最終更新:ID:obtZ59QIlg 2019年09月03日(火) 23:59:56履歴
「確かに、私 は終わりとして人理に刻まれた。そして、終わりはいつか必ず来るものだ」
「だが、だからといって──私 亡き後、ブリトンの国が無くなることを知ったとしても」
「私 は、私 であることをやめはしない。『護る』ことをやめはしない」
「いつか終わってしまうのだとしても。今目の前にあるものは、まだ終わっていないのだから」
「終わることと続けないことは、同じではない」
【出典】『ブリトン人の没落』
【CLASS】シールダー
【真名】アンブロシウス・アウレリアヌス
【異名・別名・表記揺れ】ブリテンの軍首長 、最後のローマ人
【性別】男性
【身長・体重】187cm・78kg
【肌色】コーカソイド系 【髪色】金髪 【瞳色】青
【スリーサイズ】がっしり。
【外見・容姿】巨大な鉄盾を携えた、プロトアーサー顔の戦士然とした男性。その装いに騎士らしさはなく、しかし所作に影響がにじみ出ている。
【地域】ローマン・ブリテン
【年代】5世紀
【属性】中立・中庸
【天地人属性】人
【その他属性】人型・ローマ・アーサー・竜
【ステータス】筋力:B 耐久:C 敏捷:D 魔力:B 幸運:C 宝具:D
【CLASS】シールダー
【真名】アンブロシウス・アウレリアヌス
【異名・別名・表記揺れ】
【性別】男性
【身長・体重】187cm・78kg
【肌色】コーカソイド系 【髪色】金髪 【瞳色】青
【スリーサイズ】がっしり。
【外見・容姿】巨大な鉄盾を携えた、プロトアーサー顔の戦士然とした男性。その装いに騎士らしさはなく、しかし所作に影響がにじみ出ている。
【地域】ローマン・ブリテン
【年代】5世紀
【属性】中立・中庸
【天地人属性】人
【その他属性】人型・ローマ・アーサー・竜
【ステータス】筋力:B 耐久:C 敏捷:D 魔力:B 幸運:C 宝具:D
第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
『護国の鬼将』により確保した“土地”では効果が跳ね上がり、地脈の質にもよるがランクAに匹敵するほどになる。
大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。
『護国の鬼将』により確保した“土地”では効果が跳ね上がり、地脈の質にもよるがランクAに匹敵するほどになる。
あらかじめ地脈を確保しておくことにより、特定の範囲を“自らの護るべき土地 ”とする。
この土地の中で起きる防衛戦闘において、その守護者として定義されたシールダーは、高い戦闘力ボーナスを獲得する。
決してサーヴァントとして強力ではないシールダーだが、一線級の英霊を相手取ったとしても、この“土地”であれば防戦に徹することは可能。
この土地の中で起きる防衛戦闘において、その守護者として定義されたシールダーは、高い戦闘力ボーナスを獲得する。
決してサーヴァントとして強力ではないシールダーだが、一線級の英霊を相手取ったとしても、この“土地”であれば防戦に徹することは可能。
信仰の徒たる抵抗者。ローマに連なる指導者。
その存在を記録した者の意図によって、過去や在り方を捻じ曲げられ能力・姿が変貌してしまった英雄。
本人の意思に関係なく、風評によって真相を捻じ曲げられたものの深度を指す。このスキルを外すことは出来ない。
自身にローマに連なるものとしての属性を付与する他、洗礼詠唱に類する神秘の行使を可能とする。しかし、シールダー本人の意志により、「教会」に纏わる神秘は普段使用されることはない。
また、シールダーの記憶の一部は、「本来の歴史」と「記録された歴史」とが混濁した状態にある。その混濁から本来の記憶を読み取ることは、時に彼自身にすら非常に困難なものとなる。
聖ギルダスが著した『ブリトン人の没落』にて、シールダーは「アングロ・サクソンの侵入に対し、ブリテンの勝利を導いた指導者」として描かれている。
そして、その功績は「神の助け」によるものであったという記述から、彼はキリスト教徒であったと推測される。
また、同著でのシールダーに関する記述では、彼はアングロ・サクソンの侵入から生き残った恐らく唯一のローマ人であり、彼の両親は「功績により紫を纏っていた」という情報を提示している。
古代ローマにおいて、紫とは皇帝、或いは貴族が身につける色であり、また同じ色の帯をローマ軍団の上級将校の一部が使用していたとされる。
その他、カトリック教会では「紫」を血の婉曲表現とすることから、転じて「紫を纏う」ことを殉教や司教の衣服と結びつけることもある。
つまりこの記述は、上記のいずれの解釈に従ったとしても、彼がローマ人であることを保証する根拠として捉えられる。
ところが、シールダーが生きたと推測される5世紀初頭のブリテンでは、島をブリタンニア州として属州化していたローマ軍団が、コンスタンティヌス3世に率いられ既に撤退していた。
その軍事的空隙を受け、ローマ帝国の傭兵としてブリテン島に進出してきたのがアングロ・サクソン諸部族であり、以降ブリテン島南部を中心にこれらの部族が入植、今日の英国に繋がる国家を形成していくことになる。
このようにローマの治世が混乱している状況下で、「紫」を纏うことが許されるような上流階級の人間、或いはキリスト教徒に連なるものという「ローマにとって都合の良い人物」が、都合良く生き残ることがあるだろうか?
