---------------------------------------------------------------------------- F 新プラトン主義
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プロティノス(Plotinos 204-269)
エジプトに生れ、アレキサンドリアでアンモニオス・サッカス(Ammonios Sakkas c175-242)に10年に渡って師事した。このアンモニオス・サッカスこそ新プラトン主義の開祖とされるが、秘教的で、著作も残さなかったため、その教義は不明である。それゆえ、弟子のプロティノスが新プラトン主義の実質的な代表者とされる。
【流出説 ekrhein, emanatio】
プロティノス
万物のかなたに、すべての善きものの原因であり、最高の神である驚くべき一者 to hen 、原 proton が存在し、この完全無限の一者の充溢から、不滅の光源からの光のように、それ自身はなんら失うことなく、万物を流出 reinしている。すなわち、この一者は理性 nousを生じ、次に、これは知性的質料に純粋霊魂を生じ、さらに、これは宇宙霊魂と個別霊魂を生じる。これらは、感性界に影を投じて、前者は自然を、後者は、人間の魂を生じ、いずれもその原理となる。人間は、それゆえ、その本質においては、小宇宙である。自然は、感性的質料に影を投じて、物体を生じるが、これはすでに一者から遠く、その活力が及ばないので、もはやなにも生み出さない。最後の質料は、一者の光に対する闇、善の根元に対する悪の根元であるが、まったくの無限定ゆえ、もはや知りうるものでもない。
この考え方は、キリスト教に影響を与えたが、キリスト教では神と被造物は断絶しているので、連続的な流出ではなく、飛躍的な発出 processio とされ、それは無関心にではなく、意志的になされるとされた。
【脱我 ekstasis】
ポリピュリオス(Porphyrios c233-c304)
シリアに生れ、アテネにおいて学び、ローマでプロティノスの弟子となった。
【5言表 pente phonai, quinque voces】
ポルピュリオス(『範疇論入門(エイサゴーゲー)』)
アリストテレスは『トピカ』において、述語を分析し、主語との関係から5つの普遍を、述語そのものから10のカテゴリーを分類した。前者の分析において、それが主語と転換されうるならば固有性であり、されえないが定義の部分ならば類・種か種差であり、定義の部分でもないならば偶有性である、とされた。普遍は、多くのものに述語づけうるものゆえ、可述語 Praedicabiliaとも呼ばれた。
ポルピュリオスは、存在論に基づくカテゴリーよりも、言明形式に基づく5言表の方を重視した。このことは、形式論理学を、形而上学とは切り離して、発展させるきっかけとなった。しかし、彼は、この説明に先立って、ここには入門では扱いえない高度な問題があるとして、類や種は実在するのか、知性の観念にすぎないのか、実在するとすれば物体か非物体か、非物体とすれば感覚的物体から離存するのか内在するのか、という問いを提出した。ここから、類種概念の解釈をめぐって、後に普遍論争が生じた。
【ポルピュリオスの樹】
ポリュピリオスとされる
類、種、個体の関係を図示したもの。
実 体
非物体的 物体的
非生物的 生物的
非感覚的 感覚的
非理性的 理性的
ソクラテス
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