ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。

アーサー王と剣闘皇帝




 いつも臆病風に吹かれていた。
 偉大なる剣を引き抜いたその時から。
 きっと肌寒さから逃れるためなのだろう、この肉体を鍛え続けたのは。
 堅牢な筋肉、大きな背中、今ではもはや寒風を受ける船帆でしかなく。
 死から零れ落ちた私の身体は、ただ、ただ、悔恨と巡礼を繰り返すのだ。
 今もまだ。私は臆病風に凍え続けている。



 ディストルツィオーネを打倒したその足で抱擁王アーサーは決戦のリングに舞い戻った。
 僅かに震える手を押し殺し、喜悦を満面に浮かべてみせる。

「良い敵だ。最高の敵だ」
「抱擁王!」
「待たせたね。狂王(かれ)の相手は私に任せろ。君たちはO-13を追え」
「恩に着る! 汎人類史を頼んだぞ!」

 瞠目しながら掲げた右手で親指を天高く突き、返答する。
 頼れる増援に安心したファルス・カルデアの面々は信頼を色濃く浮かべてO-13達の確保に向かった。
 オーディエンスがいなくなって、やっと彼女は気丈なふりを止めて、表情を重く沈める。
 狂王、コンモドゥスに向かって構えと取る豪腕は今も少しだけ怯えていた。

 ──私は、怖い。

 コンモドゥスが怖いのではない。敵を恐れていて王を名乗れるわけがない。
 それでは彼女が恐れるものは、即ち、抱擁王という偽りに沈めた悔恨の源。

 ──私は負け戦ばかりだった。

 罪。隠していた悔恨王の忌み名を覚える度に臆病風が吹き荒れた。
 彼女は今も、カムランにいる。
 罪人である証明。己が王にならなければと強く悔いた滅びの零地点。
 纏わりつく風からは今尚抜け出せていないのだ。
 犯した誤りを、もう二度と精算することが出来ないように。彼女は常に旋風の中にある。
 故に怯えてしまう。"また間違えるのではないか"と。

 ──でも、私は願いの王だから。

 拳を握る。震えを殺す。
 我こそは人の願いの結晶。祈りより産まれたアーサー王。
 ならば偽ってみせよう。己すら騙そう。彼らがそう、望むのなら。
 此の身はフェイカークラス、悔恨王アーサー。
 蚊のような勇気を振り絞って、ここに狂王打倒を演じきると誓う。

「雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

 狂乱の剣闘皇帝が雄叫びを上げた。抱擁王もまた、身構える。
 抱擁王として、不敵に笑った。

「さて。君もやる気みたいだね、コンモドゥス。異聞帯の王よ。
僭越ながらこの抱擁王アーサーが君のお相手つかまつろうとも」

 臆病風を切り裂くように、互いの拳が交差した。



 いつかの夜。江戸"月光"福兵衛左衛門は地下に訪れたことがあった。
 目的は異聞帯の王、コンモドゥス。なんとなく、その姿を見たくなったのだ。
 紫煙が烟る。
 鎖に繋がれた狂王の前で煙管の先端ばかりが闇中に灯っていた。

「お主も災難だな」

 途切れ途切れの一服を何度繰り返しただろうか、ポツリと月光が漏らした。

「お主は世界の王。兵よ。本来なら、お主こそあの闘技場で力を示し、技を研ぎ澄ましたいだろうに。
こうして、拙者らの都合で振るう技を奪われ、勇ましい声を耳にするままに陰日向に押し込められている。
哀れな奴よ。この世界で一番の不幸せ者であろうとも。…………いや、それは拙者もか」

 コン、と煙管が膝頭に叩きつけられ、まだ仄明るい灰が石畳に落下する。
 月光の届かない地下には他の灯りもなく、月光がどんな顔をしているかは闇以外に知るものはいない。

「強いものが上に立つ。実力主義の世界。言葉だけなら確かにそうだろうな。だが、力の意味が違う。
彼奴らは己が他より先んずることしか考えておらん。彼奴らは屁理屈で己の今を頂点と思い込んでおる。
自制と鍛錬によって強くなるのではなく他者の足を曳く。限界を越えずに今の己が最強無敵と自惚れる。
……それは超越ではない。拙者の求めた理想ではない。彼奴らは、理想に至るには余りにも普通すぎる」

