一般ルナティクス優勝シリーズ
最終更新：ID:p9w0p4b+Mw 2021年11月11日(木) 22:39:21履歴
自分の事をシン・デミウルゴスだと信じてやまない一般ルナティクスが料理で優勝するシリーズ
カルボナーラ編
台湾まぜそば編
油淋鶏編
豚汁(ぶたじる？とんじる？そんな違いは些細なものでしかない。だが、些細なすれ違いこそが人類の歴史を争いの歴史にしてきたと言えｒ)
寒い。寒い！ 寒すぎる！！！１！１！
寒すぎてサムライになりそうだな。ハハハハ！
摩訶鉢特摩地獄も斯くやというこの寒さ、諸君らは如何にお過ごしだろうか？
「暖房が恋しい生活過ぎます……」
そうであろうそうであろう哉子よ。
だが？ そんな寒さを吹き飛ばす料理がある。そう、汁物だ。
暖かく肉と野菜を煮込んだ汁は、栄養素と満足感を兼ね備えた究極の料理と言えるだろう。
と言うわけで今回は豚汁で優勝してゆきたいと思う！
「というか、私…霧六岡さんのお家に居候し続けていますが大丈夫なのでしょうか？」
あー？ 気にするな！ 俺の家は無駄に広いからなぁ！
それでも男と１つ屋根の下は不安か？ 俺に童女趣味は無いから安心しろ！
だがしかし、不安が残るというのならちゃんどらや両石の家に行くがいい！
「えー……っと、すいません遠慮します」
ム、そうか。では調理を始めるとしようか。
まずは材料の仕込みだ。玉ねぎは5mm幅、豆腐は1cm四方に一刀両断！
御苑の夜を征く辻斬りの刃のように鋭く、そう鋭く切り刻むのだ……！
「……すいません、玉ねぎ…多くないですか？ 4個ぐらい切ってません？」
ン？ ああこれか。これで正しいのだ。まぁみていろ。
仕込みが終われば大き目の鍋に水250mlに酒、みりん、顆粒だしを投入する。
調味料の量は完全に感覚だ。多分大匙1杯ずつぐらいで良いだろう。多分な。
「……？ これ鍋の量に対して異様に少なくないですか？ 水が……。
それに2人前にしては……水の量が……」
良い着眼点だ哉子よ。このレシピはな、モザイク市「新潟」の大人気豚汁専門店に着想を得ている。
水を敢えて少なめにし、玉ねぎから出る煮汁を以てして補う。これにより濃厚な豚汁を生み出すことが可能となる、と言うわけだァ！
さぁいい具合に水が沸々と煮立ってきたぞ？ そこに白みそを60gほど投入。溶けたらさぁ豚汁のメインたる豚肉の投入だ！
今回は豚バラ肉を使ったが豚しゃぶ用の肉を使うなど、ここで差別化を試みるのも一興かもしれん。
更に煮立ったところで！ 仕込みを終えた玉ねぎと豆腐を投入する！！
これで材料の投入は終了だ……。蓋をして15分ほど煮込む。
「凄い……。玉ねぎと豆腐でお肉が見えなく……。
あ、私の家では他にもゴボウとか大根とかいれていたんですけど、
このレシピだと材料はこれだけなんです？」
まぁ俺も豚汁に大根は欲しいと考えたが、今日は敢えてな。
欲しいならば最初の水を少し少なめにするか玉ねぎを少なめにし、先の材料フル投入に大根を混ぜる形となるだろう。
さて、煮込むまで時間がかかるから雑談でもしようか。哉子よ貴様は映画は好きか？
「え？ ま、まぁそこそこ見ます……。
それがどうかしましたか？」
俺はバック・トゥ・ザ・フューチャーが好きでな。1985年に公開された映画だ。
正確にはその4年後に公開された�供帖帖�その�兇砲�いて描写された未来の光景が好きだった！
3Dで映し出される映画のCM！ 空中浮遊するホバーボード！ サイズを自動調整する靴や服！
2015年という、当時から30年後の未来を描いたシーンは素晴らしかった……。
「は、はぁ。そういえば2015年って今から10年前ですね」
そうだ。今から見れば過去の描写だ。
当時は2000年となれば、車は空を飛び人は透明パイプの通路を通っている物とばかり思っていた。
だが今はどうだ？ 「車もしばらく空を走る予定もなさそうさ」と……。最近のJ-POPで歌われる現状だ……。
「………………なんて歌です？」
え
「え？」
…………そうか…、知らんか……。そう……、か………。なら、良い。
いや良くない！ 俺が言いたいのは、人類の進歩は思った以上に進みが遅いという事だ。
俺は人間が好きだ。愛している。だからこそ魔王として立ち、人類の発展を促すべく日々動いている！
「それは、まぁ、知っています」
例え行きつく果てが破滅であろうと俺は構わぬ。俺は今が見たいのだ！
待ち受けるが破滅だというのならば緩やかな衰退など許さぬ、派手に散って燃え尽きろ！ 骨の髄まで焦がし、一瞬の輝きと成れ！
それこそが俺の美学、俺の目標だ！！ 俺の願いだ！ ────とな。まぁ俺と１つ屋根の下で暮らしているお前なら、分かると思う。
「理解はできませんが……、でも、霧六岡さんがそう言う人だというのは、知ってます」
正直で良い。────で、だ。
何故こんな話をしたかと言うと、これは俺が料理を好む理由でもあるからだ。
「？」
料理は良い。人間の試行錯誤が詰まっている。研鑽と栄光が煮詰められている。
この鍋の中で煮えたぎる豚肉と玉ねぎと豆腐のようにな。比喩ではないぞ？ この豚汁を見るがいい。
"豚汁"というメジャーな料理、既に百万の料理人が既に作り上げ続け完成させたレシピに、「水を少なくし玉ねぎの煮汁を水として使う」という工夫がなされている。
そう。料理とは常に進化し続けているのだ！ 停滞はない！ 技術の進歩は確かに緩やかになる！ だがレシピはそうはいかない！
レシピは、調理法は、日々歩みを止めずに発展を続ける！ 何故か！？ それは人が美食を追求する故に他ならない！！
料理とは！！ それぞれ食に携わる人間らの中で、日々綿々と続く進化の証なのだ！！
「な…………、なるほど……！！」
さて15分。煮えたぞ？ かき混ぜて完成だ。
みろこの濃厚な白みそのスープ。そして中に浮かぶ煮え立った豚肉を！
白く立つ湯気がまた食欲をそそるだろう。
「本当においしそうです……。……あれ、おかずは」
ん？ これだけだが？ この豚汁は豚汁だけでおかずとなり得る。
食ってみればわかる。啜れば分かる！ その汁に滲む濃厚な豚の旨味に！
「で、では……。……ッ！ 美味しい……。
凄いスープが……甘い…？ おいしさの後ろに甘さがあります！」
そうであろうそうであろう！！ 玉ねぎの煮汁が旨味を引き出している！
さながら項羽と虞美人の如く、互いが互いの強さをを引き立てているのだ！
「……項羽さんって中国の武人でしたよね？
その人が強いのは分かりますが、虞美人？」
ああ中国のほうで少し出会った仙人がな、虞美人も強かったと話していたのを聞いただけよ。
まぁそんなことどうでもいい。さて食卓につこう。一応汁物だけでは寂しいから、たくあんと納豆も用意しておいた。
「わ、ありがとうございます！」
では、この世の全てに感謝を込め、いただくとしようか。
卵料理と「初心忘るべからず」
豚バラ炒飯と"異端"について
カルボナーラ編 
今宵の満月は澄んでいるように美しい。
静寂の水面によく映える。きっと狂人たちも集い、騒ぐ夜であろう……。
そうは思わんか？ 哉子よ。
「あまり分かりません……。静かな夜だと騒ぐのですか？」
そうではない。水面に月が映ることが重要だが、そんなことはどうでもいい事だ。
重要なのは、狂人たちが騒ぎ出す夜という事。という事で今夜はカルボナーラで優勝していくことにしようか。
「それが言いたかっただけですよね？」
用意する材料は生パスタ250g換算で行く。卵３つとベーコンそこそこ。にんにく一片。
あとはオリーブオイルと黒胡椒と粉チーズだけで良い。それらの文量は適当でいい。
「あれ？ 作るのはカルボナーラでしたよね？ 生クリームとかは…」
戯けぇ！ 本場のカルボナーラでは生クリームも牛乳も使わない。
卵とチーズ。これだけで勝負をするからこそ逃げ場のない深いこくを味わうことが出来るのだ。
さて、まずは調理を始めるとしようか。
「はぁ、はい」
まずはベーコンを炒める。フライパンにオリーブオイルを敷いて温める。
油が十分に温まったあたりで、薄く刻んだにんにく１片をフライパンの中に欣求浄土(しゃんぐりら)する。
「気軽に狂月咒を最大開放しないでください」
ハイ注目。ここM.P.（ムロオカ・ポインツ）。
オリーブオイルにはにんにくの風味、香りを移す気概で炒める事。
まんべんなく、されど迅速に。オリーブオイルににんにくの意思を受け継がせるのだ。
受け継がれる意志。パスタのうねり。人の飯。それらは止めることが出来ないもの────。
「油はね始めてますけど」
おっと危ない。ここでにんにくを取り除き、細かく刻んだベーコンを欣求浄土(しゃんぐりら)する。
