最終更新: nevadakagemiya 2019年04月18日(木) 01:55:06履歴
モザイク都市梅田
パーシヴァルの休日、その朝は遅い。
主であるアルスの起きる時間までシャツ一枚羽織っただけの下着同然の格好で自分のベッドで人には見せられない凄まじい寝相で寝ている。
普段の日が昇ると同時に起きる規則正しい生活とは真反対だ。
ヘタをすれば昼過ぎまで寝ている事もある。
たまに早朝に起きたと思えばテレビを付け、部屋に食べ物が何か食べ物がないか探し、それを食べてだらだらと 過ごしている。
用がなければそのまま夕方まで同じように過ごし、日が暮れる頃にようやく人前に出れる格好になり、仕方なく騎士としての振る舞いを行うようになる。
そんな有様で 休日を過ごしている。
その日もそのような一日を過ごすはずだった。
朝9時 パーシヴァルはいつもより少し早く目覚めた。
大体普段の休日は10時過ぎまで寝ている。
普段ならば絶対に他人に見せない大きな欠伸をすると喉の乾きを癒すため、飲み物を探して仕方なくベッドから這い出た。
そのまま立ち上がりもせず冷蔵庫からペットボトルを出し、一気に飲み干すとそれを後ろへと投げ捨てた。
後で「誰ですか!こんなに散らかして!」と一人でぷんすか怒って掃除する羽目になるのだが、それは未来の自分がやればいい。
しばらく天井を眺めていたパーシヴァルはやがて完全に目が覚めたのか、仕方なく窓のカーテンを開けた。
空は晴天。
絶好の出かける日和だ。
だが、 パーシヴァルに外を出る気はない。
今日はだらだらと1日過ごすと決めた。
幸いにして予定はない。
冷蔵庫もう一度開け、何か食べるものがないから探す。
……ない。ないなら食べなくていいか。 などと一瞬思った。
なぜなら外に行くならそれなりの格好をしなければならない。
寝癖だらけのボサボサ頭で上下ジャージやスウェットなどいう格好でコンビニに行けば、主アルスのメンツを潰すことになる。
それは避けたい。
『あいつの騎士、サーヴァントってジャージでコンビニ行ってんだぜ!』などと噂された日には流石に噴飯ものである。
しばらく考え込んだパーシヴァルは仕方なく寝間着の上から(と言ってもほとんどシャツ一枚だった)上着を羽織り、ズボン履くともう一度ベッドに倒れ込んだ。
何故かと言えばだらだらしたい欲と食欲と外に買い物に行かざるを得ないと言うめんどくささがだらだらしたい欲に負けた。
「サーヴァントだから食べなくても死なないし……」
すでに思考は停止している。
そのままもう一度眠りにつこうとした時、扉を叩く音がした。
「誰だろ?」
ぼーっとした頭で鏡の前で衣服と髪の乱れを整える。
「よし!」
と言っても前側だけ。
後ろははひどい有様だった。
その状態で「今出ます!」と声を上げ、扉を開ける。
そこにいたのは主アルスの姿だった。
背筋につららを入れられたような感覚が走る。
まずい。割と長い付き合いでだらしない面もあると知られているのは分かるが、この状況を見せるのは騎士として女として非常にまずい。
そこは最低限譲れない。
「朝早くすまぬ、パーシヴァル 」
どことなく緊張してる様子のアルス。
「どうしましたか、アルスくん?」
精一杯取り繕った声でアルスの言葉に返事をする。
「うん、その、なんだ……」
何やらアルスの顔が赤い。
風邪?いや、聖杯物を持つ風人間は邪を引くことはない。……では一体?
パーシヴァルの困惑を他所に、アルスが口を開く。
「たまの休日だ、もし…パーシヴァルがよければ……あ、いや、外に出かけよう、……その、か、買い物にでも行かないか?」
そこでパーシヴァルは目を見開く、なるほど!アルスは自分を誘いに来てくれたのか。
流石は我が主。誰にでも分け隔てなく接する王の資質がある。
実際のところそうではなく、アルスは幼い勇気を振り絞り、パーシヴァルへデートの誘いに来たのだが、寝ぼけた頭のパーシヴァルは完全に勘違いしていた。
悪く思ってない身近な異性を遊びに誘う、少年の純情などパーシヴァルに分かるはずはない。
そんな繊細……友人の死に心を痛める繊細さはあるが、方向性が斜めにズレていた。
アルスの気遣いに感涙に胸を打たれていたパーシヴァル。
だが、すぐあることに気づいた。
アルスはすでに出かける準備は万全だ。
きっと自分の完璧な騎士であるパーシヴァルは部屋でもいつでも動けるきちんとした格好してるに違いないと思っていたのだろう。
まずい。
だらしない格好をしないわけではないと分かっているだろうが、主の騎士への想いを壊すわけには行かない!
いっそ断るかなんとか誤魔化してこのまま出掛けるか、ルーカンさん!バトラールーカンさん!私を導いてください!
