ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。



私の名前はフランソワ・ヴァイオレット。しがない吸血姫、死徒をやっている。
普段のご飯はもっぱら病院からかっぱらってきた輸血用のパック。時たま生き血。
あんまり生きている連中の血を吸うと足がついちゃうからね、代行者なんて死ねばいいのに。
だからこうして、いつもはお屋敷の地下奥深くでぐっすりと引き籠ってるの

…………そんな生活だから、意外とみんな憧れるけど死徒なんて楽じゃないの。
日に当たる事もできないし、さっき言ったような代行者に追われる毎日。血も正直あんまり美味しくない。
甘い甘ーいケーキやドーナッツが恋しくなる日もあるの。確かに常人よりはるかに強いけれど、これじゃあ割に合わないわ。
人間をボロ雑巾の如く千切る腕力、吸血能力、眷属作成、……数えたらそれこそきりがないけど、そんなの初歩の初歩
本当に強い死徒になると、体中に獣を飼ったり噂話と同化したり六つの魂を持ったり、迷宮を創ったり……
色々と便利なことが出来るらしい。でもそれはあくまで上級の死徒。私には関係ない。
そんな連中を見ても、己の非力さに虚しくなるだけだわ。

…………でも、それでも私は死徒。常人にこんな私を見せても、怖がられるだけです
私達は血を吸い、闇夜に生きる人非人、血染めの眷属(ブラッド・ブリード)……………
そんな私を、一体誰が受け入れてくれるって言うんだろう。そんな人今まで一人もいない。
常人じゃそんなこと絶対無理だし、だからと言って同じ死徒とは今まで一度も会ったことないし………。
──────────正直なことを言うとね、ちょっと寂しかったりするの。

『死徒!!それって最強の証じゃないッスかぁ!
それにそんな人がうちと関わりあっただなんて!!運命感じますね!』

………………なんか昔会った、変な魔術師の顔がなぜか浮かんだ。
とりあえずそんなことは忘れて、センチメンタルになるのも忘れて、私は今日もあての無い道を往く。
────────あーぁ、せめてお仲間の死徒がもう一人でもいてくれれば、寂しさも紛れるんだけどなぁー
誰でもいい、もう言っちゃうと、"もう一人の私でも良いから"さー……………





良い所があると聞いた。
曰くそこは、英霊たちが集い人理が崩れないように補強している機関であるという。
忌々しいったらありゃしない、と私は思った。だから私は、いつもの気まぐれでそこに向かう事にした。
────────────英霊、それは人の思いの結晶、信仰の具現、かつて人類か築いた成功の証明。
だけど、どういったわけか私はそう言った連中が大の苦手だ。誰かが言った。英霊は人理を肯定するものであり、
そして私達は……………死徒は、その人理とやらを■■するものである、と………………。

その人理とやらが分からないけれど、その場所に行けば分かるんだろうと思い、向かってみることにした。
名前は?えーっと、人理保障機関フィニス・カルデア。なるほど響きは面白そうじゃない。
私は八重歯を煌かせながら口端を釣り上げて、そのカルデアとやらの在る場所へと飛んでいくことにした。
「とぉーぅ!!………………あだぁっ!!」
ビダーン!と地面に叩きつけられる。痛い!!
そうだった………血を飲まないと死徒としての能力の大部分使えないんだっけ
グイっと一気飲みしたいところだか生憎ストックは一本だけ。これは大事に取っておこう。
まぁこれはこれで、小さいから子供料金で電車乗れるし吸血鬼とほぼばれないし(魔力量の関係だとか誰かに聞いた)
とっても便利なんだけどネ!気を取り直して私は歩いてカルデアまで向かう事にした。





「寒いぃ〜〜〜〜!!!!」
予想だにしなかった。まさかこんな極寒の山奥にあるだなんて。
研究機関って言ってたから周囲一帯緑化とかしてると思ったのに!!これじゃあまるで仙人じゃないの!!
「いや待てよ?確かチベットの山奥に住む集団は死徒を殺す太陽の呼吸法を研究してるって言われてるわね」
人理を保証……死徒は人理を■■……なるほど全て合点がいったわ!!カルデアとはつまり死徒を殺す研究所!
「そうと分かれば全速前進!!ぶっ壊してくれるわ!!」
寒さに凍える身体に鞭打ち私は走る。目指すはその憎きカルデア!
待っていなさい英霊共!!その鼻あかしてけちょんけちょんにしてあげるんだからっ!!