 これではまるで、と言い掛けた口を閉ざす。
 込められた色さえわからぬほど微かに、月光が笑った。

「ガラになく弱ってしまった。老人の愚痴を聞かされても困るだけだろうな。お主も」

 火口に光を灯し、新たに葉を詰めた煙管に落とす。
 一服。紫煙がゆっくりと吐き出された。

「なぁ、コンモドゥス。狂えるお主が覚えておれるかは知らんが、一つ約束をしようとも。
今のコロッセウムは拙者らの見た夢ではない。故、最後は派手に大暴れしてやろうではないか。
拙者らで見せつけてやろう。真の強者の在り方を。実力で人の限界を超越する姿を。
大令呪を使い、強き者のための異聞帯に君臨するに相応しい、ただの楔ではない本当の王としてな」

 月光の言葉を理解していたかは定かでないが、コンモドゥスが返事をするように低く唸る。
 それを聞いた月光は、煙管の先の光で"儚"と照らされた面立ちを、くしゃりと破顔させた。

「応ともさ、男と男の約束よ!! ヌワッハッハッハッハ!!」

 愉しそうに、愉しそうに、笑っていた。
 狂気に覆われた脳髄の片隅、コンモドゥスは今も僅かにその声を覚えていた。



 拳は剣へ替わり、円形闘技場に剣戟が響く。
 コンモドゥスの名もなき剣と、ブリテン十三至宝は『自責の剣ディルンウィン』が、幾十、幾百と火花を散らす。
 リーゼルッハ・ハイルならぬ抱擁王が振るうその剣は、振るう度に彼女の手を吹き出す焔で灼いていた。
 抱擁王の鋼の肉体はその焔程度は歯も立たない。熱くて痛いが、竜の肉体に傷はつかない。
 ならば、なぜ彼女の表情に焦りが見えるのか。それは一つの誤算にあった。

 ──臣下殺しが効いていない、だと?!

 抱擁王の秘匿するスキル、『臣下殺し:EX』。
 彼女の罪を証明するこのスキルは誰かに仕えていた・現在仕えているものへ攻撃する場合にダメージボーナスを得る。
 無論、サーヴァントも臣下の形の一つ。問答無用で有利に立ち回れるはずだったのだが、何故か効力を失っている。
 その時、彼女の脳裏に雷が走る。僅かな手がかりから真実に思い至った。

「────大令呪か!」
「雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

 肯定するようにコンモドゥスが重い一撃を放つ。剣の腹で受け止めながら、抱擁王は浅く表情を険しくした。
 大令呪によって剣闘皇帝は異聞帯の王となり、ありとあらゆる軛から解き放たれた。それはサーヴァントという枷も同じ。
 今やコンモドゥスは、世界の頂点に君臨する王であり、彼より上に立つものは誰ひとりとして存在しない。

「くっ!」

 呻きながら抱擁王は新たな一太刀を放った。
 悔やんでいるのは優勢を失ったことではない。
 "また、間違えた"。その一節だけが彼女の頭の中をぐるぐると巡っていた。
 臆病風が、また。

「それがどうした!」

 己を鼓舞するように抱擁王は叫ぶ。

「私は王としては未熟だ! だが私は強い! ブリテンの誰よりも強い! 故に生き残った!
間違えようと、臆病だろうと、私は、私だけは勝つ! 私は、私の強さだけは信じている!」

 背負う鞘を覆い隠す風のマントの護りを解く。
 吹き荒れる魔力の風は右手に絡みつき、『自責の剣』が噴き出す贖いの炎が渦を巻く。
 盗人を罰する筈の炎をものとせず、己の力とするその姿は彼女の思い描く彼女そのもの。
 身勝手な強さで弱さを誤魔化し、己だけが最後まで立つ卑怯の灯火。
 マナを喰らい、エーテルの嵐を吹き荒れさせるその力は、或いは宝具とも呼ばれるものだった。

「『炎王鉄槌ストライク・エア』────────ッ!!」

 竜の咆哮は空を喰らい、巨大な灼熱となってコロッセウムを覆う。
 償いを求める相手を捻じ曲げられた赫炎は、質量を伴うほどの密度となって秘めた熱量にコンモドゥスを飲み込んだ。
 例え王であろうとも、彼がリーゼルッハ・ハイルならぬ限り、圧縮された精算は容易にその身を滅ぼす。
 だからこそ、ありえぬ筈だった。

「雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

 炎の内から、雄叫びが高々と上げられたのは。



「お前たちとの闘争は……ああ、まさしく我が悲願だった!
我が全力! 我が極限! 我が闘争!! まさしくこの一瞬この刹那こそ我が"超越"であったと言える!
だがぁ!!」

