準備書面(1)
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labo_worker 2022年11月06日(日) 21:49:19履歴
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準備書面(1)
令和２年（ワ）第■■■■■号事件
原告 ■■■■
被告 株式会社ラボ生産ほか３名
準備書面（１）
令和２年１２月７日
東京地方裁判所民事第４８部 御中
原告訴訟代理人
弁護士 ■■■■
被告らの答弁書における認否及び主張について､原告の反論は次のとおりである。
第１ 請求原因に対する認否に関連した原告の主張・反論
１ 請求原因3項の（1）被告Ｘ のパワハラ行為関係
（１）被告らは、アの事実につき、職場の混乱がなかったというが、被告Ｘ の突
然の夜間勤務中止宣言は、これを聞いた夜勤職員が呆然としたり、日勤はできない
から退職する旨告白したり、被告�� の発言を受けて雇用契約の内容に反する日勤
勤務に変更する者がでるなどし、更にその後の夜勤勤務中止の撤回などで職場は相
当混乱した事実がある。
（２）ウの事実について、被告らは、パＡから被告Ｘ に送られた電子メールにつ
いて、パＡは、原告に頼まれたやむなく言われたとおり被告�� に電子メールを送
信しただけ、と言っていたなどと主張する。
しかし、パートリーダーパートＡ（以下「パＡチーフ」という。）が被告�� に
送信した電子メールは、原告は、被告�� から日勤異動を強要されたことをパＡ
チーフに伝え､同人は原告の労働災害による後遺障害を理解しており､被告�� の原
告に対する度々の解雇や雇止め予告発言やそれに対する原告の考えを理解していた
-1-
ことから、原告は、被告�� に原告の健康状態を再三伝えているのに同被告が理解
しているか分からないので、このことを確認して配慮してもらうべく依頼内容を書
き出し、これを原告がパＡのパソコン内に打ち込んでパＡに送信を依頼したのであ
る。甲3は、このときパＡが送信した電子メールの本文であり、冒頭の4行「被��
さん お疲れ様です。パＡです。原告さんの病状とそれに伴う作業状況について、
以下、ご考慮お願い致します.」部分はパＡが追記して完成させた文面であり、送
信後にパＡから印刷（パＡのサインと送信日を付記）してもらってパＡが追記して
平成28年9月20日に作成送信したことを知ったのである。これにより、パＡが事
情を理解して原告の依頼を受け、グループ長である被告�� にメール送信する仲介
の労をとったことがよく窺えるのである。決して被告らの言うとおり、原告にせが
まれてやむなく機械的に処理したものではなかったことが認められる。
２ 請求原因3項の（2）被告Ｙ のパワハラ行為及び４項の（3）被告会社の安
全配慮義務違反等関係
（１）被告らは、原告の頚椎椎間板ヘルニアに関する労災認定事実を知らないと主
張し、被告Ｙ の上記パワハラ行為について原告からのクレームを受けて被告会社
が設定した統括部長幹部Ｓ 及びグループ長部長Ｈ 両名による9月4日の第2
回面談は、原告がその日有給休暇を取得しているから、面談した事実は考えられな
いと主張する（答弁書5頁）。
しかしながら、原告が労災請求した時点のグループ長が被告Ｘであり、被告会社は
その労災請求事実を認識して認めているのであるから、その結果である労災認定事
実を知らないはずがない。かつ、被告Ｙ の労災認定を軽視した作業の強要につい
て原告の依頼を受けた上司パＡが被告会社の然るべき幹部の誰かに送信した電子メ
ール（甲4）には、原告の梱包作業中のヘルニア悪化の症状を確認した同人が作業
の継続により悪化の可能性を指摘して善処を求めているのであって、被告Ｙ のパ