そんな人物が現地戦力を糾合し、「神の恩寵」の元に外敵の侵入を打ち払うということが、果たして発生し得るのだろうか?
──理想は常に現実に優先し、時に現実をも理想に即して歪める。
キリスト教者であった聖ギルダスが、理想とする指導者像 に相応しい「改変」をシールダーの記述に与えたとしても、不自然はあるまい。
古代ローマの偉大さを示す最後の人々に与えられる称号である、最後のローマ人 が後世彼にも与えられたのも、この結果である。
その存在を記録した者の意図によって、過去や在り方を捻じ曲げられ能力・姿が変貌してしまった英雄。
本人の意思に関係なく、風評によって真相を捻じ曲げられたものの深度を指す。このスキルを外すことは出来ない。
自身にローマに連なるものとしての属性を付与する他、洗礼詠唱に類する神秘の行使を可能とする。しかし、シールダー本人の意志により、「教会」に纏わる神秘は普段使用されることはない。
また、シールダーの記憶の一部は、「本来の歴史」と「記録された歴史」とが混濁した状態にある。その混濁から本来の記憶を読み取ることは、時に彼自身にすら非常に困難なものとなる。
聖ギルダスが著した『ブリトン人の没落』にて、シールダーは「アングロ・サクソンの侵入に対し、ブリテンの勝利を導いた指導者」として描かれている。
そして、その功績は「神の助け」によるものであったという記述から、彼はキリスト教徒であったと推測される。
また、同著でのシールダーに関する記述では、彼はアングロ・サクソンの侵入から生き残った恐らく唯一のローマ人であり、彼の両親は「功績により紫を纏っていた」という情報を提示している。
古代ローマにおいて、紫とは皇帝、或いは貴族が身につける色であり、また同じ色の帯をローマ軍団の上級将校の一部が使用していたとされる。
その他、カトリック教会では「紫」を血の婉曲表現とすることから、転じて「紫を纏う」ことを殉教や司教の衣服と結びつけることもある。
つまりこの記述は、上記のいずれの解釈に従ったとしても、彼がローマ人であることを保証する根拠として捉えられる。
ところが、シールダーが生きたと推測される5世紀初頭のブリテンでは、島をブリタンニア州として属州化していたローマ軍団が、コンスタンティヌス3世に率いられ既に撤退していた。
その軍事的空隙を受け、ローマ帝国の傭兵としてブリテン島に進出してきたのがアングロ・サクソン諸部族であり、以降ブリテン島南部を中心にこれらの部族が入植、今日の英国に繋がる国家を形成していくことになる。
このようにローマの治世が混乱している状況下で、「紫」を纏うことが許されるような上流階級の人間、或いはキリスト教徒に連なるものという「ローマにとって都合の良い人物」が、都合良く生き残ることがあるだろうか?
そんな人物が現地戦力を糾合し、「神の恩寵」の元に外敵の侵入を打ち払うということが、果たして発生し得るのだろうか?
──理想は常に現実に優先し、時に現実をも理想に即して歪める。
キリスト教者であった聖ギルダスが、
古代ローマの偉大さを示す最後の人々に与えられる称号である、
アーキタイプ・アーサー。彼の騎士王の原型となった、という仮説から逆立された類感現象。
英霊の座に刻まれた、物語に現れるものとしてのアーサー王が有するスキルを獲得する。
具体的には、同ランクの『カリスマ』、『魔力放出』、『直感』スキルの他、劣化模造品ではあるが竜の心臓の獲得などの効果を含む複合スキルである。
更に、「騎士達の王」に相応しい在り方が霊基に焼き付けられ、無意識にそれに従った行動を取る傾向が強まる。
シールダーは、『ブリトン人の没落』に唯一名指しで登場した、五世紀のローマン・ブリテンにおける指導者である。
アーサー王が存在したとされる時代の近傍にて、アングロ・サクソンへの抵抗者として特記された数少ない「歴史上の」人物であり、故に、その行いとアーサー王が結び付けられるのは必然であった。
真偽など関係がない。魔術がそうであるように、人類による信仰が、英霊という存在を形作る。故に、彼は「知らない」はずのアーサー王の力を振るう。
そしてまた、本来はただの戦士に過ぎなかったはずの彼は、霊基に焼き付いた空想に影響され、僅かではあるが「騎士道」に相応しい振る舞いを見せる。
英霊の座に刻まれた、物語に現れるものとしてのアーサー王が有するスキルを獲得する。
具体的には、同ランクの『カリスマ』、『魔力放出』、『直感』スキルの他、劣化模造品ではあるが竜の心臓の獲得などの効果を含む複合スキルである。
更に、「騎士達の王」に相応しい在り方が霊基に焼き付けられ、無意識にそれに従った行動を取る傾向が強まる。
シールダーは、『ブリトン人の没落』に唯一名指しで登場した、五世紀のローマン・ブリテンにおける指導者である。
