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10-389

エロが書けないのにネタばかり浮かぶ。
流れ読まず投下。



真夜中のスマブラ寮。廊下で話し込む二人。
「最近メタナイトが挙動不審じゃないか?」
「そうかな。スネークさんも相当怪しいけど」
「アイツは盗聴だってネスが言ってたぞ」
片方は青いハリネズミ、もう一方は羽を持つ男。いわずもがな、ソニックとピットである。
「だが、被害者には剣で斬られた跡があるぜ」
「それもそうか、スネークさんは白かな」
近頃、寮内で無差別の殺傷事件が発生しているのだ。被害者の状況より、刃物を使う人が犯人の可能性がある。
二人は今、それの調査をしているのだ。
「マルスさんとか?」
「裏をかいてカービィかもな。アイツも刃物は持ってるぜ」
「カービィといえば、メタナイトさんの挙動不審の理由はカービィのストーk」
カツーン……。
「!?」
静かな廊下に足音が響く。「…犯人か?」
そう言い、二人の男は警戒を強める。しかし、足音は近づいてくるが、人影は確認できない。
…足音が止み、廊下に静寂が戻る。
「いなくなった?」
ピットが緊張の糸を解いたように言う。
「だといいがな」
だが、ソニックは警戒を解こうとしない。
足音は確実に近づいてきた。しかし、離れた形跡はない。つまり、まだ敵は近くにいるはずだ。
…沈黙が続く。ソニックは一言も発しない。
「ん…?」
ソニックが何かに気づいたようだ。ピットは興味津々に訪ねる。
「どうし「しっ…!」
静かにしろとソニックは相方に合図する。その時、
(キュイイイ……)
と、何かの音が聞こえてきた。音は少しずつ大きくなっていく。
「これは…、チャージか!?」
「でも、スーパースコープじゃないよ?」
正体不明の音に二人は困惑していた。そのせいで、判断が遅れてしまった。
さらに理解不能の現象に追い討ちをかけるかのように、二人の前の空間が奇妙に揺らいで見えた。
「何だ!?光学迷彩…?」
「とにかく、ここから離れ……」
そう言い終わらないうちに、二人の視界を閃光が埋め尽す。
「うわァァァーッ!!」
その瞬間、大きな爆発が発生し、ソニックとピットを吹き飛ばした。
「くっ…、何も…の……」ソニックはそう言い残し、意識を失った。
一方、ピットは立ち上がり、姿を表した敵を見た。茶色の髪、マント、剣…。
「見たことない…。一体、誰…だ?」
ピットの質問に相手は答える気はないらしい。独り言を呟いている。
「何故、俺は……」
最後の言葉を聞き取れないまま、ピットもまた倒れた。



翌日。
「兄さん、被害者がまたでたよ!」
ソニックを背負ったルイージと、ピットを背負ったリンクが医務室に駆け込んできた。
「落ち着けルイージ」
白衣を着たマリオは、ルイージに冷静に言いはなった。
一方でルイージはマリオに落ち着きなく喋り続ける。
「落ち着いてなんかいられないよ!いつ僕が狙われるか分からないのに!」
妙な事を口走るルイージを放っておき、ピットを寝かしながらリンクはマリオと話す。
「昨日は爆発音もしたな。…つまり、複数犯、ないし爆発物と剣を扱えるヤツが犯人か?」
マリオはそれを聞きながら、考え込むように首を捻っている。
「マリオ、心当たりはないか?」
そう言いながら、リンクはマリオの方に振り向いた。
しかし、マリオはリンクに厳しい視線を向けながら言った。
「リンク君を疑うわけじゃないが、その二つを君は使えるよな」
マリオの一言で、医務室に沈黙が走る。ルイージは話を聞いていなかったらしく、目を白黒させているが。
「……本気で言ってるのか、マリオ?」
リンクは疑うようにマリオに問いかける。
「あくまで可能性だ。完全に黒だと言ってるわけじゃない」
マリオは冷静に、リンクをなだめるように言う。どうしていいか分からないルイージは、ただオロオロしているばかりだ。
「うう……」
ピットの声で、三人の視線がそちらへ向かう。
「ピット、気が付いたのか!」
マリオがピットに問いかける。ピットは三人を見て言った。
「犯人は、茶色の髪でした。…リンクさんじゃありません」



