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  • 進行役:天然腹黒なワドルディ(ぇ?
  • 一応マリオ×ピーチ描写有り。エロくないけど。
  • ゲーム基準なのにメタナイトがヘタレ化してますので注意。



こんにちわ、ワドルディだよ。げんき?
僕はヒマな日は結構あちこちうろうろして、おなじくヒマな脇…じゃなくてサブキャラのみんなから面白い話を聞いて回ってるよ。
今日はキノピオから聞いた話をおしえてあげるね♪

【サブキャラオールスター大乱闘スマッシュブラザーズ】

「え?面白い話ですか?うーん…突然そう言われましてもねぇ。」
(いいからなんかおしえてー。ピーチ姫のお供してるから結構おもしろそーな事知ってるんじゃないの?)
パタパタと手を動かして話をせがむワドルディに対して困った顔をするキノピオ。そもそも面白い話など、
そんな簡単に出てくるものでは無い。だが相手はどうも諦めてはくれないようで熱心に顔を見上げてくる。
(なんもないのー?ぜんぜんダメじゃん。)
「…気のせいかな?今、嫌な感じがしたような。えーっと…、あ、そうだ!ありましたよ!!」
(うんうん、よしよし。)
「こんな話ですけど…。ある晩、ピーチ姫様がマリオさんの部屋に泊まりに来たんです。…まあ、いわゆるアレですね夜の大乱闘です。
けどピーチ姫の方は久しぶりにマリオさんとゆっくり過ごすつもりだったんですが、マリオさんはその日に試合でヘトヘトになっていて、
翌日にも試合を控えていたんですね。つまり…」

〜これより回想〜
ベッドには男と女。二人は体を重ねあい、互いに情欲を屠っていた。
やがて絶頂を向かえ共に果てる。暫しの間、快楽の余韻に浸っていた。しばらく時間が過ぎ、ピーチがマリオに話しかける。
「ねぇ、マリオ…。こうやって二人でいるのは久しぶりでしょ?だ・か・ら…。」
「うーん、ごめんピーチ…。今日はもう勘弁してよ…。」
「ちょっと!こんな事をレディに言わせておいて、恥ずかしくないの?!」
「はいはい、今度埋め合わせるから…Zzz…。」
「あ、マリオ!起きてよ、マリオッ!…なによもうっ。マリオのばかっ!」
試合の疲れと先ほどの行為で体力を消耗したため、マリオはすっかり熟睡してしまった。一人ほっとかれたピーチは
淋しさやら悔しさやら怒りやらでモヤモヤとした気分に沈んでいる。
「そんな意地悪するなら、もう絶対にノッてあげないもん!」
ぷうっ、と頬を膨らませて少し子供じみたワガママを言ってみるものの、一向に目覚める気配は無い様子。
「…すっかり眠っちゃって。そりゃあ疲れていたのはわかるけど、あんまりよ…。…そうだわ!いいこと考えちゃった♪」
スヤスヤと寝息を立てるマリオを見て、ピーチはあることを思いついたらしい。



「…ん?」
朝の日差しがカーテンから差し込みマリオが目覚める。隣にピーチはいない。
もう起きてしまったのだろうか?と考えマリオは時計に目をやると…。
「うわあ!もうこんな時間じゃないか!!!」
すでに本日の試合開始十分前だった。慌ててマリオは着替えて急いでステージに向かう。

その頃集合場所には本日の対戦相手であるピット、C.ファルコン、ゼルダの三人がすでに集まっていた。
真面目なマリオにしては珍しいと三人は話し込んでいた。
「あれ?今日はマリオさん遅いですね。」
「そうだな、いつもならとっくに来ているはず…。」
「もう少し待ってみましょうか。」
そこへ丁度よく、息を切らせながらマリオが走ってきた。
「はーはー、ゴ、ゴメンよ遅くなって。うっかり寝過ごしちゃって…。」
「珍しいですね、マリオさんが寝坊なん…て…。」
「え?」
何故か三人がマリオを顔を一心に見つめる。しばらくして三人ともがクスリと笑い出した。
「ふふ、やられましたね。マリオさん。」
「いやぁー、若いねぇ〜。」
「え?ええ?」
ゼルダとファルコンの言葉の意味がサッパリわからずマリオは困惑している。
さらにはピットまでもがこんな言葉をかけてきた。
「マリオさ〜ん!昨日はおたのしみでしたね!!」
「なっ、何を言ってるんだい。ハハハハ…。」
確かに昨日は『おたのしみ』だったが、なんで急にそんな事を言い出すんだ!?
と、マリオはさらに困惑する。それを察したのかゼルダがそっと手鏡を差し出した。
「急いでいたから鏡をご覧になってなかったんでしょう?どうぞ。」
「え?それってどういう………なんだこりゃああああああ!!!!!!!!」
〜回想終了〜

「ピーチ姫はちょっとした『イジワル』でマリオさんの鼻にキスマークを残していったんですよ。『女性の誘いを断ると後が怖い!』って事ですね。
ふふふふ、姫もよくやりますよ。流石にその後どうなったかまではわかりませんけどね。」
(へー。なかなかおもしろかったよ。)