アーサー王が存在したとされる時代の近傍にて、アングロ・サクソンへの抵抗者として特記された数少ない「歴史上の」人物であり、故に、その行いとアーサー王が結び付けられるのは必然であった。
真偽など関係がない。魔術がそうであるように、人類による信仰が、英霊という存在を形作る。故に、彼は「知らない」はずのアーサー王の力を振るう。
そしてまた、本来はただの戦士に過ぎなかったはずの彼は、霊基に焼き付いた空想に影響され、僅かではあるが「騎士道」に相応しい振る舞いを見せる。
ランク:D+ 種別:対人宝具 レンジ:1~3 最大捕捉:1人
シールダーが防御装備として携える巨大な盾。生前のシールダーはこれに類するものを持っておらず、英霊化に伴って獲得されたものである。
ラテン語で「ブリテンの終焉」を意味する名を持つこの宝具は、その名に違わず、存在するだけでブリテンの終焉を招く。
此処で言うブリテンとは、『護国の鬼将』により確保した土地のこと。即ち、シールダーは守護すべき土地を持ちながら、その終焉と深く結び付けられている。
有り体に言ってしまえば、彼が確保した“土地”の霊脈は、それがどれだけ良質なものであったとしても、やがては嘗てのブリテンの如く枯れ果て、一帯を神秘なき世界へと変えてしまう。
一見これだけでは、デメリットでしかないものに見えるが……。
シールダーが防御装備として携える巨大な盾。生前のシールダーはこれに類するものを持っておらず、英霊化に伴って獲得されたものである。
ラテン語で「ブリテンの終焉」を意味する名を持つこの宝具は、その名に違わず、存在するだけでブリテンの終焉を招く。
此処で言うブリテンとは、『護国の鬼将』により確保した土地のこと。即ち、シールダーは守護すべき土地を持ちながら、その終焉と深く結び付けられている。
有り体に言ってしまえば、彼が確保した“土地”の霊脈は、それがどれだけ良質なものであったとしても、やがては嘗てのブリテンの如く枯れ果て、一帯を神秘なき世界へと変えてしまう。
一見これだけでは、デメリットでしかないものに見えるが……。
巨大かつ重厚なこの盾は、鈍器としても十分に機能し得る。
模造された竜の心臓と共に『魔力放出』を利用しつつ、加速度をつけて振るわれるこの鉄塊が命中すれば、それなりのダメージにはなるだろう。
模造された竜の心臓と共に『魔力放出』を利用しつつ、加速度をつけて振るわれるこの鉄塊が命中すれば、それなりのダメージにはなるだろう。
五世紀のブリトン人戦士の間で一般的に用いられた、何の変哲もない鉄剣。
騎士王の象徴たる約束された勝利の剣 には程遠い、飾り気もなくろくな神秘も宿さない、無銘の武器。
しかし、当時のブリトンの鍛冶が手を尽くして仕上げた、最高等の逸品であり、武装としての働きは十分に見込める。
シールダーが積極的に攻撃を仕掛ける際には、盾と共にこちらを利用することもある。
騎士王の象徴たる
しかし、当時のブリトンの鍛冶が手を尽くして仕上げた、最高等の逸品であり、武装としての働きは十分に見込める。
シールダーが積極的に攻撃を仕掛ける際には、盾と共にこちらを利用することもある。
アンブロシウス・アウレリアヌス。その名は主に、アーサー王に纏わる伝説の中で語られる。
即ち、『ブリトン人の歴史』第40章から42章ではヴォーティガンと敵対していることが示され、『ブリタニア列王史』ではコンスタンティン王の息子であるとされた。
その他、ウェールズの伝承などに同一人物とみなされる者が登場するなどし、その多くは、後にマーリンに引き継がれる「魔術師」、或いはウーサー・ペンドラゴンのような「アーサー王の祖先」という要素を伴っている。
これらに登場する「アンブロシウス・アウレリアヌス」の原典になったとされるのが、6世紀のブリテンの聖職者・聖ギルダスの著した『ブリトン人の没落』である。
ローマによるブリテン島入植の歴史と、その後に連なる当時のブリテンが置かれた状況への嘆き。
キリスト教的視点から描かれた「繁栄の終わり」は、ブリタンニアを治める諸王の腐敗と、教化を受けず、或いはその教えを守らない者による悪徳を論った。
一方で、そういった腐敗の現状に至るまでに発生した、5世紀から6世紀にかけてのアングロ・サクソン人の侵入も同著では描かれているのだが、これらの侵入を阻止した者として挙げられているのが、「アンブロシウス・アウレリアヌス」である。
彼は「謙虚」であり、ブリタンニア州にいるローマ市民中唯一生き残ったとされる男であった。
殺害された彼の両親は紫を身に纏っていたとされるが、紫の衣服はローマ帝国の中でも高位に位置する人々が纏うものであり、彼の血統について、その名と共にローマ由縁の者であることを暗示している。
