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「…くしゅんっ!」
「あれ?ナナ…風邪?」
「ええ…そうみたい……ごほっ…!」
ここはスマッシュブラザーズの寮。略してスマ寮と呼ばれている。
スマッシュブラザーズの一人一人の個室がある、大きな寮だ。
そのスマ寮の部屋の一つ、アイスクライマーの部屋で、
ポポとナナの二人が寛いでいた時の事だった。
「大丈夫?ドクターさんに見てもらった方が…」
「ううん…平気よ…っごほっ…!!」
「ほらぁ、咳が酷いじゃん!早いとこ治して貰おうよ!」
「大丈夫…。心配しないで…」
ナナはそういうと無理に笑顔を作る。


「でも・・・」
「平気よ・・平気だから・・・。あ、それより、早く行かないとトーナメント
間に合わないわよ?」
「え、でも風邪・・・」
「心配しないで!ほら、この通り!」
ナナはそういうと愛用のハンマーを思い切り振る。
「・・・途中で具合が悪くなったらちゃんと言ってね?」
「大丈夫よ!さ、行こう☆」
ナナはポポの手を掴み、会場まで走っていった。


「スタート!!」
会場に響く大勢の声と共に、バトルはスタートした。
第一回戦は、リンクvsピカチュウだった。

「いっけぇーリンクー!!」
「負けるな、ピカチュウ!!」
観客席からだけでなく、スマッシュブラザーズの席からも応援の声が飛んでいる。
「・・・・ナナ・・・?」
「・・・あ、何?」
「顔・・赤いよ?大丈夫なの?」
「だ・・大丈夫だから・・・」
「・・ナナ・・どうしたの?風邪?」
子供リンクもナナに声をかける。
だが、ナナは大丈夫だとだけ言い、また咳をする。
息も大分荒くなっていた。
子供リンクは「そう・・・」とだけ言うと、次に試合があるから、と言って
選手控え室まで走っていった。
周りから歓声が上がった。勝負がついたらしい。
勝者はリンクだった。


次の対戦はアイスクライマーvsルイージ。
ポポが必死になって止めていたが、結局試合に出る事になった。

「ナナ・・・苦しくなったら絶対に言うんだよ?途中棄権するから。」
「・・うん・・・。」
ナナの息遣いは大分荒い。
だが、そんな事はお構いなしといった感じで
試合はスタートした。

「ポポ、先手必勝よ!」
「う・・うん!せーの!!」
「「トルネードハンマー!!」」

周りはいつもと変わらず、声援の声が飛び交っている。
だが、選手の席からは、別の声が上がっていた。

「なぁ・・マリオ・・」
「ん?ファルコンか。なんだ?」
「あいつら、いつもより動きが鈍くないか?」
「俺もそう思ってはいたんだが・・・。」
ファルコンとマリオがそんな事を言い合っている最中、子供リンクが割り込んでこう言った。
「ナナ、風邪気味みたいだよ」


「な、なんだって!?」
「うん・・本当だよ。息も荒かったし、顔も赤かったs」
「とにかく、試合を止めよう!ハードの戦いの後はかなり辛いだろう。」

「・・どうしたの?二人ともさっきから変だよ?」
「大丈夫よ!なんでもないから・・ゴホッ・・」
「ナナ・・平気?」
「・・ナナ、風邪引いてるの!?」
「え?あ・・いや・・・」
その二人の会話の中に、放送(マリオによる)が流れてきた。
「アイスクライマーの二人、この試合を中断しろ!」


この一言で、観客は顔を見合わせた。

「な・・何故よ?!まだ勝負は終わっていないのよ!?」
「ナナ、中断しよう?この試合・・」
「ポポ・・」
「僕からも言うよ。試合を中断した方がいい。
ハードな運動の後は大変だからね。」
「・・・・・・」
「ね?・・試合はまた今度頑張ればいいんだから。」
「分かったわ・・・。」

第二試合は中止された。

二人(三人?)が控え室へ戻る途中・・・
ナナが倒れた。
2007年05月08日(火) 15:33:56 Modified by smer




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