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203 名無しさん@お腹いっぱい。 2010/11/14(日) 01:51:49 ID:j5e4k1Ci0


もし、あーみんの別荘に、高須だけ行くことになったらこんな展開か?


亜美「高須くーん、待った〜〜?」
竜児「いや、ほんの10分前に着いたところだけど、」
亜美「女の子を待たせないなんて、感心、感心〜♪」
亜美「それじゃ行こっか」
そう言いつつ竜児の腕にからみつく亜美だった。
竜児「ちょっと、川嶋!よせって!」
亜美「あら、照れちゃった?、高須君、かわいいところあるんだ〜アハッ」
竜児「と言うか、胸、当たってるぞ」
そう言う竜児の顔が赤くなっているのを見てからかう亜美
亜美「高須君、嬉しくないの??」
竜児「嬉しいとか、嬉しくないとかの問題じゃなくて、公衆の面前であまり
そういうことは良くないんじゃないかと・・・」
亜美「はいはい、じゃぁあ、手をつなぐだけならいいでしょ?」
竜児「まあ、それくらいなら、、、」
と言いつつ顔を赤らめ、照れながらも亜美に視線を移す竜児
竜児「お前、、なんだか嬉しそうだな」
亜美「そりゃぁ、大好きな高須君と一緒だからね、、」
そう言って竜児に微笑を向ける亜美
その笑顔にドギマギする竜児
竜児「お前、人をからかうのもいい加減に、、」
その言葉を遮るように亜美が言葉を挟む
亜美「別に、からかってなんかいないよ・・」
軽い微笑のまま遠くを見つめる目で呟く亜美。


亜美「あ、電車が来ちゃってる。」
亜美「急ご、高須君」
亜美に手を引かれながら電車に飛び乗る竜児
亜美「ハァ、ハァ、ちょっと油断しちゃったね・・・・」
額にうっすら汗を浮かべながら座席を探す亜美。
亜美「ここの席にしようか?」
竜児「お、おぅ・・・」
竜児の返答に少し苦笑する亜美。
亜美「クスッ、、高須君って〜いつもそういう返事だよね〜」
亜美「主体性がないって言うかぁ〜」
竜児「主体性がなくて悪かったな・・・・」
そう言いつつ少しむくれる竜児。
亜美「ご、め〜ん、怒らないでくれる??」
困ったような笑顔を見せながら、両手の指先を合わせて謝る亜美。
竜児「お、おぅ・・・・」
亜美「なんか走ったら喉が渇いちゃったね、」
亜美「紅茶、アイスティ持ってきたけど、飲む?」
竜児「せっかくだから、もらうことにする・・・」
いそいそと水筒を取り出し、紅茶を注ぐ亜美
亜美「はい、どうぞ」
殆ど亜美のペースになっていることを感じながら亜美から手渡しされる水筒のカップを受け取る竜児。
亜美から手渡された紅茶を一口飲んで、
竜児「おま、これっ!酒が入ってるだろ!?」
亜美「あ、わかった?、ブランデーをね、少し入れたの」
亜美「風味が増して美味しいでしょ?」
竜児「待て待て待て待て、俺たちは高校生だろ?酒なんか飲んでいいのか〜〜??」
亜美「大丈夫よ、そんなに量が入ってるわけじゃないし、」
亜美「それより、飲み終わったらカップを貸して欲しいな〜亜美ちゃんも飲みたいし〜」
そう言いながら竜児からカップを受け取り、紅茶を注ぐ亜美。
亜美「高須君の唇が触れたところはどこかな〜?」
亜美「ここかな?」
竜児(なに??、今なんて言った??)
亜美「アハッ、これ飲んだら、高須君と間接キッスだね〜」
竜児(ドキッ)この時点で完全に亜美の唇を意識してしまう竜児だった。


