第5準備書面
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第5準備書面
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第5準備書面 
令和２年(ワ)第■■■■■号 損害賠償請求事件
原告 ■■■■
被告 株式会社ラボ生産 外３名
令和３年７月２日
第５準備書面
東京地方裁判所民事第４８部ろ係 御中
被告ら訴訟代理人
弁護士 ■■■■
弁護士 ■■■■
第１ 本準備書面について
本準備書面では、原告の準備書面(5)に対し、必要と認める範囲で認
否、反論する。なお、特に明記しない限り、略語は従前の被告ら主張
書面の例による。
第２ 原告の準備書面(5)第１に対する認否・反論
１ 同第１項（被Ｘ関係）に対する認否・反論
(1)ア 同(1)記載の事実のうち、被告Ｘ が夜間勤務を中止するとい
う方針を示した当時、被告らが夜間勤務を中止する理由を原告
に説明しなかったものの、被告Ｚ は原告が原因ではないと説
明した限度で認め、その余は知らない。主張は争う。
イ 被告Ｚ は、原告が原因で夜間勤務中止に至ったわけではな
いことを説明している。しかも、原告が希望すれば、部署の変
更を伴うことはあるが、夜間勤務を継続することができる可能
性も残されていた。それゆえ、被告らが、解雇を含め、何らか
の不利益を原告に及ぼそうとしていた事実はない。
-1-
被告らが夜間勤務に関する具体的な事情を説明しなかったの
は、従業員の勤務態度等が問題であり、原告を含め、他の従業
員へ悪影響が波及することが懸念されたためである。仮に被告
Ｘ が原告に「自分の胸に聞いてみろ」と述べたところで、自
省を促しているにとどまり、同発言がパワハラ行為に当たると
はいえない。加えて、被告Ｚ は、具体的な事情は述べられな
いため、全員に被告Ｘ が自らの胸に聞くように回答するにと
どめている旨原告に説明している。
ウ ところで、原告は、令和３年５月１０日になって、甲第２３
号証、２５号証、２６号証、２９号証といった録音データを提
出してきたが、なにゆえ提訴からかなり時間が経過した後にそ
れらが提出されたのか不明であり、しかも民訴規則１４８条所
定の時効（録音の対象、日時及び場所）すら明らかにしていな
い。したがって、被告らが認めている部分を除き、それらの信
用性は乏しく、録音反訳を含め、原告の主張を立証するに足り
るものではない。
(2)ア 同(2)記載の事実のうち、被告らの主張内容、パＤが背固め工
程等を担当していたことは認め、パＤが他業務に関して指導助
言すべき立場にないこと及び被告会社を退職したことは否認
し、その余は知らない。主張は争う。
イ もとより被告会社がいかなる業務をパＤに指示するかについ
て、原告が容喙すべき事柄ではないが、被告会社は、パＤの希
望を踏まえ、その了解を得て、一時的に日勤にしたのであって、
夜勤中止の方針やその撤回とは直接関係がない。
(3) 同(3)記載の事実のうち、被告らの主張内容は認め、その余は否
認する。主張は争う。
(4) 同(4)記載の事実のうち、被告らの合わせ工程に関する主張内容、
原告が平成２２年に被告会社に入社して川口メディア加工グルー
プの夜間勤務に配属され、平成２４年４月に川口プロアルバムグ
ループの夜間勤務に異動したことは認め、その余は知らない。主
張は争う。
-2-
(5) 同(5)記載の事実のうち、被告Ｘ が原告にパワハラ行為をした
ことは否認し、その余は知らない。主張は争う。
