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うまいこと変態仮面な流れになったので投下します
いつの間にやらシリーズ化していた変態メタナイト新作
いつにもましてメタナイトが変態っつーかサイテーなので注意。格好いいメタナイトが好きな人ごめん。
俺も実は格好いいメタナイトが好きなんだ。本当だって、痛いから石投げないで!
また携帯の調子が悪くなって投下まで時間かかったらごめんね(´・ω・`)



 寮の廊下を歩み、デデデは悩んでいた。いつの間にか、自分はカービィの保護者のようになってきてはいまいか。
 思い返せば、メタナイトが暴走し、カービィに何かしでかそうとする度に、それを押さえているのはいつも自分だ。
 先日のおまじない事件の時も然り。数日前の、寮のトイレの前に据えられたベンチで待ち伏せ、
通りかかったカービィに「や ら な い か」と持ちかけていた奴をトイレに流してやったのも自分だった。
 身内であるが故に、真っ先にメタナイトの暴走に気付き、遠慮なく殴り飛ばすことができるからだ。
 仮にも自分にとってカービィはライバルであり、敵対すべき立場なのだということはわかっている。だが
カービィの貞操の危機など知ったことではない、放っておけばいいと割り切るわけにもいかない。そんなことはできない。
 ――結局のところ、カービィを大切に思っているのだ。本人は認めたがらないが。ツンデレだから。
 やはり自分があの一頭身界のタシーロの毒牙からカービィを守るしかない。そもそも彼らが同室である時点で
本当に毒牙から守りきれているのかどうかも疑わしいのだが。とため息をついたとき。
偶然通り掛かった部屋の中から、声が聞こえた。



「ガノ、ン…いやだ、見るな……そんな、ところ、ぁあ…ひあぁあ」
「クク…動くな。もっとよく見せろ」
 ど こ を だ よ !と思わず扉越しにツッコミを入れかけたが、今自分の存在を気付かれたら見せつけプレイにもつれ込まれそうなので、
デデデは黙って通り過ぎた。嗚呼大分距離が空いたはずなのにまだギシアン聞こえる。
ここの防音処置はどうなっているのだ嘆かわしい、とらしくもなく大王っぽいことを考えてみる。
 盛大に息を吐いて曲がり角を曲がる。すると曲がった先の部屋からも何やらベッドが軋む音と艶めかしい声が聞こえた。
 まったくどいつもこいつも昼間からお盛んなことで。脱力し、ふと引っ掛かるものを感じ思い返してみると、
確かこの部屋はカービィと変態かめ…否、メタナイトの部屋であるはず。
「………」
 正直聞きたくもないが、足を止め耳を澄ます。定期的にベッドの軋む音。

「んむぅ…ふあ、い、いたい!いたいよう、めたないとぉ…やだぁ」
「クク…動くな。大丈夫だカービィ、直ぐに気持ちよくなるはずだ」

 と う と う や り や が っ た な あ の 変 態 !!

 瞬間デデデは扉を蹴り開けた。室内にて、ベッドの上でうつ伏せにされているカービィに
のしかかっているメタナイトを瞬時にロックオンすると、大きな音に驚いて振り返る隙も与えず、
どこからともなく取り出したハンマーを振り上げ。
 そして。
「こ の 変 態 が !!!」
 もう何十回何百回言われたかわからぬ言葉と共に、横殴りに振り下ろしたハンマーは真っ向から仮面にぶつかり、
吹き飛ばされたメタナイトは劇場版ドラゴン〇ールよろしく壁にめり込んだ。



その惨めな姿を見ながら、どうせならガノンの部屋まで突き抜ければよかったものを、と
一種の満足感を覚え、しかしカービィにしたことを思い出し、沸き上がる殺意と共に鼻息荒く一歩足を踏み出す。
 殺す!こいつは殺さなきゃだめだ!
「松田!じゃない、ででで!」
 だがその時、それまで突然の出来事に呆然としていたカービィが、慌ててデデデの前に立ちはだかった。デデデは我に返る。
「そうだ、大丈夫かカービィ!いやいきなり突っ込まれて大丈夫なわけが」
「あやまりなさい!」
 混乱のあまり大分問題発言しながらも、気遣おうと屈みこんだデデデに、しかしカービィは怒った様子で、
柔らかな手でペチ、とデデデの頬を叩いた。
「は?」
 まったく痛くなかったが、予想外の発言と行動に思わず間の抜けた声が出る。カービィはプンプンと頬を膨らませデデデを睨み付ける。
「せっかくめたないとが『まっさーじ』してくれてたのに、いきなりなぐるなんてひどいよ!」
「は?『まっさーじ』?」
 直ぐには言葉の意味を理解できず、混乱しているデデデを差し置き、カービィは未だ壁にめり込んだままの
メタナイトの救出作業にかかっている。
 『まっさーじ』って、あのマッサージ?
「…本当にマッサージをしてもらっていただけなのか?」
「そうだよ!」
「本当の本当に?」
「ほんとうのほんとうだよ!」
「痛がってたのは…」
「めたないと、ちからつよいんだもん」
「…じゃあ、何か突っ込まれたり中に出されたりは…」
「なにを」
「……いや…」
 徐々にデデデの声が小さくなっていく。そうこうしている間にメタナイトが壁から救出された。