「また気軽に最大開放……あれ？ にんにくは取り除くんですか？」
あくまでにんにくは香りづけ。風味を豊かにするだけのものだ。
主役にはしない。こいつらが主役になる時はペペロンチーノを作る場合のみだ。
だが今宵の主役は卵とチーズ。そしてベーコンのカルボナーラ。オリーブオイルを触媒として、
ベーコンににんにくの意思を受け継がせるのだ……。
「その言い回し気に入ったんですか？」
焦げ目がついた辺りで一休み……。
パスタを茹でるタイミングに入る。湯は沸かしたな？
「はい。鍋いっぱいに水を入れて沸かしておきました」
偉いぞ。パスタを多めにやろう
「食べきれないのでいいです。それにしてもこんなにいっぱいの水が必要なんですか？」
パスタが完全に水に沈んで尚も水面が上にある程度を参考に沸かすのだ。
多ければ多いほどいい。そしてパスタを茹でる際の塩もまた────多ければ多いほど良いのだ。
バサァ
「なそ
にん」
具体的に言うと水１Lにつき１０ｇの塩を投入する。
こうすると浸透圧の関係でパスタから水が出ない。ペペロンチーノなどの際にも応用できる豆知識だ。
覚えておくと良いぞ。ちなみにカルボナーラなら太麺、ペペロンチーノなら細麺が俺は合うと思う。
「カルボナーラはもちっとした麺が美味しいと思います」
うむ分かっているではないかと思ったところで茹で上がりだ。
ここまで来れば完成は目前だぞ。だがまずは、湯を目いっぱいに切り、
パスタを入念に冷ます工程を焦らずにやるのだ。
「冷ますんですか？」
ソースに絡める際に温まるからな。その際に卵と同時にフライパンに入れる。
もし麺が温かいままに入れたらどうなる？ ○亀製麺の釜玉うどんになるであろう？
「……ああ、確かに、そうですね」
冷ましている間にソース作りだ。と言っても基本は混ぜるだけで終わる。
卵を白身や黄身で分けずに全卵で混ぜ、其処に黒胡椒と粉チーズを混ぜる。
分量は完全に感覚だ……。なんとなく「入れ過ぎではなかろうか？」レベルがちょうどいい。
「ふむふむ」
そしてこれを、先ほどベーコンを炒めたフライパンの中に……至高天(えんぴれお)ぉ！する。
「術名変わってる…」
ここが一番気を付けるべきところだ。とろみを付けつつ固まらないようにする！
火から離し……しかし遠ざけ過ぎないように……集中、集中、全集中の呼吸をする。
「ジャ○プ漫画好きですね」
最近はアンデットアンラックが好きだ。お前も読め哉子。
閑話休題いい具合にソースが固まったので火を消して余熱でパスタを温めつつ絡める。
トロリとした卵とチーズ、黒胡椒のスパイシーさとにんにくの風味、そしてベーコンの旨味が染み渡った、
究極のカルボナーラの完成だぁ！
「……においだけでお店のカルボナーラ見たいです」
味も当然、店で出るものと同じだぞ？
まぁサイゼ○ヤをはじめとしたクリームを使ったものに比べれば風味こそ落ちる、が！
コクだけで言えばこちらの方が勝ると思うが、どうだ哉子よ？
「…………私は、ええっと、こっちの方が、好きです。水っぽくないので」
良いな。やはり貴様の狂気(かんせい)は俺に会う。
まぁ俺は……もう少し黒胡椒と粉チーズを加えてだな
「加えて？」
こいつだ！ デン！ 金麦のやつ！
これをつまみにする事で今宵の狂人の集会に備えるというわけだ。
「ああ……そういう事でしたか……」
「あんまり飲み過ぎないでくださいね？ 本当に」
まぁ考えておくよ。水面に映る月に誓ってな。
静寂の水面によく映える。きっと狂人たちも集い、騒ぐ夜であろう……。
そうは思わんか？ 哉子よ。
「あまり分かりません……。静かな夜だと騒ぐのですか？」
そうではない。水面に月が映ることが重要だが、そんなことはどうでもいい事だ。
重要なのは、狂人たちが騒ぎ出す夜という事。という事で今夜はカルボナーラで優勝していくことにしようか。
「それが言いたかっただけですよね？」
用意する材料は生パスタ250g換算で行く。卵３つとベーコンそこそこ。にんにく一片。
あとはオリーブオイルと黒胡椒と粉チーズだけで良い。それらの文量は適当でいい。
「あれ？ 作るのはカルボナーラでしたよね？ 生クリームとかは…」
戯けぇ！ 本場のカルボナーラでは生クリームも牛乳も使わない。
卵とチーズ。これだけで勝負をするからこそ逃げ場のない深いこくを味わうことが出来るのだ。
さて、まずは調理を始めるとしようか。
「はぁ、はい」
まずはベーコンを炒める。フライパンにオリーブオイルを敷いて温める。
油が十分に温まったあたりで、薄く刻んだにんにく１片をフライパンの中に欣求浄土(しゃんぐりら)する。
「気軽に狂月咒を最大開放しないでください」
ハイ注目。ここM.P.（ムロオカ・ポインツ）。
オリーブオイルにはにんにくの風味、香りを移す気概で炒める事。
まんべんなく、されど迅速に。オリーブオイルににんにくの意思を受け継がせるのだ。
受け継がれる意志。パスタのうねり。人の飯。それらは止めることが出来ないもの────。
「油はね始めてますけど」
おっと危ない。ここでにんにくを取り除き、細かく刻んだベーコンを欣求浄土(しゃんぐりら)する。
「また気軽に最大開放……あれ？ にんにくは取り除くんですか？」
あくまでにんにくは香りづけ。風味を豊かにするだけのものだ。
主役にはしない。こいつらが主役になる時はペペロンチーノを作る場合のみだ。
だが今宵の主役は卵とチーズ。そしてベーコンのカルボナーラ。オリーブオイルを触媒として、
ベーコンににんにくの意思を受け継がせるのだ……。
「その言い回し気に入ったんですか？」
焦げ目がついた辺りで一休み……。
パスタを茹でるタイミングに入る。湯は沸かしたな？
「はい。鍋いっぱいに水を入れて沸かしておきました」
偉いぞ。パスタを多めにやろう
「食べきれないのでいいです。それにしてもこんなにいっぱいの水が必要なんですか？」
パスタが完全に水に沈んで尚も水面が上にある程度を参考に沸かすのだ。
多ければ多いほどいい。そしてパスタを茹でる際の塩もまた────多ければ多いほど良いのだ。
バサァ
「なそ
にん」
具体的に言うと水１Lにつき１０ｇの塩を投入する。
こうすると浸透圧の関係でパスタから水が出ない。ペペロンチーノなどの際にも応用できる豆知識だ。
覚えておくと良いぞ。ちなみにカルボナーラなら太麺、ペペロンチーノなら細麺が俺は合うと思う。
「カルボナーラはもちっとした麺が美味しいと思います」
うむ分かっているではないかと思ったところで茹で上がりだ。
ここまで来れば完成は目前だぞ。だがまずは、湯を目いっぱいに切り、
パスタを入念に冷ます工程を焦らずにやるのだ。
「冷ますんですか？」
ソースに絡める際に温まるからな。その際に卵と同時にフライパンに入れる。
もし麺が温かいままに入れたらどうなる？ ○亀製麺の釜玉うどんになるであろう？
「……ああ、確かに、そうですね」
冷ましている間にソース作りだ。と言っても基本は混ぜるだけで終わる。
卵を白身や黄身で分けずに全卵で混ぜ、其処に黒胡椒と粉チーズを混ぜる。
分量は完全に感覚だ……。なんとなく「入れ過ぎではなかろうか？」レベルがちょうどいい。
「ふむふむ」
そしてこれを、先ほどベーコンを炒めたフライパンの中に……至高天(えんぴれお)ぉ！する。
「術名変わってる…」
ここが一番気を付けるべきところだ。とろみを付けつつ固まらないようにする！
火から離し……しかし遠ざけ過ぎないように……集中、集中、全集中の呼吸をする。
「ジャ○プ漫画好きですね」
最近はアンデットアンラックが好きだ。お前も読め哉子。
閑話休題いい具合にソースが固まったので火を消して余熱でパスタを温めつつ絡める。
トロリとした卵とチーズ、黒胡椒のスパイシーさとにんにくの風味、そしてベーコンの旨味が染み渡った、
究極のカルボナーラの完成だぁ！
「……においだけでお店のカルボナーラ見たいです」
味も当然、店で出るものと同じだぞ？
まぁサイゼ○ヤをはじめとしたクリームを使ったものに比べれば風味こそ落ちる、が！
コクだけで言えばこちらの方が勝ると思うが、どうだ哉子よ？
「…………私は、ええっと、こっちの方が、好きです。水っぽくないので」
良いな。やはり貴様の狂気(かんせい)は俺に会う。
まぁ俺は……もう少し黒胡椒と粉チーズを加えてだな
「加えて？」
こいつだ！ デン！ 金麦のやつ！
これをつまみにする事で今宵の狂人の集会に備えるというわけだ。
「ああ……そういう事でしたか……」
「あんまり飲み過ぎないでくださいね？ 本当に」
まぁ考えておくよ。水面に映る月に誓ってな。
台湾まぜそば編
男と生まれたからには、誰もが一度は夢見る『魂を打った店屋物を自宅で再現する』行為。