２ 同第２項（被告Ｙ 関係）に対する認否・反論
(1)ア 同(1)記載の事実のうち、被告Ｙ の原告の身体症状を無視し
た作業の続行を指示する作業強制命令なるものを目撃した者が
いないこと、幹Ｓ及び部Ｈが原告と２回面談をしたこと、原告
が何をするか自分で決めると述べた※1ことに対し、被告Ｙが指
示に従うように指導したことは認め、その余は知らない。主張
は争う。
イ 時が経過しているため、当時の具体的な事情は定かではない
が、幹Ｓは、平成２９年、被告Ｙ と原告の人間関係が良好で
はなく、業務運営に支障が出ており、夜勤担当者内で解決する
ことは難しいと判断したことから、被告Ｙ 及び原告の上司に
当たる部Ｈとともに、２回にわたり（具体的な日時は不明）原
告との面談を設けた（乙４，５）。
原告は、面談において、被告Ｘ 、被告Ｙ 及び被告会社が
自らを辞めさせようとしているなどの様々な自説を展開したほ
か（例えば、乙４[２４頁６〜１２行目][２９頁８〜９行目][３
１頁２３〜２９行目][３５頁１〜２行目][３６頁３０行目〜３
７頁３行目][６５頁６行目])､被告Ｙ の人間性を否定して懲
戒解雇する事を希望し（例えば、乙４[４頁３行目][３７頁２
７〜２８行目][４０頁１６〜１８行目][４９頁４〜６行目・１
１〜１３行目][５０頁１４〜１５行目]）、同人との夜間勤務の
継続はおろか、一切の話合い・コミュニケーションや歩み寄り
を拒絶していた（乙４[４６頁５〜８行目][７０頁１８〜１９行
目]、乙５[４頁１２〜１４行目])｡
幹Ｓ及び部Ｈは、被告会社が原告を解雇・雇止めをするどこ
ろか引き続き就労することを望んでいること（乙４[３２頁２５
※１ 部Ｈもそのように原告から一方的に告げられたことがある（乙４[３４頁
２〜３行目])｡
-3-
〜２７行目][４５頁２４行目],乙５[３９頁１１〜１２頁])や、
被告Ｙ もそのようなことを意図しておらず(乙４[２６頁１〜
２行目],乙５[１５頁１８〜２０行目])､解雇するなら今回の
ような面談の場を作らない（乙４[６５頁１６,１７,２１行目])
旨述べて、原告を諭しながら、長時間にわたり、その言い分を
聴いた。幹Ｓは、原告の体調を考慮して従事できる業務の内容
についても尋ねるなどしている（乙４[８頁１８行目〜２０行
目][１５頁２１〜２４行目][６９頁１６〜１０行目｣)｡
他方、幹Ｓ又は部Ｈが、被告Ｙ からも事情を聴取したとこ
ろ(乙４[１頁４〜７行目][４７頁１５行目][５６頁２９〜３０
行目｣、乙５[２５頁３０行目〜２６頁１行目])、原告が何をす
るか自分で決めると述べ、誰からの指示も聞き入れないことを
表明したため、被告Ｙ は、指示に従うよう原告に指導したと
のことであった（乙５[３頁１５〜１９行目])｡もっとも、被
告Ｙは、原告につき労災の再発や症状の悪化を容認する旨述べ
ておらず、そのような事実を認めるには至らなかった（乙５[２
頁１１〜１２行目・１７〜１９行目｣)。原告が疑念を抱いてい
る、原告の解雇（雇止め）をするべきだという意見具申が、被
告Ｙ から幹Ｓ及び部Ｈになされたこともなかった（乙５[１６
頁１〜５行目｣)。
その上で、幹Ｓ及び部Ｈは、被告Ｙ の勤務日とは異なる日
に原告が出勤すること（乙５[１７頁１９〜２０行目])、原告が
昼間勤務に移ること（乙４[４９頁２５〜３０行目]、乙５[１７
頁２９行目])、アマアルバムグループの夜間勤務に異動するこ
と（乙５[２７頁１４〜１５行目])、パＡが出勤している日はパ
Ａの指示に従うこと（乙５[３１頁２８行目]）も提案したが、