ワハラを裏付けるのに十分である。また、原告が9月4日に有休休暇を取得したこ
とは事実であるが（請求原因 3 の(2))、その日は、原告が午前中に歯科に通院し
-2-
て前歯を抜歯した日であり、その足で被告会社に止血のためガーゼを口に含んだ状
態で直行して上記部Ｈが指定した9月4日に上記両名との面談に及んだもので、両
名も記憶があると思われる。有給休暇を取得したことと被告会社に出向いたことが
両立し得ないことでは何らない。
（２）被告会社は、パワハラ行為は就業規則で禁止しているとし、被告会社を含む
キタムラグループが、平成20年2月15日以降、コンプライアンス・ホットライン
を設けて相談体制を構築して社員に周知していると主張する(乙2)(答弁書5頁)。
しかしながら、確かに被告会社の就業規則では、従業員がパワーハラスメントや
セクシャルハラスメント行為をしたときは、解雇する旨定めている(15条7号)。
この点被告会社がかねて原告から被告Ｙ のパワハラの指摘ないしクレーム（請求
原因第2の3の（2）及び4の（3）のウ参照）を受けながら十分な調査をしたとは
思えず、本件訴状による被告Ｘ らのパワハラ行為の指摘に対しても、被告らこぞ
って否認するだけで、調査を尽くし事実の存否を確定してパワハラ行為者の解雇処
分を決定する様子は感じられない。乙2は単に形式を整えただけの体裁に過ぎない
と思われても仕方ないものである。
そして、乙2の作成日は、証拠説明書によれば、本年作成されてようであり、上
記平成20年2月15日にそうした体制が既に構築されていたことを裏付けるものは
提出されていない。また、この乙2の書面は、証拠説明書によれば、事業計画書の
一部に掲載されたもののようであるが、事業計画書は原告らパート社員には配布さ
れていないのである。過去及び現在乙2の記事が社内に掲示されたことを原告は見
たことがない。被告会社内で周知されていたという事実はないのである。
３ 請求原因3項の（3）被告Ｚ のパワハラ行為及び4項の（3）被告会社の安
全配慮義務違反等関係
（１）被告は、原告の有給休暇の請求自体を否認する（答弁書4頁）。
しかしながら、原告が本年5月14日に、所定の書式に従い、有給休暇を請求す
る書面を作成したことは明らかであり（甲5）、原告は、この書面を原告の上司で
-3-
ある正社員 社員Ｌ に提出している。原告が、同年6月25日腎臓の定期検査のた
め休暇を取得するに際して、新型コロナ問題を踏まえて休暇取得の態様を予め 部
長Jグループ長代理に伺いを立てて、同人から有給休暇の請求の方法で休暇を取得
してほしい旨の了解を得て手続をしたのであるから（甲6）､原告が請求自体を失
念したり取りやめることは考えられないし、その事実もない。
（２）被告会社は、有給休暇の請求に対しては時季変更権を有するから、原告の希
望する日に取得できなかったとしても違法ではないと主張する（答弁書4頁）。
一般論としては認めるが、原告が被告会社から取得時期の変更及び取得を認める
別な日にちを打診されたことも指定されたことも全くなく、被告会社の時季変更権
の行使は無かったのである。ないままに、6月19日頃明示されたシフト表では｢出
勤｣扱いとされていたため、（甲7）､上記部Ｊグループ長代理に問い合わせたが返
事がないため、請求どおり同月25日に有給休暇を取得したところ、7月15日頃受
け取った給与明細では有給でない「休業」扱いにされていたことは、訴状記載のと
おりである。そもそも、原告の担当業務に専門性はない上、当時コロナ過で社員の
多くが出勤しておらず､休業扱いで自宅待機状態であったから代替要員は十分あり､
部長Ｊグループ長代理に｢振替出勤｣の選択肢を提示した上で､同グループ長から有
給休暇の取得について了承を得ていたのであり、被告会社が繁忙等を理由とした時
