被告X陳述書
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labo_worker 2023年01月22日(日) 18:23:26履歴
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被告X陳述書 
令和３年１１月１７日
陳述書
東京高等裁判所民事第４８部ろ係 御中
氏名 被告Ｘ
１ 関係者について
(1) 株式会社ラボ生産（以下「当社」といいます｡）は、写真・アルバム・
年賀状の印刷等を事業とする会社であり,「カメラのキタムラ」「スタ
ジオマリオ」のチェーン展開等をしているキタムラ・グループのグル
ープ会社です。
(2) 私は、当社において、平成２６年２月１日から川口フォトアルバム
グループのグループ長を務めた後、平成２９年４月１日から商品サー
ビス企画グループに異動しました。
(3) 当社は、平成２９年４月１日、フォトアルバムグループをアマアル
バムグループ（当初のグループ長は幹Ｓ）とプロアルバムグループ(当
初のグループ長は部Ｈ）に分割しました。
今回の訴訟で原告となっている、原告 さん（以下「原告さん」と
いいます｡)は、平成２２年１０月１日、当社に入社すると（６か月間
の有期雇用契約をその後更新し、現在は無期雇用)､川口メディア加工
グループの夜間勤務に配属され、平成２４年４月に川口プロアルバム
グループの夜間勤務に異動しました。本件の当時は、プロアルバムグ
ループに所属し､夜間勤務（所定労働時間が午後９時から翌午前６時)
をしていました。
被告Ｚ さん（以下「被Ｚさん」といいます｡)が、令和２年４月１
日からプロアルバムグループのグループ長を兼務していました。
２ 原告さんにパワハラ行為をしていないこと
(1) 当社の川口フォトアルバムグループでは、夜間勤務に従事する従業
員の勤務態度等が良好ではなく、その改善を図ったものの奏功しませ
んでした。そこで当社は、やむを得ず夜間勤務を取り止めることとし、
平成２７年１２月４日、私は、まずは被Ｚさんを通じて予告し、翌5
日、私からもその旨を出勤していた夜間勤務の従業員に告げました。
-1-
その際、私は夜間勤務を取り止めることになった具体的な事情を従
業員には説明しませんでした。その理由は、従業員の勤務態度等が問
題となっていたところ（その限度では説明しています｡)、具体的な事
情を述べると、原告さんを含め、他の従業員へ悪影響が波及すること
が懸念されたためです。
時が経過しているため、記憶が確かではないのですが、夜間勤務中
止に関する説明を、私から対象労働者への発信に限定することによっ
て、情報が錯そうしないようにしていた可能性があります。もし被告
Ｙ さんから原告さんに対し、私からの説明を聞くよう促されていた
のであれば（甲１５[１枚目])､尚更その可能性が高いです。
(2) 原告さんから、夜間勤務を中止する理由を問われたのに対し､私が､
「自分の胸に聞いてみろ」と答えたかどうか、記憶が定かではありま
せん。
仮にそのように答えたとしても、私としては、詳しく理由を述べる
ことはできないので、各人に何か思い当たることはないか、自省を促
したのではないかと思われます。
また、被Ｚさんから原告さんに対し、原告さんが夜間勤務中止の原
因ではないことなどを説明したそうです。
いずれにしましたも、私どもが、解雇を含め、何らかの不利益を原
告さんに及ぼそうとしていた事実はありません。原告さんが希望すれ
ば、部署の変更を伴うことはあるものの、夜間勤務を継続することが
できる可能性も残されていました。
(3) 私は、被Ｚさんに指示して、夜間勤務担当者が昼間勤務に変更する
ことができるかどうかを確かめるため、アンケート用紙（甲１４）を
夜間勤務担当者に回覧し、意思確認をしました。
すると、複数の従業員から夜間勤務を続けたいという要望が寄せら
れました。私は、夜間勤務の各従業員と面談をした結果、更に慎重に
考え、夜間勤務を継続することにしました。そして、平成２７年１２
