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ルーマニア北西部 トランシルヴァニア地方
太い足を持つ馬4頭に引かれた馬車が音を立てて走っていく。
乗客は4人。最後に残った客だ。
1人が言った。赤髪の男だ。「そろそろ着くだろうか?」
するともう1人の男が御者に尋ねた。青い髪の男だ。「ボルゴ峠はまだかね?」
御者は答えた。「もうすぐでさぁ、旦那。」御者はドイツ訛りのルーマニア語で答えた。
3人目の男が言った。赤い帽子を被ったイタリア系の男だ。「もうすぐ夜中の12時だな。」
最後に4人目の男が言った。緑の帽子を被った同じくイタリア系の男で赤い帽子の男とそっくりである。
「何も出なければ良いが。」
すると赤髪の男が言った。「怖がりだな、君は。まぁ、仕方無い。あの屋敷であんな目に遭ったのだから。」
緑の帽子の男が答えた。「そうかもしれん。何せこの地方はある伝説で有名だからな。」



馬車が止まった。目的地に着いた様である。
「はい、馬車代。」青い髪の男が払った。馬車は金を受け取ると速やかにその場を去った。
辺りは一面の暗闇。何が出てもおかしくない状況だ。遠くからは狼の遠吠えが聞こえる。
ここで人物紹介に移ろう。
赤髪の男の名はロイ・ペック 35歳 フランス人。
青髪の男の名はマルス・ペック 33歳 ドイツ人 実はロイの弟。
赤い帽子のイタリア系の男の名はマリオ・アリギエーリ イタリア人 36歳。
緑の帽子のイタリア系の男の名はルイージ・アリギエーリ イタリア人 36歳 マリオの双子の弟。
さて、長き沈黙を破ったのはロイだ。
「とりあえず、迎えの馬車を待つか。」一同は頷いた。
15分経った頃、一同は西から馬車が走る音が聞こえて来るのを耳にした。
間も無く、黒く力強いされど生気を感じさせない4頭の馬に引かれた馬車が到着した。



御者はこちらを向いて話した。その言葉はこの辺りの御者としては珍しく綺麗なルーマニア語だった。
「大変長らくお待たせ致しました。さあ、お乗り下さい。」
ランプの灯に照らされたせいだろうか。御者の両の眼が血の様に真っ赤に見えた。
4人は馬車に乗った。馬車は猛スピードで西に向かった。ここより西は誰も足を踏み入れない禁断の地である。
暗闇の中を馬車は死神の如く速く走った。
ルイージ「随分速いね。この分なら目的地には予定通りの時刻に着けそうだ。」
御者「ご主人様から速くお連れせよとのご命令を受けておりますので。」
突然、馬車が止まった。
ロイ「うぉっ!おい、どうしたんだ!?」



よく見ると狼の群が周りを取り囲んでいる。皆血眼をした飢えた狼だ。
マリオ「うぁぁぁ、取り囲まれている・・・。どうしよう・・・。」
ルイージ「うーん、あいつらにとって俺達は晩飯に相応しいのかもしれんな。」
マリオ「こんな時に冗談言ってんじゃねー!!」
マルス「まあまあ、落ち着けマリオ。」
マリオ「畜生!どうすりゃ良いんだ御者さん。ん?」
その途端狼は全員大人しくなった。さっきまでの剣幕が嘘の様である。
ロイ「あれま!」
マリオ「どうしたんだろう?何があったんだい、御者さん・・・。」
そう言うとマリオは氷漬けになったかの様に固まった。
ルイージ「おいマリオ、大丈夫か?」ルイージが尋ねる。
しばらくするとマリオは席に戻った。「大丈夫だルイージ、大丈夫だ・・・。」
ルイージ「ホントに大丈夫かよ、顔真っ青だぜ。」
マリオ「大丈夫だ・・・。」
しばらくして馬車は動き出した。そして5分も経たない内に馬車はまた止まった。
ロイ「さぁ、着いたぞ。」



