準備書面(4)
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labo_worker 2022年11月27日(日) 20:36:05履歴
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準備書面(4) 
令和２年（ワ）第■■■■■号事件
原告 ■■■■
被告 株式会社ラボ生産ほか３名
準備書面（４）
令和３年３月３１日
東京地方裁判所民事第４８部 御中
原告訴訟代理人
弁護士 ■■■■
第１ 被告Ｘ 同Ｙ及び同Ｚの暴言等のパワハラ関係
１ 被告Ｘ の解雇発言、雇止め予告及びこれに伴う暴言
被告Ｘ のパワハラ行為のうち、突然の夜間閉鎖（夜勤廃止）通告は、これまで
再三主張立証したとおりである。
ここでは、その余のパワハラ行為である暴言について論ずる。
基本的には、請求原因第２の３の(1)のアないしウのとおりであるが、このうち､
イに記載した、被告Ｘ の原告に対する暴言である「解雇発言」については、夜勤
パート社員パートＣが確認している（甲18）。
原告は、平成22年（2010年）10月入社当時は当初６か月間の有期契約パート従
業員であったが、その後平成24年改正労働契約法により認められた無期転換制度
に関し、原告は、平成30年（2018年）に無期契約の転換を目指し、平成26年10
月頃、夜勤担当社員被告Ｙ に、平成30年に雇止めにされないように「夜勤の仕
事も日勤の仕事も一通り覚えて何でもこなせる人材になり会社に貢献する。解雇や
雇止めあるいは日勤異動等により不利益や減収のないように進めるよう要求する旨
宣言し、同被告から､｢幹Ｓさんに伝えます｡｣旨確約を得た（しかし、後日平成29
-1-
年８月18日の幹Ｓグループ長らとの第１回面談の際に、同グループ長から、上記
の伝言は被告Ｙ から何も聞いていないと聞かされた｡）
原告は、平成27年12月４日の被告Ｘ の夜勤閉鎖通告に接して、自身の要望が
被告Ｙ から被告Ｘ や幹Ｓグループ長に伝わっていないのではないかと感じてい
た。そこで、平成28年６月頃、被告Ｙ から新たな仕事の指示を受けた際、上記
無期転換の宣言に関して、原告の評価について説明を求め、先般の夜勤閉鎖により
日勤異動になりかけたことを指摘し、被告Ｙ の上記指示に意味なり価値があるの
か問うたが、同被告は答えなかった。原告は被告Ｙ の指示するとおり新たな仕事
に従事したものの、口頭では「あなたの指示には従えない｡」と告げた。
翌日被告Ｘ と面談して被告Ｙ の同席の下、被告Ｘ に、夜勤閉鎖に関する被
告Ｙ に送信した携帯電話の電子メール(甲５)を見せて｢被Ｘさんは宣言（平成26
年10月頃被告Ｙ に要望した上記宣言）をしっていますが｡」と聞いたところ、携
帯電話を返しながら被告Ｘ から、｢おまえなんかいつでも解雇できる。数か月余
分に賃金払えばいいんだから。」「訴訟起こすなら起こせ。こっちはいつでも勝っ
てるんだ。」「何かしてもらえると思うなよ｡」と暴言を吐かれた。
さらに、前年３月の幹Ｓグループ長から評価の詳細をもらっていない旨告げ、評
価の解釈についてのやりとりを経て、同被告から「時給を上げる義務はない。しか
し、作業量は年々上がって当然だ｡」「仕事が遅い｡」「時給を下げてやる。埼玉県
の最低賃金の時給まで下げてやる。」とまで言われた。
原告が、被告Ｘ による夜間閉鎖通告の際して同被告に閉鎖の理由をきいたとこ
ろ「自分の胸にきいてみろ」と言われたことに関して、改めてどういう意味かと問
うと、同被告から「おまえがしゃべってばかりで仕事をしないからだ｡」と言われ
たので、原告はおしゃべりは苦手の上、そのような話し込んでいて仕事をしなかっ
たという覚えはなかったことから「トーク雑談苦手なんですけど。会話内容はどん
なことでしたか。何時どこで誰とおしゃべりしていたというのですか。会話の時間
はどれくらいだったのか｡」と質問したが､被告Ｘ が無言だったので、原告が「言
-2-
い掛かりですか。」と聞くと、被告Ｘ は「そうだ。」と答えた。原告が、前日の