「ぜー…………っ、ぜー…………っ、もー……っ、ムリ………………」
何やら建物らしきものが見えたあたりで体力の限界に差し掛かる。たぶん人間なら4回死んでいるくらい。
膝が笑ってまるで生まれたての小鹿みたいになっているけれど、そこは我慢して立ち上がる。
だってこんな姿を万が一英霊に見られたりしたら死徒のかっこがつかないもんっ!
「えーっと、でもとりあえずどうしよ…"たのもー!"……じゃないわよね………」
そういえばこの前死徒が主人公の漫画で敵役が隠密行動してたわね。
私達死徒の島に無謀にも入り込んできた勇気は認めるけど、正直人間じゃ死徒に勝てないと思うなあの漫画。
だが敵ながら妙に描写が多かったので印象に残っていた。故に私はその姿が思い浮かんだ。
「隠密行動、その手があったわ。えーっと……侵入口が分からないからとりあえず玄関から入りましょう」
灯台下暗しって言うもん、堂々としていた方がバレないはずだわ!というわけで私はこそこそと堂々正面から入り込んだ。





「………………意外にバレない。」
玄関から入ってすぐにかけてあった幾つもの種類の服(戦闘服?制服?)を纏っているせいか、
私が侵入者だと気付くものはいない。それどころかさっきは「あら初めまして可愛いマスターさん」などとあいさつされた。
疑問に思いすれ違う人々をよーく観察してみると、確かに和洋折衷古今東西あらゆる服装の人間に混ざって、
先ほど私が見た多くの服と同種の衣服を纏う人々の姿が見受けられる。
「(なるほど、あれが制服だったのね…………だとしたら好都合!これはばれないわ!
  あとはここの中枢を見つけて、この私の懐に忍ばせた血液を飲んでフルパワーになって破壊すれば……)」
「おい、そこ行く少女よ暫し待て」
「はいぃ!?」
バ、バレた!?何者かが背後から声をかけて近づく音足音が響く。
振り返ると、漆黒の外套を纏い巨大な杭を携える男が近づいてくるのが見えた。
背後には昔本で見た拷問具…………アイアンメイデンだっけ?を持っている女性もいる。
「(殺されるぅ………………!!)」
杭とか私殺す気満々じゃん!!あれが噂に聞く英霊って奴!?こわいよぉ〜!!
ああ私はあの杭で八つ裂きにされた後にアイアンメイデンに閉じ込められて生かさず殺さずな拷問にあうんだ〜!!
「……………………気のせいか」
「へ?」
男の方は近づいて私をまじまじと観察したと思ったら、すぐに離れていった。
「驚かせて済まなかったな童女よ、ここは余ら程恐ろしい英霊もいるがそう言ったものばかりではない
新入りのマスターならば、こういった英霊にも慣れていく必要があるがな」
そう男は笑いながら言うと、私から離れて去っていった
『どうしたの?』
『いや、あの童女から我らと同種の香りがしたのでな……………』
う、うーん……………とりあえず危機は脱出?したでいいのかな?
恐らく私が全盛期の肉体になっていないからだろう。私が死徒とはバレなかったらしい。
うん、そのことに関してはひっじょーにありがたいんだけど、一つだけ良いかな英霊
誰が童女だクラァッ!!私ぁ100超えてるれっきとした吸血鬼だぞバーカ!!