原告は、従前と同水準の賃金補償等を要求するなどして、それ
らの提案をうけいれなかった。挙句に、原告は、幹Ｓ及び部Ｈ
と話すのも難しいと述べ（乙５[２５頁２０〜２２行目])、自ら
の考えを修正しようとはしなかった。
ウ 原告は「自分の仕事は自分で決めます」などと自らの担当業
-4-
務は自らが決めるという見解を固持し、あたかも被告Ｙ の指
示が不合理であるかのように思い込み、それに従わないことを
表明していた。就業中、原告がそのような態度であれば、被告
Ｙ が業務上の指示に従うよう指導するのは至極当然であり、
それがパワハラ行為に該当することはあり得ない。
原告は、自らに不足はなかったと確信している一方で（乙５
[１９頁１４行目])､被告Ｙ を憎悪しており、同人の事を「サ
イコパス」「精神疾患者」「おかしい人間」と評し（乙５[４頁２
９〜３０行目][５頁１１行目])､「刃物で刺されても歩み寄れっ
てことですか」（無論、被告Ｙ が原告を刃物で刺したことはな
い。）（乙５[２４頁２６行目]）などと極論を述べて、被告Ｙ
の「排除」を目的としており、対話や歩み寄りは不可能と断じ
ていたことからすると（乙５[２４頁７〜１１行目]),被告Ｙ
の指示を曲解し、あたかもパワハラ行為があったかのように強
弁しているに過ぎない。
(2) 同(2)記載の事実のうち、原告が頸椎のヘルニアを発症したとし
て、平成２７年に川口労基署長宛に労災給付の請求をしたこと、
原告が体調不良等を訴えることがあった限度は認め、その余は知
らない。主張は争う。
３ 同第３項（被告Ｚ 関係）に対する認否
(1) 同(1)記載の事実のうち、社Ｌが令和２年7月８日及び翌９日の
朝礼（始業時）にて、被告Ｚ の掲示（甲９）について説明した
ことは認め、その余は知らない。主張は争う。
(2) 同(2)記載の事実のうち、原告が令和２年６月２５日に有休を取
得していないことは認め、原告の休暇願いを無視又は放置したこ
とその他原告に対するパワハラ行為・嫌がらせであることは否認
し、その余は知らない。主張は争う。
原告からの休暇願い（令和２年６月２５日に有休取得）が存在
しない以上、被告会社が有休を取得したものと処理することはで
きない。
-5-
第３ 原告の準備書面(5)第２に対する認否
同項記載の事実のうち、「パワハラトラブル」なるものが発生した
ことは否認し、その余はいずれも知らない。主張は争う。
第４ 原告の準備書面(5)第３に対する認否・反論
１ 同第２項及び第３項について
請求原因事実との関連が不明であり、認否の要を見ない。もっと
も、念のためにいずれも争う。
２ 同４項に対する認否・反論
(1) 同(1)に対する認否・反論
ア 同�ゝ�載の事実のうち、幹Ｓ及び部Ｈの発言内容は概ね認め
（正確には乙４、５のとおりである｡)、その余は知らない。主
張は争う。
この面談の場面では、原告から幹Ｓ及び部Ｈに何らかの文書
が交付されたわけではなく、原告が手元に所持していた自らの
タブレット端末を使って内容を告げたようである（乙４[２頁１
４〜１５行目])｡
イ 同��記載の事実のうち、幹Ｓ、部Ｈ及び原告の発言内容は概
ね認め（正確には乙４、５のとおりである｡)、その余は知らな
い。主張は争う。
ウ 同�５�載の事実のうち、幹Ｓ及び部Ｈの発言内容は概ね認め
（正確には乙４、５のとおりである｡)、その余は知らない。主
張は争う。
(2) 同(2)に対する認否・反論
ア 同�ゝ�載の事実のうち、幹Ｓ及び部Ｈが原告との面談を担当
したことは認め、その余は知らない。主張は争う。