そして、この霊基で現れるアンブロシウスは、前述した『ブリトン人の没落』のみを典拠とする、純然たる『人』の英霊である。
本来、英霊というものは、後世の信仰により幾らでも姿を変える。『無辜の怪物』然り、『可能性の光』然り、本来の実像とは無関係であったとしても、人々の想いが物語を結びつける。
故にこそ、「アンブロシウス・アウレリアヌス」を英霊として召喚するならば、その在り方は、アーサー王伝説に刻まれた「アンブロシウス・アウレリアヌス」と同質のものでなければならない。
このような、物語による変質を全く受けていない霊基など、在り得るものではない。嘗て何処かの平行世界の月で、ある偉大な王が二つの霊基に分かたれたような事例は、それこそ例外である。
……つまり、彼はその「例外」に該当している。
若き日のアンブロシウスは、ローマ化したブリトン人の一人であった。ローマの支配を受けてこそいたものの、彼は比較的裕福な支配階級の家に生まれ育った。
しかし、ローマ軍団がブリタンニアから撤退したことで、現地住民の多くが、嘗てのブリトン人がそうしていたような部族社会に回帰し、彼やその家族もそれに従った。
現地に敷かれた支配機構は徐々に実効性を失い、軍に取り残されたローマ人も多く居たものの、彼らも彼らの生活をそれまで通りに送っていた。
嘗ての支配者と、被支配者。そんな関係でこそあったが、それでも、致命的な破綻を迎えることはなく、奇妙な共同生活を送ることができていた。
考えてみれば、それは、彼の人生の中でも、比較的幸せな時代だったのかもしれない。
兆しは、ほんの十数年の間に現れ始めた。
それまで通りに親ローマを掲げていた者は、独自の王国を形成しローマからの独立を目指す人々と対立した。
従来のカトリック教会と、土着化したことで異端視されたキリスト教一派であるペラギウス主義の信者との間にある信条の違いは、やがて争いに発展した。
そうした混迷の中、アンブロシウスもまた、ある一つの部族に帰属し、それが立てた王国の元、戦いに身を投じた。
ローマ化した社会で生まれ育った彼にとって、二つの信仰は、それぞれに並立し得るものでしかなく、また独立に対する意識も、然程強いとは言えなかった。
しかし、それでも、家族や身近な人々を護る為に力を振るうことに対して、彼は一切躊躇わなかった。
ノーブル・オブリゲーションなどという高貴なものではなく、非常に単純で衝動的な感情。「護りたい」、という感情のままに、彼は剣を手に取った。
だが、その時は無慈悲にやってくる。
ローマ軍団離脱によりブリタンニアに発生した軍事的空隙に対し、これを傭兵を雇うことで補填しようとしたローマは、多くのアングロ・サクソン諸部族──特にサクソン人が傭兵としてブリテンに上陸することを認めた。
結果、それらは瞬く間にブリテン南部の各所に定着し、次第に雇用主であるローマの制御下を離れ、各都市での略奪を開始した。
ブリトンが作り上げた王国は侵された。ローマが築いた都市は破壊された。彼の家族は死し、友は殺され、民は囚われ、やがて彼は数少ない生き残りとなった。
残されたものは悲惨であった。あるものは捕虜として連れ去られた上で殺され、あるものは奴隷として服従した。またあるものは、一縷の望みをかけて故郷を離れ海を渡った。
その何れでもなく、故国に留まることが出来たものは、いつ訪れるともしれぬ危険に怯えながら、隠れ潜んだ。
アンブロシウス・アウレリアヌスは、斯くして歴史に現れた。
ブリトン人もローマ人もなく、隠れ潜むしかなかった人々を糾合し、それらを束ねて戦士と為し、サクソン人の略奪に抵抗した。
父母を失った悲しみもあった。友を失った嘆きもあった。民を失った苦しみもあった。それらは全て、彼の衝動を後押しした。
護れ。苦しみを増やさぬように。
護れ。嘆きを増やさぬように。
護れ。悲しみを増やさぬように。
──護れ。これ以上、失わぬように。
幾度もの戦いを繰り返し、戦い抜き、そしてブリトン人は、世にいうベイドン山の戦いに勝利して、サクソン人をブリテンから駆逐した。
後の世、再び彼らはブリテンの地を踏み、そしてその地に彼ら自身の国を作り上げていくことになるが、それまでの数十年間、確かにブリテンからは、外敵がいなくなったのだ。
しかし、それを喜ぶ人々の間に、アンブロシウスの姿はなかった。
聖ギルダスの時代に子孫がいることから、子を残したことは間違いがない。しかし、その仔細は語られることなく、彼は歴史からはたと姿を消してしまった。
最後まで戦い抜いたのか、それとも道半ばで息絶えたのか。混濁してしまった彼の記憶の奥底にのみ、真相は残されている。
その後、聖ギルダスなどによって彼の存在は伝承されたが、その在り方は、ローマにとって、キリスト教にとって都合の良いものに改変された。