馬車は大きな古城の中で止まった。4人が降りると、馬車は闇の中に消えた。
古城は荒れ果て、城壁は蔦が生い茂り、ひび割れ、腐り掛けていた。
目の前に見える正門は大きく、鉄鋲を打ち付けた木製の門だ。
ロイ「では、入ろうか。」ロイの一言共に一同は正門の方へ移動した。
城は東向きに建てられ、その威容から東を睨み付ける様に見える。
一同は正門の前に立ち、大きなノッカーを叩いた。
暫くすると、思い閂が外される音がして、門が音を立てて開いた。
門が開くと、そこには1人の老人が銀の燭台を片手に持って、立っていた。



その老人は重く低い声で喋った。「ようこそ我が城へ。」
ロイ「初めまして、私はロイ・ペック。」
マルス「私はマルス・ペック。」
マリオ「私はマリオ・アリギエーリ。」
ルイージ「私はルイージ・アリギエーリ。」
4人が自己紹介を終えると、老人はまた喋った。
「ようこそいらっしゃった。私がこの城の城主ミュラル・ミュウ・ミュラキュラだ。
まぁ、この辺りではミュウツーと呼ばれているが。さぁ、中へお入りなさい。」
伯爵は手を差し伸べ、ロイを中へ導いた。
ロイは伯爵の握力の強さに驚いたが、それ以上に驚いた事がある。
ロイ「何て冷たいんだ。まるで死人の様だ。」
4人全員が城の中に入ると、門は音を立てて閉じた。



城の玄関ホールも外と同じくらい荒涼としていた。
ホールの片隅に並べられた椅子もテーブルも崩れ、埃に埋もれていた。
壁には精密画が幾つか飾られているが、どれもこれも原形を留めていない。
おまけに両の窓からは大木の枝が突き出し、天井には大穴が開いている。
マルス「凄い荒れ様だ。よくこれで住んでいられるよな。」
ルイージ「ああ全くだ。それに怖い程静かだ。狼の声もしない。」
マリオ「明かりも無いな。あるのは月の光のみだ。」
ロイ「それに滅茶苦茶広いな。1000人が一斉にワルツを踊っても、まだ空きがあるくらいだ。
トランシルヴァニアの貴族も馬鹿には出来んな。」
伯爵と4人はホールの中央の大階段をゆっくり登って行った。



大階段を登り切り、長い廊下に出た一同は廊下の突き当たりの左にある部屋に入って行った。
そこは大きな彫刻入りの扉が付いた食堂だった。
奥には暖炉があり、その手前には長く大きな方形のテーブルと5脚の椅子が置かれていた。
テーブルの上にはローストチキン、チーズとサラダ、古酒、それと紅茶が人数分用意されていた。
ミュラキュラ「どうぞごゆっくり召し上がれ。」
ロイ「それでは頂きます。」
4人は御馳走を口にした。食事が半分終わった頃、伯爵が口を開いた。
「ところで例の屋敷の件、どうなりましたかな?」それに対してロイが答えた。
「はい、フランス政府も許可しました。これであの屋敷はあなたのものです。」
「そうでとたか、そりゃ良かった。」



実はロイ達が東ヨーロッパのこんな山奥に来たのには理由があった。
伯爵はフランスのある土地にある古い屋敷を購入しようとした。その為にはフランス政府の使者と
手続きを取る必要があった。
そこで、フランス政府はロイを使者として派遣した。また、伯爵が購入する土地は元ドイツ軍のものでもあった事から
ドイツ政府もマルスを使者として派遣した。また、2人の付き添いとしてマリオとルイージが選ばれた。
ミュラキュラ「私にとってフランスは初めてでしてな、どの様な国か知らないのです。そこで私はここ数ヶ月の間に
フランスの事を勉強しました。いやぁ、歴史も文化も素晴らしい国ですな。」
ロイ「お褒めに預かり光栄です。ですが、何故あの様な古く廃屋となった屋敷を購入されたのですか?」
ミュラキュラ「私は古いもの、つまりアンティークなものが好きでしてな、今時の流行にはとても付いて行けなくて。」
食事が終わり、5人は契約の話に移った。
ロイはパリの地図を広げ、マルスは土地の購入許可証を差し出し、マリオとルイージは
それをじっと見守っていた。伯爵は自分のペンを取り出すと、許可証にサインし、自分の判子を押した。