被告Ｙ とのやりとりを説明すると、被告Ｘ は被告Ｙ に「被Ｙさん、何故答え
なかったのか｡」と理由を質したが、被告Ｙ は無言だった。すろと、被告Ｘ が
原告に対して、「被Ｙさんを無視して良い。パＡチーフに協力しろ｡」と指示され
た（甲19）。
この被告Ｘ の一連の暴言は、その地位を利用して原告の雇用契約の内容を一方
的に変更改変を加えようとする違法なものであり、従業員に反発されたことに対す
る上司としての多分に感情的に発したものとも思われるが、しかし、同被告はその
後も後記ウのとおり原告に対する同種の発言をしており、この種パワハラ発言は同
被告の常習的言動に基づくものである。
ウに記載した｢雇止め予告発言｣については、当時のやりとりをまとめた書面(パ
Ａの被告Ｘ 宛て健康問題メール(甲３と同じ)を添付したもの)を作成してある(甲
20)｡甲３の送信時期が平成28年９月20日であり､まさに､同年10月1日から翌31
年３月３１日までの契約更新にさしかかった時期であった。甲３は、被告Ｘ の雇
止め予告発言を受けて、原告が労災後遺症下で身体の状況や腎臓の状態を説明しな
がら懸命に作業に従事していることについて考慮を求めて雇止め予告の撤回を願い
出たものである。
２ 被告Ｙ の作業続行要求等の暴言
被告Ｙ のパワハラ行為である原告の労災に起因する四肢（腕、肩、脚）の痛み
やしびれにより作業を中断したことに対する作業続行の強制を求める暴言は、請求
原因第２の３の(2)記載のとおりである。
暴言を直接見聞した者は見当たらないが、同所に記載したとおり、原告は、パＡ
パートリーダーを通じて直ちに被告会社に苦情を申し入れ(甲４)、これ以上の同被
告との接触を当面避けるため有給休暇を取得して休業しているなどの客観的事実が
被告Ｙ の上記暴言を裏付けるものである。クレームを受けた被告会社は、２回に
わたり上司の面談を設定した事実も同様これを裏付けるものである(同請求原因第
-3-
２の４の(3)のウ)。そのクレーム及び面談の経緯・状況は、原告準備書面(1)ない
し同(3)で詳述した。
３ 被告Ｚ の有給休暇拒否宣言に伴う暴言
被告Ｚ が、グループ長の地位を利用し部下でグループ長代理の部長Ｊ と共に
有給休暇の使用を制限するため所属社員社員Ｌ を通じて原告が提出した休暇請求
書を放置し、請求に係る該当日に「出勤」のシフト表を作成したり、原告の問合せ
に回答しないなどして原告の有休休暇の請求を妨害した行為はまさに被告らの組織
的なパワハラ行為である。しかし、そのことに止まらず、被告Ｚ が作業所内の連
絡掲示板に「有給休暇は売上が正常化しない限り認めない｡」「有給は使用しない
運用とする｡」などと所属従業員に通知した行為は、まさに職務上の地位及び人間
関係等職場内の優位性を背景に、業務上の権限ないし業務の適正な範囲を超えて、
原告ら所属の部下従業員の有休休暇請求の権利行使を妨害し労働を強制する精神的
・身体的苦痛を与えるもので､職場環境を悪化させるパワハラ行為そのものである｡
同被告のパワハラ行為に関する請求原因を、以上のとおり、補充する。
第２ 被告ら第２準備書面に対する原告の反論
１ 被告らは､令和２年５月６日に部Ｊグループ長代理に対して原告から､同年６
月２５日に定期検査受診のため何らかの方法で休暇を取得したいができれば有給休
暇を取得したい旨の要望が事前に電子メールであったこと、それに対して同代理が
有給休暇の取得を承認する返信をしたことを認めながら（甲６の２)、そして、所
定の書式により記載された同年５月14日付け有休休暇請求書（甲５）が存在する
にも拘わらず、あくまで原告から同日付けの有休休暇の請求はないと主張する。原
告が請求書を作成しながら実際は提出しなかったのではないかと主張したいようで
ある。
しかしながら、提出した本人である原告が請求書面の存在を明示して提出したこ
とを明言しているのである。もし、提出を失念するかして提出していないことが分
かったらその時点で原告が何らかの対応をしたはずであって、そのような事実も認
-4-
められないのであるから、被告らの主張は不自然そのもので全く信用できないので
あり、何らかの不都合な事情を隠しているのではないかと思われる。その他原告準