「めたないと、だいじょうぶ?いたい?」
「ああ…大丈夫だ。」
「血がでてるよ…?」
「案ずるな、ただの掠り傷だ。カービィが舐めてくれれば直ぐに治る」
 デデデは今一度壁に叩きつけようと思ったが、可愛らしくも鋭い眼差しと直面し、ぐっとこらえた。
「さ!ごめんなさいするの!」

 デデデは困惑した。カービィが嘘をついている様子はない。もとより嘘をつけない子なのだ、本当に何かされたとしたら
こんなにも平然とは振る舞えないだろう。
 では今回は本当にメタナイトは親切心でマッサージをしていただけであり、よこしまな気持ちなどまったくなかったのだろうか。
これまでのことを思うと納得できないし根拠もないが、確証がないのはこちらとて同じなのだ。徐々に自信がなくなり、
罪悪感が沸き上がってくる。
 どちらにしろ、意地を張ったところでカービィの心象を悪くするだけだ。嫌われるのには慣れているから
別にそれくらいどうってことないが、そうなると今後メタナイトの毒牙から守りづらくなる。
 不本意だが、やはりここは謝っておくべきか。
 躊躇いながらも仕方なく決意したとき、ふとメタナイトと視線があった。
 ハンマーが直撃した仮面には大きなヒビが入っていたが、案外頑丈にできているらしく、割れるまでにはいかなかったようだ。
 もしも割れていたら、その釣り上がった口角まで見えていたのだろうか。
 その、目元だけでもわかる、『 計 画 通 り 』と言わんばかりの酷薄な笑みは。



 やられた!と。一瞬にして罪悪感など吹き飛んだ。前言撤回、やはりこいつはただの変態だ。
突っ込むまではしていないものの、カービィが無知なのをいいことに、『マッサージ』という名目のもと、
好きなように触れることが目的だったのだ。
 だがカービィはそれを知らない。カービィからして見ればメタナイトはまるっきり被害者であり、突然部屋に入ってきて
メタナイトを殴り飛ばした自分が悪者なのである。
 真実を話したところで無知なカービィには理解できないだろう。理解できたところで信じるわけがない。
何だこの巧妙なトラップ」。これが今までメタナイトの野望を食い止めてきた自分への逆襲なのか。
まさに『メタナイトの逆襲』。やな逆襲だ。未だ数多くいるスーパーデラックスファンに謝れ。

 だが、悔しいことに。本当に歯痒いことだが、今回の自分の完敗は決定してしまったらしい。自分は謝る必要もないのに
メタナイトに謝らなくてはならない。何たる屈辱。
 殺意をこめ睨み付けると、対したメタナイトは愉悦に浸った瞳でデデデを見下した。身長は明らかにデデデのほうが大きいはずなのに、
どう見てもその目は「見下している」としか表現のしようがない。隣のカービィがその目にも、この冷戦にも気付いている様子はないが。



 ――後で。後で必ず、カービィの見えないところでこの恥辱を晴らしてくれる。と憎悪と共に誓い、ゆっくりと頭を下げ、
言葉通りの感情など微塵も含まれていない謝罪の言葉を述べようとした時。
「もういいよ」
 思わぬところでカービィが言葉を発し、驚きデデデは下げかけた頭を再びあげた。メタナイトとしても予想外だったらしい、
驚愕も露にカービィを見ている。カービィはまったくもう、と腰に手をあてた。
「ででではうらやましかっただけなんだもんね。ね、もうゆるしてあげてよ、めたないと」
「何!?」
 どうやら中々謝らないデデデに待ちくたびれてしまったらしい。謝れと言い出しておきながら、デデデに思わぬ助け船を差し出した。
 これが他の誰かに対するものだったならば「カービィは優しいな」と快く許してあげるのだろうが、今回はメタナイトとしても
想定外の展開に戸惑い、ジレンマが生じ、直ぐには返答できずにいるのが見てとれた。
 せっかくここまで追い詰めたのだから問答無用で頭を下げさせるべきだ。しかし、ここでカービィに心が狭いと思われるのも、いやしかし、でも…
 悩み、メタナイトは結論を下したらしい。ぞんざいな態度でデデデに向き直ると、どこか内面の不服さを感じさせる
口調ながらも、決然と言い放った。
「まあ、カービィがそう言うのなら仕方ありませんね。カービィに感謝してください」