謎の部屋に着いた。扉の奥からは嫌な気配がムンムン漂う。
それはつまり英霊がたくさんいるという事だろう。私の死徒の本能が、それを嫌悪と感じるんだ。
面白いじゃないの。さっきはちょっとちびりそうになったけど?どれだけの英霊がいようが関係ない!
「たのもー!!」
……………………と勢いつけて入るのは怖いので、こっそりと扉を開いてそそくさと入り込む。
だがしかし、中には英霊はおろか人っ子一人いない。Why?何故?さっき感じた気配は何処?
だが中には幻想的な雰囲気が広がっていた。星々のように輝く光の粒子、そして中央には円状の装置。
死徒である私ですらちょっと見とれそうになる、美しい場所であった。
「んー?何これ?えーっと……"泥月ピックアップ2開催中"…………?」
その装置の横に張られている張り紙をいくつかめくる。しかしどういう意味かよく分からない。
「まぁなんだかよくわかんないけどなんか弄ればいいんでしょ!」
何書いてあるか分かんなくても、ここが重要な場所であるとは私にもわかる。
とりあえず目につくボタンをガチャガチャウィンウィンピコピコ押したり引いたり回したりする。
すると──────────────────
「あびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃびゃああああッ!?」
か……………………体中から魔力がぁぁぁぁ〜!!び………びっくりした!
一気に魔力が吸われた…………それもとんでもない量!常人だったら死んでるわよこれ!?
そして画面を見ると『なんちゃら石×6』とか表示された。石?私はオリジンストーンとは関係あるけどストーン家じゃないわよ?
すると装置がキュイーンキュイーンシュバァァァァァと動き出したと思ったら、シュゴゴゴゴゴゴゴゴゴと動き出した。
「ひゃああっ!!?何!?何これ!!?」
あまりにいろんな出来事が同時に起こりすぎて、処理しきれなくなった私は部屋の隅の物陰に隠れる。
やがてその装置に光のリングが1本灯り、そしてパァァァァァァとカードが出て来て回転して…………