今日は自分の家で簡単にできる台湾まぜそばで優勝してゆきたいと思う。
「私のうちなんだけど此処」
まぁそう言うな両石。まずは具材から用意する。
長ネギは薄く輪切りに、ニラは5mm程の長さに細かく切っておく。
そして韓国のりを1cm四方に切りにんにくはガーリックプレスで潰しておく。
あと鰹節を潰して粉末状にし、「魚粉」を作っておくことも忘れないように。
「まぁ材料費が全部あんた持ちだから良いけれど……。
具材だけ先に切っておくの？ なんで？」
これらは基本的に乗っけるだけの物だからだ。
まぜそばとは麺を茹でて台湾ミンチを作成すればそれでほぼ完成と言っていい。
そこから先はスピード勝負。ゆえにこうしてあらかじめ具材を整えておくのが重要なのだ。
「ふぅーん」
そして麺を茹でる。麺は市販のもので構わないがなるべく太いものを用いるのが良かろう。
具体的に言うならばつけ麺用を謡っている極太麺を用いるのが一番いいだろう。そして麺にかかれている時間だけ茹でる。
「大体7分ちょっとぐらいよねこう言うのって」
分かっているではないか。この茹でている間に台湾ミンチを創り出す。
よく台湾まぜそばの中央に乗っている、あれだ。これが台湾まぜそばの全てと言っても過言ではないだろう。
脂は敷かずにフライパンの中に豚ひき肉を……欣求浄土(しゃんぐりら)！ してゆく……
「あんたそのフレーズ気に入ってるの？」
己の魔名を気に入らぬ魔術師がどこにいるか戯けぇ！
まぁ良い。フライパンにぶちまけた豚ひき肉の中にごま油と豆板醤を追うように欣求浄土(しゃんぐりら)。
ぐつぐつと香りが立ってきたらオイスターソース、醤油、みりんをそれぞれ大匙１ずつ加える。
更に砂糖を小さじで2杯ほどいれて、赤い部分がなくなるまで炒め続ける。
味見をして全体的に「辛すぎないかなー」という具合になったら満了だ。
「ちょうど麺も茹で上がったけどまぜそばってスープ使わないのよね
味付けとかあと茹で汁とかどうするのこれ？」
はいココM.P.(ムロオカ・ポインツ)。
先ほど台湾まぜそばの命は台湾ミンチだといったな？ あれは嘘だ。
正確には「麺とミンチの混ざり具合」こそが真に台湾まぜそばを台湾まぜそばたらしめていると言っていい！！
そのために重要なのは台湾ミンチであるがそれ以上に！ 麺の柔らかさと風味こそが重要なのだ！
「叫ぶな唾が飛び散るキッチンで騒ぐな馬鹿！！」
失礼興奮した。以前それで大失敗したものでな。
さて茹で上がったら間髪入れずに鍋から流しにスタンバらせておいた網の中に麺を投入し湯を切る！
この際に通常の麺だと基本的に小麦粉がまぶしてある結果ヌメリが出てくる。そのためこれをお湯で流しとる。
網に入れたままとにかく流し、尚且つ一定の温度……「ああこれ料理だな」って認識できるレベルの温度を維持し続ける！
「（水道代勿体ないとか考えたらここ負けなんだろうな）」
この工程により混ぜそば（自家製）でよくある「麺同士が絡まり合いいい具合に具やスープと混ざらない」というトラブルを防げるのだ。
さてひとまず温まり、かつヌメリもなくなり、程よくほぐれたこの麺に味を絡ませていく。
「味ィ？ 台湾ミンチで十分じゃないの？」
たわけが。その程度で胃袋が満足すると思うな。
というわけで取りいだしたるはレンジで1分ほどチンをしておいた器。
十分に通常のラーメンが食えるレベルの深さを用意する事をお勧めする。
「混ぜるから？」
そうだ。此処にごま油、塩、醤油、辛いものが好きならラー油を少々ずつ入れる。
入れる量は完全に感覚で制御する。こういうのは例え初心者でも己の感を研ぎ澄ませて覚えていくのだ。
「（説明めんどくさくなってるわねコイツ）」
そして
（どぼっ）
ラードを入れる。小さじ１から２は入れて良いだろう。
「ちょっと待って」
なんだ。ラードは麺の温度で溶けるから心配するな。
「そうじゃない。題材の時点で言うべきだったんだけど……。
これ型月二次創作の料理SSなんだから一応立ち位置"衛宮さんちの今日のごはん"なんだけど？
そんな立ち位置でこんなジャンクな料理作って良いと思ってるの？」
ええい姦しいわ！！ 俺の料理レシピのインプットは"鉄鍋のジャン"と"めしにしましょう"だ！！
そのようなほのぼのとした手の込んだ料理など、どこぞの土夏市の連中らに任せておけ！！
そもそも我らルナティクスに"ほのぼの"の4文字があり得ると思うか？
「何も言い返せない」
さてとりあえず出来たスープの上に麺をぶちまけて、
その上に台湾ミンチ、ネギ、ニラ、にんにく、韓国のり、魚粉、卵黄を丁寧に盛り付け…………
凄まじい勢いでその丁寧な盛り付けを台無しにせんとばかりにかき混ぜれば完成だ！
さぁ食うがいい。
「一度丁寧に盛り付けた意味は…………美味っ！！ え、脂の味が美味い！？ 何で！？」
知らんのか？ 塩分と脂が掛け合わされると美味い。
「凄いジャンクになる味！ ジャンクになっちゃう！
乳酸菌取ってるぅ？って感じになっちゃう！」
分かりにくいようでわかりやすいネタを出すほどに気に入ってくれるとは光栄の限り。
俺はこれに対して更にデン！ プレミアムな奴を加える事で晩酌の1メニューとすることが出来るのだ。
「はぁーおいしかった。でもこういうのって具材が余るわよね」
そういう時は追い飯だ！ 台湾まぜそばは追い飯を食って初めて完成すると言っても良い！！
「何回完成があるのよ……。もう食べられないんですけど」
ならば冷凍して取って置け。翌日に飯に混ぜて共に炒めチャーハンにするもよし。
卵で包み「台湾オムレツ」にするもよし。文字通りの『旨味の塊』ゆえにあらゆる料理に用いることが出来る。
つまみも、おかずも、全て自在だ。
「そう。そう考えると台湾ミンチだけでもかなり応用効きそうねこれ」
その通り。この台湾ミンチを取っておくだけで物足りない夜のプラス一品としても働く。
作って冷蔵庫に常備しておくのも悪くないので、諸君らも是非作っておくと良い。
今日は自分の家で簡単にできる台湾まぜそばで優勝してゆきたいと思う。
「私のうちなんだけど此処」
まぁそう言うな両石。まずは具材から用意する。
長ネギは薄く輪切りに、ニラは5mm程の長さに細かく切っておく。
そして韓国のりを1cm四方に切りにんにくはガーリックプレスで潰しておく。
あと鰹節を潰して粉末状にし、「魚粉」を作っておくことも忘れないように。
「まぁ材料費が全部あんた持ちだから良いけれど……。
具材だけ先に切っておくの？ なんで？」
これらは基本的に乗っけるだけの物だからだ。
まぜそばとは麺を茹でて台湾ミンチを作成すればそれでほぼ完成と言っていい。
そこから先はスピード勝負。ゆえにこうしてあらかじめ具材を整えておくのが重要なのだ。
「ふぅーん」
そして麺を茹でる。麺は市販のもので構わないがなるべく太いものを用いるのが良かろう。
具体的に言うならばつけ麺用を謡っている極太麺を用いるのが一番いいだろう。そして麺にかかれている時間だけ茹でる。
「大体7分ちょっとぐらいよねこう言うのって」
分かっているではないか。この茹でている間に台湾ミンチを創り出す。
よく台湾まぜそばの中央に乗っている、あれだ。これが台湾まぜそばの全てと言っても過言ではないだろう。
脂は敷かずにフライパンの中に豚ひき肉を……欣求浄土(しゃんぐりら)！ してゆく……
「あんたそのフレーズ気に入ってるの？」
己の魔名を気に入らぬ魔術師がどこにいるか戯けぇ！
まぁ良い。フライパンにぶちまけた豚ひき肉の中にごま油と豆板醤を追うように欣求浄土(しゃんぐりら)。
ぐつぐつと香りが立ってきたらオイスターソース、醤油、みりんをそれぞれ大匙１ずつ加える。
更に砂糖を小さじで2杯ほどいれて、赤い部分がなくなるまで炒め続ける。
味見をして全体的に「辛すぎないかなー」という具合になったら満了だ。
「ちょうど麺も茹で上がったけどまぜそばってスープ使わないのよね
味付けとかあと茹で汁とかどうするのこれ？」
はいココM.P.(ムロオカ・ポインツ)。
先ほど台湾まぜそばの命は台湾ミンチだといったな？ あれは嘘だ。
正確には「麺とミンチの混ざり具合」こそが真に台湾まぜそばを台湾まぜそばたらしめていると言っていい！！
そのために重要なのは台湾ミンチであるがそれ以上に！ 麺の柔らかさと風味こそが重要なのだ！
「叫ぶな唾が飛び散るキッチンで騒ぐな馬鹿！！」
失礼興奮した。以前それで大失敗したものでな。
さて茹で上がったら間髪入れずに鍋から流しにスタンバらせておいた網の中に麺を投入し湯を切る！
この際に通常の麺だと基本的に小麦粉がまぶしてある結果ヌメリが出てくる。そのためこれをお湯で流しとる。
