誰もが「オモシロいドラマ」を第1回から観たい。後で「見逃したのを後悔したくない」。だが、新作ドラマの情報を調べても、絶賛ばかり。本当のことは、分からない。ならば、どうする?その答えを出すのが、このWikiです。



佳作/優秀作品にも関わらず、再放送が少ない/皆無な作品がある。

〇〇監督特集や、〇〇賞受賞作品集などに引っかからないと、マーケットから忘れられてしまう。

私は、その最たるものとして「愛すれど心さびしく」(1968年)を上げたい。監督は無名。主演のアラン・アーキンは、それ以外に代表作はない。クリント・イーストウッドの妻だった女優の初出演作。

同じ系列として、ピーター・セラーズ主演の「チャンス(1979年)」。不思議系映画。



一方、〇〇監督作品というだけで、オモンナイ映画が再放送される。
たとえば、 ●黒澤映画には、「夢」「どですかでん」「どん底」など、作家研究には重要でも、「観るのが苦痛になる = 大衆娯楽作品ではない」作品が少なくない。 ●小津映画は、その殆どが似たり寄ったりだが、溝口映画「近松物語」のヒロインは、恋に生きる女性で素晴らしいが、「西鶴一代女」のヒロインは、運命に殉じる自堕落。 ●伊丹十三映画でも、「タンポポ」「マルサの女」はオモロイが、「あげまん」はオモンナイ。

作品には、さまざまなラベル/レッテルが貼られる。その存在が二次流通が大きく影響する。

ここでは、有名無実なラベル/レッテルを排除することを目指す。

ビデオ・オン・デマンド、見逃し配信など、視聴形態が多様化する今、「虚偽な評価の作品」の排除には、社会的な意義がある。


【以下、工事中】











「戦艦ポチヨムキン」,(ソビエト映画、エイゼンシュタイン監督),    −1

プロバガンダ映画。映画史上の価値はあるが、大衆娯楽作品ではない。

1 , × , 大衆のストーリーであり、主人公は特定できない。
2 , × , 「帝政ロシアvs.ソビエト社会主義」がドラマ成分〈対立〉だが、「集団vs.集団」なので感情移入は難しい。
3 , 〇 , 観客を「感情的高揚」に導くため、「設定/説明を排除している」。
4 , △ , 「帝政ロシアの悲惨な現実(腐った肉を食べさせられる船員、オデッサの階段を転げ落ちる乳母車)〜戦艦での船員たちの反乱/市民の武装蜂起〜帝政ロシアの崩壊〜人民の歓喜」という構成は、強固。だが、「個でなく、集団」として描かれるため、演劇的/ドラマ的な感動を生まない。

{※ この作品は、「再現ドキュメンタリー。ドラマではない」。
−−歴史のドラマ化の傑作は「史上最大の作戦」(1962年アメリカ映画。連合国のノルマンディー上陸作戦を描く)。英米独の政治家トップ、軍部のトップ、前線の将軍などのキャラクターが描かれ、「集団としての表現」を避けている。}



「幸福の黄色いハンカチ」,(松竹映画、山田洋次監督),    −2

主人公(高倉健)の行動、主体性、意志に魅力はない。

1, △ ,「主人公の愛妻への思い」は、リスペクトできない。刑期を終えた殺人者は、まず「被害者の墓参」をすべき。
2, × , ロードストーリーにおいて、高倉健は傍観者。主人公として展開しない。
3, × , 北海道の自然の中で、出来事が連なっているだけ。「出所後の最初の食事」が話題になるが、ドラマではない。


※ 北海道の自然が主役。シケメン(武田鉄矢)と変な女(桃井かおり)のドラマなど、誰も見たくない。

山田洋次監督は「男はつらいよ」シリーズの大ヒットで、松竹映画の代表監督なので騙されてしまうが、ドラマを理解していない。 彼は「ローマの休日」の公開時。「恋愛とローマ観光を織り交ぜた語り口」が素晴らしいと発言している。 「ローマの休日」が素晴らしいのは、「王女様を辞めたい」という強烈な〈主体的意志〉から始まるストーリーだから。 −−−画家・横尾忠則は「あなたは、黒澤明のような巨匠ではない」と非難したが、私も同意する。ただし、黒澤作品も玉石混交。「夢」は映画ですらない。


「ゴッドファーザー」,(1972年、F.コッボラ監督),    +2

歴史の短いアメリカにとって、貴重な歴史もの。演出の細部に嘘がないので、多くの人たちを惹きつけた。

1 , △ , 「イタリアン・マフィアの規律(一族を守る)」に従うだけ。主体的意志でなく、立場的意志。
2 , 〇 ,対立するマフィアとの抗争が、ドラマである。
3 , 〇 , 設定/説明は感じない。
4 , △ , 叙事的記述。禁酒法時代のアル・カポネを連想する、歴史的記述である。

※ 「生きることの辛さと悲しさ(ペーソス)」を描くとともに、イタリア移民/家族の歴史を描いている。
   昭和なら良いのかもしれぬが、令和の今、評価するかは微妙である。




「グリーンブック」「ショーシャンクの空に」は、品質が高く、ヒットした作品だが、そのようなタイプは少ないのかもしれない。

キャスティング/広報宣伝の大成功により、「低品質でもヒットした作品」も多い。

繰り返すが、
●ヒットの条件は「主人公の主体的意志/豊富なドラマ成分/設定・説明が最低限」。
である。

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