月６日早朝（夜間勤務終了後)、夜間勤務の従業員に対し、そのことを
知らせました。
この間はもちろん、その前後にも、私から原告さんに対する暴言は
ありませんでしたし、当社の業務に支障が生ずるような混乱もみられ
ませんでした。
(4) なお、夜間勤務のパートナー社員であるパートＤさんが、夜間勤務
-2-
中止の撤回後、４日間昼間勤務をしたことがあります。それは、その
担当職務である検査業務について、夜間勤務のスタッフに助言、指導
するためであって、夜間勤務中止の撤回とは無関係です。
３ 原告さんの体調に配慮していたこと
(1) ところで、パＡさんから私に対し、原告さんのヘルニアの症状につ
いて述べた電子メール（甲３）を受け取ったことがあります。
私は、何の脈絡もなくこの電子メールを受け取りましたので、パＡ
さんに事情を尋ねました。それによれば、原告さんが自らの体調不良
等を私に伝えるようパＡさんに求めてきたことから、パＡさんはやむ
なく、原告さんの体調等を電子メールにて私に伝えることを提案する
と、原告さんはそれを了承したそうです。そこでパＡさんは、プロア
ルバムグループの共有パソコンを使って、自らを発信者とする電子メ
ールを送信できる状態にしてから、文面を入力して私に送信するよう
原告さんに促し、自らの業務に戻ったということでした。
その後、原告さんは、電子メール（甲３）の文面をすべて入力して、
それを私に送信したようです。
(2) パＡさんが、自らのメールアカウントを原告さんに使用させて私宛
への送信を認めたのは、原告さんの述べる症状等を代弁するのは難し
いと考えたからです。当初、原告さんは、予定されていたアマアルバ
ムグループへの異動を取り止めることを私に要望するとも述べていた
ため、パＡさんは、尚のこと原告さんから私に直接伝わるよう原告さ
んにメールを書かせた方がよいと考えたようです。
結果として、異動を取り止める件は原告さんの電子メール（甲３）
に明言されていませんでしたが、原告さんは、体調不良等を理由に異
動を取り止めることを計画し、このような電子メールを送ってきたと
も考えられます。
(3) もちろん、私どもとしては、原告さんの体調に支障が生ずるような
業務を無理強いするようなことはありませんでした。このことは、幹
Ｓさん・部Ｈさんと原告さんとの面談の内容（乙４，５）からもお分
かりいただけると思います。
４ キタムラ・グループのコンプライアンス・ホットライン等について
(1) 当社では、パワハラ行為を禁止する旨就業規則等で定めるなどの体
-3-
制をとっています。
そして、当社を含むキタムラ・グループでは、平成２０年２月１５
日以後、コンプライアンス・ホットラインを設けており、パワハラ行
為等の違法・不当行為を受けたり、発見したときには、代表者やホッ
トライン担当者に相談することができることを当社内にも事業計画書
等で周知しています（乙２)。
(2) キタムラ・グループの事業計画書は毎年改訂されており、各年の事
業計画書にコンプライアンス・ホットラインについて記載されていま
す（乙２)｡ただし、事業計画書そのものは社外秘とされており、正社
員のほか、一定の職位以上のパートナー社員にのみ配布され、原告さ
んには配布されていません。
もっとも、コンプライアンス・ホットラインの存在については、社
内報等を通じて、従業員に周知されていました。例えば、キタムラ・
グループでは『きずな』という社内報が発行されており、その平成２
９年（２０１７年）２月号では､｢グループ会社には『コンプライアン
ス・ホットライン』があります」などと事業計画書を抜粋した告知が
掲載されています（乙３[４枚目])｡
当社のプロアルバムグループでは、従業員が勤怠を打刻するための
パソコン付近に上記『きずな』が置かれており､原告さんはもちろん、
従業員であれば、誰でも閲覧し、持ち帰ることが許されていました。
５ まとめ
以上のとおり、私自身が原告さんに対するパワハラ行為をしたことは