 老人は満ち足りたように、飢え乾いたように叫ぶ。
 魔力が滾る。刻印が励起する。

「この閉ざされた歴史だけは終わらせぬ!!
我が悲願我が野望そして我が新世界への秩序!!
それを……それを拙者の道連れには出来んッ!!」

 そうだとも。己が満足するだけで終わるわけにはいかない。
 老人には誓いがある。約束がある。
 誤りに満ちたコロッセウムを塗り替えるべき理想の地平がある。

 ──今度は、お主の番だ。

 故に、叫ぶ。

「我が大令呪を以て命ずる!!! 暴虐と血の皇帝よ!!
我が敗北を超え、汎人類史を超え!! 唯一無二の皇帝となれぇ!!!」

 そして、地の底から雄叫びが上がった。

「雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

 地を裂き、石畳を割り、超越を阻むものの尽くを破砕し、理想の王は現れる。
 それは狂気に導かれてか、あるいは老人の願いに答えてか。超越の理想を体現せんと彼はコロッセウムに君臨した。
 誰よりも強きその在り方は、まさしく王に相応しく、故にそれではまだ足りぬ。
 嗚呼、なんと口惜しい。これではダメだ。理想に至れぬ。挑む者が現れぬ。
 求むる超越は闘争の果て。故のコロッセウム。故の剣闘皇帝。
 強者が唯一人佇むだけでは、正しき超越の理想でこの世界を是正できぬというのに。
 だからこそ。

「良い敵だ。最高の敵だ」

 その声が届いた時、老人は他の誰よりも安心した。
 声の主は老人の夢だ。理想の一端となる願いの結集だ。
 良い。これならば良い。
 剣闘皇帝は世界王に等しい理想と為り、その相手もまた理想を顕すに相応しい。
 例えどちらが勝とうとも、この世界は正される。正しい理想で終わることができる。
 ならば、今はここで満足だとも。
 枯渇した魔力、昏倒する意識の中に月光は友の姿を見た。
 糸切れる刹那に、密かに思う。ああ、例え、それでもと。

 ──勝てよ、コンモドゥス。

 小さな願いを浮かべながら、月光の視界は暗転した。



 岩が、あった。炎の向こうに見えたのはまさしく巌の岩壁であった。
 自律する岩壁は手にした極大の棍棒で、コンモドゥスへ放たれた『炎王鉄槌』を荒々しく引き裂き、掻き消したのだ。
 注視すれば岩壁は巨像であった。全長は三十四メートルばかりだろうか。コンモドゥスと似た相貌が遠く霞んでいる。
 ロードス島の巨像。もしくはヘーリオスの巨像。
 リンドスのカレスによって建造された大いなるコロッサスが、堂々たる姿を鈍く輝かせていた。
 名を『無双の栄光コロッセウム・コロッサス』。コンモドゥスによって顔をすげ替えられた虚栄の具現。
 抱擁王の『炎王鉄槌』同様に顕現した、コンモドゥスの宝具である。
 本来、ダムナティオ・メモリアエを処されたコンモドゥスにとって『無双の栄光』は彼の虚栄の生涯を明示する虚ろでしかない。
 故に、虚ろの証は虚像として現れ、コンモドゥスの攻撃の一瞬後に、追撃として本体ステータスの十二倍の通常攻撃が敵を襲う。
 だが、この場においては攻撃の瞬間のみに現出するはずの『無双の栄光』が確固たる実体を伴って抱擁王の前に立ち塞がっていた。
 理由は極めて単純な絡繰り。
 虚ろの王から異聞帯の真の王へと超越したことで『無双の栄光』もまた超越を得た。『無双の栄光』は常に実体である。
 矛でしかなかったはずの『無双の栄光』は今ここにコンモドゥスを守る盾として、半永久的に実像を結んだ。
 そして今、コンモドゥスの矛として巌の拳が振るわれる。

「『炎王鉄槌』!」

 炎渦を放ち拳を逸らす。逸した拳は弾かれるまま空っぽの観客席へと投じられた。
 息つく間もなく続けて振るわれた棍棒を、返す剣閃のままに宝具を使用し、なんとか凌いだ。
 棍棒に薙ぎ払われてコロッセウムが豪快に崩落する。

「雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

 像だけに気を取られるわけにはいかない。コンモドゥスもまた強敵。
 炎を溜め切れていないうちに襲いかかってきた雄叫びを二度、三度と迎え撃つ。
 クンッ、と狂王が姿勢を低くした刹那に風を呼び炎を放つ。
 抱擁王を目指し振り下ろされた拳と棍棒を、質量ある炎で打ち払った。また、雄叫びが飛び込んでくる。
 劣勢。
 状況を指し示すに最も適すだろう二文字だった。
 抱擁王たりとも現在の世界皇帝コンモドゥスの十二倍の威力となった『無双の栄光』の攻撃を受け止めることは不可能だ。
 故に逸らす。必殺の宝具を放ち、威力を相殺することで巨像の攻撃を跳ね飛ばす。
 完璧なコンビネーションによって抱擁王を押し込むコンモドゥスは、彼女が自分に宝具を向ける隙を与えぬように適格に剣を振るっていた。
 この状況は抱擁王が拮抗しているのではない。コンモドゥスが彼女に宝具の連続使用を強制し、リソースを浪費させているのだ。
 いずれは浪費の果てに魔力を使い切るか、またはコンビネーション攻撃に対応できなくなって直撃を受けるか。
 抱擁王にもコンモドゥスの狙いはわかっていた。
 しかし、今の彼女では彼の掌を抜け出すには時間と力が足りない。ジリ貧のまま耐えるしか手立ては無かった。

 ──間違えた。

 守勢に尽力する彼女の脳内を、俄にその四文字が彩った。
 破綻(カタストロフ)が訪れる。

「雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

 意識の空隙をコンモドゥスは見逃さない。
 虚を奪い、悔い混じりの驚愕に目を見開いた抱擁王へと凶刃を振るう。

「しまっ────!」

 後悔は遅く、跳ね飛ばされた『自責の剣』が石畳の上でカラリカランと音を立てた。
 その音さえも届かせぬようにコンモドゥスが剣を大上段にし、切り下ろす。
 "また、間違えた"。
 瞳に映る切っ先すらまだ遠く、抱擁王はフラッシュバックの追憶に沈む。
 走馬灯。そう呼称するべきかもしれない。
 幻燈が浮かべる淡い光は、かつてのブリテンの草原の青々しさを彼女の目の前に描いていた。



 ──ノイズ。

 槍が青年の胸を穿ち、抉り飛ばした。
 空は赤々と灼かれ日暮れて。消え行く怒号の渦が呑まれて行った。
 ああ、抱擁王には昨日のことのように思い出せる。
 これはカムランだ。何の成果も齎さず、命だけを滅ぼし尽くした無為な勝利の日だ。
 ごぼり。血の泡を吐いて倒れる青年を記憶の中のアーサーは抱き留めた。

「……なぜだ。モードレッド」

 彼女の顔は夕日に照らされ赤く陰っていたが、その実、血を大地に飲まれ続けるモードレッドよりも青くなっていた。
 気の弱い王を嘲るように、モードレッドは兜の中で薄く笑う。

「別に。あんたみたいな臆病者に仕えるくらいなら、俺が王になったほうがいいと思っただけさ。
唆したのはモルガンのやつだが、全部俺の意志だ。ざまぁみろ、アーサー。これであんたは王失格だ」
「……モードレッド」
「もっと悲しんだらどうだ? キャメロットは落ちた。ブリテンは滅亡したも同然だ。
あんたがふんぞり返っていた王座も焼け落ちた。アーサー王なんてもう必要とされないんだ」
「……私は、君に殺されるべきだった……私は役立たずだ。君の命を奪うことに何の意味があった? この国は終わったんだ。
それ、なのに、私は、私はのうのうと生きている。円卓の皆を殺し、万の民を殺し、今は君を殺して……なぜだ、なぜ、私は……!」

 ハッ。と、兜の中から鼻で笑う声が聞こえた。

「……やっぱり、あんたは王様なんか似合わねえよ。"父上"」

 モードレッドが譫言のように呟いて、その手が力なく垂れ下がった。命が抜け出たことが彼女にはわかった。
 死んだ。
 違う。殺したのだ。殺す意味などなかったのに、考えなしに青年を殺した。アーサーが殺した。殺したのだ。
 この国はどうしようもなく滅びていく。時を戻す術はなく、アーサーが償う罪はあまりにも大きすぎる。
 深く、悔いた。私が選定の剣を抜かなければ、と。

「…………あ、」

 力なく、声が漏れた。

「ああ、ああ。そうか。────私は、」



 ──ノイズ。

 青々と茂る夏芝の上に刃毀れた剣が放り出された。

「どうしたんだい、モードレッド卿? これで終わりかな?」

 練習用の剣を肩に預けながら、アーサーはニコニコとそう言った。
 モードレッドはアーサーの剣撃で痺れた手をプラプラと振りながら剣を拾う。

「冗談。あんたに挑める機会なんて滅多にないんだ。目一杯食らいつくさ」
「良い返事だ」

 たちまちアーサーの上腕が膨れ上がり、莫大な筋肉量が生み出す力が剣先を加速させる。
 モードレッドは構えを崩すと、先程の手の痺れから覚えたアーサーの怪力の伝わり方を利用して、剣を寝かして擦り上げる。
 そのまま、勢いを殺したアーサーの剣を素手で掴んで右手の剣を振り下ろした。