亜美の唇がそっとカップに近づくのをマジと見つめる竜児だが、次の瞬間
竜児「ちょっと待て〜〜〜!」
亜美の手からカップを取り上げる竜児。
亜美「アン、、ちょっと、どうしたの?高須君??」
竜児「どうしたの?じゃない!」
竜児「これ以上変なことするなら、帰るぞ!俺は!」
亜美「変なことって?」
竜児「か、間接キッスだとかなんだとか・・・・」
テレながら必死で答える竜児
亜美「そんな変なことかなぁ??」
竜児の目を悪戯っぽく覗き込む亜美
竜児「大体、俺たちはそんな仲じゃないだろ」
亜美「じゃあ、どんな仲なの?」
竜児「ただのクラスメイトだろうが、、、」
その言葉に一瞬、亜美の表情が曇る、が、すぐに気を取り戻したように
亜美「へーい、た、だ、の、クラスメイトね」
「た、だ、の、」を強調することで、不満を伝えようとした亜美だが、
そんなことは意に介さずに、竜児が話を続ける。
竜児「そんなことより、メシにしようぜ」
竜児「せっかく弁当作ってきたんだし、そろそろ昼時だしな」
そう言いながらおにぎりを取り出す竜児
竜児「あと、麦茶も持ってきたけど、飲むか?」
亜美「あ、あたしはアイスティにするから、」
竜児「そっか、」
亜美「それより、そのカップ返して欲しいな〜、もう変なことしないから」
そう言いつつ竜児からカップを受け取ると
半分ほどアイスティを注いだカップに何も言わずそっと唇を寄せる亜美だった。


竜児「ほれ、」
おにぎりを亜美に手渡す竜児
亜美「ありがと」
そう言って包みから取り出したおにぎりを口に含みながら言葉を続ける亜美
亜美「このお弁当って高須君が作ったんだよね?」
竜児「お、おぅ」
亜美「やっぱり料理上手だよね〜」
そういう亜美に対して微笑を浮かべてしまう竜児。
亜美「ウチにお婿さんとして来ない??」
竜児「いかねーよ」
亜美「もう、イジワル〜」
亜美「ところで、そっちの高須君のおにぎりは結構小さくない?」
竜児「ん?、ああ、これは大河がにぎったやつで、」
亜美「逢坂さんが?」
竜児「どうしても持っていけって言うもんだから、、、、」
竜児「そういや、大河のやつ、ちゃんとメシ食ったんだろうな?」
その言葉に亜美が不機嫌になる。
亜美「あ〜あ、」
竜児「どうした?」
亜美「べっつに〜〜」
亜美「なんだかおなか一杯になっちゃった、ご馳走さま〜」
竜児「なんだよ、まだ一個しか喰ってねーじゃねーか」
亜美にしてみれば別の意味で「おなか一杯、ご馳走さま」の意味だったのだが、
竜児にまったく伝わらないもどかしさも手伝って、
亜美「なんだかずっと仕事だったから疲れちゃった、しばらく寝るね、、」
そう言って窓ガラスに寄りかかる姿勢で目を瞑ってしまう。
そんな亜美の気持ちを理解できない竜児は
竜児「まったくなんなんだよ。。」
ブツブツ文句をいいながらお弁当の後片付けを始めるのだった。


亜美が寝てしまったことで、特にやることもなくなった竜児は対面の座席に座り
亜美の寝顔を眺めていた。
竜児(黙っていればカワイイのに・・・・)
そう思いつつ見詰めていたが、
紅茶の中のブランデーが効いたのか、やがて竜児も寝てしまった・・・・・

どれだけ時間が過ぎたのか・・・・
頬になにかが触れるうっとおしさに竜児の目が覚める。
竜児「う、ん、、、、、、」
そう言い放とうとした瞬間に竜児の唇からなにかが離れた。
頬に触れるものの正体は亜美のロングヘアーだった。
そして、竜児の顔は亜美の膝の上に置かれた状態だった。
竜児が覚醒するまで、しばらくの間が必要だったが、
鼻腔をくすぐる言い様のない芳香は脳裏に感じていた。
それは亜美の匂いではあったが、竜児にはその香りの正体がわからないようだった。

