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※注意※
またエロ無しです
クッパとピーチの喧嘩話
ピットが腹黒いので、そんなピットくん見たくない!って方はスルー(あとキャラ崩壊しまくりだし、そういうの嫌いな方もスルーして欲しい。たぶん不快に思うから)




あと何げに繋がります。どういう事かというとこんな感じに
ルカリオの場合→人魚→【猥褻飴→魔王はつらいよ】→続き的なやつ
【 】はこんな事件がありましたよっていう小話的な存在ですかね…、ルカリオ関係無いんですけど。




―ある倉庫の中―

小さな窓から光が差し込んでいます。しかし、薄暗いままの室内にはほこりが照らされながら舞っていました。周りには箱やら板やらよくわからないものが積んで……散乱していました。
その雑貨たちで出来た壁の向こうに何やらヒソヒソと話す二人の人間がいます。一人は髭(立派な鼻毛にも見えます)を生やしたお腹の出た小さい男。もう一人、怪しげな色の玉を摘んでいる白色の布のような服を着た純白の翼をもつ少年。
「へぇ〜…、これが例のキャンディーの生き残りですか。」
「マリオの奴、ぜぇーんぶ持って行きやがったからなぁ。ま、レシピは頭に入ってるからいいんだけどヨ」
「で、効果はどれくらいなんですか?」
「狼ボウヤで試してみたが、大体1時間くれぇで切れちまうみたいだゼ?その分効きすぎるくらい効果があったみてぇだがな!アイツ男でも犯そうとしたらしいからな、ガハハ!」
「し〜……、またルカリオに見つけられちゃいますよ。そのくらい効くんだ…、面白そうですねぇ。」
「さーて、こっちは渡すもん渡したゾ?約束のもんは出来てんだろな?」
「もちろんですよ、結構苦労しましたよ〜。はいこれ。ちゃんと希望のアングルで撮れてるでしょ?」
「うお!……すげぇな。これなんてどうやって撮ったんだよ?」
「それは秘密です。じゃ、ボクはこれで。ワリオさんは3分数えてから出てくださいよ」
「ゲヘヘ、わかってる、わかってる。まいどあり」
「では、よい一日を」

音も立てずドアが開き、閉まりました。中にはまだ髭面の男が残っています。10枚ほどの写真を自分の周りに並べて、それらを見つめながら変な呼吸をしています。
約束の3分を過ぎましたが、男はしばらく出てきませんでした。
「く、はぁ……、なんでこんなにエロい体付きしてんだ…」
室内は異様な熱気と生臭い精液の臭いで充満していきました。



ワリオが自慰に浸っているその頃、狭い部屋を左右に行ったり来たりを繰り返しながら、独り言を言っている大魔王がいました。
「…ああ、何をやっているのだ!なんで我輩はこうもがさつなのだ…」
クッパが頭を抱えました。
クッパは今悩んでいます。昨日ピーチとぶつかった拍子、ドレスに爪で縦長の穴を開けてしまい、「もう!いっつもクッパは乱暴なんだから!」と言われてしまいまったのです。それ以来、ピーチとの会話という会話が全く無くなってしまいました。
朝食で前の席に座ってもプイッとどっかを向いてしまい、顔も合わしてくれない。話し掛けても何の返事もしてくれない始末です。
「どうすれば許してもらえるのだ…。ドレスの穴を直す?……勝手に持ち出したらさらに怒られるに決まっている…。それに我輩、裁縫なぞしたことない…。うぅむ…」
ウロウロするのをやめ、他の部屋のより3まわりくらい大きなベッドに腰を下ろしました。重みで微かにギィと音が鳴りました。
そして枕元のチョコレート(バレンタインデーに貰ったのを大事に取っておいたものです)を一つカリポリと食べました。甘いまったりとした味がクッパの気持ちを少しだけ落ち着かせました。
「…ピーチは何故我輩に怒るときはとことん怒りをぶつけてくるのだ、それにもっと柔らかい言い方があっただろう。朝見たときドレスは元通りだったってことは代えが有ったのではないか!別に怒り理由が無い!」
落ち着かせたのは一瞬だけでした。悩みの種は小さな怒りの火種 になりました。
「いやいや……もとはといえば、我輩がきっかけなのだ。なにピーチに逆ギレしているのだ…」
火種もあっさりと鎮火してしまいました。