季変更権を行使する条件は全く存しなかったのである。そして、了承後において、
被告会社から格別振替出勤に変更するとか休業補償に基づく休業に変更するごとき
指示も連絡もなかったのである。
（３）被告会社は、被告Ｚ が、7月14日に、有給休暇の取得方法について、認
識の誤りを認めて謝罪した上で、新たな手続等について社内向けに電子メール（乙
1）で社員に知らせたと主張する（答弁書4頁）。
しかしながら、前記のとおり、原告の6月25日の取得についてした有給休暇の
請求は、部長Ｊグループ長代理（原告の上司であり、被告Ｚの部下）の事前承認に
基づいて請求したにも拘わらず、なぜか無断で出勤や休業に変更されて事実上有給
-4-
休暇の取得が拒否された経緯があったところ、7月8日に至って、被告Ｚ が、同
被告名義で「有給休暇は売上が正常化しない限り認めない。」「有給（休暇）は使
用しない運用とする。」と宣言した連絡掲示板（甲9）によって、有給休暇の請求
が被告Ｚ の意向により拒否されたことが判明したのである。この被告Ｚ の指示
は、自ら就業規則と異なる誤った指示であったことを認めて7月13日の朝礼（ミ
ーティング）の際に掲示板（ホワイトボード）に掲示して説明した。被告らは、こ
れをもって運用を改善したというが、被告Ｚ が認識を改めたのは、被告会社が原
告の有給休暇の請求を適法な時季変更権行使もないままに拒否して認めず、休業扱
いにして給与計算上処理された後のことである。しかも、被告Ｚ から朝礼で説明
はあったが、被告らが係る社員に知らせた電子メールというのは原告らパート社員
は対象外で正社員だけに知らされたもので、乙１（翌14日付けである）の書面が
社内に掲示されたこともなく、当時原告は見た事がなかったのである。
第２ 被告らの主張に対する反論
１ 被告Ｘ 関係
被告らは、被告Ｘ の不法行為に関して消滅時効を援用するが、被告株式会社ラ
ボ生産（以下｢被告会社｣という｡）の安全配慮義務違反は債務不履行責任であり、
消滅していない。
２ 被告Ｙ 関係
被告らは、被告Ｙ 及び被告会社の不法行為上の責任に関して消滅時効を援用
するが、原告は上記被告らに対し、令和2年8月11日に、被告らの責任を指摘し
て被告らに損害賠償請求の催告をしており、その意志表示は同月12日に到達して
いる（甲11の1及び11の2、甲12の1及び12の2）。その後原告は本訴を提起し
た。
よって、原告の被告らに対する損害賠償請求権の消滅時効は完成していない。
第３ 証拠の説明
証拠説明書記載の書証３，４，６，８の標目等について補足説明する。
-5-
（１）書証番号３
これは、原告が、被告Ｘ の原告の身体状況の無理解について配慮を求めるメー
ルの送信をパートＡに依頼したところ（請求原因３の（１）のウ）、パＡから文面
の作成を指示されたため、原告が原稿を作成してこれをパＡのパソコンに文面を入
力してパＡに送信してもらい、後日パＡから送信メールを印刷（送信日とパＡのサ
インを付記）してもらったもので､確認したところ､冒頭｢被告Ｘ｣さん お疲れ様で
す・・」以下4行をパＡが追記して被告Ｘ にメールしたことがわかった。実質原
告とパＡの共同で作成した送信メールであるが、原告が案を作成し、パＡが了承し
更に追加して完成させて送信したパートＡ作成の送信メールと解する。
よって、証拠説明書の標目などに変更はない。
（２）同４
原告がパＡに依頼して会社上層部にメールしてもらうために内容を文書にしたも
のである（請求原因３の（２）のウ)｡ 原告がこれをそのままパＡのパソコン画面
に入力して、パＡに送信してもらった。
よって、証拠説明書の標目を、｢電子メール送信原稿文書｣と訂正する。作成日、
作成者、立証趣旨に変更はない。
（３）同６
証拠説明書の記載のとおりである。甲6の2をもって、明らかにする。
（４）同８