ローマ衰退の時代を嘆く聖ギルダスが「理想であったローマ」を語る為の偶像とされ、結果として、その出生のみならず、家族のことさえも歪められた。
同じ行いを為しながらも実像と乖離した幻想が拡散し、それはやがて、他の幻想と結合した物語へと変化した。
戦士であり、戦士達を率いた将に過ぎなかったはずのアンブロシウス・アウレリアヌスは、やがて、妖精の力を宿す魔術師にして、偉大な王として書き換えられた。
サクソン人との戦いに残されていたはずの彼の影は次第に薄れ、その後には、彼ではない彼が──「アーサー王」が現れた。
最早其処に、本来の姿はない。アーサー王にまつわる無数の物語に組み込まれ、確かにいたはずのアンブロシウスという戦士の姿は、掻き消えてしまった。
故にこそ、彼は有り得ない例外である。
これらの変質の影響を完全に絶つことこそできてはいない。聖ギルダスによる改変を受け、「古代ローマによる黄金期の終焉」として偶像化された彼は、終わりと結び付けられた存在になってしまった。
しかし、彼は確かに、「戦士アンブロシウス」である。「アーサー王」でも、アーサー王の祖たる「アンブロシウス・アウレリアヌス王」でもなく、ただの戦士である。
このような霊基が成立した理由は何故か、その問いに答えるものは、少なくとも今はいない。それでも、彼が彼としてある以上、為すべきことは一つである。
「護れ。己を呼んだ誰かを、助けを求める誰かを、護りたいと思えるものを、己の意志のままに護れ」
即ち、『ブリトン人の歴史』第40章から42章ではヴォーティガンと敵対していることが示され、『ブリタニア列王史』ではコンスタンティン王の息子であるとされた。
その他、ウェールズの伝承などに同一人物とみなされる者が登場するなどし、その多くは、後にマーリンに引き継がれる「魔術師」、或いはウーサー・ペンドラゴンのような「アーサー王の祖先」という要素を伴っている。
これらに登場する「アンブロシウス・アウレリアヌス」の原典になったとされるのが、6世紀のブリテンの聖職者・聖ギルダスの著した『ブリトン人の没落』である。
ローマによるブリテン島入植の歴史と、その後に連なる当時のブリテンが置かれた状況への嘆き。
キリスト教的視点から描かれた「繁栄の終わり」は、ブリタンニアを治める諸王の腐敗と、教化を受けず、或いはその教えを守らない者による悪徳を論った。
一方で、そういった腐敗の現状に至るまでに発生した、5世紀から6世紀にかけてのアングロ・サクソン人の侵入も同著では描かれているのだが、これらの侵入を阻止した者として挙げられているのが、「アンブロシウス・アウレリアヌス」である。
彼は「謙虚」であり、ブリタンニア州にいるローマ市民中唯一生き残ったとされる男であった。
殺害された彼の両親は紫を身に纏っていたとされるが、紫の衣服はローマ帝国の中でも高位に位置する人々が纏うものであり、彼の血統について、その名と共にローマ由縁の者であることを暗示している。
そして、この霊基で現れるアンブロシウスは、前述した『ブリトン人の没落』のみを典拠とする、純然たる『人』の英霊である。
本来、英霊というものは、後世の信仰により幾らでも姿を変える。『無辜の怪物』然り、『可能性の光』然り、本来の実像とは無関係であったとしても、人々の想いが物語を結びつける。
故にこそ、「アンブロシウス・アウレリアヌス」を英霊として召喚するならば、その在り方は、アーサー王伝説に刻まれた「アンブロシウス・アウレリアヌス」と同質のものでなければならない。
このような、物語による変質を全く受けていない霊基など、在り得るものではない。嘗て何処かの平行世界の月で、ある偉大な王が二つの霊基に分かたれたような事例は、それこそ例外である。
……つまり、彼はその「例外」に該当している。
若き日のアンブロシウスは、ローマ化したブリトン人の一人であった。ローマの支配を受けてこそいたものの、彼は比較的裕福な支配階級の家に生まれ育った。
しかし、ローマ軍団がブリタンニアから撤退したことで、現地住民の多くが、嘗てのブリトン人がそうしていたような部族社会に回帰し、彼やその家族もそれに従った。
現地に敷かれた支配機構は徐々に実効性を失い、軍に取り残されたローマ人も多く居たものの、彼らも彼らの生活をそれまで通りに送っていた。
嘗ての支配者と、被支配者。そんな関係でこそあったが、それでも、致命的な破綻を迎えることはなく、奇妙な共同生活を送ることができていた。
考えてみれば、それは、彼の人生の中でも、比較的幸せな時代だったのかもしれない。
兆しは、ほんの十数年の間に現れ始めた。
それまで通りに親ローマを掲げていた者は、独自の王国を形成しローマからの独立を目指す人々と対立した。
