誰もが「オモシロいドラマ」を第1回から観たい。後で「見逃したのを後悔したくない」。だが、新作ドラマの情報を調べても、絶賛ばかり。本当のことは、分からない。ならば、どうする?その答えを出すのが、このWikiです。

韓国映画アカデミーの授業で、一番つらいのは、詳細な映像分析だという。

凡作・愚作は、作品全体の分析しか成立しないが、傑作なら、シーンごと、カットごとの分析も有用である。
私が現場にいた時、「そのショットのテーマ」をカメラマンから問われたが、ショットごと、シーンごと、シークエンスごとのテーマがないと撮影できない。それを読み取るのが、映像解読である。

とはいえ、個々の映像解読は、ノンメタ的所作。
ポストモダンのスポンタとしては、メタ指向による分析を行う。



韓国映画アカデミーの女性教授が語っていた重要要素は以下。

●情報、感情、見せ場、挑戦。

上記で、「グリーンブック」を精査すると、以下。

・情報。
主人公たちの時代。アメリカ南部では黒人差別が根強く、黒人たちの行動は制限された。
そのためのホテル、飲食店を紹介した小冊子が、グリーンブックである。

・感情。
ナイトクラブの元従業員は、黒人差別者だったが、主人公の音楽に触れリスペクト。差別者を返上する。
主人公の音楽家は、黒人差別を耐え、人間としての尊厳を貫く。

・見せ場。
つねに人間としての尊厳を保つ主人公。
ナイトクラブの元従業員の主人公への尊敬と友情。
だが、白人的な生活は、非黒人的であり、同性愛者は社会的な異分子。彼の懊悩が表出する。
元ナイトクラブ従業員の妻は、夫からの手紙を指南したのが主人公と悟り、抱擁する。

・挑戦。
黒人差別を扱う映画は、差別された黒人の懊悩や、差別と闘う白人の苦闘がほとんどだった。
だが、この作品では、「黒人差別と闘う黒人」それも、キング牧師やマルコム・エックスのような社会運動としてではなく、「日々の音楽活動の中で、社会啓発を行う」のが、新機軸。

・・・

最近、私が結論した評価基準は、「内因的設定追加」。

解説すると、
・突然の出来事で、ストーリーが展開していくのではなく、主人公の意志や、必然的な出来事によってストーリーが展開していくこと。

つまり、新キャラクターの登場や、新エピソードはダメ。突然の交通事故、難病発症で、新たなる展開をするのはもっての他。「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」では、そんなことは起きない。

名作「グリーン・ブック」も同様で、
作品冒頭で示された元ナイトクラブ従業員のキャラクターと、次第に明らかになっていく音楽家のキャラクターが「内因」であり、「外因」は存在しない。すべては、音楽家に起因する黒人差別。2カ月のツアーなのだから、雨が降るのも「外因」ではない。

・・・

良作の条件は、以下となる。

●情報。
●感情。
●見せ場。
●挑戦。

●内因的設定追加。

・・・

それにしても朝ドラ「ブキウギ」。
外因的設定追加ばかり。観る気がしない。(マネージャーの突然の離職。経験なしの新人マネージャーの登場。過去には、父親の四国行き。旧友との再会・・・)
つか、新人マネージャーが登場した時点で、視聴停止した。

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