最終更新: nevadakagemiya 2018年01月19日(金) 01:46:47履歴
痺れるような苦痛が私の体内を刺す。
鈍器で殴られたかのような鈍痛が私の頭を攻める。
思考はまるで夢を見ているかのように覚束ない、視界は海の上で波に遊ばれているかのように揺れる。
時折来る種類の違う痛みが、私を辛うじて現実に引き留めている。
だが、痛みこそが今は心地良い。
あぁ…この痛みが私が生きていると言う証なのだ……。
「って一人で何格好つけてるの?エンタープライズ?」
三が日も終わり───査察団?……いやぁ!新所長達が上陸しようとしたらたった今衝撃で剥離したような巨大な氷塊が出現して避けきれず船体が損傷、更に魚r…謎の巨大生物に船底食い破られて船体が傾き、甲板に置いてあったヘリが南極の海に滑り落ちたのは不幸な事故だったわね! 怪我人はいなかったけどヘリがなければ上陸出来ないから出直す羽目になったのは心から同情するわ!……誤解されるといけないから言わせて貰うと、すぐ近くで私が対瑞鶴用の演習やってたことは一切関係ないと断言しておくわ!──カルデアの自室で吐き気と戦いながらもちょっとナイーブな私の気分をぶち壊してくれたのは眼鏡がチャームポイントの我が戦友にして後輩であるミズーリだった。
今本気で頭痛いからそっとしておいて欲しい……
「只の二日酔いじゃない……それも三日三晩に渡って飲み続けたりするからよ。 はい、お水」
呆れたように溜め息をついたミズーリは私にコップを手渡してくる。
二日酔いの件は事実なので反論は出来ない。
そう、あれは元日の昼間の事だったわ…ほわんほわんほわんえんぷら〜
(流行りに乗ってる…)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「同志エンタープライズ!新しい年を祝い、ウォッカを飲みましょう!!……二日酔い?大丈夫よ、サーヴァントはそんなに酔わないわ(機械の体だから)」
東からウォッカの瓶片手にどう見ても戦s…砲付きディーゼルエンジン駆動の自走ソリに乗って来るのは白と青を基調とした外套を着たとても暖かそうなもこもこの服装の銀髪の女性。
戦艦ポチョムキン、通称レナさんだ。
「待ちたまえ、レナ!エンタープライズ、ロイヤルネイビーの末裔であるならウォッカよりラム酒だ!大丈夫、二日酔いなんてしないさ(血の代わりにラム酒が流れてるから)」
レナさんに対抗するかのように西からは木造帆船に乗って文字通り飛んできたクラシックな海軍制服を身に付けた隻眼の女性。
泥新宿のコマンダーことネルソンさんがラム酒の樽を抱えてヴィクトリー号から降りてくる。
ステレオで攻めないで!ちゃんとどっちも飲むから!
瓶と樽を押し付けられて思わず声を上げてしまった。
しかし、次の瞬間、瓶と樽が目の前から消える。
「そうれすよ!ウォッカもラム酒もおいしいれすよ〜!」
そこにいたのは頬を赤らめ、明らかに焦点の合っていない目をグルグル回す女性……と言うか酔っぱらい。
( ( ( 誰……? ) ) )
第三者ならぬ第四者の登場に私達は思わず顔を見合わせた。
「まぁ、いいじゃない! 新年だしみんなで飲みましょ!」
更に乱入する赤髪のナイスバディの女性――大先輩のスウェーデンのヴァーサさんでした――を前にして、私は考えるだけ無駄だと遂に思考を放棄した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いやぁ、サーヴァントは二日酔いしないとかレナさんとネルソンさんに騙されたわー…
結果、脱落者や乱入者が続出した宴会は三日三晩に渡って続き、今私は地獄のような思いをしているわけだが。
「あの二人がお酒に強いだけじゃない?」
ええ、まったくね。 いや、おかしいと思ったのよ。
ヴァーサさん開始一時間持たずに「私が!私が沈むわけないのにぃぃぃ!」って酔い潰されてたし…
「(三日三晩耐えきったエンタープライズも人の事言えないと思うけど)……そう言えば、エンタープライズ、珍しく白なのね」
ああ、これ?
確かに今日はいつもの青ではなく、白い軍服を着ていた。
「まさか……」
何かを察したのか、一歩後ずさるミズーリ。
言っとくけど、吐瀉物で汚したからじゃないわよ……実は正月にネバダとお詣りに行ったらね……
「は…?」
え…?