幹Ｓ及び部Ｈの部下は原告だけではなく（乙５[１１頁１９行
目])、部下との面談は日常的に行われ得ることであるし、しか
も３年以上も前の出来事であるから、幹Ｓ及び部Ｈが記憶して
いないことがあったとしても何ら不自然ではない。
イ 同��記載の事実のうち、幹Ｓが、被告Ｙ からも事情を聴取
-6-
した結果、「指示に従ってほしい」と原告に告げたことは把握し
たものの、原告に「労災が再発しても構わない」「怪我より指示
に従うことが重要だ」と発言したとまでは認定することができ
ず、「行き違いがある」旨述べたこと、原告とパＡが同じシフト
にすることや日勤に変更することを含め、幹Ｓが４つの方策を
したことは認め、再発防止策が話題にならなかったことは否認
し、その余は知らない。主張は争う。
原告においても、被告Ｙ とのやり取りについて行き違いが
あったのではないかと幹Ｓに指摘され、「まあ行き違いでしょ
う」と認めていた（乙５[３頁２２〜２３行目])｡原告には、自
らの記憶に確たる根拠がなかった証左である。
ウ ところで、原告は、被告Ｙ の発言をめぐる問題提起（被告
Ｘ が「解雇」発言をしたとの原告の主張も含まれる（乙４[６
１頁１７〜２０行目｣)｡)について、幹Ｓ及び部Ｈとの面談を経
て、最終的に、次の事を幹Ｓらが行うことで納得した（乙５[３
４〜３８頁])。
� ヾ苅咾�週２回は被告Ｙ と面談し、ケアする機会を作るこ
と（乙５[３４頁１３〜２０行目])
�◆）�が一、被告Ｙ がパワハラ行為に及んだ場合には、原告
が直ちに幹Ｓに知らせ、幹Ｓが駆け付けること(乙５[３５頁
４〜５行目])､部Ｈに架電しても構わないこと（乙５[３５頁
１１〜１２行目])
�� 幹Ｓから被告Ｙ に、発言に注意するように再度申し入れ
ること（乙５[３５頁２１〜２３行目])
�ぁ仝狭陲�次に出勤するタイミングで、被告会社が安全に働け
るように配慮することを幹Ｓから従業員に伝えること（具体
的な伝え方は幹Ｓに委ねる｡)(乙５[３６頁２９行目〜３７頁
８行目、３７頁２４行目])
このような和解が成立し､解決が図られたことは､原告が「譲
歩するつもりないんですけども、譲歩はしないで何とかいきま
-7-
したので、私としては満足です、まあ取りあえず着地点として」
と述べ（乙５[４３頁２５〜２７行目])、面談の最後に､「頼み
ますね」という部Ｈの言葉に「はい、任してください」と答え
たことからも明らかである（乙５[４７頁２９〜３０行目])。し
たがって､この面談以前に原告が主張していた問題については、
これにより解決済みである。
第５ まとめ
１ 原告の主張は、要するに、自らの意に染まない事柄について種々
の不服を述べるものであって、その主張を前提にしても、被告Ｘ 、
被告Ｙ 及び被告Ｚ が、原告に対するパワハラ行為（原告を不当
に解雇しようとしたり、その身体症状が生ずるような業務を強いた
り、有休を取得させないなど）を繰り返したというわけでもない。
２ むしろ幹Ｓ及び部Ｈが、原告と面談の機会を持ち、被告Ｙ から
も事情を聴取するなど、前述した面談の内容を踏まえれば、原告の
体調を配慮しつつ被告会社にて就労を継続することができるように
するべく、被告会社として可能な限り対応をしたといえる。それが
奏功したのか、原告は、被告Ｘ を許すとも表明していた（乙５[９
頁３０行目〜１０頁３行目]）。
それゆえ、被告会社が、被告Ｘ 、被告Ｙ 及び被告Ｚ の原告
に対するパワハラ行為（そもそも存在しないのは従前主張している
とおり）を放置したとは到底言えず、何ら安全配慮義務違反は認め