備書面(1)で主張したとおりである（第１の３の(1)及び(3))。
２ 被告らは、部Ｊ代理が、上記のとおり「有給でお願いさせてもらえると助か
ります｡」旨の返信をしたことをもって、被告Ｚ が、原告の請求を拒否したり、
部Ｊ代理に指示して取得を拒否させた事実はないと主張する。
しかし、その時点ではまだ被告Ｚ の方針が決まってないか、決まっていたとし
ても部Ｊ代理に指示していなかっただけで、その後にグループ長である被告Ｚ が
有給休暇の取得をさせない方針に変更した可能性がある。
その理由と根拠は次のとおりである。
�‘映�５月14日に原告が有給休暇の請求を書面でして社Ｌ社員に提出したのに､
紛失扱いされていること、�■況�19日に、６月25日に請求した有給休暇が否定さ
れてシフト上「出勤」扱いとされていたこと、��この点部Ｊ代理に問い合わせたが
返事がなかったこと（同８の２）、�じ狭陲錬況遑横菊�に請求通り有給休暇を取得
して欠勤したこと、�テ映�７月８日に被告Ｚ が、アルバムプログループ作業所内
の連絡掲示板に「有給について以前も共有しましたが、理解されていないようなの
で、改めて共有指示します｡」と掲げ、以前から同様の方針を伝えたいたことが窺
え、従来から労働基準法に違反する行為を要求していた上に、更にその徹底を図っ
てこれを強化しようとした実態がみられ、決して被告らが言うように、被告Ｚ の
上記通告の影響がなかったとか、すぐに改めたなどというものではなかったこと。
その上で改めて「有給休暇は売上が正常化しない限り認めない｡」「有給は使用し
ない運用とする｡」旨同グループの社員宛に有給休暇の不使用を求めて通告したこ
と、被告会社のこうした違法状態の放置看過、違法行為者に対する無問責等は改め
て被告会社のコンプライアンスが問われるところである。�Γ祁遑隠菊�に受け取っ
た給与明細（甲10）によると、請求し取得した有給休暇の取得でなく、また、欠
勤でもなく、「休業」扱いに変更されて処理されていたことは訴状記載のとおりで
-5-
ある。
これらの事実を総合すれば、被告らが主張するように社Ｌの不受領、部Ｊ代理の
失念が単なる偶然とは考えられない。この間社Ｌや部Ｊ代理から原告に対して､｢有
給」が「出勤」扱いにされたこと、さらには「休業」扱いに取扱いが変更されてい
ることについて何らの説明も意思確認もなかった経緯があり、被告らの主張するよ
うに有給休暇の届出をしないまま欠勤すれば無断欠勤の責任を問われるはずである
のに被告らからこの点不問にされていること、原告が作成提出したはずの有給休暇
請求書が突如所在不明とされていること、当時いわるゆ新型コロナ感染症による政
府の雇用対策として事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が労働者の雇用を維持
する取組をして労働者に支払った休業手当に対する雇用調整助成金が支給されてい
る背景があったことなどの諸事情に照らすと、真実は、被告Ｚ が上記掲示版で通
告する前から計画していた有給休暇の使用を制限していたこと、さらには給付金の
受給対象となる休業扱いとする当時の同被告ないし被告会社の方針に基づいて、被
告Ｚ が部Ｊ代理と共に意図的に原告の有給休暇の請求がなかったものとして一方
的に休業に変更したものと思われる。
第３ その他
１ 原告の労災認定関係
原告の頚椎椎間板ヘルニアに関する労災認定は、平成28年３月25日であったの
で(甲21)、これまでの主張を補正する（訴状請求原因第２の３の(2)､４の(3)､原
告準備書面(3)の第２の１関係)。
２ 被告の有休休暇請求手続
被告会社のいうとおり請求手続あるいはその受付手続に過誤があったというな
ら、再発防止の改善策が講じられて然るべきだが、その後も何ら手続に改善変更は
されていないようである。その後の原告の有給休暇の請求に対して、相変わらず、
従来どおり社Ｌに請求書面を提出してほしいというだけで、過誤防止策が講じられ
ていないため、請求書の紛失という今回と同種のトラブルが生じかねないことを恐
-6-