「残念。ガードだ」

 グッと拳を握るとアーサーの腹部が隆起し、薄い布切れ一枚しか挟んでいないにも関わらず、強固な壁となって剣を止めた。
 モードレッドは剣を引こうとするが抜けない。どうやら、目の前の筋肉達磨は小器用にも筋肉の間に剣を挟んで捕まえたようだ。
 ヒクヒクとモードレッドの口元が痙攣する。

「……アリかよそんなの」
「断然アリだとも。君も鍛えていれば出来るさ」
「出来るわけねえだろ……」

 緩まった筋肉の隙間からもう一度剣を引くと、今度は抵抗なく従った。
 切っ先には血の一滴すらついていない。切れ味は悪かろうと剣は剣。鍛えているからと受け止められるものではない。
 モードレッドは目の前の騎士王がとんでもない化物だと改めて実感しながら、瞳の奥に憧憬の光を灯らせた。

「それよりもだ、モードレッド。君の剣は邪道すぎなやしないかい?」
「邪道? 別にいいだろ。戦えるんだから」
「良くはないさ。さっきみたいに素手で剣を掴むなんて、練習なら良いが本番だと危ないじゃないか」
「………………」

 筋肉で止めたあんたがそう言うか。内心でボヤきながらモードレッドは憮然と答える。

「あんたみたいな、怪物じみた王様は正道じゃ叩き潰せないだろ? だったら、敵が使うのは奇策だ。
一人くらい、邪道で行動に予測がつかない部下がいたほうが、あんたのためにもなるんじゃないか?」
「む…………。それは確かに」

 むう、と唸って思案を巡らせ始めたアーサーにモードレッドは剣を向ける。

「ってわけで、次の一本頼むよ王様」
「おおっと。そうだったね。喜んで付き合おう」

 夏高き空の下に剣戟が響く。
 王道の剣を受けるは邪道の剣。その剣閃を今も抱擁王は覚えている。



 ──ノイズ。

 追想を切り落とすようにコンモドゥスの剣が迫る。
 ここで終わる。最期の予感に抱擁王は微笑んだ。
 走馬灯の幻影は未だ瞼の裏に残っていた。
 そして、────コンモドゥスの剣に幻影が重なった。

「…………え?」

 振り下ろされる死を、何かが妨げた。
 キィィン、と耳障りな音に続き、遠ざかるコンモドゥスの剣の煌めき。
 それは、邪道の剣だった。
 見覚えのある剣だった。
 この剣の持ち主を抱擁王はよく知っている。

「モード……レッド……?」

 知らんぷりしてクルクルと剣を回したモードレッドの影が、フイとそっぽを向いて消えた。
 間違いない。彼女の宝具の一つ、『かつて伴に在りし理想郷アヴァロン・レミニセンス』が発動していた。
 十二人の円卓の騎士たちをシャドウ・サーヴァントとして召喚するその宝具なら、たった今起こったことにも説明がつく。
 しかし、抱擁王にこの宝具を開放した覚えも、猶予もなかったはずだ。それに、宝具を使ってもモードレッドだけは呼び出さない。
 考えられるのは、抱擁王の意志に反してモードレッドの影が勝手に飛び出したということだけであった。

「そう、か……君が来てくれたのか……」

 思わず笑みを浮かべてしまう。なんとも、叛逆嗜好のモードレッドらしいことだった。
 無為に命を奪った罪の証。そう思って遠ざけていた彼が、窮地に駆けつけてくれるとは。
 不意に気が軽くなる。
 許された、とは思っていない。だが、走馬灯のブリテンの景色に抱擁王は円卓の騎士たちを想うのだ。
 彼らならば、むしろ抱擁王がこんな大局に呼び出さないことへ恨むような視線を向けてくるだろうな、と。
 間違うより恨まれることのほうが少し嫌な気がした。薄っすらと、虚勢ではなく、今度は心の底から笑う。