られない。
以上
-8-
原告 ■■■■
被告 株式会社ラボ生産 外３名
令和３年７月２日
第５準備書面
東京地方裁判所民事第４８部ろ係 御中
被告ら訴訟代理人
弁護士 ■■■■
弁護士 ■■■■
第１ 本準備書面について
本準備書面では、原告の準備書面(5)に対し、必要と認める範囲で認
否、反論する。なお、特に明記しない限り、略語は従前の被告ら主張
書面の例による。
第２ 原告の準備書面(5)第１に対する認否・反論
１ 同第１項（被Ｘ関係）に対する認否・反論
(1)ア 同(1)記載の事実のうち、被告Ｘ が夜間勤務を中止するとい
う方針を示した当時、被告らが夜間勤務を中止する理由を原告
に説明しなかったものの、被告Ｚ は原告が原因ではないと説
明した限度で認め、その余は知らない。主張は争う。
イ 被告Ｚ は、原告が原因で夜間勤務中止に至ったわけではな
いことを説明している。しかも、原告が希望すれば、部署の変
更を伴うことはあるが、夜間勤務を継続することができる可能
性も残されていた。それゆえ、被告らが、解雇を含め、何らか
の不利益を原告に及ぼそうとしていた事実はない。
-1-
被告らが夜間勤務に関する具体的な事情を説明しなかったの
は、従業員の勤務態度等が問題であり、原告を含め、他の従業
員へ悪影響が波及することが懸念されたためである。仮に被告
Ｘ が原告に「自分の胸に聞いてみろ」と述べたところで、自
省を促しているにとどまり、同発言がパワハラ行為に当たると
はいえない。加えて、被告Ｚ は、具体的な事情は述べられな
いため、全員に被告Ｘ が自らの胸に聞くように回答するにと
どめている旨原告に説明している。
ウ ところで、原告は、令和３年５月１０日になって、甲第２３
号証、２５号証、２６号証、２９号証といった録音データを提
出してきたが、なにゆえ提訴からかなり時間が経過した後にそ
れらが提出されたのか不明であり、しかも民訴規則１４８条所
定の時効（録音の対象、日時及び場所）すら明らかにしていな
い。したがって、被告らが認めている部分を除き、それらの信
用性は乏しく、録音反訳を含め、原告の主張を立証するに足り
るものではない。
(2)ア 同(2)記載の事実のうち、被告らの主張内容、パＤが背固め工
程等を担当していたことは認め、パＤが他業務に関して指導助
言すべき立場にないこと及び被告会社を退職したことは否認
し、その余は知らない。主張は争う。
イ もとより被告会社がいかなる業務をパＤに指示するかについ
て、原告が容喙すべき事柄ではないが、被告会社は、パＤの希
望を踏まえ、その了解を得て、一時的に日勤にしたのであって、
夜勤中止の方針やその撤回とは直接関係がない。
(3) 同(3)記載の事実のうち、被告らの主張内容は認め、その余は否
認する。主張は争う。
(4) 同(4)記載の事実のうち、被告らの合わせ工程に関する主張内容、
原告が平成２２年に被告会社に入社して川口メディア加工グルー
プの夜間勤務に配属され、平成２４年４月に川口プロアルバムグ
ループの夜間勤務に異動したことは認め、その余は知らない。主
張は争う。
-2-
(5) 同(5)記載の事実のうち、被告Ｘ が原告にパワハラ行為をした
ことは否認し、その余は知らない。主張は争う。
２ 同第２項（被告Ｙ 関係）に対する認否・反論
(1)ア 同(1)記載の事実のうち、被告Ｙ の原告の身体症状を無視し
た作業の続行を指示する作業強制命令なるものを目撃した者が
いないこと、幹Ｓ及び部Ｈが原告と２回面談をしたこと、原告
