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 月明かりが鈍く射す小さな部屋に置かれた、不釣合いな大きさのダブルベッドに潜るサムス。
 ふと、隣に寝る男の顔を見つめた。大柄で筋肉質な男が静かに息をしている。
 本来、出会うはずの無かった、違う次元世界に生きる男と恋仲に落ちようとは。
 マスターハンドの力で「ここ」に連れてこられるまでは、夢にも見なかった事だった。
 先ほどまでの情熱的な交わりから、冷静さを取り戻したサムスはファルコンの顔を見つめつつ、そんな事を想う。
 しばらくそうしていると、視線に気づいたのだろう。仰向けになっていたファルコンもサムスに顔を向けた。

 二人の関係について説明するには、少しばかり時を遡らねばならない。
 それは、戦士たちがこの世界に来て、一ヶ月ほどの時間が流れた頃の事である。
 この世界では、バトルを定期的に繰り広げていれば、後のことは特に制限はないらしく、戦士たちはつかの間の休息を楽しんだりもした。
 特にファルコンとサムスは賞金稼ぎという職業上、元いた世界では孤独であり、休まる暇が一時もなかった為に他の戦士よりも、この時間を楽しんだ。
 そうしている内に、同じ職業であるという仲間意識が薄くも働いたのか、二人は行動を共にする事が多くなってゆき、互いの事をよく話し合う様にもなった。
 二人は要するに、馬が合ったという訳である。
 そして後は、大人の男と女だ。二人が寝床を共にするまでに、それほどの時間はかからなかった。

 時は戻り、部屋の中。
 サムスがファルコンの厚い胸板の中に顔をうずめている。
 ファルコンは逆三角形のがっしりとした体格で、二〇〇センチに届こうかとする身長は、まさに大男といって良い。
 対するサムスも背は高いが、豊かに実った乳房、細くくびれた胴、美しい丸みを帯びた腰と、女そのものといった感じだ。
 二人が重なる姿はアダムとイブの様であり、そこには原始的なエロティシズムが漂っていた。

 サムスの吐息がファルコンの胸毛をじわりと濡らす。
 そして、パワードスーツを着込み凛としている、普段の姿からは想像もつかない甘い声でねだる。

 「ね、もう一度……今度は口でしてあげるから」


 サムスはそういうと、邪魔になる長髪をかきあげ、顔を下にずらしてゆく。
 割れた腹筋を通り過ぎると、ファルコンの剛直が姿を現した。やんわりと口を近づけ、

 「ン」

 先端に口付けしたサムスは、それを口の中へと導く。紅色の唇が妖しくうねる。

 「ンンッ……」

 さらに彼女は、長い舌で男の敏感な部分を念入りに責めてゆく。
 静寂が支配する空間の中、粘ついた水音だけが響く。そのメロディはおそらく、この世の中でもっとも淫靡なものだろう。
 サムスの舌技は相当なものであり、決して女性経験の浅くない、ファルコンの剛直も見る間に硬度を増していった。
 口の中でそれを感じ取ったサムスは嬉しそうに息を漏らす。

 「んふっ。また大きくなった。素敵ね……」

 そう言いつつ口をすぼませ、剛直をより深く咥えこみ、何度も頭を上下させる。
 激しい音を立て、サムスはファルコンをしゃぶり尽くしていった。
 しばしの間、二人の荒い息と粘つく音だけが続く。


 「むぅっ……サ、サムス」

 情熱的なディープスロートに、さしものファルコンも限界に達したらしく、吐き出したい欲求をサムスに訴える。
 ファルコンの要求にサムスは口で答える代わりに、剛直を咥えたまま少し顔を引くと、上目遣いで凄艶に微笑み、射精を促した。

 ――いいわ、そのままだして!

 「ぐっ……!」
 「ンーーッ!」

 熱く、濃い液がほとばしる。
 剛直がビクンと痙攣する度、妙な味がサムスの口中全体にじんわりと広がる。
 我慢できなくはないが、決して美味しいはいえない味だ。
 だが、サムスはとろんとした表情ですべてを飲み尽くしてしまうと、剛直から口を離す。こぼれた液が糸を引いて落ちてゆく。

 「ふふ……ごちそうさま」
 「レース以上の快感をありがとう……さて、今度は俺の番だな」

 そういうとファルコンは、今まで上になっていたサムスを一瞬で下に組み敷き、抱きしめた。
 ベッドが軋む度、サムスは甲高い声を上げる。

 二人の夜はまだ始まったばかり。
2007年05月08日(火) 16:13:44 Modified by smer




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