ミズーリの瞳が眼鏡の反射で見えなくなる。
あ、ちょっと待って? 顔怖いよ…?
私は笑顔の素敵なミズーリが好きd……
「詳しく……説明してください。 今、私は冷静さを欠こうとしています……」
あ…ヤバい、目がマジだ……
待ちなさい!先ずは私の話を聞いて!
あれは、そう…去年と今年の境目、除夜の鐘が聞こえる時間だったわ……ほわんほわんほわんえんぷら〜
「……それ気に入ったの?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「フフフ…ダメですよ、ネバダ…私ルーラーだからそんな強引に迫られたらアヴェンジャーには勝てないじゃないですか……(スヤァ」
ミズーリ?ミズーリ?楽しそうな夢見てる所悪いけど炬燵で寝ると風邪ひくわよー?
年が代わった直後、ミズーリは炬燵机に突っ伏して幸せそうな顔をしていた。
「そっとしておいてやれ、年末の大掃除やらで疲れたのだろう…後で俺が部屋に運ぼう」
そうね、じゃあお願いね……。
茶をすするネバダの言うことに頷くと手元のみかんに手を伸ばした。
「邪魔をするぞ」
「お邪魔しますわ!
お邪魔しますわ!」
あら、ナガトとナガオルじゃない……
新年の挨拶に長門が来たから、ネバダがミズーリを部屋に寝かせに行って、何人かのサーヴァントが初詣にレイs…秘密の手段で移動するって聞いてね、折角だから一緒に初詣行くことにしたのよ。
まぁ、そうしたら移動先の神社?で青い光が見えたのね……。
「新年なんておめでたいわ!これは私の光を持ってお祝いしないと!」
あれ、あの光、なに…?綺麗だけど、すっごい嫌な予感するんだけど……
「青白い綺麗な光ですわ!イルミネーションですの?…でもどこかで見覚えありますわ!」
「光……? あれは! あの爆弾娘め!懲りずに何度も何度も!長門ぉ!エンタァプライズッ!奴を止めるぞ!」
「あの光……なるほど、致し方あるまい!」
「お母様!私も本気で行きますわ!
お母様!私も本気で行きますわ!」
えっ、なに?
臨戦態勢に入ったネバダに引きずられる私。
そこで私達が見たのは世にも恐ろしい物だったわ!
「ハッピーニューイヤー!」
げっ!デーモンコアちゃん!?
そう!そこにいたのは上機嫌で青白い光を放つデーモンコアちゃん!
当然ネバダとナガトとナガオルはクロスロード思い出してめっちゃ怒ってたわ!
(世にも恐ろしいってそう言う…いや、確かに恐ろしいけど……)
「エンタァプラァイズッ!!あの傍迷惑な爆弾娘を止める!俺と長門と長門の娘で前線を張る、援護しろ!」
いや、貴方達(自主規制)浴びるの慣れてるかもしれないし、宝具効かないけど私直撃喰らったらヤバいし……
あ、さては私のことサラトガの代わりだと思ってるわね!……私はサラじゃない!私を見て!
「めんどくさい小娘か、お前は!いいから爆撃機出すなりなんとかしろ!いつかのように一面焼き払うなよ!」
あー! 人が結構気にしてる事言ったわね!!
「ネバダ、エンタープライズ!漫才は後にしろ!奴がペンダントを手に取った!」
「これヤバイですわ!
これヤバイですわ!」
そしてデーモンコアちゃんがペンダントを胸元に衝突させて、一面を青い光が包み込んだわ……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「それでどうなったの?」
核の光に引き寄せられたのか、ツァーリボンバーやミスターノイマンまで出て来ててんやわんやの大騒ぎ。
新年早々ネバダ&長門&ナガオル&私VSデーモンコア&ツァーリボンバー&ミスターノイマンの地獄みたいな光景よ!
……なんか後から聞いたら瑞鶴は振り袖着て、鳳翔さんや双龍たちと部屋でのんびりしてたらしくて帰りに出会してなんでこの人半裸なんだろう…?みたいな目で見られるし、あんまりな状況の違いに泣きそうになったわよ!
その結果、服は当然使い物にならなくなって廃棄!
けど予備なんてないから新年早々カルデア半裸で彷徨いてたらこの前知り合いになった水滸伝?の龍子さんって人の伝で霊衣解放して貰ってストリッパーから抜け出したって訳!