証拠説明書の記載のとおりである。甲8の2をもって、明らかにする。
-6-
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令和２年（ワ）第■■■■■号事件
原告 ■■■■
被告 株式会社ラボ生産ほか３名
準備書面（１）
令和２年１２月７日
東京地方裁判所民事第４８部 御中
原告訴訟代理人
弁護士 ■■■■
被告らの答弁書における認否及び主張について､原告の反論は次のとおりである。
第１ 請求原因に対する認否に関連した原告の主張・反論
１ 請求原因3項の（1）被告Ｘ のパワハラ行為関係
（１）被告らは、アの事実につき、職場の混乱がなかったというが、被告Ｘ の突
然の夜間勤務中止宣言は、これを聞いた夜勤職員が呆然としたり、日勤はできない
から退職する旨告白したり、被告�� の発言を受けて雇用契約の内容に反する日勤
勤務に変更する者がでるなどし、更にその後の夜勤勤務中止の撤回などで職場は相
当混乱した事実がある。
（２）ウの事実について、被告らは、パＡから被告Ｘ に送られた電子メールにつ
いて、パＡは、原告に頼まれたやむなく言われたとおり被告�� に電子メールを送
信しただけ、と言っていたなどと主張する。
しかし、パートリーダーパートＡ（以下「パＡチーフ」という。）が被告�� に
送信した電子メールは、原告は、被告�� から日勤異動を強要されたことをパＡ
チーフに伝え､同人は原告の労働災害による後遺障害を理解しており､被告�� の原
告に対する度々の解雇や雇止め予告発言やそれに対する原告の考えを理解していた
-1-
ことから、原告は、被告�� に原告の健康状態を再三伝えているのに同被告が理解
しているか分からないので、このことを確認して配慮してもらうべく依頼内容を書
き出し、これを原告がパＡのパソコン内に打ち込んでパＡに送信を依頼したのであ
る。甲3は、このときパＡが送信した電子メールの本文であり、冒頭の4行「被��
さん お疲れ様です。パＡです。原告さんの病状とそれに伴う作業状況について、
以下、ご考慮お願い致します.」部分はパＡが追記して完成させた文面であり、送
信後にパＡから印刷（パＡのサインと送信日を付記）してもらってパＡが追記して
平成28年9月20日に作成送信したことを知ったのである。これにより、パＡが事
情を理解して原告の依頼を受け、グループ長である被告�� にメール送信する仲介
の労をとったことがよく窺えるのである。決して被告らの言うとおり、原告にせが
まれてやむなく機械的に処理したものではなかったことが認められる。
２ 請求原因3項の（2）被告Ｙ のパワハラ行為及び４項の（3）被告会社の安
全配慮義務違反等関係
（１）被告らは、原告の頚椎椎間板ヘルニアに関する労災認定事実を知らないと主
張し、被告Ｙ の上記パワハラ行為について原告からのクレームを受けて被告会社
が設定した統括部長幹部Ｓ 及びグループ長部長Ｈ 両名による9月4日の第2
回面談は、原告がその日有給休暇を取得しているから、面談した事実は考えられな
いと主張する（答弁書5頁）。
しかしながら、原告が労災請求した時点のグループ長が被告Ｘであり、被告会社は
その労災請求事実を認識して認めているのであるから、その結果である労災認定事
実を知らないはずがない。かつ、被告Ｙ の労災認定を軽視した作業の強要につい
て原告の依頼を受けた上司パＡが被告会社の然るべき幹部の誰かに送信した電子メ
ール（甲4）には、原告の梱包作業中のヘルニア悪化の症状を確認した同人が作業
の継続により悪化の可能性を指摘して善処を求めているのであって、被告Ｙ のパ
ワハラを裏付けるのに十分である。また、原告が9月4日に有休休暇を取得したこ
とは事実であるが（請求原因 3 の(2))、その日は、原告が午前中に歯科に通院し
-2-