ぱちぱちと手を叩いてワドルディはキノピオを褒める。彼も少し照れてうれしそうだ。
しかし、ここでワドルディは首をかしげてキノピオを見つめる。

(ところで、なんでそんな話をしってたの?きいたから?それとも…)
何を言おうとしてるのか察したのか、キノピオはわたわたと慌てて反論し始めた。
「ちちち、違いますよぉ!!!僕はピーチ姫からお話を伺っただけで決してのぞいてなんていませんよっ!!
いくら僕達キノピオ隊が常にピーチ姫をつかず離れずお守りしているからといって、そそそそんな事!!!!!」
(じょうだんなのに…。わかってるって。)
「そ、それじゃあ僕の話はこれで終わりです。また何か面白い話があれば教えますよ。」
(バイバーイ♪)
こうして今日もワドルディは面白い話を聞いて満足していった。めでたしめでたし。


…ではない。さて、この物語も一応はここで終わりなのだが実はもう少し続きがある。



ところ変わって、ここは選手寮の一室メタナイトの部屋。中には部屋の主であるメタナイトと、さっきのワドルディがいた。
ワドルディの方はどこで用意したのか白い水兵のような帽子を被ってうれしそうに今の話を語っていた。
「…と、ゆーわけでキノピオの話は面白かったよー。」
「それはいいが、いい加減そういった話を聞いてくる度に私に教えにくるのは止めてもらえないか。」
メタナイトはフゥ、とため息をつく。だがワドルディはそんな様子にまったく悪びれる様子も無く…
「だーって、おもしろバナシを聞いたらまずはメタナイトに教えたいもーん。それにみんなワドルディは無口か喋らないものだと
思い込んでいるからちょっと黙っているだけで、ヘーキであんな事とかこんな事、色々教えてくれてるし。」

そう。このワドルディ、実は普通に喋れる。「ワドルディといえばデデデ大王の部下」だと戦士達の多くは思っているようだが、彼は違う。
一応メタナイト配下、というよりも『面白そうだったので勝手にメタナイトについてきた』フリーのワドルディ。要するに、ただのプププランド住人。
なんと彼は『“この世界”もきっと面白そうだから!』という理由でデデデ大王のワドルディ軍団に紛れ込みこっちに来たツワモノだ。
よくもまあ、創造神であるマスターハンドに気づかれなかったものだがワドルディ一匹の区別など付かないのか、あるいは
神もまた『面白いことが大好き』なため見逃しているのか、今まで誰にも気づかれていない。

「デデデ大王も顔の区別なんてどーせ付いてないもんっ♪」
まったく反省する気が無い…。そう思ったメタナイトは注意をするのを諦めた。そもそも言ったところで止めるような者では
無いという事をよく知っているからだ。
「…色々と誤解を招く。」
「だれに?」
「そうじゃない。私が密偵を送っているとか、お前を使ってスパイ活動をしているとか、変な噂が立ったらどうするのだ。」
「だいじょーぶ。こっちは趣味でやってるだけだから、それで困るのメタナイトだけだよ。」
「それが問題なのだが…。そもそも…」
何気にとんでもない事を言っているワドルディに再び説教を始めようとするが、それをワドルディがある言葉で止める。
「ところで今日のカービィはねー。」
「ッ!!カ、カービィが?」
すごい勢いで話に喰い付いて来たメタナイト。仮面で表情は見えないものの、恐らく期待で笑みが浮かんでいるに違いない。
ワドルディはそれを知ってか知らずか、もったいぶって話を続けてきた。
「あのねー。」
「どうした!?」
「おしえない♪」
「え…?」
「おしえなーい♪」
なんという策士!とメタナイトは内心思っていた。策も何も無いような気がするが、彼に対してのみ絶大な効果を発揮するのだ。
「わ、わかった。もう何も言わん…。」
「じゃ、おしえるね♪今日カービィはすま村で試合してて…」
「(…ダメだ。毎回この一言でごまかされてしまう。本人が勝手にやっていることなのにこれでは本当に私がワドルディを使って
カービィに探りを入れているみたいではないか!…私も私ではあるが。)」
本人も承知の通り、毎回ごまかせる方がどうなのかと思う。
「でねー、ホームランバットでたくさん撃墜してて、それからー…」
「(それにしてもワドルディよ…。どこが人畜無害なんだ!)」
いや、確かに人畜無害ではある。普段は平々凡々にのんびり過ごしたりするし特に戦ったりもしないし人を困らせるような
事もしないごくごく一般的なワドルディ。メタナイトに対しても別に脅迫している訳でもないし悪意は無いのだ。

…ただ、このワドルディの場合「わざとやっている訳でなく悪意も無い」のではなく「わざとやっている上で悪意が無い」というだけなのだ。

こうしてワドルディは今日も明日も明後日も、元気に楽しくネタ探しの散歩に出るだろう。
メタナイトの苦悩は人知れず募っていくが、そんな事は誰も知るよしも無い。

おしまい
2008年05月08日(木) 00:06:33 Modified by smer




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