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「おやぁ、そこに見える半裸のは、この間の魚屋じゃあないかい?」
散々な目にあった初詣の帰り、新年早々ズタボロになった私の耳に聞き覚えのある声が届く。
あら、いつぞやの眼鏡の集会の……魔術師?それとも妖術師さん? えーと龍子さんで良かったかしら?
「イヒヒ…あっしのことは魔術師でも陰陽師でも妖術師でも好きに呼ぶといいさ」
その女性、とある集会で出会った水滸伝?の日本改変版?の英雄であるらしい龍子さんは相変わらずの怪しげな笑みを浮かべていた。
ごめんなさい、どうにもオカルトというか魔術方面には疎くて……
「気にすることはないさ。で、どうしたんだいその格好? 修験者でもないあんたが滝行ってわけでもないだろうに」
いやぁ、実は戦艦!空母!核爆弾!三大厄新年早々大決戦でかくかくしかじか……
「……これこれうまうまってわけかい。 ヒヒヒヒ…そりゃ愉快なこって」
いやいや、全然愉快じゃないから!高速修復材 なんてないから新年早々半裸なのよ!?
「バケツ…?」
ああ、ごめんなさい。 変な記憶が混線したみたい…まぁ、私には魔力を編んで服作るなんて出来ないから半裸な訳。
「ふーん、ならちょっと手を貸してやろうかい?」
え?デジマ!?
「マジ、マジ。 偶には世の為、人の為ってのも悪くないからねぇ」
ありがとう! 今度アイス持っていくから!……梁山泊?江鎮泊?の108人分!
「いや、いる奴の分だけでいいよ……」
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「なるほど、何故白い服かは分かりましたが……! ネバダは、ネバダはどうしたの!?」
いやぁ、流石に新年早々大乱闘で直撃喰らったのはネバダでもキツかったらしくて部屋で寝込んでるわ。
「……なんでそう言う大切な事を教えてくれないんですか!」
だって、ネバダが周りに心配かけたくないから黙ってろって言ってたし……あ、そうだ、ミズーリお見舞いに行って上げたら?
「……! そうね!寝込んでいるなら看病が必要ね! 早速行きます!」
足早に立ち去っていくミズーリ。
いやぁ…若いって良いわねぇ……はっくしょん!
あれ、なんか急に寒気が……サラ丸でもないのに(自主規制)を浴びたからかしら?
いや、でもなんか物凄く嫌な予感が……?
このグレイなレディかつレックスみたいでブルーのゴースト的な感じは。
それに何か気配だけで思わず拳を握り込んでしまいたくなる気配はまさか……………………
…………………………よし! こういう時は何も考えずに寝酒にビール飲んで寝て忘れよう!そうしよう!
この後また滅茶苦茶二日酔いになって寝込んだ。
鈍器で殴られたかのような鈍痛が私の頭を攻める。
思考はまるで夢を見ているかのように覚束ない、視界は海の上で波に遊ばれているかのように揺れる。
時折来る種類の違う痛みが、私を辛うじて現実に引き留めている。
だが、痛みこそが今は心地良い。
あぁ…この痛みが私が生きていると言う証なのだ……。
「って一人で何格好つけてるの?エンタープライズ?」
三が日も終わり───査察団?……いやぁ!新所長達が上陸しようとしたらたった今衝撃で剥離したような巨大な氷塊が出現して避けきれず船体が損傷、更に魚r…謎の巨大生物に船底食い破られて船体が傾き、甲板に置いてあったヘリが南極の海に滑り落ちたのは不幸な事故だったわね! 怪我人はいなかったけどヘリがなければ上陸出来ないから出直す羽目になったのは心から同情するわ!……誤解されるといけないから言わせて貰うと、すぐ近くで私が対瑞鶴用の演習やってたことは一切関係ないと断言しておくわ!──カルデアの自室で吐き気と戦いながらもちょっとナイーブな私の気分をぶち壊してくれたのは眼鏡がチャームポイントの我が戦友にして後輩であるミズーリだった。
今本気で頭痛いからそっとしておいて欲しい……
「只の二日酔いじゃない……それも三日三晩に渡って飲み続けたりするからよ。 はい、お水」
呆れたように溜め息をついたミズーリは私にコップを手渡してくる。
二日酔いの件は事実なので反論は出来ない。
そう、あれは元日の昼間の事だったわ…ほわんほわんほわんえんぷら〜
(流行りに乗ってる…)
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「同志エンタープライズ!新しい年を祝い、ウォッカを飲みましょう!!……二日酔い?大丈夫よ、サーヴァントはそんなに酔わないわ(機械の体だから)」
東からウォッカの瓶片手にどう見ても戦s…砲付きディーゼルエンジン駆動の自走ソリに乗って来るのは白と青を基調とした外套を着たとても暖かそうなもこもこの服装の銀髪の女性。
戦艦ポチョムキン、通称レナさんだ。
「待ちたまえ、レナ!エンタープライズ、ロイヤルネイビーの末裔であるならウォッカよりラム酒だ!大丈夫、二日酔いなんてしないさ(血の代わりにラム酒が流れてるから)」
レナさんに対抗するかのように西からは木造帆船に乗って文字通り飛んできたクラシックな海軍制服を身に付けた隻眼の女性。
泥新宿のコマンダーことネルソンさんがラム酒の樽を抱えてヴィクトリー号から降りてくる。
ステレオで攻めないで!ちゃんとどっちも飲むから!
