メニュー
Wiki内検索
最近更新したページ
タグ

6-359

あ、ありのまま今起こったことを話すぜ
タブー×スタフォ組のエロを書いていたと思ったら
いつの間にかなんか違っていた しかも知らない間に朝になっていた
その場の勢いとかケモナーとかそんなチャチなもんじゃあねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…
※バッドエンド?注意 タブー×?スタフォ組



選ばれた六人が出奔してから、もう長い時間が経っていた。
残った者同士の間に流れる空気は、ファルコにはこの上なく鬱陶しそうに、私には見えた。
行った者の無事を祈っている者。戦々恐々としている者。覚悟を決めている者。
そんな雰囲気にファルコは苛立っているようだった。
話し相手もろくにいないのだろう。彼が気を許せる旧友は行った者達の中の一人である。
私はよくは知らないが、彼らとかつて敵対し戦っていたというウルフも行った者の中に含まれている。
今ここには彼と同じ世界の仲間達が一人もいない。
「クソ!俺はもう我慢できねえ!
 これ以上こんなところで待っていられるか!」
彼がとうとう吠えるように叫んだ。
その声の大きさに驚いて皆がファルコを見た。無論、私もだ。
よほど我慢の限界だったのだろう、ファルコの目は怒りが最高潮に達していることを表しているように鋭かった。
吐かれたその台詞を聞き捨てならないと理性ある何人かが立ち上がり止めようとしているのを尻目に、
彼は走り出していた。


**************************


「うぁああ…ああ、っあ…」
それはよく知った声だった。
いや違う、ファルコは彼のこんな声は知らない。聞いた事がない。
それは身体の底からどうしようもなくこぼれていっているといった響きだった。
交尾し始めた雌のようなフォックスのその喘ぎは、間断を交えながら、甘ったるくファルコの耳を震わせた。
「フォ…ックス……!?」
ファルコは異次元の中で目に飛び込んできたその光景に絶句していた。



「何、やってんだ…フォックス…ウルフ…ッ」
「だって、ファルコ、気持ちいいんだ…、ここを、触られると…ッああ…」
ファルコの声でフォックスが目をわずかに見開いてそちらを見やる。
喘ぎ喘ぎに話し出したフォックスの声は、今にも空気に溶けそうなくらい力ないものだった。
その言葉を遮るようにタブーの手がフォックスの喉元をさわさわと撫でる。
まるで『お前がどこをどうすれば気持ちよくなるかお見通しだ』とでも言わんばかりに、
タブーはフォックスの白く柔らかな冬毛の下に指を入れ、もふもふと巧みに蠢かしている。
「なんだか、頭がぼうっとして、何も、考えられな、くぅうん…ッ」
とろりとしたフォックスの目がファルコを見つめたのもつかの間だった。
どうしようもなく心を穏やかにさせ何も考えられなくなるタブーの指の動きに、フォックスはまた意識をタブーに預けていった。
目を閉じ時折びくんびくんと瞼が震わせる、フォックスのその表情は恍惚そのものだ。
「ふん、地に堕ちたなフォックス…身体の快感に負けてしまうとは」
そう言うウルフは、タブーの膝上で上に向けた腹を撫でられながら、口を開け舌を口外に垂らしている。
両腕を胸の前で犬のように構え、耳をすますとハッハッという彼の荒い息遣いが聞こえてくる。
「て、てめーが言ってんじゃねーよ!」
もっともすぎるファルコの突っ込みも、混乱の中では空しく響く。
「でもファルコ……、これ、本当抵抗出来ないんだ…されてみれば分かるから…」
「フォックス!?や、やめろ、冗談じゃ―――ッ!」
冗談じゃねえ、と最後まで言うことなくその台詞は消えた。タブーの鞭がファルコを捉え、引き寄せたからだ。
しまった、というファルコの後悔は既に遅かった。
そのままタブーの眼前へと連れ去られる。
合わされた目をファルコが思いっきり睨むと、タブーは口元を歪ませて笑った。
『お前もすぐにこうなる』
そう言われたのだと、ファルコははっきりと悟った。
そしてそれはまるで予言のようにファルコの全身に響いた。
「ひぃ――――」
それがファルコがファルコであった最後の記憶となった。


*********************************


先駆者達の帰還を諦めタブーに向かった次の六人の挑戦者が見たものは、
タブーに体中を余す所なく撫でられ、散々に悶えさせられ、最後には穏やかな快楽を求めて主人に甘える三人の姿だった。
いや、理性を奪われた彼らは最早元の彼らではなく、三匹の獣にしかすぎなかった。
勇み駆けていったはずだったファルコの「もふもふが…こんなに気持ちいいものだったとは…」と呆ける姿には、
私達は驚愕せざるを得なかった。
その後タブーのいた異空間からは、多くの動物写真集やらペット雑誌、
更には動物のツボ、動物に愛される百の方法なんていうHow To本など、数々の動物本が発見された。
きっと彼は筋金入りのケモナーで、ずっと亜空間に獣が来るのを待っていたのだろう。
始めにタブーを倒しに行った六人のうちの残りの四人は吹き飛ばされた方向へ捜索を行うことで発見したが、
撫でられる喜びを知り骨抜きとなった三匹の獣は、その後いったいどうなったのだろうか。
――私は知らない。


終わり
2008年03月03日(月) 18:38:15 Modified by smer




スマートフォン版で見る