が何をするか自分で決めると述べた※1ことに対し、被告Ｙが指
示に従うように指導したことは認め、その余は知らない。主張
は争う。
イ 時が経過しているため、当時の具体的な事情は定かではない
が、幹Ｓは、平成２９年、被告Ｙ と原告の人間関係が良好で
はなく、業務運営に支障が出ており、夜勤担当者内で解決する
ことは難しいと判断したことから、被告Ｙ 及び原告の上司に
当たる部Ｈとともに、２回にわたり（具体的な日時は不明）原
告との面談を設けた（乙４，５）。
原告は、面談において、被告Ｘ 、被告Ｙ 及び被告会社が
自らを辞めさせようとしているなどの様々な自説を展開したほ
か（例えば、乙４[２４頁６〜１２行目][２９頁８〜９行目][３
１頁２３〜２９行目][３５頁１〜２行目][３６頁３０行目〜３
７頁３行目][６５頁６行目])､被告Ｙ の人間性を否定して懲
戒解雇する事を希望し（例えば、乙４[４頁３行目][３７頁２
７〜２８行目][４０頁１６〜１８行目][４９頁４〜６行目・１
１〜１３行目][５０頁１４〜１５行目]）、同人との夜間勤務の
継続はおろか、一切の話合い・コミュニケーションや歩み寄り
を拒絶していた（乙４[４６頁５〜８行目][７０頁１８〜１９行
目]、乙５[４頁１２〜１４行目])｡
幹Ｓ及び部Ｈは、被告会社が原告を解雇・雇止めをするどこ
ろか引き続き就労することを望んでいること（乙４[３２頁２５
※１ 部Ｈもそのように原告から一方的に告げられたことがある（乙４[３４頁
２〜３行目])｡
-3-
〜２７行目][４５頁２４行目],乙５[３９頁１１〜１２頁])や、
被告Ｙ もそのようなことを意図しておらず(乙４[２６頁１〜
２行目],乙５[１５頁１８〜２０行目])､解雇するなら今回の
ような面談の場を作らない（乙４[６５頁１６,１７,２１行目])
旨述べて、原告を諭しながら、長時間にわたり、その言い分を
聴いた。幹Ｓは、原告の体調を考慮して従事できる業務の内容
についても尋ねるなどしている（乙４[８頁１８行目〜２０行
目][１５頁２１〜２４行目][６９頁１６〜１０行目｣)｡
他方、幹Ｓ又は部Ｈが、被告Ｙ からも事情を聴取したとこ
ろ(乙４[１頁４〜７行目][４７頁１５行目][５６頁２９〜３０
行目｣、乙５[２５頁３０行目〜２６頁１行目])、原告が何をす
るか自分で決めると述べ、誰からの指示も聞き入れないことを
表明したため、被告Ｙ は、指示に従うよう原告に指導したと
のことであった（乙５[３頁１５〜１９行目])｡もっとも、被
告Ｙは、原告につき労災の再発や症状の悪化を容認する旨述べ
ておらず、そのような事実を認めるには至らなかった（乙５[２
頁１１〜１２行目・１７〜１９行目｣)。原告が疑念を抱いてい
る、原告の解雇（雇止め）をするべきだという意見具申が、被
告Ｙ から幹Ｓ及び部Ｈになされたこともなかった（乙５[１６
頁１〜５行目｣)。
その上で、幹Ｓ及び部Ｈは、被告Ｙ の勤務日とは異なる日
に原告が出勤すること（乙５[１７頁１９〜２０行目])、原告が
昼間勤務に移ること（乙４[４９頁２５〜３０行目]、乙５[１７
頁２９行目])、アマアルバムグループの夜間勤務に異動するこ
と（乙５[２７頁１４〜１５行目])、パＡが出勤している日はパ
Ａの指示に従うこと（乙５[３１頁２８行目]）も提案したが、
原告は、従前と同水準の賃金補償等を要求するなどして、それ
らの提案をうけいれなかった。挙句に、原告は、幹Ｓ及び部Ｈ
と話すのも難しいと述べ（乙５[２５頁２０〜２２行目])、自ら
の考えを修正しようとはしなかった。