竜児「川、、、、、嶋、、、、、、?」
亜美が膝枕をしていることはなんとなく理解できた、が、
どうして亜美がそのようなことをしているのか理解できなかった。
亜美「高須君、そろそろ、あと2駅で着くから、、、」
そういって竜児が起きるのを促す亜美
竜児「あ、ああ、」
竜児「すまん、いつの間にか眠っちまったみたいだな」
まだ半分虚ろな状態で起き上がりながら亜美に視線を向けるが
亜美の表情は、なんだか満足そうだった。


当該駅に到着した竜児と亜美は列車を降りると改札口に向かって並んで歩いた。
出発の時とは違って、亜美が竜児に変に絡んで腕を組んでくることも、
手を繋ごうとしてくることもなかった。

二人並んで歩を進めていると、竜児の携帯がけたたましく鳴り響いた。
竜児「はい、高、、」
大河「こらっ竜児!あんたバカちーに餌もらって尻尾振ってないでしょうね?」
竜児「うぉっ!」
予想通り大河からの着信だった。
あまりの喧しさに、思わず携帯を耳から遠ざける竜児。
竜児「別に尻尾なんか振ってねーよ」
竜児「お前こそ、俺を疑うようにいちいち電話してくんな」
大河「なんですって?この鈍犬野郎!」
竜児(あーうっせ)
竜児「とにかく土産くらい買って帰るから、おとなしく待ってろ」
竜児「切るぞ!」
そういうと竜児は通話を切った。
すぐに着信が入ったが、竜児はそのまま電源を落としてしまった。
この竜児の行動が大河にそうとうな怒りを与えたことは容易に想像がつくが、

亜美はそのやり取りを横目で見て竜児に見えないように舌をだすと
なにかの余韻に浸るように、指先を自分の唇に当てながら一人で改札口に向かって歩いていく。


改札を抜ける一歩手前で追いかける竜児が亜美に追いついた、が、
亜美は黙って改札口を通り抜ける。
竜児も慌てて改札を抜けるが、竜児が改札を抜け切るとほぼ同時に亜美が竜児に振り返る。
亜美「今の電話は逢坂さんじゃないの?」
亜美「いいの?電源切っちゃって?」
竜児「放って置くと際限なく怒鳴ってくるからな、仕方ねーよ」
竜児「それに今は川嶋と一緒だし」
亜美「やきもちタイガー、可愛いじゃん」
竜児「は??別にやきもちじゃねーよ」
竜児「あいつはただ、俺と川嶋が一緒にいることが気にくわねーだけだ」
亜美「あんたバカ?」
それをやきもちと言うんだと亜美は思ったが、口には出さなかった。
そんなことが理解できないのは竜児くらいのものだろう。
大河が竜児のことを「鈍犬」と呼ぶことに対しては亜美もほぼ同感だった。
竜児「誰がバカだよ」
竜児がそう憤りかけた時、遠くのほうから聞こえる声に言葉を遮られた。

「ねぇねぇ、あれって川嶋亜美じゃない?」
「流石、スタイルいいよね〜」
「ところでさぁ、あの横にいる男の子って彼氏かな〜?」
「全然、釣り合ってなさそうだけど」
そんな勝手な言葉が飛び交っていた中、
亜美「ほら、ほら、グズグズしてると日が暮れちゃうよ」
そう言って竜児の腕を取る亜美だった。
竜児「お前、勘違いされるだろうが、」
亜美「いいの、勘違いするならさせておけば、」
そう言う亜美の顔はなんとなく嬉しそうに見えた。


二人が亜美の別荘へ到着したのは午後をかなり過ぎた頃だ。
夏の日差しもやや弱まり始めた頃だが、
亜美が玄関を開けると、室内に篭った熱気がモワッと竜児達を襲い、
まるでサウナの中のように、一瞬で体中に汗を湧せた。
亜美「うわ〜暑い暑い、クーラー、クーラー」
亜美はそう言って空調のスイッチを入れた。