従来のカトリック教会と、土着化したことで異端視されたキリスト教一派であるペラギウス主義の信者との間にある信条の違いは、やがて争いに発展した。
そうした混迷の中、アンブロシウスもまた、ある一つの部族に帰属し、それが立てた王国の元、戦いに身を投じた。
ローマ化した社会で生まれ育った彼にとって、二つの信仰は、それぞれに並立し得るものでしかなく、また独立に対する意識も、然程強いとは言えなかった。
しかし、それでも、家族や身近な人々を護る為に力を振るうことに対して、彼は一切躊躇わなかった。
ノーブル・オブリゲーションなどという高貴なものではなく、非常に単純で衝動的な感情。「護りたい」、という感情のままに、彼は剣を手に取った。
だが、その時は無慈悲にやってくる。
ローマ軍団離脱によりブリタンニアに発生した軍事的空隙に対し、これを傭兵を雇うことで補填しようとしたローマは、多くのアングロ・サクソン諸部族──特にサクソン人が傭兵としてブリテンに上陸することを認めた。
結果、それらは瞬く間にブリテン南部の各所に定着し、次第に雇用主であるローマの制御下を離れ、各都市での略奪を開始した。
ブリトンが作り上げた王国は侵された。ローマが築いた都市は破壊された。彼の家族は死し、友は殺され、民は囚われ、やがて彼は数少ない生き残りとなった。
残されたものは悲惨であった。あるものは捕虜として連れ去られた上で殺され、あるものは奴隷として服従した。またあるものは、一縷の望みをかけて故郷を離れ海を渡った。
その何れでもなく、故国に留まることが出来たものは、いつ訪れるともしれぬ危険に怯えながら、隠れ潜んだ。
アンブロシウス・アウレリアヌスは、斯くして歴史に現れた。
ブリトン人もローマ人もなく、隠れ潜むしかなかった人々を糾合し、それらを束ねて戦士と為し、サクソン人の略奪に抵抗した。
父母を失った悲しみもあった。友を失った嘆きもあった。民を失った苦しみもあった。それらは全て、彼の衝動を後押しした。
護れ。苦しみを増やさぬように。
護れ。嘆きを増やさぬように。
護れ。悲しみを増やさぬように。
──護れ。これ以上、失わぬように。
幾度もの戦いを繰り返し、戦い抜き、そしてブリトン人は、世にいうベイドン山の戦いに勝利して、サクソン人をブリテンから駆逐した。
後の世、再び彼らはブリテンの地を踏み、そしてその地に彼ら自身の国を作り上げていくことになるが、それまでの数十年間、確かにブリテンからは、外敵がいなくなったのだ。
しかし、それを喜ぶ人々の間に、アンブロシウスの姿はなかった。
聖ギルダスの時代に子孫がいることから、子を残したことは間違いがない。しかし、その仔細は語られることなく、彼は歴史からはたと姿を消してしまった。
最後まで戦い抜いたのか、それとも道半ばで息絶えたのか。混濁してしまった彼の記憶の奥底にのみ、真相は残されている。
その後、聖ギルダスなどによって彼の存在は伝承されたが、その在り方は、ローマにとって、キリスト教にとって都合の良いものに改変された。
ローマ衰退の時代を嘆く聖ギルダスが「理想であったローマ」を語る為の偶像とされ、結果として、その出生のみならず、家族のことさえも歪められた。
同じ行いを為しながらも実像と乖離した幻想が拡散し、それはやがて、他の幻想と結合した物語へと変化した。
戦士であり、戦士達を率いた将に過ぎなかったはずのアンブロシウス・アウレリアヌスは、やがて、妖精の力を宿す魔術師にして、偉大な王として書き換えられた。
サクソン人との戦いに残されていたはずの彼の影は次第に薄れ、その後には、彼ではない彼が──「アーサー王」が現れた。
最早其処に、本来の姿はない。アーサー王にまつわる無数の物語に組み込まれ、確かにいたはずのアンブロシウスという戦士の姿は、掻き消えてしまった。
故にこそ、彼は有り得ない例外である。
これらの変質の影響を完全に絶つことこそできてはいない。聖ギルダスによる改変を受け、「古代ローマによる黄金期の終焉」として偶像化された彼は、終わりと結び付けられた存在になってしまった。
しかし、彼は確かに、「戦士アンブロシウス」である。「アーサー王」でも、アーサー王の祖たる「アンブロシウス・アウレリアヌス王」でもなく、ただの戦士である。
このような霊基が成立した理由は何故か、その問いに答えるものは、少なくとも今はいない。それでも、彼が彼としてある以上、為すべきことは一つである。
「護れ。己を呼んだ誰かを、助けを求める誰かを、護りたいと思えるものを、己の意志のままに護れ」
粗にして野なれど卑ならず。謹厳実直、温良恭倹。
支配階級という生まれの良さを感じさせぬ荒っぽさの中に、他者に配慮しこれを敬い、自身を誇らず、しかし決して揺るがぬ芯に貫かれた、真っ直ぐで高貴なまでの輝きを持つ。