れて、社内の個人情報用金庫に投函しこれをビデオ撮影しておくなどして、確実に
受取りが確認できるであろう方法で実行している（甲22の１及び22の２)。
-7-
原告 ■■■■
被告 株式会社ラボ生産ほか３名
準備書面（４）
令和３年３月３１日
東京地方裁判所民事第４８部 御中
原告訴訟代理人
弁護士 ■■■■
第１ 被告Ｘ 同Ｙ及び同Ｚの暴言等のパワハラ関係
１ 被告Ｘ の解雇発言、雇止め予告及びこれに伴う暴言
被告Ｘ のパワハラ行為のうち、突然の夜間閉鎖（夜勤廃止）通告は、これまで
再三主張立証したとおりである。
ここでは、その余のパワハラ行為である暴言について論ずる。
基本的には、請求原因第２の３の(1)のアないしウのとおりであるが、このうち､
イに記載した、被告Ｘ の原告に対する暴言である「解雇発言」については、夜勤
パート社員パートＣが確認している（甲18）。
原告は、平成22年（2010年）10月入社当時は当初６か月間の有期契約パート従
業員であったが、その後平成24年改正労働契約法により認められた無期転換制度
に関し、原告は、平成30年（2018年）に無期契約の転換を目指し、平成26年10
月頃、夜勤担当社員被告Ｙ に、平成30年に雇止めにされないように「夜勤の仕
事も日勤の仕事も一通り覚えて何でもこなせる人材になり会社に貢献する。解雇や
雇止めあるいは日勤異動等により不利益や減収のないように進めるよう要求する旨
宣言し、同被告から､｢幹Ｓさんに伝えます｡｣旨確約を得た（しかし、後日平成29
-1-
年８月18日の幹Ｓグループ長らとの第１回面談の際に、同グループ長から、上記
の伝言は被告Ｙ から何も聞いていないと聞かされた｡）
原告は、平成27年12月４日の被告Ｘ の夜勤閉鎖通告に接して、自身の要望が
被告Ｙ から被告Ｘ や幹Ｓグループ長に伝わっていないのではないかと感じてい
た。そこで、平成28年６月頃、被告Ｙ から新たな仕事の指示を受けた際、上記
無期転換の宣言に関して、原告の評価について説明を求め、先般の夜勤閉鎖により
日勤異動になりかけたことを指摘し、被告Ｙ の上記指示に意味なり価値があるの
か問うたが、同被告は答えなかった。原告は被告Ｙ の指示するとおり新たな仕事
に従事したものの、口頭では「あなたの指示には従えない｡」と告げた。
翌日被告Ｘ と面談して被告Ｙ の同席の下、被告Ｘ に、夜勤閉鎖に関する被
告Ｙ に送信した携帯電話の電子メール(甲５)を見せて｢被Ｘさんは宣言（平成26
年10月頃被告Ｙ に要望した上記宣言）をしっていますが｡」と聞いたところ、携
帯電話を返しながら被告Ｘ から、｢おまえなんかいつでも解雇できる。数か月余
分に賃金払えばいいんだから。」「訴訟起こすなら起こせ。こっちはいつでも勝っ
てるんだ。」「何かしてもらえると思うなよ｡」と暴言を吐かれた。
さらに、前年３月の幹Ｓグループ長から評価の詳細をもらっていない旨告げ、評
価の解釈についてのやりとりを経て、同被告から「時給を上げる義務はない。しか
し、作業量は年々上がって当然だ｡」「仕事が遅い｡」「時給を下げてやる。埼玉県
の最低賃金の時給まで下げてやる。」とまで言われた。
原告が、被告Ｘ による夜間閉鎖通告の際して同被告に閉鎖の理由をきいたとこ
ろ「自分の胸にきいてみろ」と言われたことに関して、改めてどういう意味かと問
うと、同被告から「おまえがしゃべってばかりで仕事をしないからだ｡」と言われ
たので、原告はおしゃべりは苦手の上、そのような話し込んでいて仕事をしなかっ
たという覚えはなかったことから「トーク雑談苦手なんですけど。会話内容はどん
なことでしたか。何時どこで誰とおしゃべりしていたというのですか。会話の時間
はどれくらいだったのか｡」と質問したが､被告Ｘ が無言だったので、原告が「言
-2-
い掛かりですか。」と聞くと、被告Ｘ は「そうだ。」と答えた。原告が、前日の
被告Ｙ とのやりとりを説明すると、被告Ｘ は被告Ｙ に「被Ｙさん、何故答え
なかったのか｡」と理由を質したが、被告Ｙ は無言だった。すろと、被告Ｘ が
原告に対して、「被Ｙさんを無視して良い。パＡチーフに協力しろ｡」と指示され
た（甲19）。