ジャァァァァァァァァァン

「何これ」
なんか優雅にワインを飲んでいるおっさんの書かれたカードが出てきた。
魔力は感じるけれど特に面白くもなんともないので横にあるごみ箱にポイ捨てする。
するとなんかメロンゼリーみたいなのが3つ出てきたから食べたけど、味がなかったので捨てておいた。
「ん?数字が減ってる」
近寄ってみると、先ほど画面に表示された数字が6から3に減っていた。
「ははー、これを消費して何か呼び出す、言うなればこれは召喚陣ね!」
そう考えれば先ほどの謎のおっさんブロマイドにもつじつまが合う。なるほど今のは英霊召喚の失敗、
間違えた副産物なわけね。そして3個減って3個残っているという事は、あと1回出来るってことか
「これは面白いわね!!この死徒たる私が英霊を従える!!こんなに面白い事はないわ!」
これで召喚した英霊を元手にこのカルデアを掌握!破壊!!挙句は世界制服!!人理焼却!!
嗚呼なんて素晴らしいのかしら!これこそ我ら死徒の悲願!!私はここまで辿り着いたのね!!
「で、でもさっきみたいなおっさんが出ないように慎重にぃー…慎重に………!!」
気づけば私はなんかゆっくりと不気味な舞いを踊っていた。傍から見たら不気味だけどこっちは真剣そのものだった。
「出〜ろ〜!出〜ろ〜!凄〜いの〜〜〜〜出〜〜ろ〜〜!!!」
そう言いながら(あと踊りながら)カチッと私は装置のボタンを押す。
すると先ほどと同じように装置に円状の光が出現する。そして──────
「おっ?」
その光輪が回転する直前、ぱっと虹色の光に変化して回り始めた。
「おっおっおっ!?これもしかして来てるんじゃないの〜!?」
シュバァァァァァとでてきたのは三本線、くるくると回転し出てきたカードにはピエロのような2人組が金色で描かれている。
そしてそのカードにシュワァァァァァァと姿が現れていって…………………英霊召喚と大きく文字が出た。
「やったー!!なんか金色ー!きっとすっごい奴だー!!」
私がそう喜ぶと、そのカードからその英霊はジャンプして飛び出してくる。
「ヒヒヒ、ワタシを呼ぶたァ運が良いんだか悪いんだか知れネぇな!
アルターエゴ、レルムアポテーカ…………召喚に応じサンジョーした。精々可愛がってくれヨ、マスター」
「へ?マスター?………あ、そう!!そうよ私がマスター!!よろしくね!えーっと、レルム?」
ふんふん、なかなかにキマってるサーヴァントじゃない、気に入ったわ。なんか気が合いそう。
ちょっと赤っぽい金髪とかその紫の瞳とかなんかもう如何にも血を飲んだあとの私みたいな…………
「えー…………っと、もしかしなくても貴女、私よね?」
「ア?何言ってンだこのガキ」
「私よ!!わーたーしー!!!フランソワ・ヴァイオレットでしょ貴女!?
てかえっ?ちょ…………!ハァ!?なんで私が英霊になってんの!?それも血も飲まないでその姿!!
全盛期!!意味わかんない!!ちょっと一から説明してくれないとぶん殴ってその乳千切るわよ!!」
「オイオイ落ち着けよォ………えーっと?フランソワ、フランソワねェ…………」
"そいつ"はふーんと数分ほど唸って、そしてようやくパチンと指を鳴らした。
「あーあー!!そう!そうダわ!ワタシそういヤ死徒だったっけェ!
いヤぁーなっつかしいなぁ!えっ?ってことはお前"ワタシ"!?アッハッハッハッハ!!こりゃ面白い!」
「面白いじゃないわよォ!!何?ひょっとして英霊になったの!?貴女が!?違う、"私"が!?」
「そォーヒートすんなヨ、これにゃア理由があるんだヨ」
そう言うとレルムは、いや"私"はその身にあった過去を語り始めた。
曰く、時は2030年………朧気ながら覚えているのは、噂を聞いた時の事らしい。
それを聞いて、彼女は気づいた時には月にいた。そして英霊を呼べと言われたとか。
英霊なんざ呼ぶか、しかし地力じゃ帰れないと長考していたらしい。(この気持ちは正直分かる、まぁ私同士だし)
そして時間切れになった時、彼女(わたし)は、違う彼女(ワタシ)に成り果てていたという。
「それがワタシだ。『気紛』のアルターエゴ、レルムアポテーカ。」
「ふぅーん、色々あったのね"私"。」
「分かってくれるかァ?やっぱ"ワタシ"は良い奴だなぁ〜ホレホレぇ〜」
わしゃわしゃと帽子の上から力強く撫で繰り回される。ぬぅ………自分自身に撫でられるとは変な気分だ。
「やーめーてーよー!!同じ"私"なんだから子供扱いしないで!」
「ヘェ〜?そんなチンチクリンでかァ〜?うりうり〜!」
"私"がわしゃわしゃとわたしの薄い胸を撫で繰り回す
「なっ!ちょっと!ひゃあっ!!?」
「ワタシぁもう血の必要ないんでネっ!こうしていつでも全盛期な肉体さァ!」
「なによ!!んならこっちだって!!」
そういって私が懐から取り出すは輸血用パック(最後の一袋)
これで私だってあんたみたいなムチムチボインの全盛期ボディに………
「オー!そりゃあまた懐かしいな!(ヒョイ」
「あーっ!!私の最後の血ぃー!」
一瞬でひったくられた。畜生!対格差が違いすぎる!
「んーっ!ぷはーっ!!やっぱヒッサビサの血液ァ美味ェ美味ェ!!」
「ちょ……!何すんのよ!?それ盗んでくるのマジで大変なんだから!!」
「固ェこと言うなヨッ!同じアタシ同士だろッ?」
「はぁー!?何それー!こんな駄肉ぶら下げてよく言うわ!!(ペチン」
「痛っ!てめぇやったなこのペチャパイ!!」
「何よこの英霊!!血ィ吸い尽くしてやる!!」
「やってみろ死徒がぁ!!返り討ちだオラァ!!」
ギャーギャーワーワーとワタシと私の大乱闘は数時間続いた………。
このままじゃらちが明かないので、とりあえず彼女(ワタシ)を連れて外に行くことにした。
さてはて、一体どんな感じでこのワタシを使ってみようかな?
そう考えると、ちょっと私の旅路の中に楽しみが芽生えた。