スマブラ寮、食堂。
ちょうど大半のメンバーが揃っていたので、マリオたちは声をかけた。
「ちょっとみんな、聞いてくれ」
その声に、食堂の大半のメンバーが耳を傾ける。傾けなかったのは、食意地の張ってるヨッシーとカービィだけだった。
「どうしたマリオ」
「何かあったの?」
サムスとファルコンが同時に聞いてきた。息ピッタリだ。
「例の事件の犯人についてだが」
マリオは話を始める。何が始まったのかようやく理解したカービィは食事を止め、こちらを向いた。
「ピット曰く、茶髪。爆発物を使い、剣も使えるヤツらしい」
リンクが解説を加える。ヨッシーはまだ食べ続けている。
「心当たりはないか?」
マリオが全員に言う。しかし、皆首を捻るばかりで進展しない。
「二つ当てはまるヤツならいるんだが」
「俺の事を言ってるのか、ガノンドロフ……?」
ガノンドロフの煽るような発言により、リンクとガノンドロフは互いに火花を散らしあっている。
そんな二人の空気が気まずくなってきたのを察知したゼルダは、とっさに話題を切り替えた。
「ところで、これまでの被害者は?」
その発言に、リンクはガノンドロフから目をそらし答える。
「最初から順に、ポケモントレーナー、オリマー、デデデ大王、ワリオ、トゥーンリンク、アイク、ディディー、リュカ、ソニック、ピットかな」
「その者たちに共通点は無いのかしら?」
ピーチが疑問をなげかける。被害者の共通点を見つける事は、推理の基本であるからだ。
「見当たらないね」
「見当たらないねぇ」
ポポとナナが答える。こちらも息ピッタリだ。
「……」
マルスはずっと一人で考え込んでいる。
「ぷりぃ?」
「ぴかぁ?」
「ウホ」
プリン、ピカチュウ、ドンキーも首を傾げる。
「ピリリリ」
突然、何かに気づいたように、ゲーム&ウォッチがアピールする。
「どうした?」
ファルコが訪ねた。
「全員、スマブラXから参戦した人だって」
フォックスが答える。
そんなことかよ……。と周りは落胆の色を隠せない。「我等だってそうだがな」
とスネークとメタナイトはつっこむ。
「どうでもいいわ!」
イライラしながらクッパは怒鳴り、食事に戻ってしまった。
「クッパ、どんな些細なことがカギになるか分からないんだぞ」
マリオはクッパを説得するが、クッパは聞く耳を持たない。
「行き詰まっちゃったね」
ネスがそう言うと、みんなはため息をついて食事を再開した。…一人を除いて。



「ぽよー?」
カービィがそれに気づいた。
「………」
マルスは先程から黙りこくったままだった。
「どうしたマルス?食べないとカービィにとられちまうぞ」
ファルコは笑いながらパンを口に押し込む。
「爆発、剣、茶髪……。まさか!?」
マルスは突然叫んだと思うと、剣を片手に飛び出していった。
「マルス!?」
ファルコは驚いてマルスを呼んだ。しかし、彼は気づきもせず食堂を出ていってしまった。
「誰か!追いかけろ!」
ガノンドロフが的確に指示を飛ばす。
「ファルコン!」
「うむ」
サムスがファルコンの名を呼ぶ。ソニックが動けない今、最速の男は彼しかいない。
スネークが通信機をファルコンに投げる。ファルコンはそれを受取り、駆け出していった。
「他の人たちは戦闘準備。ファルコンの通信を待て」
マリオは全員に言い残し、パンをほおばり、その場を去った。
「みんなテキパキしてるね、リン…」
ルイージはそう言って、リンクの方を向く。しかし、彼はルイージの発言をまったく聞いていなかった。
「ガノンドロフ、さっきの発言は俺に対してだよな?」
「知らんな」
ガノンとリンクの険悪ムードが強まってきたので、ルイージは再びオロオロしながら食堂を去っていった。



