kagemiya@ふたば

歴史上の彼に関することはほとんど情報が残っていないが、一部の人間が語り継ぐ歴史が確かに存在する。
人類史上最古にして最強の王、通称スコーピオン・キング。
遥か遠い昔、エジプトは人類が生存するには過酷な環境であった。
襲い掛かる怪物、命を飲み込む無慈悲な自然…いつ人々が滅亡してもおかしくない環境である。
そこで人々は英雄を、王を求めた。自分たちを救い導いてくれる王を。
そんな中、人々の知らないところで戦っていた英雄を見つけることができた。
それが最初のファラオであるスコルピオン１世であった。
彼の現れるところでは必ず怪物や災害などが現れていたが、その全ては彼の手によって解決していたのだ。
彼は名声に拘らなかった為か、こういったことの報告が人々から伝わり、初めて彼の存在に気付いたとのこと。
自分たちを導くなら彼しかいない、という声は次第に大きくなり、遂に彼は人々の望む声に応え『王ファラオ』となったのである。
歴代のファラオ達は神の化身であると伝えられており、スコルピオン１世も同じく神の化身である。
これは当時の神官達が、彼は神の化身であると見抜き、人々にもそう伝えている。
本人はそれを否定したという話もあるが、これは自分を人として見てもらいたいという彼の気遣いである。

以下、歴史には語られない彼の伝説の一部を記載する。
・世界を破壊するほどの魔法のアイテムを抱えて空を飛んで暗黒の中*1へ捨ててきた
・地球に降り注ぐ隕石群を全て叩き落した
・ほとんどの神話はスコルピオン１世生誕の伏線
・あまりの威圧感に暴れていた盗賊が戦う前に泣いて謝罪
・攻撃する前に相手が死ぬ
村田一.『消えた英雄大全』より抜粋*2

「俺を地上最強の王ファラオ、スコルピオン1世と知ってのことか？」

「俺は何もできん」
「俺の力ではサーヴァント相手に勝つ手段が無い」
「他の参加者は現在沈黙している、今のうちにマスター権を放棄するのがいいだろう」

「この場で俺とやりあえば確実に悲惨な事態を巻き起こす、日を改めてもらおう」
「むやみに死人を出したくないと言っているんだッ！今の状況で…お互いにもっとやるべきことがあるんじゃないか！？」

上記に記載された内容はほぼ全てが周囲の勘違いにより生まれた噂でによる誤った情報であり、本当はただ見た目が強そうなだけの人物。
王であることは間違いないのだが、勘違いに勘違いを重ねて王になってしまったと言うのが正しい。
生前の実力は一般人に等しい力しか持ち合わせておらず、誰かと戦うことどころか喧嘩すら碌にやったことがないほど。
ステータスが低いのは召喚事故とかマスターが悪いとかそういうのではなく、サーヴァントとして直接戦闘できる力すら本人が持っていない為。

小心者で、周囲が勝手に自分を最強扱いされることに戸惑っている。
王として祭り上げられたのも、人々が恐れおののいていた怪物達を他の人物が解決した現場に偶然居合わせただけだったのを彼の手柄だと誤認したためである。
彼自身も王として崇められることに気分が良かったので積極的に否定せず、そしてついに本当のことを知られずに王として最後までその命を終えた。
ごく一部、彼の正体を知った人物もいたが、特にそれを周囲に言いふらしたりもせず良き友人として接している。

なお、彼が保有するスキル、ステータスについて虚偽はない。