kagemiya@ふたば

【元ネタ】The Flowering of the Strange Orchid 、『珍しい蘭の花が咲く』『奇妙な蘭』、マザーグース『クモとハエ』
【CLASS】ファニーヴァンプ
【マスター】
【真名】"奇妙な蘭"
【異名・別名・表記揺れ】"クモ"、"ハエ"
【性別】メス
【身長・体重】136cm・33kg、3m以上・???kg
【肌色】白【髪色】オレンジゴールド【瞳色】青紫
【スリーサイズ】68/50/78
【外見・容姿】露出度が高い緑と紫のドレスを着た、赤い金色のロングヘアーの蘭の花の髪飾りを付けた可憐な幼い少女、大量の蘭の花が咲いているオレンジに近い金色のラインが入った白い外骨格、青紫色の八の眼球を光らせる異形の巨大蜘蛛
【地域】イギリス
【年代】19世紀
【属性】混沌・悪
【天地人属性】地
【その他属性】人型・魔性・魔獣・虫・植物・ヒト科以外
【ステータス】筋力：B　耐久：B　敏捷：C　魔力：C　幸運：D　宝具： B

　他者へ擦り寄り、浸け込み、誑かし、陥れる“悪女”の武器。
　裏切りや謀反、悪事を行う際に判定の補正を獲得。また敵対者や対象にその意図を気づかれにくい。
　美貌値や魅了値にも補正を得られる。
　このファニーヴァンプの場合、構成する幻霊が"危険だと理解されていてもなお獲物を魅了し、惹き寄せた"逸話を持つため、その“毒婦”としての素顔を曝け出した時点で美貌値や魅了値への補正が失われるというデメリットが消滅している。

　なめらかな白く細い指先、濃密な香水のような圧倒的な花の芳香、心を蕩かす愛らしい囁き。
　魅惑の美貌、花蜜の酒気、堕落の甘言の複合スキル。
　その霊基の多くが他者を蠱惑する要素で構成されており、知性を有する生物を捕食する事に特化した、凶悪な捕食能力を持つ。

　声色や吐息に蕩けるような花と蜜の甘さが香り、視線だけでも対象を泥酔させるスキル。
　対象が魔力的防御手段のない存在（一般の人間や動物）であれば、たちまち思考を蕩けさせる。
　サーヴァント相手でも防御手段がなければ魅了を受ける可能性があり、最終的には対象を狂気に陥れることも可能。
　ファニーヴァンプのものはアルコールを溶剤とした香水に近いものであり、さらに蜘蛛毒を混ぜ、麻痺、筋肉弛緩、激痛などのバッドステータスを付与させることも可能。
　大気中に蔓延させれば殲滅的な効果を発揮するが、その場合は換気が悪い密閉空間でないと効果が激減する。

　誘惑に特化した悪辣な話術。
　紡がれる甘い言葉は警戒心を解きほぐし、危機判断力の減少を招き、例え逃れることができても毒のように対象の精神に禍根を残す。
　複数の魅了手段を持つファニーヴァンプの場合、このスキルを一時的に封印することで「語らず、あどけない仕草や無垢な表情を活用して」獲物を惑わす事も可能。
　雄弁は銀、沈黙は金。語ることの重要さを知るが故に、語らないことの重要さを、ファニーヴァンプは識っている。

　吸血行為と血を浴びることによる体力吸収＆回復。ランクが上がるほど、吸収力が上昇する。
　毒で溶かした血肉を喰らい啜る他、吸盤のようなものが付いた気根を伸ばし、大量の血を吸収する。

　強化クエストクリアで変化。
　陥穽に脚を取られた獲物を喰らい尽くす魔の宴。
　獲物を玩具として生かしながら弄ぶ事もあるが、その気になれば自己捕食器官を総動員し、瞬く間に対象の全てを貪り、搾り取る。