ありません。また、当社において、原告さんに対するパワハラ行為が放
置されているという事態もありませんでした。
原告さんが今回のような訴訟を起こすこととなり、大変残念に思って
います。
以上
-4-
陳述書
東京高等裁判所民事第４８部ろ係 御中
氏名 被告Ｘ
１ 関係者について
(1) 株式会社ラボ生産（以下「当社」といいます｡）は、写真・アルバム・
年賀状の印刷等を事業とする会社であり,「カメラのキタムラ」「スタ
ジオマリオ」のチェーン展開等をしているキタムラ・グループのグル
ープ会社です。
(2) 私は、当社において、平成２６年２月１日から川口フォトアルバム
グループのグループ長を務めた後、平成２９年４月１日から商品サー
ビス企画グループに異動しました。
(3) 当社は、平成２９年４月１日、フォトアルバムグループをアマアル
バムグループ（当初のグループ長は幹Ｓ）とプロアルバムグループ(当
初のグループ長は部Ｈ）に分割しました。
今回の訴訟で原告となっている、原告 さん（以下「原告さん」と
いいます｡)は、平成２２年１０月１日、当社に入社すると（６か月間
の有期雇用契約をその後更新し、現在は無期雇用)､川口メディア加工
グループの夜間勤務に配属され、平成２４年４月に川口プロアルバム
グループの夜間勤務に異動しました。本件の当時は、プロアルバムグ
ループに所属し､夜間勤務（所定労働時間が午後９時から翌午前６時)
をしていました。
被告Ｚ さん（以下「被Ｚさん」といいます｡)が、令和２年４月１
日からプロアルバムグループのグループ長を兼務していました。
２ 原告さんにパワハラ行為をしていないこと
(1) 当社の川口フォトアルバムグループでは、夜間勤務に従事する従業
員の勤務態度等が良好ではなく、その改善を図ったものの奏功しませ
んでした。そこで当社は、やむを得ず夜間勤務を取り止めることとし、
平成２７年１２月４日、私は、まずは被Ｚさんを通じて予告し、翌5
日、私からもその旨を出勤していた夜間勤務の従業員に告げました。
-1-
その際、私は夜間勤務を取り止めることになった具体的な事情を従
業員には説明しませんでした。その理由は、従業員の勤務態度等が問
題となっていたところ（その限度では説明しています｡)、具体的な事
情を述べると、原告さんを含め、他の従業員へ悪影響が波及すること
が懸念されたためです。
時が経過しているため、記憶が確かではないのですが、夜間勤務中
止に関する説明を、私から対象労働者への発信に限定することによっ
て、情報が錯そうしないようにしていた可能性があります。もし被告
Ｙ さんから原告さんに対し、私からの説明を聞くよう促されていた
のであれば（甲１５[１枚目])､尚更その可能性が高いです。
(2) 原告さんから、夜間勤務を中止する理由を問われたのに対し､私が､
「自分の胸に聞いてみろ」と答えたかどうか、記憶が定かではありま
せん。
仮にそのように答えたとしても、私としては、詳しく理由を述べる
ことはできないので、各人に何か思い当たることはないか、自省を促
したのではないかと思われます。
また、被Ｚさんから原告さんに対し、原告さんが夜間勤務中止の原
因ではないことなどを説明したそうです。
いずれにしましたも、私どもが、解雇を含め、何らかの不利益を原
告さんに及ぼそうとしていた事実はありません。原告さんが希望すれ
ば、部署の変更を伴うことはあるものの、夜間勤務を継続することが
できる可能性も残されていました。
(3) 私は、被Ｚさんに指示して、夜間勤務担当者が昼間勤務に変更する
ことができるかどうかを確かめるため、アンケート用紙（甲１４）を
夜間勤務担当者に回覧し、意思確認をしました。
すると、複数の従業員から夜間勤務を続けたいという要望が寄せら
れました。私は、夜間勤務の各従業員と面談をした結果、更に慎重に
考え、夜間勤務を継続することにしました。そして、平成２７年１２
月６日早朝（夜間勤務終了後)、夜間勤務の従業員に対し、そのことを
知らせました。
この間はもちろん、その前後にも、私から原告さんに対する暴言は
