ゲームセンターのクレーンゲームの前で騒いでいる
裕子と茜。輝子は不思議に思い二人に声をかける。
すると、茜は唐突に、アイドルに一番大切なものは
握力であると主張し始める。輝子は困惑するも、
茜に詳しい話を聞き……。
裕子と茜。輝子は不思議に思い二人に声をかける。
すると、茜は唐突に、アイドルに一番大切なものは
握力であると主張し始める。輝子は困惑するも、
茜に詳しい話を聞き……。
[茜]
これは……問題ですよ……。
[裕子]
いけませんね。とってもいけませんよ。
[輝子]
……?
[茜]
私の得意分野を封じられてしまった以上、
これは、今までで最も難しいゲーム展開になることはあきらか!
[裕子]
そうですね……このエスパーユッコの必殺技、
さいきっくぱわーも使えないとなると……
お手上げ、スプーン上げですよ……!
[輝子]
あ、あの……ふたりとも、どうしたんだ?
そんな深刻な顔して。
もしかして、まずいことでも起きたのか……?
[茜]
まずいです!
例えるなら、カレーを食べようとしたとき、
寮の食堂にスプーンがなかったときのような……。
[裕子]
そう!
スプーン曲げをしようと食堂からスプーンを借りてきたと思ったら
先割れしてないスプーンだったときのような……。
[茜]
そんな感じです!
[裕子]
そんな感じです!
[輝子]
ぜんぜん、わかんないぞ……。
[輝子]
っていうか、それ、
裕子ちゃんが茜ちゃんのスプーン持っていってるだろ……!
[茜]
いやー、とにかくそんな感じで困りました!
みてくださいよ、このクレーンゲーム!
[裕子]
すごく難しいんです!
しかも、『イカサマ禁止』と張り紙がしてある!
さいきっくぱわーを使えないんですよ!
[輝子]
お、おう……景品は、どれどれ……
握力を鍛えるハンドグリップ……?
こんなのが、ほしいのか?
[茜]
もちろん!しかもこれは、私がほしいだけではありません!
ゆっこちゃんにも、藍子ちゃんにも愛梨ちゃんにも、
もちろん輝子ちゃんにも有用なモノなんですよ!
[輝子]
な、なんで……?
[裕子]
説明しようっ!
アイドルに必要なのは、笑顔に愛嬌、個性に度胸、そして!
[茜]
握力が必要なんです!!!
[輝子]
あ、暑苦しい……。
なんで、握力……?
[茜]
アイドルと言えば歌!歌声をお客さんに届けるためには、マイクを
がっしり握る必要があります!つまり、マイクを握る手の、
握力こそが、歌にとって大事なんです!!
[輝子]
……へ?
[裕子]
それだけじゃありませんよ!
スプーン曲げも知恵の輪も、最後には全力で、ぎゅぎゅぎゅーっと!
さいきっくぱわーを込めるとどうにかなるようになっているんです!
[輝子]
お?おう?お、おう。
[茜]
だから、手に入れたかったのですが……
あいにく、私はこういう細かい操作のゲームは苦手で……。
プロデューサーたちに頼るのも申し訳ないですし……。
[裕子]
さらに、さいきっくぱわーは使うなと言われてしまっては、
我々はもう、お手上げです……。
[輝子]
そ、そっか……。
[茜・裕子]
はぁ〜。
はぁ〜。
[輝子]
じゃ、じゃあ、私が取ってあげよう……ゲームは好きだし。
と、取れるかわかんないけどな。
これ、ねらえばいいのか……?
[茜]
ホントですか!輝子ちゃん!やったー!
このオレンジ色、お願いします!!
[裕子]
私は赤!
エスパーユッコのイメージカラー、赤でお願いしますよ〜!
[輝子]
え、えぇ……。
(暗転)
[]
全員分を獲得するまで、輝子の挑戦は続いた……
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