ロイ「これでサン・ピエール・モンタルス屋敷はあなたのものです。」
ミュラキュラ「遠い所この為に、本当にありがとう。では、皆さん今夜はごゆっくり長旅の疲れを落としてください。」
4人は席を立ち、それぞれの部屋に向かった。
次の日の朝、最初に起きたのはロイだった。ロイは身支度を整えると、部屋から出た。
伯爵から鍵が掛かっていない部屋は自由に出入りして構わないと言われていたので、ロイは城の中を探検する事にした。
どの辺まで行った頃であろうか。ロイは扉が壊れて外れている部屋に入っていった。部屋の中には黒檀の家具や調度品が置かれ、
ダイヤ型の窓から朝の日が入り込んでいた。カーテンは無く、子供1人通れそうなくらいの大きさだった。
家具の方は精密な彫刻が施された優雅なもので、はやりこれもアンティークな品だった。
隠し扉の様なものを発見する。その扉を開くと、そこは小さな書斎だった。



書斎には数多くの本が本棚に収められていた。
パリ案内、人名録、陸海軍要覧、歴史、地理、政治経済、法律、動植物など。
驚くべき事にこれら分厚い本は全てフランス語の本である。さらには英語、スペイン語、ドイツ語、
ロシア語、イタリア語、スウェーデン語、チェコ語、オランダ語、ポーランド語、ギリシア語、
アラビア語、中国語、そして日本語の本まである。
ロイ「何て種類の多さだ。伯爵って一体・・・。」
部屋の片隅にはこじんまりとした机があり、その上には世界地図が広げられていた。
ロイ「ミュラキュラ伯爵、ただ者ではないと外務大臣から言われていたが、ここまでとなると・・・。」
ロイは長らくその部屋にいて、本を読んだ。気が付いた時には、外はもう黄昏時だった。
急いで書斎から外に出た時、そこには伯爵が立っていた。



ロイ「あ、起きてらしたのですか伯爵。」
ミュラキュラ「ふむ、君は詮索好きと見えた。どうかね私の書斎は?」
ロイ「はあ、素晴らしいですねホントに。」
ミュラキュラ「いやぁ、ありがとう。ところでどうかね、我が故郷の伝説を聞いてみないかね?」
ロイ「はい、喜んで。」
ミュラキュラ「では話そう。昨夜君らが通って来た道はかつて私の祖先がワラキア人やサクソン人、ブルガリア人やトルコ人と
戦った古戦場なのだよ。ここへの土地は、侵入者とそれを迎え撃った愛国者の地で埋め尽くされている。
侵入者は勝ち誇って進んで来たが、土地の者は隠せるものは全て隠し終え、麦粒1つ徴発出来なかった。
その隠し場所というのが、鬼火が燃え立つと言われている場所なのだ。あの鬼火は年に一度あの晩にしか燃えん。
近隣の古い農家の者は隠し場所を記した書き付けなどを持っているかもしれんが、丁度悪霊共も年に一度、羽を広げて飛び回るのが
あの晩なのだ。こうして宝は永遠に守られる。君が昼間行っても、どこだか解りますまい。」