て前歯を抜歯した日であり、その足で被告会社に止血のためガーゼを口に含んだ状
態で直行して上記部Ｈが指定した9月4日に上記両名との面談に及んだもので、両
名も記憶があると思われる。有給休暇を取得したことと被告会社に出向いたことが
両立し得ないことでは何らない。
（２）被告会社は、パワハラ行為は就業規則で禁止しているとし、被告会社を含む
キタムラグループが、平成20年2月15日以降、コンプライアンス・ホットライン
を設けて相談体制を構築して社員に周知していると主張する(乙2)(答弁書5頁)。
しかしながら、確かに被告会社の就業規則では、従業員がパワーハラスメントや
セクシャルハラスメント行為をしたときは、解雇する旨定めている(15条7号)。
この点被告会社がかねて原告から被告Ｙ のパワハラの指摘ないしクレーム（請求
原因第2の3の（2）及び4の（3）のウ参照）を受けながら十分な調査をしたとは
思えず、本件訴状による被告Ｘ らのパワハラ行為の指摘に対しても、被告らこぞ
って否認するだけで、調査を尽くし事実の存否を確定してパワハラ行為者の解雇処
分を決定する様子は感じられない。乙2は単に形式を整えただけの体裁に過ぎない
と思われても仕方ないものである。
そして、乙2の作成日は、証拠説明書によれば、本年作成されてようであり、上
記平成20年2月15日にそうした体制が既に構築されていたことを裏付けるものは
提出されていない。また、この乙2の書面は、証拠説明書によれば、事業計画書の
一部に掲載されたもののようであるが、事業計画書は原告らパート社員には配布さ
れていないのである。過去及び現在乙2の記事が社内に掲示されたことを原告は見
たことがない。被告会社内で周知されていたという事実はないのである。
３ 請求原因3項の（3）被告Ｚ のパワハラ行為及び4項の（3）被告会社の安
全配慮義務違反等関係
（１）被告は、原告の有給休暇の請求自体を否認する（答弁書4頁）。
しかしながら、原告が本年5月14日に、所定の書式に従い、有給休暇を請求す
る書面を作成したことは明らかであり（甲5）、原告は、この書面を原告の上司で
-3-
ある正社員 社員Ｌ に提出している。原告が、同年6月25日腎臓の定期検査のた
め休暇を取得するに際して、新型コロナ問題を踏まえて休暇取得の態様を予め 部
長Jグループ長代理に伺いを立てて、同人から有給休暇の請求の方法で休暇を取得
してほしい旨の了解を得て手続をしたのであるから（甲6）､原告が請求自体を失
念したり取りやめることは考えられないし、その事実もない。
（２）被告会社は、有給休暇の請求に対しては時季変更権を有するから、原告の希
望する日に取得できなかったとしても違法ではないと主張する（答弁書4頁）。
一般論としては認めるが、原告が被告会社から取得時期の変更及び取得を認める
別な日にちを打診されたことも指定されたことも全くなく、被告会社の時季変更権
の行使は無かったのである。ないままに、6月19日頃明示されたシフト表では｢出
勤｣扱いとされていたため、（甲7）､上記部Ｊグループ長代理に問い合わせたが返
事がないため、請求どおり同月25日に有給休暇を取得したところ、7月15日頃受
け取った給与明細では有給でない「休業」扱いにされていたことは、訴状記載のと
おりである。そもそも、原告の担当業務に専門性はない上、当時コロナ過で社員の
多くが出勤しておらず､休業扱いで自宅待機状態であったから代替要員は十分あり､
部長Ｊグループ長代理に｢振替出勤｣の選択肢を提示した上で､同グループ長から有
給休暇の取得について了承を得ていたのであり、被告会社が繁忙等を理由とした時
季変更権を行使する条件は全く存しなかったのである。そして、了承後において、
被告会社から格別振替出勤に変更するとか休業補償に基づく休業に変更するごとき
指示も連絡もなかったのである。
