ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。

前回のあらすじ

聖杯戦争に巻き込まれ、アーチャーのサーヴァント、キスキルとリラを召喚した少年、姫咲薫。

アサシンのサーヴァント、ツクヨミと協力してキャスターのサーヴァントバルベロを撃破する。

しかし戦争は止まらない。聖杯戦争を主催したセイバー陣営。そこより脱走したホムンクルスとそのサーヴァント、ランサー。

聖杯戦争を俯瞰する、未だ謎のバーサーカー。そして。

姫咲薫はかつての"師匠"、渚悠歌と思い出の場所で対峙する。今回は友人としてではない。

アーチャーのマスターと、ライダーのマスターとして。

戦闘が、始まる。

















                        Fate/Split Sisters











                           **


私はなんとなくわかっていた。ここに来れば、また彼に会えると。
何年ぶりだろうと、二人の出会いはいつも運命じみていたから。
対峙する彼の顔を見る。幼いころの面影はしっかり残っている。
しかしこれもわかっていたのに。
聖杯戦争に参加する者同士だと、"あいつ"の情報から知っていたのに。
どうして私は、会おうと思ってしまったんだろう。

「…ライダー。やっていいぞ。」
命ずる。火蓋を切る。こいつも何を考えているかわからない。
私の望み通りに動くなどと。そんなのは、破滅しか生まないのに。
「ああ、マスター。君がそう望むのなら。」
…相変わらずだ。
まもなくライダーが、虚空から光線を放った。



                           **

光線が飛んでくる。光なんて常人に躱せるものじゃない。
必然、キスキルとリラは僕をかばう形になる。
「でも、これじゃじり貧!」「そう、これじゃ負け戦。」
「早速行くよ、薫!宝具使うよ!」
キスキルの要請。許可を取るまでもなく放たれた。

「神速抜刀!刀じゃないけど!とりあえず、これぞ人智の極み!
神の雷霆は人の手に!『崇高なる人の力は、雷をも手に入れたイコール・ケラウノス』!!!」

キスキルの持つ最速の宝具。光よりも速い、まさに神速。それが確かにライダーの身体を貫いた。

「…これは。動けないみたいだね。」

そして第二の効果。雷の権能の限定的な再現。当たったものは身体を動かせなくなる。ここまではうまくいった。

「よし、いこう!今が好機!」「うん、そうだね。今がその時。」
そうして雷と炎を放出しながら、キスキルとリラがライダーに突っ込む!
「サーヴァントを狙うとは、甘い思考だな。今なら私を殺せたのに。」
そう師匠が呟くのが、聞こえた。

アーチャーの渾身の一撃が入った。そもそも宝具だって受けていた。
それなのに。
ライダーの身体は、傷一つついていなかった。
「もう私の隙は消えた。アーチャーのマスター。久しぶりに実践といこうか。」
師匠が走る。構える。狙いは僕か。師匠は本当に、殺し合いをする気なのか。

「理はねじれ弾丸となる。『蒼呪血・虚穿』。」
生成されたのは青い血塊。それがこちらへ弾丸のごとく飛んでくる。
当然、前の師匠とは全く違った技だった。本当に、違う人になってしまったのか。
身をよじって避ける。脇腹をこすった。血が出てきたけど、これくらいじゃ死ねない。
いや、絶対に死ねない。師匠を人殺しなんかにさせない!

「なるほど。私を人殺しにはさせない、か。」
声に出ていたみたいだ。なら話は早い。
「殺させない。殺さない。聖杯戦争がそういう場なのは、知っています。
でも。だからこそそれを護るために戦う。そう、決めたんです。」
キャスターとの一戦で芽生えた信念。それを護る。

でも。師匠は自嘲するように言った。
「私は人殺しの娘。生粋の魔術師の家系。もうとっくにレールは外れてるんだよ。
先の聖杯戦争で死んだうちの両親。お前の両親とは違う。参加者側だったんだ。
そう。言うなれば加害者遺族と被害者遺族のご対面ってわけだ。
…わかっただろう。あの日から会うのをやめた意味が。」
そう言われて。黙るしかなくても。
そうするわけにはいかない。黙ったら、終わってしまうから。
「でも。」何かを言わなくては。何かを言う振りでもしなくては。
そう思った時、師匠と僕の間に光線が飛んできた。

「さて。しびれは取れたね。マスター、戦闘を再開できるよ。」
緑衣の少年、ライダーが言う。会話を打ち切るように。
正直、ありがたかった。今の僕には、何も言えそうもなかったから。
「ライダー。当然勝てるだろう?さっさとそのアーチャーを始末しろ。」
師匠は戦闘態勢に戻る。ライダーが僕の前に立ち、その間にキスキルとリラが立つ。
「薫、どうする?」キスキルが聞く。
「取り合えず、向こうはやる気。」リラが告げる。
やるしかないか。そう思った時だった。

「おい!おまえがアーチャーとそのマスターか?」
聞きなれない男の子の声。
「アサシン陣営、アーチャー陣営へ助太刀に参った。」
聞きなれた少女の声。
アサシン、ツクヨミ。キャスター戦で協力してくれたサーヴァント。
そしてそれに抱えられてきたのは、銀髪の男の子。この子がマスターか。
地面に二人が降り立つ。形勢逆転、か。
「ライダー、どうだ?いけるか?」
師匠は臆さず闘う姿勢を見せる、が。
「やめておけ、すべて"視"ていた。そこなライダーは無敵の肉体を持っている。」
「でも、弱点はあるんだろう?」
アサシン主従は何かに気づいているのか。この段階で。