さらに伯爵は続けた。
ミュラキュラ「我がミュラキュラ家は、魔女の血が流れていると恐れられた好戦的なフン族の大王アッティラの
血を引く者で、だからこそマジャール人やトルコ人を始めとする外敵がトランシルヴァニアを襲った時も、
一撃の下に敗走させる事が出来た。侵入したトルコ軍が、当時我が先祖が治めていた土地に到達した時、その首領メフメット2世が目撃したものは、
街の郊外に突っ立てられた棒杭に串刺しにされ、累々と連なるトルコ軍捕虜の死体だった。町の井戸には毒が投げ込まれ、
主要な建物は全て破壊されていた。」
ロイはただじっとしているしかなかった。伯爵は続ける。
ミュラキュラ「当時この国を治めていた我が先祖は次の様な処刑法を編み出した。
まず、串刺しに関してだが3種類あった。足の間から口まで通す方法、頭から刺して足から抜く方法、心臓から腹を貫通させる。
その他、頭に太い釘を打ち込んだり、手足を切り落としたり、鼻や耳を切り落としたりした。
さらには全身の皮を剥ぎ、塩を擦り込み、野獣が彷徨く荒野に放置させる。
おっとっと、いかんなぁ君をこんなに退屈にさせて。」
ロイ「いえ、私の方こそ数々のお話を聞かして下さってありがとうございました。」



その日の夜、ロイは窓の外から何か物音がするのを感じた。
ロイは窓から外を見た。その時、この城が絶壁の崖に作られていた事を初めて知った。
下の方には何もいなかった。ところが、上の方を向いた時、彼は凍り付いた。
何と何かが壁を這って降りて来ているのだ。ロイは他の3人を起こし、自分の部屋に連れて来た。
マルス「どうしたんだ、ロイ?」マリオ「せっかく気持ち良く寝ていたのに、起こすなよ!」
ロイ「しっ!静かに。窓の外を見て見ろ。」
3人は一斉に窓の外を見た。途端にさっきのロイの様に凍り付いた。
その物体はすぐ近くまで降りて来ていた。そして4人共それが伯爵である事が解った。
ルイージ「な、何故伯爵が!?」ロイ「はやりあいつ人間ではなかったか。」
伯爵は20mくらい下に行くと、突然壁から手を離し、飛び降りた。
その直後、伯爵は巨大な蝙蝠に姿を変えて、飛び去った。
一部始終を見終えた一同は各々の部屋に戻り、深い眠りに就いた。



次の日の朝、4人は伯爵の部屋を探す事にした。だが、伯爵の部屋はなかなか見付からない。
そうこうしている内に正午が来た頃、ルイージがある部屋を発見した。何とそこが伯爵の部屋だったのである。
ロイ「用心しろよ、何が出てもおかしくないからな。」
ロイは扉をゆっくり開いた。ぎぃ〜という音と共に扉は開いた。
埃まみれだが他の部屋とは比べものにならないほど豪華な家具調度品が置かれていた。
片隅には何やら古くて大きな金属製の箱が置かれていた。
マルスがその箱の蓋を開けた。中には古い金貨が山積みにされていた。
マルス「どれも古い金貨ばかりだ。ローマ、トルコ、オーストリア、ハンガリー、それにイギリスのものまで。」
ロイ「おい、奥にもう1つドアがあるぞ。」一同はその扉も開けてみた。
狭い螺旋階段があった。一同はその階段を降りて行った。
マリオ「おい、臭わないか?」ルイージ「何が?」マリオ「この臭いだよ、死臭みたいだ。」
マルス「本当だ、何て臭いんだ。死体でも置いてあるのか。」
ロイ「死体・・・・・。」



螺旋階段を降り終えると、またドアがあり、一同は入って行った。
そこは礼拝堂だった。しかも臭いが今まで以上に強烈だった。
ロイ「」うわっ!臭っ!!」マルス「強烈過ぎる!」
ルイージ「誰だ屁をしたのは!」マリオ「馬鹿かおめーは!こんなに臭い屁をする奴いねーだろ!」
ロイ「しかし、おかしいな。」ルイージ「何がだ?」
ロイ「祭壇を見ろ、聖像どころか十字架すら無い。こんな礼拝堂見た事無い。」
マルス「ん?これは・・・。皆見てくれ、これは・・・。」
マルスが発見したのは地下へ続く、梯子であった。一同は梯子を降りて行った。
ロイ「こ、ここは・・・納棺所か・・。」
そこは納棺所だった。