（３）被告会社は、被告Ｚ が、7月14日に、有給休暇の取得方法について、認
識の誤りを認めて謝罪した上で、新たな手続等について社内向けに電子メール（乙
1）で社員に知らせたと主張する（答弁書4頁）。
しかしながら、前記のとおり、原告の6月25日の取得についてした有給休暇の
請求は、部長Ｊグループ長代理（原告の上司であり、被告Ｚの部下）の事前承認に
基づいて請求したにも拘わらず、なぜか無断で出勤や休業に変更されて事実上有給
-4-
休暇の取得が拒否された経緯があったところ、7月8日に至って、被告Ｚ が、同
被告名義で「有給休暇は売上が正常化しない限り認めない。」「有給（休暇）は使
用しない運用とする。」と宣言した連絡掲示板（甲9）によって、有給休暇の請求
が被告Ｚ の意向により拒否されたことが判明したのである。この被告Ｚ の指示
は、自ら就業規則と異なる誤った指示であったことを認めて7月13日の朝礼（ミ
ーティング）の際に掲示板（ホワイトボード）に掲示して説明した。被告らは、こ
れをもって運用を改善したというが、被告Ｚ が認識を改めたのは、被告会社が原
告の有給休暇の請求を適法な時季変更権行使もないままに拒否して認めず、休業扱
いにして給与計算上処理された後のことである。しかも、被告Ｚ から朝礼で説明
はあったが、被告らが係る社員に知らせた電子メールというのは原告らパート社員
は対象外で正社員だけに知らされたもので、乙１（翌14日付けである）の書面が
社内に掲示されたこともなく、当時原告は見た事がなかったのである。
第２ 被告らの主張に対する反論
１ 被告Ｘ 関係
被告らは、被告Ｘ の不法行為に関して消滅時効を援用するが、被告株式会社ラ
ボ生産（以下｢被告会社｣という｡）の安全配慮義務違反は債務不履行責任であり、
消滅していない。
２ 被告Ｙ 関係
被告らは、被告Ｙ 及び被告会社の不法行為上の責任に関して消滅時効を援用
するが、原告は上記被告らに対し、令和2年8月11日に、被告らの責任を指摘し
て被告らに損害賠償請求の催告をしており、その意志表示は同月12日に到達して
いる（甲11の1及び11の2、甲12の1及び12の2）。その後原告は本訴を提起し
た。
よって、原告の被告らに対する損害賠償請求権の消滅時効は完成していない。
第３ 証拠の説明
証拠説明書記載の書証３，４，６，８の標目等について補足説明する。
-5-
（１）書証番号３
これは、原告が、被告Ｘ の原告の身体状況の無理解について配慮を求めるメー
ルの送信をパートＡに依頼したところ（請求原因３の（１）のウ）、パＡから文面
の作成を指示されたため、原告が原稿を作成してこれをパＡのパソコンに文面を入
力してパＡに送信してもらい、後日パＡから送信メールを印刷（送信日とパＡのサ
インを付記）してもらったもので､確認したところ､冒頭｢被告Ｘ｣さん お疲れ様で
す・・」以下4行をパＡが追記して被告Ｘ にメールしたことがわかった。実質原
告とパＡの共同で作成した送信メールであるが、原告が案を作成し、パＡが了承し
更に追加して完成させて送信したパートＡ作成の送信メールと解する。
よって、証拠説明書の標目などに変更はない。
（２）同４
原告がパＡに依頼して会社上層部にメールしてもらうために内容を文書にしたも
のである（請求原因３の（２）のウ)｡ 原告がこれをそのままパＡのパソコン画面
に入力して、パＡに送信してもらった。
よって、証拠説明書の標目を、｢電子メール送信原稿文書｣と訂正する。作成日、
作成者、立証趣旨に変更はない。
（３）同６
証拠説明書の記載のとおりである。甲6の2をもって、明らかにする。
（４）同８
証拠説明書の記載のとおりである。甲8の2をもって、明らかにする。
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