ウ 原告は「自分の仕事は自分で決めます」などと自らの担当業
-4-
務は自らが決めるという見解を固持し、あたかも被告Ｙ の指
示が不合理であるかのように思い込み、それに従わないことを
表明していた。就業中、原告がそのような態度であれば、被告
Ｙ が業務上の指示に従うよう指導するのは至極当然であり、
それがパワハラ行為に該当することはあり得ない。
原告は、自らに不足はなかったと確信している一方で（乙５
[１９頁１４行目])､被告Ｙ を憎悪しており、同人の事を「サ
イコパス」「精神疾患者」「おかしい人間」と評し（乙５[４頁２
９〜３０行目][５頁１１行目])､「刃物で刺されても歩み寄れっ
てことですか」（無論、被告Ｙ が原告を刃物で刺したことはな
い。）（乙５[２４頁２６行目]）などと極論を述べて、被告Ｙ
の「排除」を目的としており、対話や歩み寄りは不可能と断じ
ていたことからすると（乙５[２４頁７〜１１行目]),被告Ｙ
の指示を曲解し、あたかもパワハラ行為があったかのように強
弁しているに過ぎない。
(2) 同(2)記載の事実のうち、原告が頸椎のヘルニアを発症したとし
て、平成２７年に川口労基署長宛に労災給付の請求をしたこと、
原告が体調不良等を訴えることがあった限度は認め、その余は知
らない。主張は争う。
３ 同第３項（被告Ｚ 関係）に対する認否
(1) 同(1)記載の事実のうち、社Ｌが令和２年7月８日及び翌９日の
朝礼（始業時）にて、被告Ｚ の掲示（甲９）について説明した
ことは認め、その余は知らない。主張は争う。
(2) 同(2)記載の事実のうち、原告が令和２年６月２５日に有休を取
得していないことは認め、原告の休暇願いを無視又は放置したこ
とその他原告に対するパワハラ行為・嫌がらせであることは否認
し、その余は知らない。主張は争う。
原告からの休暇願い（令和２年６月２５日に有休取得）が存在
しない以上、被告会社が有休を取得したものと処理することはで
きない。
-5-
第３ 原告の準備書面(5)第２に対する認否
同項記載の事実のうち、「パワハラトラブル」なるものが発生した
ことは否認し、その余はいずれも知らない。主張は争う。
第４ 原告の準備書面(5)第３に対する認否・反論
１ 同第２項及び第３項について
請求原因事実との関連が不明であり、認否の要を見ない。もっと
も、念のためにいずれも争う。
２ 同４項に対する認否・反論
(1) 同(1)に対する認否・反論
ア 同�ゝ�載の事実のうち、幹Ｓ及び部Ｈの発言内容は概ね認め
（正確には乙４、５のとおりである｡)、その余は知らない。主
張は争う。
この面談の場面では、原告から幹Ｓ及び部Ｈに何らかの文書
が交付されたわけではなく、原告が手元に所持していた自らの
タブレット端末を使って内容を告げたようである（乙４[２頁１
４〜１５行目])｡
イ 同��記載の事実のうち、幹Ｓ、部Ｈ及び原告の発言内容は概
ね認め（正確には乙４、５のとおりである｡)、その余は知らな
い。主張は争う。
ウ 同�５�載の事実のうち、幹Ｓ及び部Ｈの発言内容は概ね認め
（正確には乙４、５のとおりである｡)、その余は知らない。主
張は争う。
(2) 同(2)に対する認否・反論
ア 同�ゝ�載の事実のうち、幹Ｓ及び部Ｈが原告との面談を担当
したことは認め、その余は知らない。主張は争う。
幹Ｓ及び部Ｈの部下は原告だけではなく（乙５[１１頁１９行
目])、部下との面談は日常的に行われ得ることであるし、しか
も３年以上も前の出来事であるから、幹Ｓ及び部Ｈが記憶して
いないことがあったとしても何ら不自然ではない。