納棺所には50個近い数の木箱が置かれていた。
マリオ「この木箱は一体?」ルイージ「荷造りか?」
マルス「皆、あれを見ろ。」マルスが指差したのは納棺所の奥に置かれた大きな石で出来た棺だった。」
ロイ「誰の棺なんだろう?しかも何でここに?」
ルイージ「納棺所だからじゃないの?」
ロイ「確かにここは納棺所だけど、何故墓に納めないんだろう?」
マルス「気になっていたんだけど・・・。」
ロイ「何だ?」マルス「この城には伯爵しか住んでいないんだろうか?」
ロイ「そう言えばそうだな。家族はおろか使用人の姿すら無い。」
マリオ「こんなに大きな城に1人で住んでいるなんて。」
ルイージ「やっぱり人間じゃないのだろうか。」
一同は棺の前まで来た。そして棺の蓋を開けた。
その途端、一同はこの城に来て以来最大の恐怖を味わった。



何と棺の中に横たわっていたのは伯爵その人だった!
寝ているわけでもなく、起きてるわけでもなく、はたまた死んでるわけでもない。
じっとそこに横たわっているのである。
さらには呼吸すらしていない。
マリオ「ど、ど、どういう事だ。」ロイ「やはり伝説は正しかった。」
ルイージ「伝説?」ロイ「ああ、この辺り一帯に伝わるある吸血鬼の貴族の伝説だ。」
マルス「その吸血鬼の貴族がこのミュラキュラ伯爵だというのか?」
ロイ「そうだ。ほら、口元を見て見ろ。まだ血で濡れている。恐らく昨日近隣の村へ行って吸って来たんだろう。」
次の瞬間、伯爵は両の眼を開いた。一同は凍り付いた。今まで以上に長い沈黙の時が流れた。
その間伯爵は4人をじろじろと睨み付けた。そして、不気味な笑みを口元に浮かべた。
口の両端からは鋭い犬歯が2本飛び出していた。
一同は声にならない声で叫びながらもと来た道を風の如く走って逃げた。



自分達の部屋に戻った4人は自分達に残された道は伯爵の餌食となるか脱出するかの2つしか無い事を知った。
ルイージ「どうする?ここから逃げるか?」
マリオ「当たり前だろ!」ルイージ「しかしどうやって?」
マルス「正門には鍵が掛かっていたし、他の扉にも。」
ロイ「掛かっていないのは全て崖側の窓だけだ。」
マルス「こうなったら手は1つ、崖側の窓から脱出するんだ!」
マリオ「どうやって脱出するんだよ!下に川があったけど、まさかあそこに飛び降りるって事は無いよな!」
マルス「いやいや、もっと良い脱出法がある。」
ルイージ「何だそりゃ?」
マルス「これさ。」



マルスが徐に取り出したのは鉤爪ロープであった。
ロイ「兄貴から借りてきたのか?」
マルス「その通り。さあ、崖側の窓へ急ごう!」
一同は崖側の窓がある部屋へ行った。その部屋は崖の向こう側との距離が一番短い所だった。
マルスが鉤爪ロープを振り回し、思いっ切り力を入れて向こう側の木に目掛けて投げた。
ロープの先は見事に木の枝に引っ掛かった。
ロイ「ナイス!さあ、脱出作戦開始だ!」
マルス「皆掴まれ!行くぞ!!」
一同がロープ掴み、しっかりと握り締めた時、マルスは足を離した。その瞬間、ロープは物凄い勢いで
弧を描きながら崖の向こう側へ一同を運んだ。
崖の向こう側に着いた時、一同は上手く着地した。
2007年05月26日(土) 15:39:35 Modified by smer




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