網に入れたままとにかく流し、尚且つ一定の温度……「ああこれ料理だな」って認識できるレベルの温度を維持し続ける！
「（水道代勿体ないとか考えたらここ負けなんだろうな）」
この工程により混ぜそば（自家製）でよくある「麺同士が絡まり合いいい具合に具やスープと混ざらない」というトラブルを防げるのだ。
さてひとまず温まり、かつヌメリもなくなり、程よくほぐれたこの麺に味を絡ませていく。
「味ィ？ 台湾ミンチで十分じゃないの？」
たわけが。その程度で胃袋が満足すると思うな。
というわけで取りいだしたるはレンジで1分ほどチンをしておいた器。
十分に通常のラーメンが食えるレベルの深さを用意する事をお勧めする。
「混ぜるから？」
そうだ。此処にごま油、塩、醤油、辛いものが好きならラー油を少々ずつ入れる。
入れる量は完全に感覚で制御する。こういうのは例え初心者でも己の感を研ぎ澄ませて覚えていくのだ。
「（説明めんどくさくなってるわねコイツ）」
そして
（どぼっ）
ラードを入れる。小さじ１から２は入れて良いだろう。
「ちょっと待って」
なんだ。ラードは麺の温度で溶けるから心配するな。
「そうじゃない。題材の時点で言うべきだったんだけど……。
これ型月二次創作の料理SSなんだから一応立ち位置"衛宮さんちの今日のごはん"なんだけど？
そんな立ち位置でこんなジャンクな料理作って良いと思ってるの？」
ええい姦しいわ！！ 俺の料理レシピのインプットは"鉄鍋のジャン"と"めしにしましょう"だ！！
そのようなほのぼのとした手の込んだ料理など、どこぞの土夏市の連中らに任せておけ！！
そもそも我らルナティクスに"ほのぼの"の4文字があり得ると思うか？
「何も言い返せない」
さてとりあえず出来たスープの上に麺をぶちまけて、
その上に台湾ミンチ、ネギ、ニラ、にんにく、韓国のり、魚粉、卵黄を丁寧に盛り付け…………
凄まじい勢いでその丁寧な盛り付けを台無しにせんとばかりにかき混ぜれば完成だ！
さぁ食うがいい。
「一度丁寧に盛り付けた意味は…………美味っ！！ え、脂の味が美味い！？ 何で！？」
知らんのか？ 塩分と脂が掛け合わされると美味い。
「凄いジャンクになる味！ ジャンクになっちゃう！
乳酸菌取ってるぅ？って感じになっちゃう！」
分かりにくいようでわかりやすいネタを出すほどに気に入ってくれるとは光栄の限り。
俺はこれに対して更にデン！ プレミアムな奴を加える事で晩酌の1メニューとすることが出来るのだ。
「はぁーおいしかった。でもこういうのって具材が余るわよね」
そういう時は追い飯だ！ 台湾まぜそばは追い飯を食って初めて完成すると言っても良い！！
「何回完成があるのよ……。もう食べられないんですけど」
ならば冷凍して取って置け。翌日に飯に混ぜて共に炒めチャーハンにするもよし。
卵で包み「台湾オムレツ」にするもよし。文字通りの『旨味の塊』ゆえにあらゆる料理に用いることが出来る。
つまみも、おかずも、全て自在だ。
「そう。そう考えると台湾ミンチだけでもかなり応用効きそうねこれ」
その通り。この台湾ミンチを取っておくだけで物足りない夜のプラス一品としても働く。
作って冷蔵庫に常備しておくのも悪くないので、諸君らも是非作っておくと良い。
油淋鶏編
PON！ CRUSH！ CRUSH！ PA・PA・PA！！
正気粉砕機！！ ルナティクスパイサー！！
さぁて今日は自家製の油淋鶏で優勝してゆきたいとする。
俺は基本的に揚げ物は衣が命だと考えている……そう、油淋鶏もまた例外ではない……。
その命脈を格別なるものにする一手間とは、なんだ？ そう……細かく砕いたピーナッツに他ならない……。
砕いたナッツを揚げ衣に混ぜ込んだ揚げ物は、香ばしさが進化して格別なる存在になるのだ……。
そう、人間が生まれつき持つ狂気を自覚し……水月砦に誘われ、人間として進化するように！
揚げ物には砕いたナッツという名の一手間を加える事で、アストラルシフトをするという事だ……。
しかしピーナッツを砕く手段がない！
堅いから容易には砕けないし量が多いからさらに入れて砕くこともできない！
なんてことだ！ これは困ってしまったぞ！
そこでスイと取り出すは！！ 新発売のルナティクスパイサー！！
スパイスとして砕きたい食材をPON！ そして棒を前後しCRUSH！ CRUSH！
最後に砕いた食材をPA・PA・PA！！ うんまそぉ〜！
…………麺棒で良いなこれは
炒った落花生を袋に２重に詰め、粉砕中に漏れるのを防ぐ。
そして袋に破れが出ないようにゆっくりと、麺棒で入念に叩いて砕いてゆく。
大体落花生だなと分からなくなるレベルで、文字通り"粉砕"されるあたりまでは砕くのを続けてもいいだろう。
そしてその粉砕した落花生の粉末を、片栗粉と溶いた卵１つと混ぜて衣にする。
片栗粉の量は完全に感覚だ。完全・感覚・霧六岡流と言ったところか……まぁどうでも良いか。
ちなみに混ぜる際には袋に入れる事をお勧めする。何故ならこうすることで鶏肉によく馴染ませやすくなるのだからな。
さて、包丁でおめかしをさせ厚さを均一にした鶏もも肉を先ほど作った衣に漬ける。
十分に浸ったところでフライパンに油を敷き火をつけて温める。大体俺はフライパンの底が全て油で隠れるぐらい入れる。
そしてそのまま大胆に袋の中身の衣ごと投入して一気に揚げる！ いやこれは焼くと言っても過言ではないがまぁ揚げると称しておこう！！
大体片面がきつね色レベルになるまで揚げたらひっくり返し、もう片面もきつね色になるまで待つ。両方ともきつね色になったら火を弱めてふたをする。
さて揚げている間に油淋鶏のソースを作ろう。
このソースがなければ油淋鶏とは言えんからな。いうならばこのソースは油淋鶏の身分証明書といってもいい。
この俺が「ぐろぉりあす」と言わねば霧六岡と分かりにくいように……若干メタな発言は置いておいて料理を続けよう。
長ネギは既に刻んであるものを買ってきた。それをさらに包丁で細かくみじん切りに刻む。
そこに醤油・酢・砂糖をそれぞれ同量。ごま油を醤油らの半分の量投入する。最後にショウガ・にんにくチューブを少し混ぜる。
さぁて完成だ。フライパンから揚げあがった油淋鶏を、キッチンペーパーでよく油を取り、包丁で切り皿に盛り付ける。
キャベツを千切りにし、ソースを油淋鶏の上にたっぷりとかければ完成だ……！！
さぁて当然ここで用意するのはデン！！ 金麦の奴！
最近金欠で本格的なビールが飲めんのだ……まったく不景気な時代で嫌になる。
ま、そもそも魔術師という職業が金食い虫なのだがな〜〜。とか言っている間に冷めないうちにいただきます。
ひたひたにタレに浸した油淋鶏と刻んだキャベツを口に含み……ぐろぉりあす！！
そしてすかさずにシュワシュワと泡立つ金麦の奴が喉を疾走し────ッ！！ はれぇるや！！！
美味すぎて……？ 津田梅子になってしまうな……。
………………なんか、忘れているような。
ああ、そうだったそうだった。新礼装のCMだったか。
えーっと何処やったか。ああ、キッチンに置きっぱなしだった。
えー……何と宣伝しようか。
ルナティクスパイサー！！ トバルカインも認めたルナティクスパイサー！！
持っているだけで君も今すぐ救い主！！ 砕いて美味しい砕いて楽しい！！ ルナティクスパイサー！！
狂月人間国宝も愛用している！ ルナティクスパイサー！！
定価：2200円(税込)！！
さぁ諸君らもこれを買って俺にビール代を寄越すがいい！！！
CM出演料が歩合制なのだからな！！
どれだけ狂っても資本主義の奴隷からは逃れられない運命にある。
俺はそんな物悲しい現実を、金麦と油淋鶏と共に流し込むのであった。
正気粉砕機！！ ルナティクスパイサー！！
さぁて今日は自家製の油淋鶏で優勝してゆきたいとする。
俺は基本的に揚げ物は衣が命だと考えている……そう、油淋鶏もまた例外ではない……。
その命脈を格別なるものにする一手間とは、なんだ？ そう……細かく砕いたピーナッツに他ならない……。
砕いたナッツを揚げ衣に混ぜ込んだ揚げ物は、香ばしさが進化して格別なる存在になるのだ……。
そう、人間が生まれつき持つ狂気を自覚し……水月砦に誘われ、人間として進化するように！
揚げ物には砕いたナッツという名の一手間を加える事で、アストラルシフトをするという事だ……。
しかしピーナッツを砕く手段がない！
堅いから容易には砕けないし量が多いからさらに入れて砕くこともできない！
なんてことだ！ これは困ってしまったぞ！
そこでスイと取り出すは！！ 新発売のルナティクスパイサー！！