『………………』
「おいどうしたアビエル。召喚ルームの中見て固まって」
「いや、召喚は今はやめましょう。入れる雰囲気じゃないです。
中でマスターさんとサーヴァントが取っ組み合いのキャットファイトしてる」
「なにそれ…………」
「面白そうじゃん超見たい」
「ダメダメです!!ひと様の喧嘩を見るなんて!」
「はい、アングリードの言う通りです。仲の悪い二人の喧嘩に
ムリに混ざった物の行く末は大変なことになると、神話にも書かれています」
「ほら月面都市もこういってますし。……………いや、でもー………」
「でも?………なんでしょう」
「でも、喧嘩してる二人はなんか仲悪そうには見えなかったかな?
なんというか、あいさつ代わりに喧嘩してる姉妹みたいな感じで楽しそうだった」





「ンで?これから先どーすんだ?」
「さぁ?特に行くあてもない旅路が続くだけよ」
「ヒヒッ、そういやそーだったナ。聞くまでも無かったか」
二人の少女は雪山を下り、街を歩く。その様は見る人には姉妹、もしくは母子に移るだろう。
だが奇怪なことに、二人の関係は"自分同士"。故に互いを誰よりも分かり、そして誰よりも信頼している。
「何処に行くか決めてやろうカ?ムーンセルのNPCになったことで色々知ってルぜ?
例エばアトラス院の院長がアタシらのオ仲間だったりとかナ」
「へぇー、あのアトラス院の院長がねぇー……ふむふむ。
でも、まぁ私は私が思った通りの道を行くわ。貴女には頼らない」
「ホゥ?そりゃあマァ結構な事だガ?そりゃマタ何故?」
「だって貴女、信用できないんだもーん!」
「言ったなコイツぅ〜!!」
「わわっ!ちょっと突然持ち上げないでよ!」
傍目から見れば、母と子、もしくは姉妹がじゃれついているようにしか見えない。
実際肉体的にも年月的にもそれほどの差があるのだから、当然とも言えるかもしれないが。
「んっ」
「どーシタぁアタシ」
「いやぁー、あれ何かなぁーって」
抱え上げられた少女が少し遠い公園の方向を指さす。
そこでは何人かの少年少女たちがペンを転がして遊んでいた。
『いくぜ!コマンドオーダー!』
「なにあれ?」
「なにってー、そりゃ、ペン鯖だろオ?」
「そんな当然の如く言われても…………その、知らないんだけど………」
「あー、まぁワタシぁ魔術に疎かったからナァー、うんうん知らねぇのも無理ねぇカァーヒヒッ」
大きい方の少女が肩をすくめながらオーバーリアクションする。
「なんかクッソむかつく…………」
「マァ良い。このレルム様が教えてしんぜヨゥ
ありゃあ聖杯戦争を簡略化させたものよ。今じゃあ聖杯戦争は全部あれだ。
カルデア他の一部を除いて、サーヴァントは全てああいったペンで闘うんだ」
「へぇー、……えっ!?じゃあ死人は!?出ないの!?命の駆け引きとかは!?」
「そんなモン、全部なくなっちまったヨ。ワタシだって驚いたサ、聖杯戦争と言ヤ
血が飛び散り臓物が巻き散り策略欲望裏切り絶望入り混じるもんだと思ってタ
だがしかし、何者かがそれを変えた。それがこの世界なんだヨ」
「ちーっとも知らなかった………、あんまり地下に引き籠ってるもんじゃないわねぇー」
「マ、ワタシも召喚される直前にインストールされた知識で知ったケドな!」
「人の事言えないじゃないあんた!!」
「マ…とにかく、今じゃあ聖杯戦争なんてお遊戯見たいな可愛いもんになっちまったってワ・ケ
残念だったネェー、マスターサマよぉー」
「ふふん、残念なんかじゃないわ」
大きい方の少女がニマニマしながら少女の顔を覗き込むと、少女はというといや〜な笑みを浮かべていた。
「あリ?」
「聖杯戦争がゲームになって普及!!そんなことになってだなんて知らなかった!
だったら!そのぬるま湯に浸かった阿呆魔術師共に血と!絶望と!!恐怖の味を思い出させてあげる!!
キャハハハハハハ!!!面白くなってきたじゃない!!こんなんなら!もっと早くお屋敷から出てくれば良かったわ!!」
「お……オウ、そっか。オマエがそれで良いんなら、それで良いんだけどヨ………」
「なぁに言ってんのっ、あんたにも手伝ってもらうわッ!
こんな面白い事他にないもん!!早速ブースターパック買ってこなくっちゃ!」
「ウぇー………、手伝うのかァーイ…………」
と、乗り気でない風のレルムであったが、楽しそうにはしゃぐ"自分"の姿に彼女自身も嬉しくなっていった。
「……………………でもマ、こんなコンビもォ……………悪カぁねぇか………」
「ん?なんか言った?」
「いーや、なんでもネッ。そいじゃア、さっさと行こうゼ?
どっかのおもちゃ屋にペン鯖をかっぱらいにヨぉ!!」
「さっすが私!発想がドンピシャね!」
「当然!!なんたッテ、アタシなんだからなぁ!」
そう笑顔で笑い合うと、少女たちは互いにハイタッチをして近くのおもちゃ屋へと走っていった。
「でもさ、こんな聖杯戦争がどーのとかを商品化するってどこの会社?」
「サァ?確かに英霊が宿るのはごく一部だけど、全部ソリッドビジョンで実体化する技術力はある。
こりゃア、相当金と技術持っている会社が聖杯戦争委員会に協力でもしタンじゃねぇの?」
「アハハッ!もしそうだとしたら、とんでもない莫迦か行動力の在る馬鹿だね!」
「違いネぇ!!」