　魔物、魔獣のみが持つとされる攻撃特性。使用することで一時的に筋力を増幅させる。
　一定時間筋力のランクが一つ上がり、持続時間はランクによる。
　幻霊合体により、その格は幻獣に匹敵する魔獣の域に達しており、史実から逸脱し3mを超える巨狼となった狼王のケースと同じく、原典から乖離した異形の巨蜘蛛と化している。

　強化クエストクリアで変化。
　魔性の暴虐性を的確に揮い、獲物の逃げ道を塞ぎ、人智を凝らした逆転の一手を叩き潰す。
　敵を罠に掛けつつ、自分は罠を回避し、罠に嵌った獲物を決して逃さぬ狡猾なる魔の生態機能。

　カモフラージュ、ミミクリー、ミメーシス。特殊な変化スキルであり、諜報と同じく"気配そのものを敵対者だと感じさせなくする"能力。
　攻撃、自衛のために周囲の物や植物・動物に自身の姿を似せ、正体を隠蔽する。ほとんどの場合「保護色」スキルの効果も内包する。
　気配を消したり、物理的に透明になる訳ではないが、このスキルを使用している間、相手はファニーヴァンプを「ただの蘭の花、小さな蜘蛛、か弱く幼い少女」と認識し、毒牙が向けられるその瞬間まで、危険性に気付けない。
　対抗するには気配感知スキルではなく、不自然な振る舞いを見抜き、環境に溶け込んだファニーヴァンプを見つけ出す観察眼や植物学、生物学の知識が必要となる。

ランク：B　種別：対餌宝具　レンジ：30　最大捕捉：50人
　『眩暈、姦濫、蟲惑の園にてトラップ・トリック・オーキデリリウム』。だが、かのマザーグースの始まりを告げる一言でも同じだけの意味を持つ。
　"奇妙な蘭"が育った小さな温室と"クモ"が"ハエ"を引き摺り込んだ巣窟が統合されて成立した宝具。
　所謂、固有結界とは似て非なる大魔術であり、幻霊同士の相性の良さもあって悍ましき魔性の心象風景が破綻せずに混ざり合った異界を顕現する。
　ヒスイランにデンドロビウム、パレオノフィス...美しい蘭の花が咲き乱れ、芳香を放ち、綺麗なカーテン、清潔なシーツが掛けられたベット、ご馳走がいっぱいの食卓と食堂がある麗しの応接間。
　無論、これらは全て犠牲者を惑わす擬態であり、ファニーヴァンプの意志一つで"模様替え"され、故郷であるマングローブやジャングルの環境の再現、粘性が強い毒蜜や糸で構成された無数の罠、レンジ内全域への花蜜の酒気の蔓延、使い魔である吸血蘭や子蜘蛛の使役など多種多様な手段で餌を惑わし、弱らせ、捕食する。

　ファニーヴァンプの指であり、気根。
　触手の様に自在に伸び、蠢き、円形の吸盤で餌から血を吸い取る。

　戦闘と捕食に特化した巨大蜘蛛と誘惑と対話に特化した少女体の二つの肉体を持つ特殊な霊基形式。
　どちらが"本体"かという質問に対しては愛らしく微笑まれて有耶無耶にされるが、消滅させるには両方を同時に破壊する必要があり、片方のみを破壊しても時間は掛かるが、魔力を消費して再生できる。
　虫であるが故の分散脳構造である、幻霊複合体として"複数の霊核"を持っているなどの仮説が立てられているが、詳細は不明。