この被告Ｘ の一連の暴言は、その地位を利用して原告の雇用契約の内容を一方
的に変更改変を加えようとする違法なものであり、従業員に反発されたことに対す
る上司としての多分に感情的に発したものとも思われるが、しかし、同被告はその
後も後記ウのとおり原告に対する同種の発言をしており、この種パワハラ発言は同
被告の常習的言動に基づくものである。
ウに記載した｢雇止め予告発言｣については、当時のやりとりをまとめた書面(パ
Ａの被告Ｘ 宛て健康問題メール(甲３と同じ)を添付したもの)を作成してある(甲
20)｡甲３の送信時期が平成28年９月20日であり､まさに､同年10月1日から翌31
年３月３１日までの契約更新にさしかかった時期であった。甲３は、被告Ｘ の雇
止め予告発言を受けて、原告が労災後遺症下で身体の状況や腎臓の状態を説明しな
がら懸命に作業に従事していることについて考慮を求めて雇止め予告の撤回を願い
出たものである。
２ 被告Ｙ の作業続行要求等の暴言
被告Ｙ のパワハラ行為である原告の労災に起因する四肢（腕、肩、脚）の痛み
やしびれにより作業を中断したことに対する作業続行の強制を求める暴言は、請求
原因第２の３の(2)記載のとおりである。
暴言を直接見聞した者は見当たらないが、同所に記載したとおり、原告は、パＡ
パートリーダーを通じて直ちに被告会社に苦情を申し入れ(甲４)、これ以上の同被
告との接触を当面避けるため有給休暇を取得して休業しているなどの客観的事実が
被告Ｙ の上記暴言を裏付けるものである。クレームを受けた被告会社は、２回に
わたり上司の面談を設定した事実も同様これを裏付けるものである(同請求原因第
-3-
２の４の(3)のウ)。そのクレーム及び面談の経緯・状況は、原告準備書面(1)ない
し同(3)で詳述した。
３ 被告Ｚ の有給休暇拒否宣言に伴う暴言
被告Ｚ が、グループ長の地位を利用し部下でグループ長代理の部長Ｊ と共に
有給休暇の使用を制限するため所属社員社員Ｌ を通じて原告が提出した休暇請求
書を放置し、請求に係る該当日に「出勤」のシフト表を作成したり、原告の問合せ
に回答しないなどして原告の有休休暇の請求を妨害した行為はまさに被告らの組織
的なパワハラ行為である。しかし、そのことに止まらず、被告Ｚ が作業所内の連
絡掲示板に「有給休暇は売上が正常化しない限り認めない｡」「有給は使用しない
運用とする｡」などと所属従業員に通知した行為は、まさに職務上の地位及び人間
関係等職場内の優位性を背景に、業務上の権限ないし業務の適正な範囲を超えて、
原告ら所属の部下従業員の有休休暇請求の権利行使を妨害し労働を強制する精神的
・身体的苦痛を与えるもので､職場環境を悪化させるパワハラ行為そのものである｡
同被告のパワハラ行為に関する請求原因を、以上のとおり、補充する。
第２ 被告ら第２準備書面に対する原告の反論
１ 被告らは､令和２年５月６日に部Ｊグループ長代理に対して原告から､同年６
月２５日に定期検査受診のため何らかの方法で休暇を取得したいができれば有給休
暇を取得したい旨の要望が事前に電子メールであったこと、それに対して同代理が
有給休暇の取得を承認する返信をしたことを認めながら（甲６の２)、そして、所
定の書式により記載された同年５月14日付け有休休暇請求書（甲５）が存在する
にも拘わらず、あくまで原告から同日付けの有休休暇の請求はないと主張する。原
告が請求書を作成しながら実際は提出しなかったのではないかと主張したいようで
ある。
しかしながら、提出した本人である原告が請求書面の存在を明示して提出したこ
とを明言しているのである。もし、提出を失念するかして提出していないことが分
かったらその時点で原告が何らかの対応をしたはずであって、そのような事実も認
-4-
められないのであるから、被告らの主張は不自然そのもので全く信用できないので
あり、何らかの不都合な事情を隠しているのではないかと思われる。その他原告準
備書面(1)で主張したとおりである（第１の３の(1)及び(3))。
２ 被告らは、部Ｊ代理が、上記のとおり「有給でお願いさせてもらえると助か
ります｡」旨の返信をしたことをもって、被告Ｚ が、原告の請求を拒否したり、