アーサー王のイメージが霊基に焼き付いた為か、生前人々を率いた将としての性質も更に昇華され、時に「王」として堂々たる振る舞いを見せることもある。
しかし、騎士らしい騎士としての在り方も刻まれた為か、女性、ことに貞淑な気質を持った淑女などに出会うと、生前考えたこともないような丁寧な振る舞いを無意識にしてしまうことがあり、それには自分でも辟易している。
また、彼は将でもあったが、その本質は「護る」ことに生命をかけられる戦士であり、いざ戦場へと出れば、ブリトンの戦士として果敢に戦うであろう。
支配階級の生まれであり、どちらかといえば人を支配する為の教育を受けてきていたはずだが、そういった側面はあまり見受けられない。
アーサー王の影響と、そして聖ギルダスによる改変の影響を受けてなお、表面に出ている粗野な部分は変化していないから、これは彼の生まれ持った強い性質なのだろう。
実際、混濁した記憶の中でも、戦友と訓練で汗を流し、夕餉に焼いた獣の肉をまずいエールで流し込む……といった風景は、比較的鮮明に思い出せるという。
支配階級であった時間よりも戦士であった時間の方が長い、という単純な理由もあろうが、『無辜の怪物』すらも跳ね除けるほど、戦士としての在り方が強いのだと推測される。
一方で、表立った言動こそ粗野であるが、本質的に他者に向ける感情は豊かであり、且つそれらの多くは温かい。故に、彼が発する言葉と行動には、常に彼なりの思いやりが込められている。
また、たった一人の戦士にできることの限界を知っており、それ故に、自分以外の誰かという存在へ常に敬意を払う。自分にできることも完全に把握しており、だからこそ、誰かにそれを誇ることはない。
こうした性質を生み出し、統合する「柱」になっているのは、彼が幼き日より過ごした、彼という人物の生きた時間そのものである。
支配者らしからぬ生まれ持った性質を両親に認められ、友との関わりはその根幹に様々な感情を染み込ませ、人間という生き物としての世界の道理を民に学んだ。
恵まれた環境に育ち、彼自身が歪まなかったことが、今なお彼を支える糧となっている。
そして、彼が戦場に立った時、「護る」ものとして戦い続けるのは、ひとえに、己を貫く「柱」となったものを失いたくない、という思いによる。
いつまでも生命を続かせたい、などとは思っていないが、それでも、争いなどという形で終わることを彼は望まなかった。
親しいものが死に絶えた今、彼らを記憶するのは、最早己しかなく。ならば、死ぬ訳にはいかなかった。嘗て間違いなくそこにあった、取り戻せないかけがえのない時間──思い出を、己の死によって失うことを恐れた。
だから、護る。これ以上取り戻せないものが増えるのは、自分が自分であることの証明を失うのは、彼にとって半身を裂かれるが如き苦痛である。それに比せば、戦うことを、護ることを恐れる必要などはない。
──ブリテンの為にその生を捧げた騎士王とは、絶対的に異なるのが、この「戦う理由」であろう。其処に如何なる王としての責務もなく、ただ一人の戦士としての誓いだけが、彼を支えている。
この思いは、『無辜の怪物』によって記憶が曖昧然としてしまった英霊化後に更に顕著になり、マスターに対しては、彼を彼として留める為の「記憶の楔」としての役割を求めてくる。
イメージカラー:鈍く輝く鉄
特技:早食い、飲み比べ、思い出語り
好きなもの:粗雑な出来のエール、焼いただけの獣の肉、故国
嫌いなもの:ニンジンのような根菜、ワイン、傭兵
天敵:略奪、異邦人、淑女
願い:“私 ”を“オレ”に戻したい。思い出を取り戻したい。
【一人称】私 【二人称】お前、呼び捨て、名前+適切な女性向けの敬称(対女性限定) 【三人称】奴、アレ、呼び捨て、ご婦人(対女性限定)など
支配階級という生まれの良さを感じさせぬ荒っぽさの中に、他者に配慮しこれを敬い、自身を誇らず、しかし決して揺るがぬ芯に貫かれた、真っ直ぐで高貴なまでの輝きを持つ。
アーサー王のイメージが霊基に焼き付いた為か、生前人々を率いた将としての性質も更に昇華され、時に「王」として堂々たる振る舞いを見せることもある。
しかし、騎士らしい騎士としての在り方も刻まれた為か、女性、ことに貞淑な気質を持った淑女などに出会うと、生前考えたこともないような丁寧な振る舞いを無意識にしてしまうことがあり、それには自分でも辟易している。
また、彼は将でもあったが、その本質は「護る」ことに生命をかけられる戦士であり、いざ戦場へと出れば、ブリトンの戦士として果敢に戦うであろう。
支配階級の生まれであり、どちらかといえば人を支配する為の教育を受けてきていたはずだが、そういった側面はあまり見受けられない。