「こちらファルコン。スネーク、聞こえるか?マルスは終点にいる」
「こちらスネーク、了解した」
ファルコンとの通信は開いたまま、スネークは全員に伝えた。
「マルスは終点にいる。急行してくれ」
それを聞き、カービィはワープスターを取り出した。
「ぽよ!」
それにマリオ、ネスがつかまる。つまり、早いもの順だ。
「他の連中は自力で追いかけて来てくれ!」
マリオは叫び、カービィに言う。
「よし、行ってくれ!」
「ぽよ!」
その瞬間、ワープスターはもの凄いスピードで終点へ向かって飛んでいった。
「では、我々も行きましょう」
パワードスーツを着けたサムスがそう言うと、一同が続く。
「あれ?リンクとガノンは何処だ?」
フォックスが疑問を口にする。その事情を理解したメタナイトは、フォックスに言った。
「男同士の決闘は邪魔するものではない…」
メタナイトは静かに言い、飛び去っていった。



終点。そこは、マスターハンドの場所。最も現実世界に近い場所。
そして……。
マルスとファルコンはそこにいた。待ち構えているはずの男を倒すために。
「来たな…マルス!」
空間が不自然に揺らぎ、一人の男が姿を表す。
「お前は…!」
驚くファルコンをよそに、マルスは冷静に相手の正体を見抜く。
「斬撃と爆発、それを同時に使えるのは…!」
マルスは剣を抜き、構える。
「ロイ、お前しかいない!!」
そう、そこにはスマブラXでリストラされた哀しき男、ロイがいた。
「やはりね……、正体を見抜くのはお前だと思ってたよ、マルス!」
ロイも剣を構え、互いに向き合う。
男同士の決闘…明らかにファルコンは邪魔者だった。
「マルス、俺はどうすれば……」
終点。そこは、マスターハンドの場所。最も現実世界に近い場所。
そして、スマブラDXのオールスターにおいて、ロイが出てくるステージなのだ。
ちなみに、マルスは夢の泉。なぜカービィ。

「いざ!」
「勝負!」
二人は同時に飛び出した。
その時…。
ドカァーン……。
派手な音と共に、ワープスターがロイの頭上に直撃した。
「ぽーよっ!」
「大丈夫か、マルス!」
マリオたちがワープスターから降りてきた。マルスは、ただ呆然とするばかりで事態が飲み込めずにいた。
「あれ?ロイがいる」
ネスはロイの存在に気が付いたようだ。もっとも、ロイは気絶してしまい、返事はなかった。



「で、何で無差別に新規参戦者たちを狙ったんだ?」
ロイが目覚めた後、マルスたちはロイに動機を聞いていた。
「そうすれば、出場枠が空くと思ったからだ」
もの凄くしょうもない理由をロイは答えた。
「俺は、またみんなと大乱闘したかっただけなんだ」
淡々と語るロイを見て、ネスは言う。
「まあ、僕はDXから出場危なかったし」
「結局皆勤賞じゃないか」ネスの励ましをロイはあっさり否定した。励ましというか、火に油な気もするが。
「ドクターマリオだってリストラだぞ」
マリオもさらりと言いはなつ。しかし、ロイもさらりと反論する。
「マリオ本人は皆勤賞だろうが」
それもそうか、と笑うマリオを横目に、ファルコンも疑問をぶつける。
「どうやって姿を消していたんだ」
「ああ、スパイクロークだよ。忘れたワケじゃないだろ?」
DXに出てきたアイテムを使うあたり、DXで時の止まった男である。
「あれか…。リストラ同士、お似合いのアイテムかもな」
このファルコンのリストラ発言は、ロイを相当傷付けたようだ。
こうかは ばつぐんだ!
「………」
何も言わなくなったロイに、マルスは聞く。
「もう言い残すことはないな?」
ロイは頷き、裁かれるのを待つかのように目を瞑った。
「さ、吹っ飛ばすか」
マリオがそう言うと、マルスが剣を構え、ネスがバットを構える。
しかし、それに待ったをかけた男がいた。ファルコンである。
「いいこと思いついた。カービィ、俺をコピーしろ」
「ぽよ」
マリオたちは、なるほどと感心している。コピーによっては強力な力になるカービィをほっとく手はない。
そして、コピーは完了し、メットを被ったカービィが完成した。
「さて…、いくぞ!」
マルスの掛け声で全員が構える。
「ファルコン!」「ふぁるこーん!」
「パーンチ!」「ぱーんち!」「でやっ!」
ダブルファルコンパンチが、シールドブレイカーが、バットがロイを襲う。
カキーンッ!
気持ちいい音と共に、ロイは亜空の彼方へ消えていった。
「さあ、帰るか」
そう言い残し、戦士たちは終点から帰っていった。
2008年03月30日(日) 11:49:38 Modified by smer




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