滴り落ちる汗をぬぐいながら、竜児に尋ねる亜美
亜美「ここ暫らく振りなんで、使うのに少し掃除が必要だけど、」
亜美「先に掃除済ませちゃう?それとも後回しにして海に行く?」
「掃除」と聞いて竜児のスイッチが入った。
竜児「先に掃除を済ませてしまおう、掃除道具はどこだ?」
そう言うとそそくさと掃除の準備を始める竜児だった。

そんな竜児を見詰めながら
亜美「高須君はお料理は上手だし、お掃除も好きだし、」
亜美「ほ〜んと、良い主夫になれるぞ」
亜美「いつでもいいから、高須君の気が向いたらお婿さんにしてあげるからね」
そんな亜美にヤレヤレといった感じで竜児が答える。
竜児「ノーサンキュー」
亜美「もう!いじわるぅ」
竜児「大体、お前、その気も無いのに冗談が過ぎるぞ」
亜美「へーい、じゃあ、あたしは2階を見てくるんで、ほなサイナラ〜」
そう言い残して2階へ移動する亜美だった。

亜美(ホンネデイエナイカラ ジョウダン ナノニネ)
それが言葉になったのか、ならなかったのか、亜美自信にもわからなかった。


竜児は1階の掃除がほぼ終わったので、亜美のいる2階へ向かった。
竜児「おーい、川嶋、どこだ?」
竜児「ここか?」
不意にドアを開ける竜児
竜児「ここは洗面所か、、」
竜児「ここも掃除しねーと、」
そう呟きながら中に入っていくが、不意に響くシャワーの水音に
竜児「うっ?・・・」
竜児「悪い、気づかなくて、い、今出るから」
そう言って慌てて外に出ようとする竜児の腕を捕まえて引き止める亜美。
亜美「結構、大胆だね、女の子のシャワー中に入ってくるなんて・・・・」
竜児「べ、別にわざとじゃ、」
亜美「いいよ、高須君になら、」
竜児「お、お前、何言って、、、、」
そう言って戸惑う竜児
亜美「ねぇ、したくないの?」
竜児「な、何をだよ」
そういい残してその場から立ち去ろうとする竜児だが、亜美の手が竜児を捕まえて放さない。
亜美がバスルームの中からシャワーカーテンを開きながら言い放つ
亜美「お風呂掃除、よ」
竜児「はぁ?」
亜美「やだ〜いったい何を期待してたの?」
亜美「あははは、何、その顔〜傑作〜〜」
竜児の呆気にとられた顔を指して笑い転げる亜美だった。

竜児「なんだよ、ちょっとびびったじゃねーかよ!」
そう言って少し不貞腐れ気味の竜児に
亜美「ごめ〜ん」
悪戯っぽく両の指先を軽くあわせて「ごめんなさい」とポーズする亜美だった。
竜児「俺は、ちょっと別の部屋を掃除してくるから、ここはお前に任せた」
そう言いつつ竜児は部屋をあとにした。


竜児が2階の各部屋を掃除して巡っている間に浴室の掃除を終えた亜美は、
身体にべとついた汗を洗い流そうと服を脱いでシャワーを浴びることにした。
亜美の汗を吸って湿ったタンクトップとホットパンツが脱衣かごの中に投げ込まれたあと
水道の蛇口が捻られる音と共にタイルに当たる水音が激しくなっていく。
勢いよく飛び出すシャワーを全身隈なく行き渡らせると、その水滴が亜美の肢体を伝って滴り落ちていく。
その四肢は細く長く、そしてとても華奢だったが、胸だけはそのしなやかな肢体とは裏腹に
なまめかしさを醸し出していた。
亜美は手の平で、亜美自身の身体の隅々まで撫でる様に汗を落としていくのだったが、
その指先が、亜美の唇の達すると、光悦感に浸るようにそのまま暫らく動くことが無かった。


