kagemiya@ふたば

　ディオメデスはオデュッセウスが自分に手を出さなかったのではなく、何故オデュッセウスだけが手を出してこなかったのかを考えるべきだったのです。
　ある男がおりました。名をアイアス。影の薄い男でした。誇る武などはない。しかし彼は自国のために単身敵地に潜入する程度には愛国心と僅かばかりの勇気を備えておりました。そこで出会ったのがディオメデス少年でした。
　「誰かいるの？アイアス？」男は驚きました。敵が自分の名前を知っているのですから。幸い、大アイアスの勇名と小アイアスの醜聞はトロイア軍にまで聞こえておりましたので、男はとっさに声真似をすることで急場を凌いだのです。
　純真なディオメデスを騙し、目隠しをして後ろ手に縛り上げ、そこで男は困りました。
　ディオメデスの愛らしさは戦場の華でした。何故アカイア勢は彼に手を出さないのか？疑問に思いながら男はディオメデスの尻を犯しました。
　自分を信じてくれた相手を騙し犯すことの罪悪感に胸を締め付けられながら、股間のものは少年の可愛い肛門で締め付けられこれが気持ちい。男は鬱勃起しました。
　「やめてよアイアス！」そう今の男はトロイアのアイアスではなく、アカイアの小アイアス。責任は全ておっかぶせればいい。
　そうすると気持ちは幾分か軽やかになり腰の動きも軽やかに。パンパンとリズミカルな音を立て少年の尻に腰と情欲をぶつけます。
　七度ほど精をディオメデスの中に注ぎ込みそこで男は我に返りました。なんてことをしてしまったんだと理性が己が罪業を責めたてます。
　ぐったりと地面に横たわったディオメデスの下半身は男の白濁に染まり罪の証としてそこにあります。男はムラっと再び股間の物をいきり勃たせました。このままでは潜入し工作を続けるのは不可能です。
　トロイアに勝利を！男は手を汚すことを躊躇いませんでした。
　男はどうしたのか？潜入中に得た情報でアカイア勢の行動パターンを予想し声帯模写のスキルを使い、毎日毎日ディオメデスの元に通ったのです。ある時は小アイアス、ある時は大アイアス、アガメムノン、メネラオス、アキレウス、パトロクロス…名だたる英雄の名を騙りディオメデスを雌に開発しました。
　しかし唯一、男が名を使わなかった相手こそがオデュッセウス。アカイア随一である彼の智謀を恐れたのではありません。歴史の裏に隠された真実こそが男の敵でありました。オデュッセウスは女だったのです。嘘ではありません。チンコがない相手を騙ることができなかった。これこそがその男の唯一の敗北。よって我が宝具はディオメデスとオデュッセウスの名を騙ることができない。
　はい。その男は私です。トロイアの英霊、中出し大好き中アイアスが我が真名。ディオメデスを雌堕ちさせたことを誉として座に召し上げられたASS ASS IN、いやアサシンのサーヴァント。
　問おう、あなたが私のマスターか――？

　
　日村裕也は令呪を三画消費し「自害せよアサシン」と命じる。
　彼と彼のサーヴァントは召喚から５分で聖杯戦争を終えた。