部Ｊ代理に指示して取得を拒否させた事実はないと主張する。
しかし、その時点ではまだ被告Ｚ の方針が決まってないか、決まっていたとし
ても部Ｊ代理に指示していなかっただけで、その後にグループ長である被告Ｚ が
有給休暇の取得をさせない方針に変更した可能性がある。
その理由と根拠は次のとおりである。
�‘映�５月14日に原告が有給休暇の請求を書面でして社Ｌ社員に提出したのに､
紛失扱いされていること、�■況�19日に、６月25日に請求した有給休暇が否定さ
れてシフト上「出勤」扱いとされていたこと、��この点部Ｊ代理に問い合わせたが
返事がなかったこと（同８の２）、�じ狭陲錬況遑横菊�に請求通り有給休暇を取得
して欠勤したこと、�テ映�７月８日に被告Ｚ が、アルバムプログループ作業所内
の連絡掲示板に「有給について以前も共有しましたが、理解されていないようなの
で、改めて共有指示します｡」と掲げ、以前から同様の方針を伝えたいたことが窺
え、従来から労働基準法に違反する行為を要求していた上に、更にその徹底を図っ
てこれを強化しようとした実態がみられ、決して被告らが言うように、被告Ｚ の
上記通告の影響がなかったとか、すぐに改めたなどというものではなかったこと。
その上で改めて「有給休暇は売上が正常化しない限り認めない｡」「有給は使用し
ない運用とする｡」旨同グループの社員宛に有給休暇の不使用を求めて通告したこ
と、被告会社のこうした違法状態の放置看過、違法行為者に対する無問責等は改め
て被告会社のコンプライアンスが問われるところである。�Γ祁遑隠菊�に受け取っ
た給与明細（甲10）によると、請求し取得した有給休暇の取得でなく、また、欠
勤でもなく、「休業」扱いに変更されて処理されていたことは訴状記載のとおりで
-5-
ある。
これらの事実を総合すれば、被告らが主張するように社Ｌの不受領、部Ｊ代理の
失念が単なる偶然とは考えられない。この間社Ｌや部Ｊ代理から原告に対して､｢有
給」が「出勤」扱いにされたこと、さらには「休業」扱いに取扱いが変更されてい
ることについて何らの説明も意思確認もなかった経緯があり、被告らの主張するよ
うに有給休暇の届出をしないまま欠勤すれば無断欠勤の責任を問われるはずである
のに被告らからこの点不問にされていること、原告が作成提出したはずの有給休暇
請求書が突如所在不明とされていること、当時いわるゆ新型コロナ感染症による政
府の雇用対策として事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が労働者の雇用を維持
する取組をして労働者に支払った休業手当に対する雇用調整助成金が支給されてい
る背景があったことなどの諸事情に照らすと、真実は、被告Ｚ が上記掲示版で通
告する前から計画していた有給休暇の使用を制限していたこと、さらには給付金の
受給対象となる休業扱いとする当時の同被告ないし被告会社の方針に基づいて、被
告Ｚ が部Ｊ代理と共に意図的に原告の有給休暇の請求がなかったものとして一方
的に休業に変更したものと思われる。
第３ その他
１ 原告の労災認定関係
原告の頚椎椎間板ヘルニアに関する労災認定は、平成28年３月25日であったの
で(甲21)、これまでの主張を補正する（訴状請求原因第２の３の(2)､４の(3)､原
告準備書面(3)の第２の１関係)。
２ 被告の有休休暇請求手続
被告会社のいうとおり請求手続あるいはその受付手続に過誤があったというな
ら、再発防止の改善策が講じられて然るべきだが、その後も何ら手続に改善変更は
されていないようである。その後の原告の有給休暇の請求に対して、相変わらず、
従来どおり社Ｌに請求書面を提出してほしいというだけで、過誤防止策が講じられ
ていないため、請求書の紛失という今回と同種のトラブルが生じかねないことを恐
-6-
れて、社内の個人情報用金庫に投函しこれをビデオ撮影しておくなどして、確実に
受取りが確認できるであろう方法で実行している（甲22の１及び22の２)。
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