スパイスとして砕きたい食材をPON！ そして棒を前後しCRUSH！ CRUSH！
最後に砕いた食材をPA・PA・PA！！ うんまそぉ〜！
…………麺棒で良いなこれは
炒った落花生を袋に２重に詰め、粉砕中に漏れるのを防ぐ。
そして袋に破れが出ないようにゆっくりと、麺棒で入念に叩いて砕いてゆく。
大体落花生だなと分からなくなるレベルで、文字通り"粉砕"されるあたりまでは砕くのを続けてもいいだろう。
そしてその粉砕した落花生の粉末を、片栗粉と溶いた卵１つと混ぜて衣にする。
片栗粉の量は完全に感覚だ。完全・感覚・霧六岡流と言ったところか……まぁどうでも良いか。
ちなみに混ぜる際には袋に入れる事をお勧めする。何故ならこうすることで鶏肉によく馴染ませやすくなるのだからな。
さて、包丁でおめかしをさせ厚さを均一にした鶏もも肉を先ほど作った衣に漬ける。
十分に浸ったところでフライパンに油を敷き火をつけて温める。大体俺はフライパンの底が全て油で隠れるぐらい入れる。
そしてそのまま大胆に袋の中身の衣ごと投入して一気に揚げる！ いやこれは焼くと言っても過言ではないがまぁ揚げると称しておこう！！
大体片面がきつね色レベルになるまで揚げたらひっくり返し、もう片面もきつね色になるまで待つ。両方ともきつね色になったら火を弱めてふたをする。
さて揚げている間に油淋鶏のソースを作ろう。
このソースがなければ油淋鶏とは言えんからな。いうならばこのソースは油淋鶏の身分証明書といってもいい。
この俺が「ぐろぉりあす」と言わねば霧六岡と分かりにくいように……若干メタな発言は置いておいて料理を続けよう。
長ネギは既に刻んであるものを買ってきた。それをさらに包丁で細かくみじん切りに刻む。
そこに醤油・酢・砂糖をそれぞれ同量。ごま油を醤油らの半分の量投入する。最後にショウガ・にんにくチューブを少し混ぜる。
さぁて完成だ。フライパンから揚げあがった油淋鶏を、キッチンペーパーでよく油を取り、包丁で切り皿に盛り付ける。
キャベツを千切りにし、ソースを油淋鶏の上にたっぷりとかければ完成だ……！！
さぁて当然ここで用意するのはデン！！ 金麦の奴！
最近金欠で本格的なビールが飲めんのだ……まったく不景気な時代で嫌になる。
ま、そもそも魔術師という職業が金食い虫なのだがな〜〜。とか言っている間に冷めないうちにいただきます。
ひたひたにタレに浸した油淋鶏と刻んだキャベツを口に含み……ぐろぉりあす！！
そしてすかさずにシュワシュワと泡立つ金麦の奴が喉を疾走し────ッ！！ はれぇるや！！！
美味すぎて……？ 津田梅子になってしまうな……。
………………なんか、忘れているような。
ああ、そうだったそうだった。新礼装のCMだったか。
えーっと何処やったか。ああ、キッチンに置きっぱなしだった。
えー……何と宣伝しようか。
ルナティクスパイサー！！ トバルカインも認めたルナティクスパイサー！！
持っているだけで君も今すぐ救い主！！ 砕いて美味しい砕いて楽しい！！ ルナティクスパイサー！！
狂月人間国宝も愛用している！ ルナティクスパイサー！！
定価：2200円(税込)！！
さぁ諸君らもこれを買って俺にビール代を寄越すがいい！！！
CM出演料が歩合制なのだからな！！
どれだけ狂っても資本主義の奴隷からは逃れられない運命にある。
俺はそんな物悲しい現実を、金麦と油淋鶏と共に流し込むのであった。
豚汁(ぶたじる？とんじる？そんな違いは些細なものでしかない。だが、些細なすれ違いこそが人類の歴史を争いの歴史にしてきたと言えｒ)
寒い。寒い！ 寒すぎる！！！１！１！
寒すぎてサムライになりそうだな。ハハハハ！
摩訶鉢特摩地獄も斯くやというこの寒さ、諸君らは如何にお過ごしだろうか？
「暖房が恋しい生活過ぎます……」
そうであろうそうであろう哉子よ。
だが？ そんな寒さを吹き飛ばす料理がある。そう、汁物だ。
暖かく肉と野菜を煮込んだ汁は、栄養素と満足感を兼ね備えた究極の料理と言えるだろう。
と言うわけで今回は豚汁で優勝してゆきたいと思う！
「というか、私…霧六岡さんのお家に居候し続けていますが大丈夫なのでしょうか？」
あー？ 気にするな！ 俺の家は無駄に広いからなぁ！
それでも男と１つ屋根の下は不安か？ 俺に童女趣味は無いから安心しろ！
だがしかし、不安が残るというのならちゃんどらや両石の家に行くがいい！
「えー……っと、すいません遠慮します」
ム、そうか。では調理を始めるとしようか。
まずは材料の仕込みだ。玉ねぎは5mm幅、豆腐は1cm四方に一刀両断！
御苑の夜を征く辻斬りの刃のように鋭く、そう鋭く切り刻むのだ……！
「……すいません、玉ねぎ…多くないですか？ 4個ぐらい切ってません？」
ン？ ああこれか。これで正しいのだ。まぁみていろ。
仕込みが終われば大き目の鍋に水250mlに酒、みりん、顆粒だしを投入する。
調味料の量は完全に感覚だ。多分大匙1杯ずつぐらいで良いだろう。多分な。
「……？ これ鍋の量に対して異様に少なくないですか？ 水が……。
それに2人前にしては……水の量が……」
良い着眼点だ哉子よ。このレシピはな、モザイク市「新潟」の大人気豚汁専門店に着想を得ている。
水を敢えて少なめにし、玉ねぎから出る煮汁を以てして補う。これにより濃厚な豚汁を生み出すことが可能となる、と言うわけだァ！
さぁいい具合に水が沸々と煮立ってきたぞ？ そこに白みそを60gほど投入。溶けたらさぁ豚汁のメインたる豚肉の投入だ！
今回は豚バラ肉を使ったが豚しゃぶ用の肉を使うなど、ここで差別化を試みるのも一興かもしれん。
更に煮立ったところで！ 仕込みを終えた玉ねぎと豆腐を投入する！！
これで材料の投入は終了だ……。蓋をして15分ほど煮込む。
「凄い……。玉ねぎと豆腐でお肉が見えなく……。
あ、私の家では他にもゴボウとか大根とかいれていたんですけど、
このレシピだと材料はこれだけなんです？」
まぁ俺も豚汁に大根は欲しいと考えたが、今日は敢えてな。
欲しいならば最初の水を少し少なめにするか玉ねぎを少なめにし、先の材料フル投入に大根を混ぜる形となるだろう。
さて、煮込むまで時間がかかるから雑談でもしようか。哉子よ貴様は映画は好きか？
「え？ ま、まぁそこそこ見ます……。
それがどうかしましたか？」
俺はバック・トゥ・ザ・フューチャーが好きでな。1985年に公開された映画だ。
正確にはその4年後に公開された�供帖帖�その�兇砲�いて描写された未来の光景が好きだった！
3Dで映し出される映画のCM！ 空中浮遊するホバーボード！ サイズを自動調整する靴や服！
2015年という、当時から30年後の未来を描いたシーンは素晴らしかった……。
「は、はぁ。そういえば2015年って今から10年前ですね」
そうだ。今から見れば過去の描写だ。
当時は2000年となれば、車は空を飛び人は透明パイプの通路を通っている物とばかり思っていた。
だが今はどうだ？ 「車もしばらく空を走る予定もなさそうさ」と……。最近のJ-POPで歌われる現状だ……。
「………………なんて歌です？」
え
「え？」
…………そうか…、知らんか……。そう……、か………。なら、良い。
いや良くない！ 俺が言いたいのは、人類の進歩は思った以上に進みが遅いという事だ。
俺は人間が好きだ。愛している。だからこそ魔王として立ち、人類の発展を促すべく日々動いている！
「それは、まぁ、知っています」
例え行きつく果てが破滅であろうと俺は構わぬ。俺は今が見たいのだ！
待ち受けるが破滅だというのならば緩やかな衰退など許さぬ、派手に散って燃え尽きろ！ 骨の髄まで焦がし、一瞬の輝きと成れ！
それこそが俺の美学、俺の目標だ！！ 俺の願いだ！ ────とな。まぁ俺と１つ屋根の下で暮らしているお前なら、分かると思う。
「理解はできませんが……、でも、霧六岡さんがそう言う人だというのは、知ってます」
正直で良い。────で、だ。
何故こんな話をしたかと言うと、これは俺が料理を好む理由でもあるからだ。
「？」
料理は良い。人間の試行錯誤が詰まっている。研鑽と栄光が煮詰められている。
この鍋の中で煮えたぎる豚肉と玉ねぎと豆腐のようにな。比喩ではないぞ？ この豚汁を見るがいい。
"豚汁"というメジャーな料理、既に百万の料理人が既に作り上げ続け完成させたレシピに、「水を少なくし玉ねぎの煮汁を水として使う」という工夫がなされている。
そう。料理とは常に進化し続けているのだ！ 停滞はない！ 技術の進歩は確かに緩やかになる！ だがレシピはそうはいかない！
レシピは、調理法は、日々歩みを止めずに発展を続ける！ 何故か！？ それは人が美食を追求する故に他ならない！！