30秒ほどの思案の末、パーシヴァルの頭に天啓が走る。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そう言うときは女の武器を使うんだよパーシヴァル。
後、上手く行ったら私にもショタを紹k……
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「……お、お化粧をしてくるので30 、10分ほど待ってください!!」
意味が分からず暫くポカンとしていたアルスだったが、お化粧をする=出掛けることを了承するという意味に気づいた。
「あー、では10…30分後にまた来るとしよう!」
アルスは嬉しそうに頷くと軽やかなステップで立ち去った。
因みにパーシヴァルは自分で化粧などしたことはない。
なんとか笑顔でアルスを見送り、パーシヴァルは30分以内に身なりを整えるべく、まずは風呂を沸かすところから始めるのだった。
尚、二人のお出かけは上手く行き、とても楽しい時間を過ごしたとの事。
パーシヴァルの休日、その朝は遅い。
主であるアルスの起きる時間までシャツ一枚羽織っただけの下着同然の格好で自分のベッドで人には見せられない凄まじい寝相で寝ている。
普段の日が昇ると同時に起きる規則正しい生活とは真反対だ。
ヘタをすれば昼過ぎまで寝ている事もある。
たまに早朝に起きたと思えばテレビを付け、部屋に食べ物が何か食べ物がないか探し、それを食べてだらだらと 過ごしている。
用がなければそのまま夕方まで同じように過ごし、日が暮れる頃にようやく人前に出れる格好になり、仕方なく騎士としての振る舞いを行うようになる。
そんな有様で 休日を過ごしている。
その日もそのような一日を過ごすはずだった。
朝9時 パーシヴァルはいつもより少し早く目覚めた。
大体普段の休日は10時過ぎまで寝ている。
普段ならば絶対に他人に見せない大きな欠伸をすると喉の乾きを癒すため、飲み物を探して仕方なくベッドから這い出た。
そのまま立ち上がりもせず冷蔵庫からペットボトルを出し、一気に飲み干すとそれを後ろへと投げ捨てた。
後で「誰ですか!こんなに散らかして!」と一人でぷんすか怒って掃除する羽目になるのだが、それは未来の自分がやればいい。
しばらく天井を眺めていたパーシヴァルはやがて完全に目が覚めたのか、仕方なく窓のカーテンを開けた。
空は晴天。
絶好の出かける日和だ。
だが、 パーシヴァルに外を出る気はない。
今日はだらだらと1日過ごすと決めた。
幸いにして予定はない。
冷蔵庫もう一度開け、何か食べるものがないから探す。
……ない。ないなら食べなくていいか。 などと一瞬思った。
なぜなら外に行くならそれなりの格好をしなければならない。
寝癖だらけのボサボサ頭で上下ジャージやスウェットなどいう格好でコンビニに行けば、主アルスのメンツを潰すことになる。
それは避けたい。
『あいつの騎士、サーヴァントってジャージでコンビニ行ってんだぜ!』などと噂された日には流石に噴飯ものである。
しばらく考え込んだパーシヴァルは仕方なく寝間着の上から(と言ってもほとんどシャツ一枚だった)上着を羽織り、ズボン履くともう一度ベッドに倒れ込んだ。
何故かと言えばだらだらしたい欲と食欲と外に買い物に行かざるを得ないと言うめんどくささがだらだらしたい欲に負けた。
「サーヴァントだから食べなくても死なないし……」
すでに思考は停止している。
そのままもう一度眠りにつこうとした時、扉を叩く音がした。
「誰だろ?」
ぼーっとした頭で鏡の前で衣服と髪の乱れを整える。
「よし!」
と言っても前側だけ。
後ろははひどい有様だった。
その状態で「今出ます!」と声を上げ、扉を開ける。
そこにいたのは主アルスの姿だった。
背筋につららを入れられたような感覚が走る。
まずい。割と長い付き合いでだらしない面もあると知られているのは分かるが、この状況を見せるのは騎士として女として非常にまずい。
そこは最低限譲れない。
「朝早くすまぬ、パーシヴァル 」
どことなく緊張してる様子のアルス。
「どうしましたか、アルスくん?」
精一杯取り繕った声でアルスの言葉に返事をする。
「うん、その、なんだ……」
何やらアルスの顔が赤い。
風邪?いや、聖杯物を持つ風人間は邪を引くことはない。……では一体?
パーシヴァルの困惑を他所に、アルスが口を開く。
「たまの休日だ、もし…パーシヴァルがよければ……あ、いや、外に出かけよう、……その、か、買い物にでも行かないか?」
そこでパーシヴァルは目を見開く、なるほど!アルスは自分を誘いに来てくれたのか。
流石は我が主。誰にでも分け隔てなく接する王の資質がある。
実際のところそうではなく、アルスは幼い勇気を振り絞り、パーシヴァルへデートの誘いに来たのだが、寝ぼけた頭のパーシヴァルは完全に勘違いしていた。
悪く思ってない身近な異性を遊びに誘う、少年の純情などパーシヴァルに分かるはずはない。
そんな繊細……友人の死に心を痛める繊細さはあるが、方向性が斜めにズレていた。
アルスの気遣いに感涙に胸を打たれていたパーシヴァル。
だが、すぐあることに気づいた。
アルスはすでに出かける準備は万全だ。
きっと自分の完璧な騎士であるパーシヴァルは部屋でもいつでも動けるきちんとした格好してるに違いないと思っていたのだろう。
まずい。
だらしない格好をしないわけではないと分かっているだろうが、主の騎士への想いを壊すわけには行かない!
いっそ断るかなんとか誤魔化してこのまま出掛けるか、ルーカンさん!バトラールーカンさん!私を導いてください!
30秒ほどの思案の末、パーシヴァルの頭に天啓が走る。
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そう言うときは女の武器を使うんだよパーシヴァル。
後、上手く行ったら私にもショタを紹k……
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「……お、お化粧をしてくるので30 、10分ほど待ってください!!」
意味が分からず暫くポカンとしていたアルスだったが、お化粧をする=出掛けることを了承するという意味に気づいた。
「あー、では10…30分後にまた来るとしよう!」
アルスは嬉しそうに頷くと軽やかなステップで立ち去った。
因みにパーシヴァルは自分で化粧などしたことはない。
なんとか笑顔でアルスを見送り、パーシヴァルは30分以内に身なりを整えるべく、まずは風呂を沸かすところから始めるのだった。
尚、二人のお出かけは上手く行き、とても楽しい時間を過ごしたとの事。
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