「…ライダー。宝具の開帳を許可する。先手必勝だ。」
師匠がライダーに命ずる。真名はもう看破されたとみたか。僕はまだわかってないけど。
そういうことなら、とライダーが天に舞う。強烈な閃光が空を包む。

「黄泉より浮上するは、我が棺。今再び舞い戻るなら、棺も本来の姿を取り戻す。『極光宣棺フリングホルニ』。」
巨大な船が、宙に浮かび上がった。

「やっぱりな。光を操る、そして何より無敵の肉体。そして世界最大の船フリングホルニ。
ここから導き出される結論は、北欧神話の光神バルドル。それがライダーの真名だ。」
ツクヨミのマスターの男の子が言った。
ツクヨミに続いてまた神か。進化するアーチャーを呼んだ僕が言えることじゃないが、この聖杯戦争はとんでもない。
「だが、だからこそ完全な力を発揮できていないはず。そうだなマスター?」
ツクヨミが男の子に問う。つまり?そう問う前にライダーの声が聞こえた。
「『極光宣棺フリングホルニ』は、わかりやすく言えば巨大光線戦艦。君たちをここから殲滅する。
さあいくよ。起動せよ、『極光宣棺フリングホルニ』!」
船がきらびやかに光っていく。ここから光が放たれて全滅、か。いや、そうはならないな。
僕でもわかる。この場には光を"放つ"ことでしか攻撃できないバルドルの天敵がいるーーーーーーーー


「知らしめよう。闇がすべてを覆うこと。世界は静寂に包まれる。
言の葉は裏側へと。包め。『夜之食国よるのおすくに』。」
そう。ツクヨミの宝具は、全ての"放出"を制限する。
いわばすべてを闇で包む。光を放つ力は全て無意味になる。
だから、完封だ。

フリングホルニは沈黙した。それでもライダーは動じない。
「閉じ込められた。いいね。接近戦は不慣れだけど。マスターはどうする?」
「私は、詰んでいると思うが。逃げ場もない。お前の接近戦能力などたかが知れている。」
さて、これでいいのだろうか。このままいけば、師匠は敗退する。
まだ、話し切っていないのに。その時、予想外の言葉が聞こえた。

「ライダー。一時停戦というのはどうだ。」
アサシンの一声。この圧倒的な有利な状況で、そう言った。
「理由は簡単だ。見極める前に殺したくはない。そこのライダー。我はおまえの天敵だ。
いつでも殺せる。だから今じゃなくてもいい。」
わかった。アサシンは全てを見ていた。だから、僕と師匠の関係も、それなりに察知していた。

そうしてライダーは宝具を収めた。休戦の意志。
アサシンも結界を解く。敵意はすべて消えていた。…師匠以外。
「死なずに逃がしてもらえるなら、ありがたく受け取る。
しかしそこのアサシン。お前は目障りだ。相性だけの話じゃない。戦闘より話し合いを重視するなど。」
そう言い残して、消えた。師匠が一瞬僕のほうを見たのは、気のせいだっただろうか。

そうして、波乱の一日は終わった。夜は、アサシン陣営との自己紹介があったけど。いたって平和だった。
ツクヨミの"眼"は強力だ。今もこの街を監視しているらしい。
でも、街から外れた森の中までは。流石に知らなかったんだ。


                         **
森林の奥地。ランサーとそのマスターがいた。

「ランサー。ご主人を見つけるのはいつになるのでしょうか。」
そう問うのは、簡素なワンピースを着たホムンクルス。造られた目的は、忘れてしまった。
ランサーの返答は、緊迫感と期待感があった。
「囲まれているな。『暴風神域』は使っていても、獣の感覚には気づかれるということか。
出てこい。全員だ。まとめて相手をしてやろう。」
そうして出てきたのは、大量の狼。あたりを囲んでいる。
しかもそれだけじゃない。

正体不明の黒い影に包まれた存在。そしてその上に腰掛ける小さな少女。
「おっと、潜んでいるだけで戦うつもりはあまりなかったのに。
でも少し、見極めてあげようか。あなた方の願いは何?」
少女は見た目に会わないしゃべり方をした。相当な実力。ホムンクルスの自分でもそれはわかった。
答えに詰まる。私の願いはちっぽけだ。…でも、ランサーが答えてくれた。
「この女の主人たる人間を見つけること!そして俺はそのために全力を尽くす!気に入ったからな!」

「なるほど、なるほど。」少女は否定しない。全ての願いを見極めるのに、その程度では終われない。
「じゃあ、やりましょうか。…バーサーカー。この一戦で死んでしまうあなたではないですよね?」
少女は狂戦士と意思疎通していた。その獣耳が、なにか関係あるのだろうか。
いや、そんなことを考えている場合ではない。
「ランサー。お願いします。貴方の戦力を、まだ把握できていませんが。」
「なに。俺にすべて任せて、魔力を送るだけ送ればよい。
サーヴァントとして、お前の親代わりとして!お前を護ってやろう!」
そうランサーは豪胆に笑う。親代わり、なんだかその言葉だけ、寂しそうに聞こえた。

夜の森林の戦闘。有利を取ったのはバーサーカー。
聖杯戦争。その全てをコントロールするのは不可能だ。
僕らが知らない間に、一つの死闘が始まる。

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