料理とは！！ それぞれ食に携わる人間らの中で、日々綿々と続く進化の証なのだ！！
「な…………、なるほど……！！」
さて15分。煮えたぞ？ かき混ぜて完成だ。
みろこの濃厚な白みそのスープ。そして中に浮かぶ煮え立った豚肉を！
白く立つ湯気がまた食欲をそそるだろう。
「本当においしそうです……。……あれ、おかずは」
ん？ これだけだが？ この豚汁は豚汁だけでおかずとなり得る。
食ってみればわかる。啜れば分かる！ その汁に滲む濃厚な豚の旨味に！
「で、では……。……ッ！ 美味しい……。
凄いスープが……甘い…？ おいしさの後ろに甘さがあります！」
そうであろうそうであろう！！ 玉ねぎの煮汁が旨味を引き出している！
さながら項羽と虞美人の如く、互いが互いの強さをを引き立てているのだ！
「……項羽さんって中国の武人でしたよね？
その人が強いのは分かりますが、虞美人？」
ああ中国のほうで少し出会った仙人がな、虞美人も強かったと話していたのを聞いただけよ。
まぁそんなことどうでもいい。さて食卓につこう。一応汁物だけでは寂しいから、たくあんと納豆も用意しておいた。
「わ、ありがとうございます！」
では、この世の全てに感謝を込め、いただくとしようか。
卵料理と「初心忘るべからず」
今日はルナティクスの救い主共でショッピングモール巡りをした。
そこまでは良い。じゃんけんで負けたものに荷物持ちをさせるというアイディアもまた良かった。
まさかマリィの馬鹿めが預かった俺の荷物を落下させるなどとは思わなかった。あのバカめ荷物持ち１つも出来ぬのか……！！
不運にも荷物の中には卵1パックがあったのが運の尽き。卵は罅割れ見るも無残な姿へと変貌していた……。
俺は怒髪冠を衝くと言わんばかりに怒り狂いショッピングモールを地獄絵図へと変貌させんとしたが、
悪かったと叙●苑を奢ってくれたのでまぁ良しとしようか……。肉は良い。怒りと憎しみを洗い流す。
と言うわけで本日は、無惨な姿となった卵10個を使って優勝していくとしよう。
さて内訳は……。黄身が割れていない卵４つ。シェイクされてしまった卵６つ、か……。
では本日は卵スープと中華風オムレツ、そして卵黄の味噌漬けを作るとしようか。
流石に1日に卵を10個摂取していいような若さを持っていないので、味噌漬けにする事で後への糧とするのだ……。
まずは味噌漬けの準備を行う……。
無事だった卵黄を丁寧に殻と白身と分ける。この時に黄身が割れたら全て終いだ……。慎重に丁寧に行う。
慎重に、慎重に……クク、中東の紛争地帯でメイソンの包囲網から逃げ出す日を思い出すな……。ま、あの時は最終的に大暴れして全部台無しにしたんだがねぇ。
さて黄身が分かれたので漬ける味噌を用意する。味噌に少量のみりん、あるいは料理酒をよく混ぜて粘り気を出す。
それをタッパーに１〜２cmぐらいの厚さで敷き詰め、そしてスプーンでくぼみを作る。
あとはそのくぼみに卵黄を置き、蓋をして、冷蔵庫に封印すれば調理は完了。
このままじっくりと2日ほど待てば、浸透圧の関係で味噌の旨味の染みた卵黄が完成する。
白米に載せてヨシ、酒の充てにヨシと万能の常備菜となるのでお試しあれ……。ただ生ものなので、消費期限には気を付けろ？
ああ。調理に使った味噌は2回ほどまでなら使い回せる。使い回した後も普通にみそ汁などに使えるから安心しろ。
「調味料は無駄なく使え」母よりの教えだ。揚げ物の油も3度は使い回せと口煩い母だったなぁ……。
さて、当然食材も無駄にはしない。残った白身は全卵１つと混ぜ合わせ溶き卵にする。
これは卵スープに使うとしようか……。湯を沸かし、それに塩と味覇を溶かし、中華風の味付けにしよう。
量は完全に感覚で作るので、「まぁスープってこんなもんだよな」という具合の味付けにする。
そして沸々と煮立ってきたら、箸で高速で混ぜ合わせ、鍋の中に"流れ"を創り出すのだ。
その流れと反対方向になるように溶き卵を流し入れる……。これにより卵スープの完成だ。
こうすることで卵はよりふんわりとするらしい。理由は知らないがな〜！
さて！ 明日への糧と汁物を用意した所で本命のメインディッシュと行こうか！
残った卵５つを豪快にかき混ぜて溶き卵を作ったら、中に入れる餡を作るとしようか……。
これは俺が以前読んだ漫画に出てきたレシピなのだが、想像で作ったら本気に白米が進む料理となったので諸君らも是非お試しあれ……。
まずはごま油をほんの少し垂らし、そして輪切りにしたネギを一握りほど放り込む。
そこに味覇を入れて、全体が馴染むまで炒める……。この際に味覇を入れ過ぎるととんでもない味が濃い代物になるから注意だ。
味覇は思ったよりも味が濃い。だからまず少ない量でお試しを作ってから、2度目3度目で自分に合う量を調整すると良いだろう。
さていい具合に馴染んだら、刻んだチャーシューを入れる。もちろん量は大量だ。刻む形は賽の目状が好ましいだろう。サイズは小さめがいいかもしれん。
炒めたネギチャーシューがいい具合になってきたら別皿に移す。餡の完成だ。
さぁ大量のサラダ油を垂らし、溶き卵をフライパンに投入する！！ ここから先は通常のオムレツと変わらん。
形を円状に整え、美味い具合に半熟になってきたら餡を投入。そしてそのまま奇麗な半月状に折りたためば完成だ！！
ン〜〜〜！！ 見事な黄金の半月が完成したものだ！ 見事すぎて水月砦が開いたな……。ま、俺が開くのは炊飯器なのだがねぇ〜！
作った中華風オムレツと中華スープ、そして炊き立ての白米をよそい……ｲﾀﾀﾞｷﾏｽ。
美味い！！ 実に美味い！！ おお！ ぐろぉりあす！！
とろけた半熟の卵にチャーシューの脂のコクとねぎのシャキシャキとした歯ごたえが絡み合い……はれるやたる賛美歌を謡っている！！！
卵料理、それは多くの人間が最初に行う料理と言えるかもしれない。俺もかつて、最初に行った料理は卵料理だった……。
チキチキボーンという食品がある。俺はそれを骨から外す作業が大の苦手だった。
何故肉を食うのにいちいち骨を気にして食べなくてはならない？ 面倒ではないか……と子供ながらに思った。
そこで俺は、あらかじめ骨から肉を素手で剥がしておけば食べる時に手間取らずに済むと考え、それを実行した。
手を油でギトギトにしながら行った初めての"料理"。そして何となく冷蔵庫で目についた生卵をその剥ぎ取られた肉の残骸に落とした……。
それが俺の行った初めての工夫だった。卵黄とチキチキボーンの組み合わせは美味であり、今でもあの美しき味わいは深く記憶に残っている。
何？ 「たかが子供の遊び」だと？ 違う。俺が俺の意志で、食事にひと手間加えた……という事が、此処では大きな意味を持つのだ。
「面倒だから自分で新たに行動する」「ふとした思い付きで加えた工夫が大きな成功を生む」
これは人類が、その長き人理の歩みにおいて行い続けてきた事だ……。俺はその時、初めて"それ"を行った！
そうだ俺はその日から調理という名の工夫の虜となったのだ……！！ 手間をかけ、そしてその手間が正しければ、食材は数倍にも数十倍にも旨くなるのだと！
その始まりこそ『卵』だったのだ。だから卵料理は良い……。俺に初心を思い出させてくれる。
お前たちの初めての料理は何だ？ 目玉焼きか？ 卵焼きか？
もし卵が関わっているなら俺の同類だ。違うというのならその料理の代表食材を１つ思い浮かべると良い。
そしてその食材を使う度に思い出せ。己の行為が、行動が、選択が、工夫が！ 確かに１つの結果(りょうり)として実を結んだ、初めてのその瞬間を！
『初心忘るべからず』。良い言葉だな。料理だけではない。その"初めて"の輝きを忘れずにいれば、人はもっと輝ける。もっと強くなれるのだ。
と言うわけで完食。ごちそうさまでした。はいデミウルゴス！
そこまでは良い。じゃんけんで負けたものに荷物持ちをさせるというアイディアもまた良かった。
まさかマリィの馬鹿めが預かった俺の荷物を落下させるなどとは思わなかった。あのバカめ荷物持ち１つも出来ぬのか……！！
不運にも荷物の中には卵1パックがあったのが運の尽き。卵は罅割れ見るも無残な姿へと変貌していた……。
俺は怒髪冠を衝くと言わんばかりに怒り狂いショッピングモールを地獄絵図へと変貌させんとしたが、
悪かったと叙●苑を奢ってくれたのでまぁ良しとしようか……。肉は良い。怒りと憎しみを洗い流す。
と言うわけで本日は、無惨な姿となった卵10個を使って優勝していくとしよう。
さて内訳は……。黄身が割れていない卵４つ。シェイクされてしまった卵６つ、か……。
では本日は卵スープと中華風オムレツ、そして卵黄の味噌漬けを作るとしようか。
