kagemiya@ふたば

「わたし、気になります！　あなたもそう思いますよね？」

「目の前に知らない山があれば登る。目の前に海が広がっていればその向こうまで漕ぎ出す。
頭の上に空があるなら、遥か彼方まで飛んでいく。それが人間というものでしょう？」

「……ここの人たちって滅多なことじゃ死にませんけど、死なないだけですよね。
死なないだけで生きてる人は少ない。だから、わたしが皆さんを生きた人間にするお手伝いができれば！」

「誑かす、だなんて人聞きが悪いですね。わたしはただ当たり前のことを言っただけですよ」

「ねえ、あなた……人間になりたくないですか？」

「火はどうして燃えるのか。リンゴはどうして枝から落ちるのか。どうして太陽は沈んで昇るのか。
どうして月は形が変わるのか。どうして冬は寒く夏は暑いのか。どうして雨は降るのか――
その“どうして”こそが人間の強さだとわたしは思うんです！」


「あなたにまだ人としての火が残っているなら、わたしの言うことが分かるはずです！
人々はかつて飛ぶことをやめました。だけど、わたしたちまでそれに倣う必要はありません！
未知に危険など付き物、むしろそうでなくては開拓のし甲斐がない！
あの白い雲の、あの青い空の、あの星々の向こう側を目にしたい！たどり着きたい！
その思いこそが人間が人間であるために必要なものでしょう！？」


「飛ぶことをやめた人間など会話のできる猿に過ぎません。人間が人間であるためには、世界を閉ざしちゃいけないんですよ」

“星見”のウォッチャー

同じくこの世界では珍しく“空”への憧れを持つ者同士、話が合うと思われる。
“観測”によって宇宙の謎の一端を解き明かし、この世界においても“人間”としての情熱を秘めているウォッチャーは、
彼女にとって尊敬と好意の対象であり、だからこそ彼をここまで弱体化させるこの世界は変えなければならないと思っている。
「星、いいですよね！　あの空の向こうに何があるのか。たとえ危険に満ちていても人はそこを見に行かなければ気が済まないもの。そう思いません？」

秋鷺柳

口が上手いという一点において共通点があるが、面識はほとんどない。
そのスリルを追い求める心を未知の世界に向けてほしい、とは思っている。
彼の中に感じる気配に、何か思うところがあるようだが……？

“竜巻”のアーチャー

神の領分であった“風”を解明し、人の領域まで降ろした偉人。
彼もまた尊敬の対象であり、話をすれば盛り上がるだろう。
「どうして嵐が起こるのか知りたい！　その気持ちが先生を輝かせたんですね！」