「コンモドゥス、君には素晴らしいセコンドがいるようだね。だから、私もセコンドを呼ぼう」

 手落とした『自責の剣』を天に掲げ、抱擁王は高らかに謳い上げる。

「贖うつもりはない。懺悔するつもりはない。私は、決して私を赦さない。だが、────マーリン!」

《建議を受理。我が王よ、宣誓をどうぞ》

「来たれ我が罪、我が剣! 悔恨の証を示せ! 十二の罪! 十二の剣!
十三至宝、ディルンウィン。そして師、マーリンの名に以下の建議の真実を誓う!
是は、勇者たちと共にある戦いである! 是は、悪しき心持つ者との戦いである!
是は、人を守りし誉れ高き戦いである! 是は、我々が生きるための戦いである!
是は、己より強大な者との戦いである! 是は、一対一の均衡を保つ戦いである!
是は、正しき人道へ律する戦いである! 是は、真実を求めるための戦いである!
是は、精霊ではない者との戦いである! 是は、邪悪の暴君を打倒す戦いである!
是は、王の私欲に基づかぬ戦いである! 是は、汎人類史世界を救う戦いである!
是は、決して悔いを残さぬ戦いである! 是は、私の罪へと向き合う戦いである!
君たちに提案しよう! 十二真影開放リムーブ・トゥエルブ、────円卓議決開始デシジョン・スタート!」

《───承認。ガレス、トリスタン、ガウェイン、ケイ、ベディヴィエール、パロミデス、ガヘリス、アグラヴェイン、ランスロット、モードレッド、ギャラハッド、パーシヴァル、ルーカン》

円卓議決全会一致デシジョン・ユナミナス! 外部拘束機関承認レリーズ・フォーティーン! 王命宣言許可発令マーリン・アクセプテット
悔恨王アーサーの名に於いて其の真なる影を現せ! 『かつて伴に在りし理想郷/真影アヴァロン・レミニセンス・エクス・シン』!!」

 円卓議決。"十四"の騎士に問いかける建議。
 満場一致の可決によって、彼女の鞘は真の姿を取り戻す。
 鞘が呼び出すのは騎士の影ではなく、その真影。
 即ち、悔恨王アーサーの呼びかけに応じ、今ここに十二騎のサーヴァントが召喚される。

「ったく。呼び出すのがおせーんだよ愚妹」

 燐光を纏って懐かしい声が聞こえた。
 アーサーは少女のように屈託のない笑みを浮かべた。

「すまない、兄さん」
「謝るな馬鹿。それより、俺達の相手はあのデカブツでいいんだな?」
「ああ、彼の相手を頼むよ。私は兄さんたちが抑えている間に本体を狙う」

 了解、と一声残して騎士たちが駆ける。
 その足音の中に一つ、アーサーはコンモドゥスに対峙したまま声を掛けた。

「さっきは助かった。ありがとう、モードレッド」
「…………ふん」

 拗ねたようにモードレッドは走り去る。
 すれ違う彼の姿を見送らず、彼女はコンモドゥスに『自責の剣』を向けた。

「十二倍の攻撃には十二人の騎士を。これで一対一、君と私の平等な戦いだ。
さっき思い出したんだが、実を言えば、私も力比べが嫌いなわけじゃないようだ。
全力を尽くそう。君か、私が斃れるまで、この戦いを楽しんでみようじゃないか!」

 挑発に雄叫びが返される。

「雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

 コンモドゥスが駆ける。
 アーサーが駆ける。
 世界が引きちぎれんばかりに、交差する剣が鳴り響いた。



 いつしか剣は砕けていた。
 コンモドゥスも、アーサーも、刃毀れだらけの剣を投げ捨て殴り合う。
 闘争、闘争、度重なる闘争。その度に罪を重ねる。
 アーサーにとって、戦いとは証明であった。自らの罪。自らの剣。
 即ち、それは巡礼の旅路。
 己のためではなく誰かのために力を示し、己の罪を再度見定める自罰であった。
 かつて、騎士達と切磋琢磨していたころの、技を磨き、高め合う戦いなど忘却の果て。
 降り積もる悔恨の澱と、吹雪く臆病風に邪魔され、今の今まで思い出せなかった。
 その高揚を闘争の中に見つけ出した。

「お前はどうだ、アーサー王」

 理性を揺り起こしたコンモドゥスが尋ねる。
 喜悦に満ちた表情で拳を突き出す。
 アーサーはコンモドゥスのストレートをクロスガードで弾き、鋭いフックで返答する。

「言葉で語る必要があるかい?」

 ニィ、と笑ってコンモドゥスが拳を払い落とす。
 アーサーの一撃の重みと、澄み渡った空のように迷いのない笑顔が物を言っていた。
 交差する拳は重く空を震わせながら、幾度となく応酬を続ける。
 例えるなら、ちょうどそれは螺旋階段に似ていた。
 終わりもなく登り続ける階段は、拳を交わす度に新たな階層へと超越させる。
 一段一段としっかりと踏み上がるようにコンモドゥスとアーサーは身体をぶつけ合う。
 まるで、よく晴れた朝のように、どこまでも行けるような気がした。
 しかし夢は唐突に終わりを告げるもの。
 やがて理想は空想と消え、この大地から切り離される。
 願う光景の外から地響きが水を差し、両者は拳を止め音の源に目を向ける。
 円卓の騎士達が鬨の声を挙げ、実体化したコンモドゥスの『無双の栄光』がガラガラと崩れ落ちていた。