シャワーを浴びて汗を落し終えた亜美は服を着替えると、竜児を探しに部屋を出た。
2階の寝室に足を運ぶと竜児がまだ掃除をしているようだった。
亜美「高須君?」
竜児「ん?ああ、川嶋、そっちは終わったのか?」
亜美「うん、それでね、そろそろ夕飯の買出しに行かないと仕度が間に合わないから、
一緒に買出しに出てくれない?」
亜美にそう促された竜児は時計を見ると
竜児「ああ、もうこんな時間か、」
竜児「それじゃちょっくら買出しに行ってくっか」
亜美「バイクがあるけど、運転できる?」
竜児「まあ、なんとか」
亜美「じゃあ、運転は高須君に任せるね」
そう言って、亜美はバイクの後部座席に着座すると、竜児の腰に腕をまわすのだった。
竜児がバイクを発進させるとスピードと比例させるように、
竜児の腰にまわされた亜美の腕は徐々に抱擁になり、亜美の頬と胸が竜児の背中に
温もりを伝えるべく、押し付けられていった。


背中に当たる亜美の柔らかな膨らみが竜児には気になるようだった。
竜児「川嶋、運転し難いから余りくっつくな」
亜美「だって、高須君飛ばすから、亜美ちゃん怖いんだもん」
とても怖がってるようには思えない、寧ろ、からかわれているように竜児は感じた。
路肩にバイクを止めると、竜児はバイクを降りた。
亜美「どうしたの?」
竜児「どうしたのじゃねぇ、さっきの風呂場の件といい、お前、俺をからかってるだろ?」
亜美「やだ〜もしかして照れてるの?」
そう言って亜美は笑った。
亜美「高須君ってヤンキー面のクセに可愛いところあるよね」
竜児「ヤンキー面は余計だ、俺だって好きでこんな顔に生まれたんじゃねぇ」
少し照れた状態で竜児は答えた。
竜児「とにかく、買出しは俺一人で行って来るから、お前はここから帰れ」
亜美「え〜、こんなところに女の子一人置いていくわけ〜?」
竜児「お前が悪いんだろうが、」
亜美「ひっどーい」
そう言うと亜美は一頻り泣き出した。
それを見てうろたえる竜児。
竜児「お、おい、何も泣くことはないだろ」
亜美「ふふ、、な〜んてね」
そう言うと亜美は悪戯っぽく笑うのだった。
竜児「お前なぁ、、、、」
眉間に指を当てて竜児は顔を斜に向けた。
竜児「まったく、、お前見てると飽きねぇよ」
亜美「それって誉め言葉?」
竜児「さぁな、、、、、」
亜美「ん、もう、、、、」
そう言われて亜美はちょっと不満気だった。


結局、亜美が竜児に不必要に密着しないことを条件に買出しを続けることになり、
亜美のリクエストとして辛口のカレーライスを作ることになった。

亜美「何か手伝うことはある?」
竜児「ん?ああ、そこの皿取ってくれるか?」
亜美「このお皿でいいのかな?」
亜美「って言うかぁ、高須君ホント手際いいよね」
竜児「今夜は、高須特製スパイシーカレーだぜ」
亜美「亜美ちゃん用の特製カレーか」
亜美「高須君の愛情入りだね?」
ちょっと嬉しそうにはしゃぐ亜美
竜児「愛情??そんなもん入ってねーよ」
竜児の突き放す言い方に亜美がムッとする。
亜美「ん、、、もう冷たいんだからぁ」
亜美「そんな事だと女の子に嫌われるよ」
竜児「別に好かれようと思ってねーよ」
亜美「そんな事言っていいの〜?」
亜美「例えば〜〜、実乃梨ちゃんに嫌われちゃってもいいの??」
竜児の耳元でそう囁く亜美。
竜児「な、なんでそこで櫛枝が出て来るんだよ?」
亜美「惚けてもだ〜め」
亜美「亜美ちゃんはなんでもお見通しなんだぞ」
亜美は人差し指で拳銃を形作ると竜児に向かって引き金を引く素振りをした。