 まさかの大逆転。
 それまで呆然としていたデデデには、事態を徐々に理解するうちに、このときばかりはカービィが天使に見えた。
天使といっても声がバーローな彼ではない。
 感極まり、デデデはカービィに抱きついた。ぽよぽよと柔らかな肌をなで回す。(横から殺気立った視線を感じたが気にしない。)
「カービィありがとうー!!!」
「もう。こんどわるいことしたら、ちゃんとあやまるんだよ?」
 たしなめるような声にも今は苛立ちを覚えず、うん謝る謝る、とデデデは適当に返事を返し。
しかしふと引っ掛かるものを感じ、艶肌を撫でていた手を止めた。
「ところでカービィ、ワシが『羨ましかった』って、いったい何が…」
「でででも『まっさーじ』してほしかったんでしょ?すなおにいえばいいのに」
「は?」
 いや確かに、自分が多少素直でないことは認めよう。しかし決してマッサージをしてほしかったわけではなく。
 だが真実を知らないカービィは勝手にそう解釈したらしい。ぼくがしてあげるーと楽しげにデデデの体をベッドに押す。
 デデデは振り払おうとしたが、仕舞いには押し倒す勢いでベッドの上に寝転がされ、慌てて体を起こそうとしたが
その背にカービィが着地してしまった。今起き上がるとカービィが転げ落ちて、またメタナイトに難癖つけられるかもしれない。



 どうすればよいのかと焦っている間に、カービィは勝手にマッサージを始めていた。「かゆいところはございませんか〜」と
言いながら、まったく刺激にならない力加減で楽しそうに背中を掻いている。何を勘違いしているのか。
「ちょっと待てカービィ!ワシは別にマッサージしてほしいわけじゃなくて」
「待つのだカービィ」
 思いがけず重なった制止の声に、デデデは驚き振り向こうとした。が、その前に背中に唐突にズシリと重みが加わり、
腹部が圧迫され「ひでぶ」と意味を為さない声が出た。カービィが手を止め、なーに?と振り向く。
 デデデは背後に、カービィ以外の邪悪な気配を感じた。姿を視認するまでもなく、今この場にいる人物は限られている。
「私がやろう」
 ただのその一言。しかしその声に、紛れもない殺意と狂気を感じ、デデデは本能的な恐怖を覚えた。
 逃げなければ。今すぐに逃げなければならない。
 だがどこにそんな力があるのか、いつの間にかカービィと居場所を入れ替えた『気配』は、マッサージには
過ぎる力でデデデを押さえ込み、逃げることを許さない。



 不意に風を切る音がした。殺気を感じ、デデデは咄嗟に顔を背ける。刹那、僅か数ミリ先、直ぐ目の前に何かが勢いよく突き立てられた。
 それは金色に輝く伝説の剣。

「ちょっと待てコラー!!!なんでマッサージにギャラクシアを使う!?殺す気か!!!」
「滅相な。私は陛下の忠実なるしもべDEATH」
「DEATHって何だDEATHって!!殺す気まんまんじゃねーか!!!
そもそもワシの上に乗ってる時点でしもべって態度じゃねーだろ!!」
「ただ思った以上に陛下がお疲れのようなので、特別に針治療をして差し上げようかと」
「それのどこが針だ!!!気持ちよくなるの通り越して軽く昇天するわ!!!」
「陛下は体が大きいのでこれくらいが丁度よいかと思いまして。大丈夫ですこのギャラクシアの刃の
分岐した部分が程よくツボを刺激したり。しなかったり。うん、まあとりあえず刺させろということで」
「さりげなく本音漏らしてんじゃね――!!!カービィ助けてくれー!!」
「わーたのしそうだねめたないと。ぼくにもやってー」
「とりあえずカービィは後でさっきの続きをしような。」
「はーい」
「カ――ビィ――!!!!ちょ、まじ待くぁdmjdgふじこ」

 寮の廊下にて、ある部屋から断末魔が響いたが、それは少し離れた場所にあるガノンの部屋から響いたミュウツーの嬌声によって
かき消され、誰にも届くことはなかった。
2008年03月25日(火) 13:15:49 Modified by smer




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