「貴様の騎士は優秀だな、アーサー王」
「私なんかより、よっぽどね」

 ふっ、とコンモドゥスが獰猛に笑う。
 崩壊した石像に向けて彼が左手を掲げると『無双の栄光』が手にしていた巨大なメイス、『英雄の棍棒ウィル・フォルティッシムス』が飛んでその手に収まった。

「われが持てる限り全ての力を以ってして『無双の栄光』の力を『英雄の棍棒』に注ぎ込む。貴様も全力で来い、アーサー」

 勝負を決めるときが来た。
 アーサーは静かに頷いて宣誓した。

「繰り返す。是は、決して悔いを残さぬ戦いである!
裏切りの業の再現ではなく、今再び、未来を阻む壁を穿つためにこの槍を振るおう。
私の槍を届けてくれ。来たれ、私の罪。私の剣。私の臣下。サー・ルーカン!」

 十三番目の真影が結ばれる。

「お会いするのは、随分と久しいですね。アーサー様」
「…………すまない。やはり、私は今でも自分を許せそうに無い」
「それで良いと、私は思いますよ。貴女は、昔から御自分に厳しい人でしたから」

 くすりと笑って、ルーカン卿は跪いて槍を掲げる。

「王よ、これを」
「確かに。受け取ったよ」

 ロンゴミニアドを手にした時、既に円卓の騎士たちはアーサーを囲むように立っていた。
 ガレス、トリスタン、ガウェイン、ケイ、ベディヴィエール、パロミデス、ガヘリス、アグラヴェイン、ランスロット、モードレッド、ギャラハッド、パーシヴァル、ルーカン。
 朋友の顔を一つ一つ見渡し、彼らが小さく頷き返す。十二度それを繰り返し、深呼吸してアーサーは建議を述べる。

「最後に尋ねよう、友よ。私がこの槍を使うことを許してくれるだろうか? ────マーリン!」

《建議を受理。宣誓承認。十三統一合意議決開始ファイナル・ディシジョン・スタート

「是は、勇者たちと共にある戦いである。ガレス、承認いたします」
「是は、悪しき心持つ者との戦いである。トリスタン、同じく」
「是は、人を守りし誉れ高き戦いである。ガウェイン、承認するよ」
「是は、我々が生きるための戦いである。ケイ、承認。ぶちかませ!」
「是は、己より強大な者との戦いである。ベディヴィエール、承認します」
「是は、一対一の均衡を保つ戦いである。パロミデス、承認した」
「是は、正しき人道へ律する戦いである。ガヘリス、貴公が望むならば」
「是は、真実を求めるための戦いである。アグラヴェイン、王の御心のままに」
「是は、精霊ではない者との戦いである。ランスロット、承認させていただきます」
「是は、邪悪の暴君を打倒す戦いである。モードレッド、……あんたの思うままやればいいさ」
「是は、王の私欲に基づかぬ戦いである。ギャラハッド、問題ありません」
「是は、汎人類史世界を救う戦いである。パーシヴァル、大丈夫ですよ」
「是は、決して悔いを残さぬ戦いである。ルーカン、承認。ご武運を。我が王」

 騎士たちが承認と共に光の粒子に解けていく。
 浮かぶ粒子は光の球体となってアーサーの掲げる『罪に塗れし最果ての槍』の周囲を回転する。
 そして、ルーカンが最後の光球となった時、十三の光が魔力の嵐となって吹き荒れた。
 渦を巻く光の波は穂先から発せられる乱気流に逆らうように槍を取り巻いて離れない。

十三統一合意議決全会一致ファイナル・ディシジョン・ユナミナス────マーリン受理。抜錨を許可する。王命宣言アートグラフ・オーダーをどうぞ》

 瞠目していたアーサーが目を開く。

「是は、私の罪へと向き合う戦いである! 悔恨王アーサー承認! 真影抜錨! 『罪に塗れし最果ての槍』ロンゴミニアド・シン!」

 宣誓。瞬間、槍が二重の像にブレた。
 ネガフィルムとポジフィルムのように反転した色見の二本の槍は、実像を失ってアーサーの手を擦り抜ける。
 しかし、槍を取り巻く十三の光波の渦がより強く、より鋭く形を変えていき、渦に呑まれた槍がアーサーの腕に重なる。
 そしてアーサーの腕の中で二色の槍が重なったその時、光の波が帯のようになってアーサーの腕を縛り上げた。
 それはバンテージ。
 莫大な魔力と十三の霊基によって王を守り、槍を繋ぎ止める堅牢な鞘。
 アーサーの宝具、『かつて伴に在りし理想郷』の真の姿にして最終型。