実乃梨のことを持ち出されたくない竜児は無理やり話題を変えることにした。
竜児「そろそろカレーが出来上がるぞ」
竜児「盛り付け手伝ってくれ」
亜美「へ〜い」
竜児「俺も超辛いカレーが好きなんだが、大河がいると中々食えなくてなぁ〜」
竜児「あいつ辛いカレーは嫌だ、甘口じゃないと食べられないとか言いやがって」
竜児「作るこっちの身にもなってみろってんだ」
竜児「なぁ、川、、、、、、、」
川嶋と呼び終わる前に、竜児の脛に亜美の蹴りが飛んできた。
竜児「痛って〜〜!!」
竜児「何すんだよ!!」
相当痛かったのか、竜児の目には薄っすら涙が浮かんでいた。
亜美「あ、ごっめーん」
亜美「狭いんで、ちょっとぶつかっちゃったぁ」
竜児「ちょっとぶつかったとかの痛さじゃねーぞ」
竜児「絶対!わざとだろ!」
竜児「なんなんだよ!一体!」
亜美は竜児から表情を隠すように背を向けると
亜美「さぁ〜一体なんなんだろうね〜?」
と惚けて見せた。


竜児「ったく、」
竜児「あーあ、こんなに赤く腫れてるじゃねーか」
亜美「うるさいな〜もう、」
亜美「男の子はそんなことでいちいち文句言わないの」
竜児「お前、人の身体だと思って言いたいこと言いやがって」
亜美「早くしないとご飯が冷めちゃうよ」
竜児「そこでメシの心配かよ、おい」
竜児「まあいい、俺はちょっと電話するところがあるんで悪いけど、ここの料理テーブルに運んどいてくれ」
そう言うと竜児は携帯をもってベランダへ出た。

ベランダの窓ガラスに遮られて、電話の声は聞こえなかったが
微かに聞こえる竜児の話し声
竜児「悪かったって、そう怒鳴るな」
竜児「ああ、」
竜児「ああ、」
竜児「ちゃんと土産買って帰るから」
竜児「それよりお前、ちゃんとメシ喰ったのか?」

亜美の予感したとおり、電話の相手は大河らしかった。
竜児の電話が終わるまで、亜美は食事を摂ることも無くテーブルの椅子に座りながらずっと竜児を見ていた。
その表情にはいつもの悪戯好きな亜美の姿は無く、とても寂しげだった。

大河との話が一段落すると、竜児は携帯を切ってテーブルに戻ってきた。
竜児「あれ?なんだ、まだ食べてなかったのか?」
亜美「あ、うん、、、せっかく二人でいるのに一人だけ先に食べちゃったら悪いでしょ?」
亜美の表情はいつもと違って精彩を欠いていたが、竜児が特に気づく様子も無く
竜児「そんな気を使わなくてもいいのに」
そう答えた。
竜児「メシ、冷めちまったな、、、」
竜児「レンジにでもかけて暖めなおすか?」
亜美「このままでいいよ」
竜児「でも、暖めなおすくらい、わけねーから、、」
亜美「いいの、大丈夫だよ」
亜美は竜児に気を遣わせまいと気丈にも笑って見せた。
竜児「そっか、、、じゃあ食事にするか」
竜児はそう言って亜美に食事を勧めた。

竜児「味はどうだ?川嶋の口に合えばいいんだが、」
亜美「美味しいよ〜、でも辛っ」
竜児「少し辛過ぎたか?」
亜美「大丈夫、それよりお水もらえるかな?」
亜美「ちょっと辛すぎて涙が出てきちゃったみたい」
そう言う亜美の目には薄っすらと涙が滲んでいた。
竜児「あ、ああ、すまん、」
そう言いながら亜美にグラスを手渡す竜児
竜児「大丈夫か?もう少し辛さを控えればよかったな」
亜美「大丈夫、心配してくれてありがとう」