────────────日本、某社ビル最上階

「……………………。」
一人の男が窓の外に広がる光景を屋上から眺めている。
暫し眺めた後、踵を返し部屋の深部へと歩を進めていく。
少し歩いた後、男は部屋の、太陽の光の届かない薄暗い部分にあるショーケースの前で歩を止める。
そのショーケースに入っているものは、いくつかの古い発掘品のようであった。
1つは、朽ち果てたボードゲームのようなもの、1つは、ボロボロでありながら輝きを持つ、欠けたパズル
───────────そして最後に、とてつもない魔力を持つ、1枚の札であった。
「聖人様」
ウィーン、と自動ドアが開き背広を来た真面目そうな男が入って来る。
「なんだ」
「サモン・ペンシル・サーヴァント・バトル、通称ペン鯖の売り上げは好調です。」
「ふぅん、そんなことか。」
カッカッカッカッカ、と男はその入室者に歩み寄る。
「その程度の事でこの俺の貴重な時間を潰そうというのかァ!?河豚田ァ!!」
「い、いえ!それに加え、クリスタル・クラウド・ネットワーク内へのサーヴァント登録量が、
聖人様の定めたノルマの………約3分の1に達したことをご報告いたします!」
「そうか、非情に喜ばしい事だ…………………だが」
男はビクビクと怯える男の表情を一瞥し、そして口端を釣り上げて言う。
「まだ何かあるようだな、」
「ハッ」
そう言うと、部屋に入ってきた男は抱えていたファイルをいくつか男に渡す。
「数ヵ月前に、この町で確認された聖杯戦争の勝者と思しき少年の身辺情報が出揃いました。」
「ふぅん」
男はひったくるように強引にその資料を奪い取り眺める。
そしてそのまま、流れるように男は部屋に中央に飾ってある1本の鉛筆…
いや、サモン・ペンシル・サーヴァント・バトルの1つを突き刺すような視線で凝視していた。


「今行くぞ…………ツタンカーメン………ッ!!」

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