円卓霊基展開接続完了オール・ラウンズ・コンバイン。『かつて伴に在りし理想郷/真影アヴァロン・レミニセンス・エクス・シン』、モード『十三拘束縛装シール・ラウンズ』》

 アーサーの拳から十三の光帯が尾をたなびかせる。
 拳から漏れ出す"圧"は腕の内に取り込んだ最果ての槍の真影より発せられるもの。
 存在だけで世界を軋ませ、歪みを生み出す力は、アーサーの右腕にも罅を入れる。
 が、光帯が三つに裂けたアーサーの右腕を強く縛り付けたことで罅は崩壊に届かない。
 軋みも、歪みも、崩壊も、アーサーの拳の一部となる。
 それは槍。拳の形をした最果ての槍。
 人々の願いと十三の騎士たちの想いによって形作られた窮極の一撃。
 真名を『真影至りし最果ての槍拳ロンゴミニアド・シン・ラウンズ』。
 十三の霊基と合一し、アーサーの霊基を極限まで拡大することで顕現した世界殺しの拳である。

「待たせた」
「構わん」

 コンモドゥスは両の足を大きく開き、巨大な『英雄の棍棒』を溜めに溜めていた。
 収束した魔力が生み出す"圧"は、言うなれば異聞帯そのもの。
 世界一つの重みを載せた鉄槌は彼の宝具に増幅され十三倍もの重圧としてアーサーを迎え撃とうとしていた。
 されど、アーサーは臆すること無く。気を練り、呼吸を合わせ、コンモドゥスの振るう十三世界に立ち向かう。
 伴うは彼女を支える十三の想い。例え、敵が世界であろうとも負ける道理は欠片とない。

「行くぞアーサー!」
「来い! コンモドゥス!」

 原型を失ったコロッセウムの中心で、最後の一撃が交差する。

「『真なる無双の栄光コロッセウム・コロッサス』!!」
「『真影至りし最果ての槍拳ロンゴミニアド・シン・ラウンズ』!!」

 インパクトの瞬間、散った火花が世界を壊し、次いで巻き戻したように歪みを消し去った。
 異聞帯一つでさえも抑えきれない魔力の激突。生み出すスパークは、黒い雷となって辺りを灼き尽くす。
 嵐の中心にあるコンモドゥスとアーサーも黒雷に身を焦がされるが両者はそれすら構わず裂帛の気合を放つ。

「雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々雄々ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」
「覇阿々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々々ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」

 ──重い、ああ、なんて重いんだ!

 十三世界の振り下ろしに、アーサーは押し込まれそうになる。
 この拳は最果ての槍の真影を取り込み、十三の霊基で無理矢理形にした対界拳。
 範囲を収束し威力を高めたことで使えば腕を吹き飛ばしてしまう罪槍の、収束範囲を更に拳だけに狭めたもの。
 円卓の騎士たちに支えられ、この一撃に集約された最果ての拳は、世界だろうと砂糖細工の如く粉砕する。
 それが押されているということは、即ちアーサーの力不足。アーサーが扱いきれていないのだ。
 忍び寄る臆病風。
 振り払うようにアーサーは心中で今一度唱える。

 ──是は、私の罪へと向き合う戦いである! 臆する心は疾く失せよ!

 縋り付くのは根性論。笑いたければ笑うが良い。
 それでも、彼女は精神力を以て限界を超越する。

 ──力を示せ! 我が罪よ!

 ぐ、ぐ、ぐ、とアーサーの身体が持ち上がる。
 コンモドゥスが喜悦する。
 砕けんばかりに噛み締められたおとがいが越えられぬ一歩を新たに踏み出させた。
 鉄塊に、罅が。

「アーサー。お前の勝ちだ」
「ああ! 私の、勝ちだ!」

 振り切った拳が十三世界を貫く。
 黒雷は拳圧に引き摺られ『英雄の棍棒』に空いた洞に沿うようにスパークし、コンモドゥスに降り注ぐ。
 鉄塊が砕け散る。世界が砕け散る。異聞帯の王が砕け散る。
 在りし面影は燐光と散り、歪な世界は軋みを上げる。
 崩れ行く世界の中心で十三の光帯を巻いたコロッセウムの王者の腕が、月光さえ掴みとるように空へ拳を突き挙げた。
 これは間違いだ、などと誰にも言わせないくらい雄々しく、静かに、そして、力強く。
 臆病風はもう、吹き止んでいた。

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