BBSPINKレズ・百合萌え板の【艦これ】艦隊これくしょんで百合スレのSSまとめサイトです

926:名無しさん@秘密の花園:2013/10/10(木) 14:53:58.31 ID:jTzyq1M+
ふんす!
そんな音が聞こえるような、鼻息。
いつも勝気な顔して頼り甲斐があって得意気に腕を組んで「ついてこい!」と背中で語る姉さんが、私と向き合って、私一人がおさまる分だけの間を開けて腕を広げていた。
うぅん……これは、そこに、すっぽりおさまれという…?

おずおずと近付いても、姉さんの瞳はキラキラと輝きを増すだけで一向にこの行為の意図を教えてくれる気配がない。
えぇい、姉さんの腕の中に飛び込むなら本望よ!とわけのわからない決意表明の後、目をぎゅっと瞑ってその腕の中に飛び込んだ。


「うむ!やっと来たか」
「……あ、あの、姉さん?」
「どうした?筑摩」
どうしたはこっちの台詞です…。

「きゅ、急にどうしたんです?」
「急じゃなかろう。吾輩は筑摩のお姉さん。妹を甘やかしてやるのも姉の務め!」
うぅん、確かに、駆逐艦の子や軽巡の子たちの世話を焼いてあげてる姉さんを見ていいなぁと思わなかったことがないわけじゃないけれど。……利根姉さんの妹は私だけなのに、と見当違いな嫉妬がないわけでもないけど。

それでも、みんなの手を引いて前を行く姉さんを見るのが好きだったから。
とは、言えなくて。背中を撫でられて悪い気はしないけど、なんだかむず痒いです。



「姉として、こうして妹を甘やしてやることが出来るのも中々の幸せ者じゃ」
「?」
他の誰が聞いても判別出来ないだろうけど、姉さんの声が少しだけ低くなった。
どうしたの、と体を離して真っ直ぐ前だけを見据えている目を見つめれば、腕を伸ばして頭のてっぺんを撫でられた。


「利根、姉さん?」
「吾輩たち以外にもたくさんの姉妹が存在するというのに、ここは姉妹が揃っているというのは少ないからな。…恵まれておる、と思ったのじゃ」
ふと、姉さんが向けた視線の先には翔鶴さん。翔鶴さん、二言目には瑞鶴瑞鶴って妹さんの名前を口にするものね。

私も千代田さんや榛名さんを見ていると、姉さんがいてくれることにもっともっと感謝しなくては、と考えさせられる。


「私、姉さんがここにいてくれて、本当に幸せですよ?」
撫でてくれていた手を取って、今度は私が姉さんを抱きしめた。やめんか、なんてくすぐったそうに笑う声が聞こえた。


「……翔鶴には少し気が引けるが、やはり吾輩は幸せ者じゃ」

927:名無しさん@秘密の花園:2013/10/10(木) 14:54:51.66 ID:jTzyq1M+
おしまいです。
相変わらず筑摩が出ないので、もう一度願掛け代わりに失礼しました!

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