亜美が初めて人前で見せたであろうその涙は、食事のせいでは無いことを
竜児には見抜けなかった。


食後、亜美は辛さで麻痺した舌を休ませるためにアイスキャンディーを食べながら、
食器を洗う竜児の側に近づき話かけた。

亜美「ねぇ、よかったら今から一緒にビーチに散歩しに行かない?」
竜児「ん?ああ、」
竜児「とりあえず食器洗い終わるの待っててくれ」
竜児は慣れた手つきで食器を洗い終わると、
竜児「で、どこへ行くって?」
と亜美に尋ねた。
亜美「ここを降りたところがすぐ海岸なんだけど、ちょっと涼みに出ようかと思って」
亜美「掃除と、夕食の支度に追われて、結局海にでなかったしね」
竜児「そっか、まあ川嶋が行きたいって言うんなら付き合ってもいいぞ」
亜美「本当??」
亜美「それじゃ、早速用意してくるね」
亜美は嬉しそうに階段を駆け上がると、二階の自分の部屋へ飛び込んで行った。
そんな亜美を尻目に竜児は
竜児「そんなに喜ぶことか?、たかが海に散歩に出るくらいで」
そう呟いた。

長袖のカーディガンを羽織って出てきた亜美は、
亜美「お待たせ」
と言って
壁を背に寄りかかって待っていた竜児の肩をポンッと叩いた。
竜児「あ、ああ、、行くか」
テラスを抜けると亜美が先に階段を降り始めた。
亜美「足元、暗いから気をつけてね」
竜児「あ、ああ」
亜美の後ろを歩く竜児。
遠い暗闇の中から潮騒が聞こえ、海風が亜美の髪をそっと撫ぜる。


砂浜に降り立つと、亜美はそのまま波打ち際へと近づいていった。
そして浜辺にしゃがみ込むと、そのまま片手で波を弄んだ。
亜美「子供の頃ね、夏になると、よくこうして両親と浜辺で遊んだの」
亜美「今は両親と来ることなんて余り無くなっちゃったけどね」
亜美「わたしね、、、」
亜美「親が芸能活動やってることもあって、家族以外の男性には素の自分を見せたことが無いんだ」
亜美「今まで、みんなに気付かれることもなく、ずっとそれで通してきたし、」
亜美「だから、高須君に素の顔でって言われた時、正直驚いたし、」
亜美「ありのままの自分で受け入れてくれるんだって、思って、とても嬉しかった」
亜美「ハッキリ言って、高須君よりずっとカッコいい男の子に告られたこともあったけど」
亜美「でもそれは、外見を取り繕ったわたしに魅せられただけ」
亜美「だから、とても付き合う気になんかなれなかった」

急に後ろにいる竜児に振り返る亜美
亜美「でも、高須君だけは違う!!」
その迫力に気圧される竜児
亜美「あたし正直言って、逢坂さんがとても羨ましいの」
亜美「あの子の自分を隠さない、取り繕うこともしない、それでもみんなに、ううん、」
亜美「高須君に受け入れられてる、あの子が羨ましいのよ」
亜美「高須君は、わたしのこと嫌い?」
竜児「い、いや、嫌いなんて事は、そんな、」
そう言いつつも困惑気味の竜児。
亜美「じゃあ、、好きに、なってくれる?」
竜児「ちょ、ちょっと待て、、」
竜児「お、俺は、、、、」


亜美「お願い、キスして、、」
そう言うと亜美は竜児にキスを迫った。
それを見てさらに困惑しながら唾を飲み込む竜児。
亜美「わたしも、高須君を竜児って、呼んでもいい??」
亜美「竜児、、君、、、」
意識はしなかったが、一瞬、竜児の脳裏に大河が自分を呼ぶ時の顔が浮かんだ。
(竜児!)
竜児「大、、河、、」
その言葉に亜美の動きが止まった。
ハッと我に返る竜児。
竜児「い、いや、あの、その、、、」
亜美の顔はうつむいている。

