震えている陰茎があった。
今のガノンドロフにヒトとしての理性はない。本能に忠実だ。だからこそ、もっと我慢させて、焦らしてやりたいと思う。
僅かに腰を浮かして、ミュウツーはどろどろになった秘所をガノンの肉棒に押し付けた。決して入れるような真似はせず、腰を前後に動かす。
「ひ、あ……く、あぅ……んんっ……」
大量の先走り汁と愛液を潤滑剤に、互いの粘膜は悦楽を貪りあう。肉襞にこすれて熱い。陰核に引っ掛かって気持ちいい。
眼下の雄も快楽に負けそうになっているようだ。大きさも熱も先ほどより増している。
そして卑猥な音が聴覚を支配する中、唸りが一つ、上がった。
「はあっ、や、ああっ、んああ……!」
自らの太腿の間で陰茎は痙攣し、粘ついた、濃厚な、熱い精液を射精した。同時にミュウツーも軽く達し、咽喉を反らせて喘ぎ混じりに吐息する。
精液に装飾された下半身と情けなく弛緩した魔獣へ交互に眼を遣り、幸せそうな、にしてはドス黒い微笑を浮かべて言った。
「駄目だ……まだ、まだだ。貴様がいつも私にしたことを思い知らせてやる――逆襲だ」
既に白い手は萎えた陰茎をまさぐり無理矢理にでも起たせようとしている。眼は薄暗い中でもらんらんと輝いている。
獣の激しい咆哮は、この箱庭世界の夜空に掻き消えた。
2008年05月19日(月) 12:26:09 Modified by smer




スマートフォン版で見る