ありませんでしたし、当社の業務に支障が生ずるような混乱もみられ
ませんでした。
(4) なお、夜間勤務のパートナー社員であるパートＤさんが、夜間勤務
-2-
中止の撤回後、４日間昼間勤務をしたことがあります。それは、その
担当職務である検査業務について、夜間勤務のスタッフに助言、指導
するためであって、夜間勤務中止の撤回とは無関係です。
３ 原告さんの体調に配慮していたこと
(1) ところで、パＡさんから私に対し、原告さんのヘルニアの症状につ
いて述べた電子メール（甲３）を受け取ったことがあります。
私は、何の脈絡もなくこの電子メールを受け取りましたので、パＡ
さんに事情を尋ねました。それによれば、原告さんが自らの体調不良
等を私に伝えるようパＡさんに求めてきたことから、パＡさんはやむ
なく、原告さんの体調等を電子メールにて私に伝えることを提案する
と、原告さんはそれを了承したそうです。そこでパＡさんは、プロア
ルバムグループの共有パソコンを使って、自らを発信者とする電子メ
ールを送信できる状態にしてから、文面を入力して私に送信するよう
原告さんに促し、自らの業務に戻ったということでした。
その後、原告さんは、電子メール（甲３）の文面をすべて入力して、
それを私に送信したようです。
(2) パＡさんが、自らのメールアカウントを原告さんに使用させて私宛
への送信を認めたのは、原告さんの述べる症状等を代弁するのは難し
いと考えたからです。当初、原告さんは、予定されていたアマアルバ
ムグループへの異動を取り止めることを私に要望するとも述べていた
ため、パＡさんは、尚のこと原告さんから私に直接伝わるよう原告さ
んにメールを書かせた方がよいと考えたようです。
結果として、異動を取り止める件は原告さんの電子メール（甲３）
に明言されていませんでしたが、原告さんは、体調不良等を理由に異
動を取り止めることを計画し、このような電子メールを送ってきたと
も考えられます。
(3) もちろん、私どもとしては、原告さんの体調に支障が生ずるような
業務を無理強いするようなことはありませんでした。このことは、幹
Ｓさん・部Ｈさんと原告さんとの面談の内容（乙４，５）からもお分
かりいただけると思います。
４ キタムラ・グループのコンプライアンス・ホットライン等について
(1) 当社では、パワハラ行為を禁止する旨就業規則等で定めるなどの体
-3-
制をとっています。
そして、当社を含むキタムラ・グループでは、平成２０年２月１５
日以後、コンプライアンス・ホットラインを設けており、パワハラ行
為等の違法・不当行為を受けたり、発見したときには、代表者やホッ
トライン担当者に相談することができることを当社内にも事業計画書
等で周知しています（乙２)。
(2) キタムラ・グループの事業計画書は毎年改訂されており、各年の事
業計画書にコンプライアンス・ホットラインについて記載されていま
す（乙２)｡ただし、事業計画書そのものは社外秘とされており、正社
員のほか、一定の職位以上のパートナー社員にのみ配布され、原告さ
んには配布されていません。
もっとも、コンプライアンス・ホットラインの存在については、社
内報等を通じて、従業員に周知されていました。例えば、キタムラ・
グループでは『きずな』という社内報が発行されており、その平成２
９年（２０１７年）２月号では､｢グループ会社には『コンプライアン
ス・ホットライン』があります」などと事業計画書を抜粋した告知が
掲載されています（乙３[４枚目])｡
当社のプロアルバムグループでは、従業員が勤怠を打刻するための
パソコン付近に上記『きずな』が置かれており､原告さんはもちろん、
従業員であれば、誰でも閲覧し、持ち帰ることが許されていました。
５ まとめ
以上のとおり、私自身が原告さんに対するパワハラ行為をしたことは
ありません。また、当社において、原告さんに対するパワハラ行為が放
置されているという事態もありませんでした。
原告さんが今回のような訴訟を起こすこととなり、大変残念に思って
います。
以上
-4-