亜美は不意に波打ち際の波を両手で拾うと、それを竜児に向かって掛けた。
竜児「うわっ、なにすんだよ」
亜美「あはははは、な〜に?その顔?」
亜美「もしかしてこの亜美ちゃんが本気で高須君に告ってるとでも思ったの?」
亜美「鼻息荒くしちゃっていやらしい、、」
竜児「な、お前、、」
竜児「本気にしてたじゃねーかよ」
竜児「冗談にも程があるぞ」


亜美「ごめん、ごめん」
亜美「お詫びに手品を見せてあげるから許して」
竜児「ったく、何が手品だよ」
亜美「せっかくのお詫びなんだから文句言わないの」
亜美「いい?」
亜美は両の手の平を上に向けて竜児に見せた。
亜美「はい」
そう言われて竜児は亜美の手の平を覗き込んだ。
竜児「なんだよ、何もねーぞ?」
亜美「ちょっとだけ目を瞑ってて」
竜児が目を瞑った瞬間、亜美の柔らかい唇が竜児の口を塞いだ。


竜児「うわっ、なにすんだよ」
思わず口を拭う竜児
亜美「あ、ひっどーい、口を拭うなんて」
竜児「って言うか、キスするなんて一言も言ってなかったじゃねーか」
亜美「そんなに怒らなくてもいいじゃない」
竜児「別に怒っちゃいねーけど、クラスのみんなには、特に男子には黙ってろよ」
亜美「どうして?」
竜児「どうしてって、お前クラスの男子からかなり人気があるんだからな」
竜児「お前の初めてのキスの相手が俺だなんて知られたら妬まれるだろうが」
亜美「そんな心配しなくていいよ」
竜児「どうしてだよ?」
亜美「だって、今のキスが初めてじゃないし〜」
竜児「なんだよ、そんなに経験しまくってるのかよ」
亜美「失敬ね、初めてじゃないけど、まだ二回目よ」
竜児「誰だ?クラス中のほぼ全ての男子から嫉妬されそうな、川嶋のファーストキスの相手は」
亜美「そんな野暮なこと訊かないの」
亜美「一つだけ言えるとしたら、名前は言えないけど、わたしの初恋の人、、、、、よ」
そう言うと亜美は別荘へ向かってゆっくりと歩き出した。

夏休みはまだ始まったばかり、そして、亜美の人生もまだこれから長い先がある。
しかし、今日のこの日は亜美にとって忘れがたい一日となった。

なぜなら初恋の人と初めてキスを交わした日だから。

終わり


240 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2010/11/21(日) 10:38:34 ID:yk23VpaA0
お疲れ様ー!

面白かった!ファーストキスは間接キスっていうことかな


241 名無しさん@お腹いっぱい。 2010/11/21(日) 10:44:33 ID:Fzge+Oq90
>>240
ありがとうございます。

1stキスは
竜児が寝ている隙に亜美がキスしたことです。
ハッキリキスしたって書いてないですが
竜児からしてみたら何されたかわかってないので、わざと曖昧な描写にしました。


242 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2010/11/23(火) 21:37:35 ID:BvpCkp+e0
いい夫婦のお祝いするの忘れてた…


243 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2010/11/23(火) 23:01:51 ID:db3ijDQ8O
面白かった。ラブを感じたぜ


244 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2010/11/24(水) 00:00:39 ID:g1M1cBDn0
GJ


245 名無しさん@お腹いっぱい。 2010/11/25(木) 18:26:04 ID:WMy8aVPL0
>>242
>>243
>>244

有難うございます。
訊いた所によると、原作ではあーみんに彼氏がいたとのことで、
話の辻褄が合わなくて萎えてます^^;

そのうち整合性を整えてエロパロへ投下するつもりです。



【とらドラ!】竜児×亜美【私もいれてよ】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1273...

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