流石に1日に卵を10個摂取していいような若さを持っていないので、味噌漬けにする事で後への糧とするのだ……。
まずは味噌漬けの準備を行う……。
無事だった卵黄を丁寧に殻と白身と分ける。この時に黄身が割れたら全て終いだ……。慎重に丁寧に行う。
慎重に、慎重に……クク、中東の紛争地帯でメイソンの包囲網から逃げ出す日を思い出すな……。ま、あの時は最終的に大暴れして全部台無しにしたんだがねぇ。
さて黄身が分かれたので漬ける味噌を用意する。味噌に少量のみりん、あるいは料理酒をよく混ぜて粘り気を出す。
それをタッパーに１〜２cmぐらいの厚さで敷き詰め、そしてスプーンでくぼみを作る。
あとはそのくぼみに卵黄を置き、蓋をして、冷蔵庫に封印すれば調理は完了。
このままじっくりと2日ほど待てば、浸透圧の関係で味噌の旨味の染みた卵黄が完成する。
白米に載せてヨシ、酒の充てにヨシと万能の常備菜となるのでお試しあれ……。ただ生ものなので、消費期限には気を付けろ？
ああ。調理に使った味噌は2回ほどまでなら使い回せる。使い回した後も普通にみそ汁などに使えるから安心しろ。
「調味料は無駄なく使え」母よりの教えだ。揚げ物の油も3度は使い回せと口煩い母だったなぁ……。
さて、当然食材も無駄にはしない。残った白身は全卵１つと混ぜ合わせ溶き卵にする。
これは卵スープに使うとしようか……。湯を沸かし、それに塩と味覇を溶かし、中華風の味付けにしよう。
量は完全に感覚で作るので、「まぁスープってこんなもんだよな」という具合の味付けにする。
そして沸々と煮立ってきたら、箸で高速で混ぜ合わせ、鍋の中に"流れ"を創り出すのだ。
その流れと反対方向になるように溶き卵を流し入れる……。これにより卵スープの完成だ。
こうすることで卵はよりふんわりとするらしい。理由は知らないがな〜！
さて！ 明日への糧と汁物を用意した所で本命のメインディッシュと行こうか！
残った卵５つを豪快にかき混ぜて溶き卵を作ったら、中に入れる餡を作るとしようか……。
これは俺が以前読んだ漫画に出てきたレシピなのだが、想像で作ったら本気に白米が進む料理となったので諸君らも是非お試しあれ……。
まずはごま油をほんの少し垂らし、そして輪切りにしたネギを一握りほど放り込む。
そこに味覇を入れて、全体が馴染むまで炒める……。この際に味覇を入れ過ぎるととんでもない味が濃い代物になるから注意だ。
味覇は思ったよりも味が濃い。だからまず少ない量でお試しを作ってから、2度目3度目で自分に合う量を調整すると良いだろう。
さていい具合に馴染んだら、刻んだチャーシューを入れる。もちろん量は大量だ。刻む形は賽の目状が好ましいだろう。サイズは小さめがいいかもしれん。
炒めたネギチャーシューがいい具合になってきたら別皿に移す。餡の完成だ。
さぁ大量のサラダ油を垂らし、溶き卵をフライパンに投入する！！ ここから先は通常のオムレツと変わらん。
形を円状に整え、美味い具合に半熟になってきたら餡を投入。そしてそのまま奇麗な半月状に折りたためば完成だ！！
ン〜〜〜！！ 見事な黄金の半月が完成したものだ！ 見事すぎて水月砦が開いたな……。ま、俺が開くのは炊飯器なのだがねぇ〜！
作った中華風オムレツと中華スープ、そして炊き立ての白米をよそい……ｲﾀﾀﾞｷﾏｽ。
美味い！！ 実に美味い！！ おお！ ぐろぉりあす！！
とろけた半熟の卵にチャーシューの脂のコクとねぎのシャキシャキとした歯ごたえが絡み合い……はれるやたる賛美歌を謡っている！！！
卵料理、それは多くの人間が最初に行う料理と言えるかもしれない。俺もかつて、最初に行った料理は卵料理だった……。
チキチキボーンという食品がある。俺はそれを骨から外す作業が大の苦手だった。
何故肉を食うのにいちいち骨を気にして食べなくてはならない？ 面倒ではないか……と子供ながらに思った。
そこで俺は、あらかじめ骨から肉を素手で剥がしておけば食べる時に手間取らずに済むと考え、それを実行した。
手を油でギトギトにしながら行った初めての"料理"。そして何となく冷蔵庫で目についた生卵をその剥ぎ取られた肉の残骸に落とした……。
それが俺の行った初めての工夫だった。卵黄とチキチキボーンの組み合わせは美味であり、今でもあの美しき味わいは深く記憶に残っている。
何？ 「たかが子供の遊び」だと？ 違う。俺が俺の意志で、食事にひと手間加えた……という事が、此処では大きな意味を持つのだ。
「面倒だから自分で新たに行動する」「ふとした思い付きで加えた工夫が大きな成功を生む」
これは人類が、その長き人理の歩みにおいて行い続けてきた事だ……。俺はその時、初めて"それ"を行った！
そうだ俺はその日から調理という名の工夫の虜となったのだ……！！ 手間をかけ、そしてその手間が正しければ、食材は数倍にも数十倍にも旨くなるのだと！
その始まりこそ『卵』だったのだ。だから卵料理は良い……。俺に初心を思い出させてくれる。
お前たちの初めての料理は何だ？ 目玉焼きか？ 卵焼きか？
もし卵が関わっているなら俺の同類だ。違うというのならその料理の代表食材を１つ思い浮かべると良い。
そしてその食材を使う度に思い出せ。己の行為が、行動が、選択が、工夫が！ 確かに１つの結果(りょうり)として実を結んだ、初めてのその瞬間を！
『初心忘るべからず』。良い言葉だな。料理だけではない。その"初めて"の輝きを忘れずにいれば、人はもっと輝ける。もっと強くなれるのだ。
と言うわけで完食。ごちそうさまでした。はいデミウルゴス！
豚バラ炒飯と"異端"について
心がざわつく。このような日は欲望の限り飯を喰らうに限る。
という事で今回は、豚バラ肉のギルティ炒飯で優勝していくとしよう。
何？ この俺が誰か分からないだと？ 霧六岡だ。知らぬ者がいるなら各自調べろ。
恐らくメイソンのデータベース辺りなら俺の名前があるはずだ。何せ国際的に知られている人間だからな俺は！
さて、そんな事はどうでもいい。早速調理に取り掛かるとしようか。
まずはフライパンにサラダ油を垂らし、一口大に切った豚バラ肉と刻んだ玉ねぎを炒める。
これに調味料を入れて生姜焼きにするのも十分に美味いが、今回喰いたいのは炒飯なのでここで米を投入する。
大体豚肉の赤色が2〜3割になった頃合いで良いだろう。更に追い打ちをかけるように、ニンニクとショウガと黒コショウを振りかけるのだ。
ここで重要なのが米の炒め方だ。
米が焦げないように手早く混ぜ、豚バラの旨味とニンニク、ショウガ、黒コショウが全体に行き渡る様に混ぜろ。
「家庭用コンロの火力で炒飯をパラパラにしたければ混ぜるな」などと言った料理人とかつて出会ったが、今回はかき混ぜても良い。
何故ならパラパラにするのが目的ではなく、あくまで米全体に味をしみこませることが重要なのだからな。
さていい具合に火が通ってきたな？
ここで火を弱火に変え、醤油、みりん、料理酒、オイスターソース、砂糖を投入する。
加減は完全に感覚。料理とは時に魔術に喩えられる。魔術を分量で計る人間がいるか？ いない。だから俺は料理の調味料もフィーリングで定めるのだ。
そして調味料を全体に行き渡らせる。さて、この時点で良い具合に香りが厨房を包み込むのだが我慢……我慢だ。今此処で食べてはただの混ぜご飯だ。
俺が食べたいのは炒飯、炒飯なのだ……！ 香ばしい香りが際立つ大いなる飯なのだ……！！
じっくりと食欲を内側に閉じ込めて沸騰させながら、フライパンに米を押し付けるように"焼く"。
そう。これこそが先ほどの料理人のアドバイスとなるわけだ。家庭用コンロの火力で炒飯をパラパラにしたいのならばこのように焼くのを勧める。
さもなければ唐突にやってきた幻想種の料理人に「このチャーハンは豚の餌だァッ！！！」と怒鳴られる羽目になるぞ。
さて完成だ。万能ねぎを散らして卵黄を乗せれば……ぐろぉりあす！！ これは見事な黄金色に輝く炒飯である……。
てらてらと米をコーティングする豚バラ肉の油が全体に行き渡り、それを各種調味料のコクが包み込み、玉ねぎの旨味と食感がアクセントとなりこれは……エンピレオ。
栄養バランスなど一切考慮しないこんな料理を個のような時刻に食う。まさに罪深き王の所業。ギルティクラウンと言ったところか。
──────何？ 「そんな飯ばかり作っていたらお孫さんの栄養バランスが心配だ」だと？
たわけぇ！ この俺が孫など愚か、子を成せると思っているのか？ 貯蓄も満足にない男だぞ？ まぁ魔術家系故、蓄えは遊んで暮らせるほどあるがな。
資本主義万歳。最近では積み立てNISAなどという制度も出来た故、既に蓄えのある魔術家系には良き世界となったものよ。