アーサー王の影響と、そして聖ギルダスによる改変の影響を受けてなお、表面に出ている粗野な部分は変化していないから、これは彼の生まれ持った強い性質なのだろう。
実際、混濁した記憶の中でも、戦友と訓練で汗を流し、夕餉に焼いた獣の肉をまずいエールで流し込む……といった風景は、比較的鮮明に思い出せるという。
支配階級であった時間よりも戦士であった時間の方が長い、という単純な理由もあろうが、『無辜の怪物』すらも跳ね除けるほど、戦士としての在り方が強いのだと推測される。
一方で、表立った言動こそ粗野であるが、本質的に他者に向ける感情は豊かであり、且つそれらの多くは温かい。故に、彼が発する言葉と行動には、常に彼なりの思いやりが込められている。
また、たった一人の戦士にできることの限界を知っており、それ故に、自分以外の誰かという存在へ常に敬意を払う。自分にできることも完全に把握しており、だからこそ、誰かにそれを誇ることはない。
こうした性質を生み出し、統合する「柱」になっているのは、彼が幼き日より過ごした、彼という人物の生きた時間そのものである。
支配者らしからぬ生まれ持った性質を両親に認められ、友との関わりはその根幹に様々な感情を染み込ませ、人間という生き物としての世界の道理を民に学んだ。
恵まれた環境に育ち、彼自身が歪まなかったことが、今なお彼を支える糧となっている。
そして、彼が戦場に立った時、「護る」ものとして戦い続けるのは、ひとえに、己を貫く「柱」となったものを失いたくない、という思いによる。
いつまでも生命を続かせたい、などとは思っていないが、それでも、争いなどという形で終わることを彼は望まなかった。
親しいものが死に絶えた今、彼らを記憶するのは、最早己しかなく。ならば、死ぬ訳にはいかなかった。嘗て間違いなくそこにあった、取り戻せないかけがえのない時間──思い出を、己の死によって失うことを恐れた。
だから、護る。これ以上取り戻せないものが増えるのは、自分が自分であることの証明を失うのは、彼にとって半身を裂かれるが如き苦痛である。それに比せば、戦うことを、護ることを恐れる必要などはない。
──ブリテンの為にその生を捧げた騎士王とは、絶対的に異なるのが、この「戦う理由」であろう。其処に如何なる王としての責務もなく、ただ一人の戦士としての誓いだけが、彼を支えている。
この思いは、『無辜の怪物』によって記憶が曖昧然としてしまった英霊化後に更に顕著になり、マスターに対しては、彼を彼として留める為の「記憶の楔」としての役割を求めてくる。
イメージカラー:鈍く輝く鉄
特技:早食い、飲み比べ、思い出語り
好きなもの:粗雑な出来のエール、焼いただけの獣の肉、故国
嫌いなもの:ニンジンのような根菜、ワイン、傭兵
天敵:略奪、異邦人、淑女
願い:“
【一人称】
- アーサー・ペンドラゴン〔プロト〕(原作):驚きと感嘆
彼との類似性により自分に生じた問題などのことはひとまず横に置いておき、
人を率いるものとしては間違いなく己より優れている為、二人で並び立つことがあれば、彼の指揮下で戦うこともやぶさかではない。
ところでそのエクスカリバーとかロンゴミニアドとか何だそれ。アヴァロン? えっ剣の鞘なのに
- アルトリア・ペンドラゴン(原作):困惑
実はプロトアーサーは別世界の人間で直接関係がなく、自分の属する世界ではアーサー王は女性ということになっているらしい。え?
此方に対しては驚きというか困惑が勝り、どう接したものか決めかねている。一先ず彼女に影響されて女性化していなくて一安心というところ。
ともあれ、プロトアーサー同様、アルトリアに対しても、己から生じた可能性を持つとは思えないほどの清廉さを見出し、感嘆していることには変わりない。
- 円卓の騎士(原作・泥):驚き
この為、彼らを擁していたアーサー王、そして彼自身にも驚きを隠せないでいる。万が一出会ったら、一先ず強き戦士として相応の対応をするだろう。
……ところでこっちのご婦人方は一体誰だ? え? 彼女らも円卓の騎士? 女性が? え?
- キング・アーサー:更なる驚き
「物語」からも更に乖離し、純然たる「アーサー王という概念」が実体化したもの。魔術というものにはあまり縁がなかった彼にとっては、理解し難い存在であろう。
そして、その驚きの後に来るのは、自身が後世に残したかもしれない彼らに対する、微かな親愛の情。
己と同じく、アーサー王という存在の源になったかもしれない、異世界の戦士。
彼の生きた世界が剪定により消滅した後も、抑止の元戦い続けるその在り方に、戦士としての敬意を払う。
自分と同じく、王というよりは戦士に性質が近いところには、若干の親近感も覚えていたりする。
タグ
コメントをかく