ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。


暗い。

空も大地も暗く、果てが見えない、暗闇の世界。
何かの黒い液体が滴り落ちて、地面を呑み込んでいる。

それは光を反射せず、音を吸い込む。
足を動かし波が立ったとて、その輪郭を光沢が縁取る事はなく、波の音を立てることもない。
ただ、それは鉛のように重く、氷よりも冷たかった。

その世界の中に、自分は立っている。

そして、
目の前に、逆さまの男がいた。

黒い鎧、黒い外套、白い髪、白い肌。頬は削げおち、目は落ち窪んでいる。
瞳を模した暗い穴が、自分に視線を向けていた。

『問おう』

『貴様が、私の器か』



―――Fate/Shadow Chaser



「我々梅田、及び難波都市軍の運営委員会は、突如現れた「日本」なるテロ組織を容認する事はありません」
「しかし残念ながら、既に何名かの軍所属者が「日本」に合流を果たしているという報告が上がっております」
「我々が特に問題視しているのは梅田都市軍所属、アルス/XXXI指揮官」
「彼の出身組織「継承の王」において「日本」との深刻な癒着の証拠が複数見つかり、同時にアルス/XXXIの失踪を確認しました」
「我々はこれを重大な離反行為と断定。アルス/XXXI及びサーヴァント・パーシヴァルの軍籍抹消と」
「各都市軍にモザイク市内での戦闘許可を発令。他の離反者と同様に、発見次第拘束または抹殺を要請します」


私は、逃げ出した。


「―――捕らえたか!!」
「いいや、あの騎士野郎真っ先に逃げやがった!」

「逃し屋が優先だ、先に奴を消さないと全員街の外に行っちまう!」
「拠点に火をつけて炙り出せ!!野垂れ死ぬまで追い回すんだ!」


打ち倒すべき相手に、背を向けながら。


「状況は最悪や」
「議員先生が何使とるんかはわからんけど、キタもミナミも偉いさん軒並みアホにされて、カレンの指示を伝える組織体制がアカンようなってもうた」
「それだけやったらまだしも、この状況に乗っかってやばい人らやクソボケ共が一斉に暴れ出したもんやから始末に負えへん、表も裏も完全に恐慌状態になっとる」


重く目立つ武具を、脱ぎ捨てながら。


「これは、私がかつて見た光景そのものだ」
「飾りだけの統制をも剥ぎ取ってしまえば、その混乱に乗じて市民達は己の欲望のままに暴走する」
「我らはこの地獄を目に焼き付けるべきだ。向かうべき国家で同じ過ちを繰り返さぬように、痛みを以って教訓とせねばならん」


服を切り裂かれ、血に塗れながら。


「―――あなたで七人目です」
「今は、自分の判断で動くしかない。混乱の元凶となる人物を……あなた達を全て排除し、市民の行動目的を奪う事でこの事態を収拾します」
「あなたが逃げ続ける限り、混乱と被害は止まりません―――ここで終わらせます……!」


―――紅く汚れた手を、握りしめながら。


「あぁ、クソ。どうやら今回も、マトモなくたばり方はできねぇみてぇだな」
「すみません。私はこの辺でお別れという事で、あなたは逃げて―――いえ、そもそもどこに逃げろという話ですけども」


……溢れる嗚咽を、噛み殺しながら。





「―――パーシヴァル。この状況は」

「はぁ……っ、はぁ……っ……!!私は……!」
「私、どうしたら……!アルス君が……っ!!」





『―――ふむ、中々悪くない』
『よくこの器をここまで育ててくれた。感謝するぞ、パーシヴァル卿』





『アーサー・ペンドラゴン。絶望の深淵より、ここに帰還した』



二つの戦い

二つの約束

二人の王

二つの槍

二人の物語



―――The Other Two―――





パーシヴァル。
今日が、約束の日である。
そなたが、余を―――































続かない
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