クッパの部屋の外、窓の端っこに耳を付けて羽根をぱたぱたさせている少年がいました。訂正、とても怪しい少年がいましたです。
「なーるほど、二人の様子が朝から変だと思えばやっぱり何かあったんですね」
にやにやしながら小声でそんなことを言っている姿を、緑色の帽子が目印のルイなんとかが不自然な光景を見上げながら通り過ぎましたが、少年はそんなことお構いなしのようでした。
「苦労して手に入れたキャンディーだけど、クッパさんで決まりかな。さーて、面白いことになってくれるかな?」
一人でクスクスと笑いを押し殺していました。

「むぅ……いい考えが浮かばないものだな……」
最後のチョコレートを噛まずに口の中で溶かしながら、ベッドに横になりました。思い出すのはピーチの怒った顔。頬をふくらまし、眉を吊り上げ目をつぶり、赤く染めた顔。「あれはあれで可愛い…」とクッパは思っていました。



「クッパさん、クッパさん」
バンバンと窓をたたく音に、驚きのあまり変な声を上げベッドから転げ落ちてしまったクッパをみて「あーあ…」などと言いながら少年は窓を勝手に開けて入ってきました。
「驚かすな、ピット!!心臓が止まりそうになったではないか!」
「やだなぁ、クッパさんが勝手にびっくりしたんじゃないですか。あ、お邪魔します」
ピットはさっき開けた窓を閉めながらおどけたように話しました。調子を狂わされたクッパはとりあえず立ち上がり、ベッドにどすんと座りました。
「実はですね、クッパさんに用事があって来たんですよ、窓から」
「その用事、大したことなければ拳骨の一発くらいはいいのだろうな?我輩は今考えることがあって一人にしてほしいのだが」
明らかにイラついているクッパに怯える様子もなく、どこか強気な様子のピットはニヤリと笑っていました。
近くにあった、これまた3まわりくらい大きな椅子を引っ張ってきて座るとクッパに向かって「その考え事の解決策を教えてあげに来たんですよ?」と意地悪そうに言いました。
「解決策だと?…なんのことか」
「あ、とぼけましたね。…知ってるんですよぉ、ピーチさんと仲直りしたいんじゃないんですか?」
クッパが驚きの「何故そのことを」と言った後、すぐ気付いて拳の骨を鳴らしました。あれだけ部屋でブツブツと独り言を言っていたのだから多分そうだと思いました。
「……ピット、盗み聞きしてたな?」
「えー!?人聞きが悪い、通りかかったら聞こえちゃったんですよ」
「どうやったら窓の外を通りかかるのだ!!」
「見ての通り、ボクは天使ですよ?そりゃあ空、だって飛びますよ。そしたらたまたま、たーまたま通りかかったんです。まさかクッパさんの部屋とは思いませんでしたよ」
何か言おうとしましたが、大きくため息をついて「まったく、よくべらべらと屁理屈を言えるものだな」とクッパは思いました。

「まあ、そんなことどうでもいい。それで、解決策とは一体どんなものなのだ?」
片膝に肘を乗せ頬杖をついたクッパが聞きました。するとピットはリボン付きの透明の袋に入った小さくて不気味なピンク色をした丸い玉を取り出しました。
「これですよ」
「…なんだその変なものは。あめ玉の様に見えるが」
「当たりです、でもただのキャンディーじゃないんですよ」
クッパがあまり興味なさそうに「じゃあなんなのだ」と聞くとピットはハキハキと答えました。



「これはですね、今巷で話題沸騰中の通称“ワイキャン”ですよ」
「“ワイキャン”? 聞いたことないのだが…」
「あー、じゃあクッパさんは時代に乗り遅れてますね。男女問わず爆発的な人気を誇る“ワイキャン”を知らないなんて恥ずかしいですよ!」
「むぅぅ…。で、何故その飴がそんなに人気があるのだ?」
「このキャンディーは物凄い美容効果のある成分と、食べると若返るといわれている動物のエキスで出来ています。手軽に摂取できるし吸収力も抜群!効果もすぐわかると噂が広まり、今では注文しても3ヶ月待ちのベストセラー商品ですよ」
クッパは目の前の飴玉を改めて見ました。窓から差し込む光を受けても透き通らず、曇った色をしたこんな飴が人気商品ということを知らない自分が常識も知らない奴だと、それもピットなんかにそう思われていたらと考えると恥ずかしくなりました。
「でもそんな入手困難なものをどうしてお前が持っているのだ?」
「えーっと…、人気が出る前に買い溜めしてたんです!まぁ、それは置いといて…。」
クッパの手のひらを自分の手前まで引き寄せると袋に入った飴玉を乗せました。
「これをピーチさんに渡せば、仲直りできるんじゃないかなーと思うんですけどねぇ…。きっと、喜びますよ?」
再びピットが意地悪そうに笑いながら言いました。クッパは少し考えました。目を閉じると浮かぶピーチが喜ぶ姿、手のひらの“ワイキャン”を交互に見ていました。