母君、父君、そして俺と3人で月3万を積み立て10年もたてば不労所得の出来上がりという寸法よ。まぁ俺の口座は凍結されたが。
まぁ、俺も思わないわけではない。今の俺のような道を歩まねば、また別の未来があったのではないかと。
狂気という名の異端に走らず、当たり前の職に就き、当たり前の魔術師として生き、当たり前の子孫を残し、そして床につき死す。
それを幸せと呼ぶものもいるだろう。だが、俺はそうは思わない。「そういった生き方もあったかもな」と思う事と、「今を後悔する事」は決定的に違う。
何故か、だと？ 愚問ここに窮まれりか。
ルナティクスの水月砦を見るがいい。十人十色、百人百様、千差万別、極彩色と呼んでも尚も足らぬ狂気に世界は満ちている。
我らは狂人、外れ者、キチガイ、邪宗、異端。あらゆる名で呼ばれながらもこうして１つの場に集っている。無論、ここにいるもの達が手を取り合うなど決して有り得ない。
異端は異端であるが故に異端なのだ。群れから外れているからと言って異端同士が分かり合える道理はないと説いた死徒と、かつて出会った時があった記憶がある。
その通り。我ら狂月の徒として集えど、そこに理念も協調もなし。ここにあるのは、ただ気紛れに過ぎない。
全ては月夜の水面に映りし虚像と同じ。吹けば消える泡沫の灯に我らは過ぎぬのだ。
それは、狂人ならざる人の在り方とて同じこと。
泡沫といえば儚き存在に思えるが、逆に言えば遍く姿へと移り変わる存在ともとれる。
「これ」という生き方は人間には存在しない。大切なのは、今この選択を享受し、全霊を以てして生きるか否かだ。
正しさなぞ存在せず、己の意志に従って生きろと20世紀最大の魔術師は言った。俺も、この考えには賛同の意を示している。
「あの日、こうしていれば」などと振り返るのは愚者の行い。「未来の為に」と今の行いを抑えるのは凡人の判断。ただ全力で"今"を駆け抜ける事こそが人としての在り方と俺は説こう。
過去を悔いた所で今が変わる事など無く、今を乗り越えた先に明日が待っている保障など無い。故に、俺は己の総てを以てして今を生きているのだ。
だから貯蓄はすさまじい勢いで崩れて行くし、深夜の10時を回った中で平気に炒飯を食すというわけだ。
まぁ賛同が欲しいとは言わん。なにせ狂人の戯言だ。聞き流すほうが常人にはちょうどいい。
だがもし、俺の考えに賛同する者がいるのならば、お前はルナティクスの才能がある。
ならば月の眩い夜に心に描くがいい。水面に浮かぶまぁるい月を。さすれば我らの呼び声が聞こえるだろう。
その先に待つ狂気に耐える事が出来れば、おめでとう。新たなる狂気が産声を上げる事となる。
俺たちはその日を心待ちにしていよう。
例え分かり合えぬ異端の群れとはいえ、数が増える事に越したことはないのだから
という事で今回は、豚バラ肉のギルティ炒飯で優勝していくとしよう。
何？ この俺が誰か分からないだと？ 霧六岡だ。知らぬ者がいるなら各自調べろ。
恐らくメイソンのデータベース辺りなら俺の名前があるはずだ。何せ国際的に知られている人間だからな俺は！
さて、そんな事はどうでもいい。早速調理に取り掛かるとしようか。
まずはフライパンにサラダ油を垂らし、一口大に切った豚バラ肉と刻んだ玉ねぎを炒める。
これに調味料を入れて生姜焼きにするのも十分に美味いが、今回喰いたいのは炒飯なのでここで米を投入する。
大体豚肉の赤色が2〜3割になった頃合いで良いだろう。更に追い打ちをかけるように、ニンニクとショウガと黒コショウを振りかけるのだ。
ここで重要なのが米の炒め方だ。
米が焦げないように手早く混ぜ、豚バラの旨味とニンニク、ショウガ、黒コショウが全体に行き渡る様に混ぜろ。
「家庭用コンロの火力で炒飯をパラパラにしたければ混ぜるな」などと言った料理人とかつて出会ったが、今回はかき混ぜても良い。
何故ならパラパラにするのが目的ではなく、あくまで米全体に味をしみこませることが重要なのだからな。
さていい具合に火が通ってきたな？
ここで火を弱火に変え、醤油、みりん、料理酒、オイスターソース、砂糖を投入する。
加減は完全に感覚。料理とは時に魔術に喩えられる。魔術を分量で計る人間がいるか？ いない。だから俺は料理の調味料もフィーリングで定めるのだ。
そして調味料を全体に行き渡らせる。さて、この時点で良い具合に香りが厨房を包み込むのだが我慢……我慢だ。今此処で食べてはただの混ぜご飯だ。
俺が食べたいのは炒飯、炒飯なのだ……！ 香ばしい香りが際立つ大いなる飯なのだ……！！
じっくりと食欲を内側に閉じ込めて沸騰させながら、フライパンに米を押し付けるように"焼く"。
そう。これこそが先ほどの料理人のアドバイスとなるわけだ。家庭用コンロの火力で炒飯をパラパラにしたいのならばこのように焼くのを勧める。
さもなければ唐突にやってきた幻想種の料理人に「このチャーハンは豚の餌だァッ！！！」と怒鳴られる羽目になるぞ。
さて完成だ。万能ねぎを散らして卵黄を乗せれば……ぐろぉりあす！！ これは見事な黄金色に輝く炒飯である……。
てらてらと米をコーティングする豚バラ肉の油が全体に行き渡り、それを各種調味料のコクが包み込み、玉ねぎの旨味と食感がアクセントとなりこれは……エンピレオ。
栄養バランスなど一切考慮しないこんな料理を個のような時刻に食う。まさに罪深き王の所業。ギルティクラウンと言ったところか。
──────何？ 「そんな飯ばかり作っていたらお孫さんの栄養バランスが心配だ」だと？
たわけぇ！ この俺が孫など愚か、子を成せると思っているのか？ 貯蓄も満足にない男だぞ？ まぁ魔術家系故、蓄えは遊んで暮らせるほどあるがな。
資本主義万歳。最近では積み立てNISAなどという制度も出来た故、既に蓄えのある魔術家系には良き世界となったものよ。
母君、父君、そして俺と3人で月3万を積み立て10年もたてば不労所得の出来上がりという寸法よ。まぁ俺の口座は凍結されたが。
まぁ、俺も思わないわけではない。今の俺のような道を歩まねば、また別の未来があったのではないかと。
狂気という名の異端に走らず、当たり前の職に就き、当たり前の魔術師として生き、当たり前の子孫を残し、そして床につき死す。
それを幸せと呼ぶものもいるだろう。だが、俺はそうは思わない。「そういった生き方もあったかもな」と思う事と、「今を後悔する事」は決定的に違う。
何故か、だと？ 愚問ここに窮まれりか。
ルナティクスの水月砦を見るがいい。十人十色、百人百様、千差万別、極彩色と呼んでも尚も足らぬ狂気に世界は満ちている。
我らは狂人、外れ者、キチガイ、邪宗、異端。あらゆる名で呼ばれながらもこうして１つの場に集っている。無論、ここにいるもの達が手を取り合うなど決して有り得ない。
異端は異端であるが故に異端なのだ。群れから外れているからと言って異端同士が分かり合える道理はないと説いた死徒と、かつて出会った時があった記憶がある。
その通り。我ら狂月の徒として集えど、そこに理念も協調もなし。ここにあるのは、ただ気紛れに過ぎない。
全ては月夜の水面に映りし虚像と同じ。吹けば消える泡沫の灯に我らは過ぎぬのだ。
それは、狂人ならざる人の在り方とて同じこと。
泡沫といえば儚き存在に思えるが、逆に言えば遍く姿へと移り変わる存在ともとれる。
「これ」という生き方は人間には存在しない。大切なのは、今この選択を享受し、全霊を以てして生きるか否かだ。
正しさなぞ存在せず、己の意志に従って生きろと20世紀最大の魔術師は言った。俺も、この考えには賛同の意を示している。
「あの日、こうしていれば」などと振り返るのは愚者の行い。「未来の為に」と今の行いを抑えるのは凡人の判断。ただ全力で"今"を駆け抜ける事こそが人としての在り方と俺は説こう。
過去を悔いた所で今が変わる事など無く、今を乗り越えた先に明日が待っている保障など無い。故に、俺は己の総てを以てして今を生きているのだ。
だから貯蓄はすさまじい勢いで崩れて行くし、深夜の10時を回った中で平気に炒飯を食すというわけだ。
まぁ賛同が欲しいとは言わん。なにせ狂人の戯言だ。聞き流すほうが常人にはちょうどいい。
だがもし、俺の考えに賛同する者がいるのならば、お前はルナティクスの才能がある。
ならば月の眩い夜に心に描くがいい。水面に浮かぶまぁるい月を。さすれば我らの呼び声が聞こえるだろう。
その先に待つ狂気に耐える事が出来れば、おめでとう。新たなる狂気が産声を上げる事となる。
俺たちはその日を心待ちにしていよう。
例え分かり合えぬ異端の群れとはいえ、数が増える事に越したことはないのだから
nevadakagemiya
コメントをかく