イ 同��記載の事実のうち、幹Ｓが、被告Ｙ からも事情を聴取
-6-
した結果、「指示に従ってほしい」と原告に告げたことは把握し
たものの、原告に「労災が再発しても構わない」「怪我より指示
に従うことが重要だ」と発言したとまでは認定することができ
ず、「行き違いがある」旨述べたこと、原告とパＡが同じシフト
にすることや日勤に変更することを含め、幹Ｓが４つの方策を
したことは認め、再発防止策が話題にならなかったことは否認
し、その余は知らない。主張は争う。
原告においても、被告Ｙ とのやり取りについて行き違いが
あったのではないかと幹Ｓに指摘され、「まあ行き違いでしょ
う」と認めていた（乙５[３頁２２〜２３行目])｡原告には、自
らの記憶に確たる根拠がなかった証左である。
ウ ところで、原告は、被告Ｙ の発言をめぐる問題提起（被告
Ｘ が「解雇」発言をしたとの原告の主張も含まれる（乙４[６
１頁１７〜２０行目｣)｡)について、幹Ｓ及び部Ｈとの面談を経
て、最終的に、次の事を幹Ｓらが行うことで納得した（乙５[３
４〜３８頁])。
� ヾ苅咾�週２回は被告Ｙ と面談し、ケアする機会を作るこ
と（乙５[３４頁１３〜２０行目])
�◆）�が一、被告Ｙ がパワハラ行為に及んだ場合には、原告
が直ちに幹Ｓに知らせ、幹Ｓが駆け付けること(乙５[３５頁
４〜５行目])､部Ｈに架電しても構わないこと（乙５[３５頁
１１〜１２行目])
�� 幹Ｓから被告Ｙ に、発言に注意するように再度申し入れ
ること（乙５[３５頁２１〜２３行目])
�ぁ仝狭陲�次に出勤するタイミングで、被告会社が安全に働け
るように配慮することを幹Ｓから従業員に伝えること（具体
的な伝え方は幹Ｓに委ねる｡)(乙５[３６頁２９行目〜３７頁
８行目、３７頁２４行目])
このような和解が成立し､解決が図られたことは､原告が「譲
歩するつもりないんですけども、譲歩はしないで何とかいきま
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したので、私としては満足です、まあ取りあえず着地点として」
と述べ（乙５[４３頁２５〜２７行目])、面談の最後に､「頼み
ますね」という部Ｈの言葉に「はい、任してください」と答え
たことからも明らかである（乙５[４７頁２９〜３０行目])。し
たがって､この面談以前に原告が主張していた問題については、
これにより解決済みである。
第５ まとめ
１ 原告の主張は、要するに、自らの意に染まない事柄について種々
の不服を述べるものであって、その主張を前提にしても、被告Ｘ 、
被告Ｙ 及び被告Ｚ が、原告に対するパワハラ行為（原告を不当
に解雇しようとしたり、その身体症状が生ずるような業務を強いた
り、有休を取得させないなど）を繰り返したというわけでもない。
２ むしろ幹Ｓ及び部Ｈが、原告と面談の機会を持ち、被告Ｙ から
も事情を聴取するなど、前述した面談の内容を踏まえれば、原告の
体調を配慮しつつ被告会社にて就労を継続することができるように
するべく、被告会社として可能な限り対応をしたといえる。それが
奏功したのか、原告は、被告Ｘ を許すとも表明していた（乙５[９
頁３０行目〜１０頁３行目]）。
それゆえ、被告会社が、被告Ｘ 、被告Ｙ 及び被告Ｚ の原告
に対するパワハラ行為（そもそも存在しないのは従前主張している
とおり）を放置したとは到底言えず、何ら安全配慮義務違反は認め
られない。
以上
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