「…これは、いくらするのだ?」
クッパは恐る恐る聞きました。するとピットは開いたままのクッパの手を閉じるように包み、飴玉を握らせました。クシャっとビニールが鳴りました。
「何言ってんですか、ボクはエンジェランドから舞い降りた愛の天使ですよ?お金なんていりません。ボクはクッパさんとピーチさんのハッピーエンドが見たいだけなんです!」
こんなことを言っていますが、ピットの頭のなかでは「うまく騙せたぞ」と思っていることは、クッパが知るはずもありませんでした。
「ほ、本当にいいのか!?ピット、お前に感謝する日が来るとは思ってなかった!礼を言うぞ!」
「あはは、ボクもクッパさんのお役に立てて嬉しいばかりですよ。さぁ、クッパさん!後は愛しのピーチさんにその“ワイキャン”と溢れんばかりの愛をあげれば二人の距離はグンググーンですよ!」
「う、うむ!これさえあれば間違い無しなのだな? ピット、我輩は今からピーチに会いにいくぞ!」
勢い良く立ち上がるとクッパはドアを開けて駆け出していきました。「いってらっしゃーい」と言いながらピットは彼を見送ります。

「作戦大成功!」
誰もいなくなったクッパの部屋でピットがガッツポーズしていました。



―外の広場―

長さが揃った芝生が一面に敷かれています。広場の脇に花壇が設けられていて、そこにゼルダとピーチがまだ蕾を付けていない草花の世話をしていました。
その様子を物陰から眺めている巨大な影、手に包装された“ワイキャン”を持っています。
「やっぱりここにいたのだ…。我輩の話を聞いてくれればいいのだが…。いや、聞いてくれるに違いない!」
独り言を言うとぎこちなく彼女達に近づいていきます。

「ぴ、ピーチ、ちょっといいか?」
背後から声をかけられ二人の姫は振り返ります。ゼルダは「あら、クッパさん」と言いましたが、ピーチは何も言わずクッパを見ていました。
変な沈黙が流れました。ゼルダはクッパとピーチを交互に見て「えっと…、ごゆっくり」とだけ言ってどっかへ行ってしまいました。

「あ〜、あのだな…。その〜……昨日はすまなかった…。」
クッパは深く頭を下げました。それを見てピーチは微笑み、クッパの頭を撫でました。
「私こそ、怒りすぎちゃった。ごめんね、クッパ…」
ピーチに優しく撫でられてクッパは照れました。それからゆっくり頭を上げると目の前には笑顔のピーチがいました。「やっぱり笑っているピーチが一番可愛いな」とクッパは思いました。

「そうだ、これは我輩のほんの気持ちだ。仲直りの印として受け取ってくれ!」
そう言うとクッパはピーチの前に“ワイキャン”を差し出しました。ピーチはそれを見て驚いていました。と、同時に笑顔が鬼の形相に変わっていきました。
「……ピーチ?」
「んもぅ!!なんであなたは全部台無しにするの!?信じられない!マリオからそれのことは聞いているわ、まさか使おうとしてる人がクッパだなんて!最低!もうしらない!!」
クッパに指を差して怒鳴ると、ピーチは早歩きでクッパから離れていきます。クッパはなにがなんだかわかっていません。
「ピーチ!?な、何を怒っているのだ!?待ってくれ、ピーチ!!」


「あ〜あ……、ピーチさんは知ってたんだなぁ。つまんないの」
屋根から二人の様子を見ていた天使のような悪魔は言いました。広場にはガクッと崩れ落ちるクッパがいます。とりあえずピットはそれを写真に収めていました。


―次の日、すべてを知らされたクッパがピットをめちゃくちゃにしたのは言うまでもありません。めでたし、めでたし……?―
2008年03月03日(月) 17:39:27 Modified by smer




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