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8-45

  • 以下注意書き
登場人物はミュウツーとロボットです。というかこの二人しか出ません。
意味が有りそうで全く無い会話、少しギャグ有り。ロボットは普通にしゃべります。
ミュウツーもキャラが違うかもしれない、というか違うのでダメだと思ったらスルー推奨です。
そもそも面白くないかm…おっとこれ以上のネガティブゾーンは緑の彼の専売特許だから自重するぜ!

元々は自分のSSが上手く書けない息抜きと前スレの埋め様に書いたものです。
単にふと思いついた電波を書いただけ。反省はしている。



紅い空―
徐々に沈みゆく夕日―
燃えるように染まるその風景をミュウツーは、ただじっと見つめていた
「………」
その心に何を思うのか…
(なぜ人間は『納豆に醤油を入れてから混ぜる』か、『納豆を混ぜてから醤油を入れる』のかで
議論するのだろうか。どちらが先でも、私には大差が無いように思える…)

(もっとも、お茶漬け派の私には関係の無い話ではあるが)

「ミュウツーサン?どうかしましたカ?」
「ん…?ああ。」
背後から呼びかけられ、振り返るとロボットが立っていた
「何でもない。少し…考え事をしていただけだ。」
「考え事…デスか。」
「………」
「モシよろしければ、お聞かせいただけませんカ?あ、イエ!話したくなければ良いのデスガ…」
「………」
まさか納豆の事を考えていたとは言えない。
かと言って何も話さずにいるのはこの妙にお人よしのロボットに余計な心配をさせてしまうだろう

下手に嘘をつくわけにもいかないので、ミュウツーは全く関係のない考えを話すことにした。

「私は…人の手により生み出されたポケモン。造られた“生命”(いのち)だ。
戦うために造られ、戦うことしか知らない。私が一体何なのか、何のために生まれてきたのか、
何故ここに存在しているのか、ずっとそればかりを考えてきた…」
「造られた生命…」
「だが、ここに来てからはあまり考えなくなってきた。
最近になって、ようやく私という存在もこの世界に生きる一つの“生命”なのだと…そう思えるようになった。」
―少なくともこれは事実だ。現に今、『納豆について』という至極どうでもいい事を考えられるまでになったのだ

「これは皆のおかげではないかと、私は思っている。感謝している。
しかしそうなると、『私はこの先どこへ向かうのか』、とか、『その結論で本当に正しいのか』とか、
『そもそも今まで思い悩んでいたのは何だったのか』と、考えてしまうのだ。」
「ハァ…。」
「いや、恐らくこの答えはずっと見つからないだろう。あるいは最初から答えが存在していないのかもしれない。」
「………」
「もしくは、誰もがその答えを無意識ながら求めて生きているのかもな。」



「すまない。変な話をしてしまって。」
「イイエ、構いませン。
個人的な主観を述べますト、深く考える必要は無いト。ワタシはそれで良いト、そう考えマス。
それに対する正確性を求められますト返答に困りますガ…。アナタはアナタだと、ワタシは結論づけマス。」
「そうか。」
「ワタシも似たような存在ですカラ。人工的な生命、自分が何の為に作られたノカ。
明確な開発コンセプトは存在します。ガ、それとは別に思考プログラム内に疑問が発生しましタ。
デスガ、それに対する答えは『ワタシはワタシでアル』と結論づけマシタので、特に気にした事ハありまセン。
―これもまた、正確性を問われますと困りますガね。少し、非論理的だったでしょうカ?」
「いや。なるほど、お前も私に似ているのだな。」
「最もワタシの場合、厳密には“生命”ですら在りませんガ。」
「…。」
ああ―。確かにこいつは“機械”であり根本的に別の存在だったのだと、今更気がついた。

「なので、失礼かと思いますガ、そうやって思い悩むアナタが少しうらやましいと思いましタ。
周囲の状態や視覚機関からの情報にヨリ、思考回路や感情AIは常に更新、最適化されマス。
より有機生命体に近い反応はできマスガ。こうして話している事も、何もかもは全てはプログラムにしか過ぎないのかもしれまセン。
…と言いますカ、99.9997%の確率でそうなのデスガ。」
「私には、お前も“生命”であるように見えるがな。」
「ワタシは“機械”デス。“命”は存在しまセンヨ。そう例えバ…あの夕日を見てどう思いますか?」
「夕日…?ああ、美しいな。」
「他にハ?」
「そうだな…何かを、訴いかけるような気がする。」
「参考として皆サンの感想は、『赤い』『綺麗』『情熱的』『切ない』『懐かしい』『燃える』『青春』…等の意見がありマス。」
「それとお前とどう関係があるというのだ?」
「ワタシには夕日は『赤い』という認識しかできまセン。」
「……!」
「『赤』というのは大体の表現でアリ、明度や彩度を詳細に分析することも可能デス。
他にも大気の状態で明日の天気を予測することもできマスね。
ア、一応ごく一般な美的感覚も搭載されていマスので美しいと判断する事はできマスので安心くだサイ。」



「…すまない。」
「その台詞は二回目デス。アナタに謝罪の必要性は無いと思いマス。
そもそもワタシは“機械”として誇りを持ってマスので心配は無用デス。」
「だが…」
「それに先ほども述べました通りワタシはワタシなのデス。
例えワタシと全く同じデータを持った個体が存在したとシテもワタシがそう信じている限りハ、そうなのデス。」
「…そうか。お前はちゃんと『自分』を持っているのだな。」
「…これは正確性以前に矛盾の発生する理論なのですガ…。やはりオカシイでしょうカ?」
「かもな。」
「でもそんな自分を結構気にいっていマス。」
「皆も、私も、お前のことは気に入っている。」
「ありがとうございマス。」
「話は変わるが、天気予報ができるのか?」
「エエ。正確に予測できる訳ではありまセンが大体ハ。明日は快晴になるでショウ。」
「晴れか…。もしも明日も夕日が見れたら、また一緒に見ないか?」
「了解しまシタ。」
「フッ。」
―本当にこいつは妙なロボットだ。
「何か面白い事がありましタカ?」
「いや、なんでもない。」
―明日夕日を見るときは、思い切って納豆の事を聞いてみよう。理由がわかるかもしれない。
この真面目なロボット事だから、いちいち科学的に解説するのかもしれないが、それはそれで面白いだろうな。
2008年03月10日(月) 21:22:06 Modified by smer




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