　二体の幻霊が融合した幻霊複合サーヴァント。
　一つ目はH・G・ウェルズの小説『奇妙な蘭』に登場する吸血蘭。
　蘭のアマチュアコレクターであるウィンター・ウェッダーバーンはある日の販売会で、希少な蘭を求めて冒険し、最終的にジャングルのマングローブ湿地帯でヒルに一滴も残らず血を吸い尽くされて死亡した男の遺体から発見されたという曰く付きの蘭の根茎を手に入れる。
　ウェッダーバーンに雇われた、彼の遠い従妹でもある家政婦はそれを「醜い形ですね」「死んだふりをした蜘蛛のように見える」と表現するが、ウェッダーバーンはその塊から生えるまだ見ぬ美しい花を夢想し、小さな温室で夢中になってその奇妙な蘭を育て始める。
　世話の甲斐があって蕾が出てくると、ウェッダーバーンは家政婦にジャム作りを中断させてまで蘭を見せるが「茶色の塊から突き出た小さな白い指のようです」「あなたを狙っているように見える」「私は好きではありません」と言われ、彼女が植物を嫌っていることに少し傷付くが、蘭の世話を続け、1フィート以上の長さになった気根は何かを追う触手のように伸び、真紅の斑点が入った深緑の葉を付ける。
　そして遂に蘭は開花する。ガラスの家の中には濃厚で強烈な甘い匂いが充満し、蒸し風呂のような温室の中で他の蘭の香りを圧倒していた。
　白い花弁には金色のオレンジが混ざり、唇弁は金色に混じって見事な青みがかった紫色をしている。
　ウェッダーバーンはこの蘭がまったくの新種だと理解したが、温度が適切であるか確認しようとすると、突然立ち眩みがし、温室が揺れているような錯覚を起こして意識を失う。
　アフタヌーンティーの時間にウェッダーバーンが来ないことを不審に思った家政婦は、温室に行き、ドアを開けて呼びかけるも、返事はない。
　強烈な香水の匂いが漂っていることに気付き、そして常軌を逸した光景を目撃し立ちすくんだ。
　奇妙な蘭の足元で横たわるウェッダーバーン、触手のような気根はロープのように密集し、その端が彼の顎や首や手に伸びており、頬からは血が垂れている。
　家政婦は叫び声を上げながら彼に駆け寄り、ヒルのような吸盤から彼を引き剥がし、二本の触手を折ると、赤い樹液が滴り落ちた。
　凄まじい花の香りに気絶しそうになるが、植木鉢を投げつけて温室の窓を割り換気し、不気味な粘り強さでしがみつく蘭の触手からなんとか逃れることができた。
　ウェッダーバーンの肌は白くなり、十数個の円形の斑点から血を流していたが、命に別状はなかった。
　その後、家政婦が蘭の様子を見に行くと根はほとんど枯れており、茎は倒れて折れ、花は花弁の端が茶色く変色しぐったりと伸びていた。
　同行していた博士はよく観察しようとしたが、気根の一つが弱々しく蠢いているのを見て、躊躇した。
　翌朝、その奇妙な蘭は黒く腐敗していた。

　二つ目はメアリー・ハウイット作のマザーグース『クモとハエ』に登場するクモとハエ。
　「私のお部屋に来ないかい？“Will　you　walk　into　my　parlour？”」クモがハエに呼びかけた
　この一文から始まる物語で、"クモ"は"可愛らしいハエのお嬢さん"を美辞麗句やお世辞で惑わせ、警戒されながらも最終的に魅了し、巣の中へ引き摺り込む。ハエが戻ってくることはなかった。
　この詩は、甘い言葉やお世辞や魅力で自分の本心をごまかし、邪な考えを巡らす人に対する戒めと教訓を含んでいる。

　主要構成要素は"奇妙な蘭"と"クモ"であり、"ハエ"は少女体の無害さや無力さ、無垢さを演出する擬態強化パーツとして組み込まれている。
　どちらも他者を騙して喰らうという方針は一致しているため、破綻なく統合された人格を持つ。
　霊基数値が向上し、幻想種としての格も高まった結果、魔性としての性質も強化されており、ただ獲物を貪るだけでなく、姦計を巡らせ、餌を弄ぶような無垢な残虐性も発達している。

イメージカラー：白、オレンジゴールド、青紫
特技：他者を蠱惑する全て
好きなもの：血、お肉、可愛くて察しが悪い女の子餌、面白くて間抜けなお兄ちゃん餌、温かく蒸し暑い環境
嫌いなもの：家政婦、賢い人間餌
天敵：換気
願い：面白い玩具餌が欲しい

【一人称】わたし【二人称】あなた【三人称】〇〇ちゃん

(キャラ名)：