瓶と樽を押し付けられて思わず声を上げてしまった。
しかし、次の瞬間、瓶と樽が目の前から消える。
「そうれすよ!ウォッカもラム酒もおいしいれすよ〜!」
そこにいたのは頬を赤らめ、明らかに焦点の合っていない目をグルグル回す女性……と言うか酔っぱらい。
( ( ( 誰……? ) ) )
第三者ならぬ第四者の登場に私達は思わず顔を見合わせた。
「まぁ、いいじゃない! 新年だしみんなで飲みましょ!」
更に乱入する赤髪のナイスバディの女性――大先輩のスウェーデンのヴァーサさんでした――を前にして、私は考えるだけ無駄だと遂に思考を放棄した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
いやぁ、サーヴァントは二日酔いしないとかレナさんとネルソンさんに騙されたわー…
結果、脱落者や乱入者が続出した宴会は三日三晩に渡って続き、今私は地獄のような思いをしているわけだが。
「あの二人がお酒に強いだけじゃない?」
ええ、まったくね。 いや、おかしいと思ったのよ。
ヴァーサさん開始一時間持たずに「私が!私が沈むわけないのにぃぃぃ!」って酔い潰されてたし…
「(三日三晩耐えきったエンタープライズも人の事言えないと思うけど)……そう言えば、エンタープライズ、珍しく白なのね」
ああ、これ?
確かに今日はいつもの青ではなく、白い軍服を着ていた。
「まさか……」
何かを察したのか、一歩後ずさるミズーリ。
言っとくけど、吐瀉物で汚したからじゃないわよ……実は正月にネバダとお詣りに行ったらね……
「は…?」
え…?
ミズーリの瞳が眼鏡の反射で見えなくなる。
あ、ちょっと待って? 顔怖いよ…?
私は笑顔の素敵なミズーリが好きd……
「詳しく……説明してください。 今、私は冷静さを欠こうとしています……」
あ…ヤバい、目がマジだ……
待ちなさい!先ずは私の話を聞いて!
あれは、そう…去年と今年の境目、除夜の鐘が聞こえる時間だったわ……ほわんほわんほわんえんぷら〜
「……それ気に入ったの?」
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「フフフ…ダメですよ、ネバダ…私ルーラーだからそんな強引に迫られたらアヴェンジャーには勝てないじゃないですか……(スヤァ」
ミズーリ?ミズーリ?楽しそうな夢見てる所悪いけど炬燵で寝ると風邪ひくわよー?
年が代わった直後、ミズーリは炬燵机に突っ伏して幸せそうな顔をしていた。
「そっとしておいてやれ、年末の大掃除やらで疲れたのだろう…後で俺が部屋に運ぼう」
そうね、じゃあお願いね……。
茶をすするネバダの言うことに頷くと手元のみかんに手を伸ばした。
「邪魔をするぞ」
「お邪魔しますわ!
お邪魔しますわ!」
あら、ナガトとナガオルじゃない……
新年の挨拶に長門が来たから、ネバダがミズーリを部屋に寝かせに行って、何人かのサーヴァントが初詣にレイs…秘密の手段で移動するって聞いてね、折角だから一緒に初詣行くことにしたのよ。
まぁ、そうしたら移動先の神社?で青い光が見えたのね……。
「新年なんておめでたいわ!これは私の光を持ってお祝いしないと!」
あれ、あの光、なに…?綺麗だけど、すっごい嫌な予感するんだけど……
「青白い綺麗な光ですわ!イルミネーションですの?…でもどこかで見覚えありますわ!」
「光……? あれは! あの爆弾娘め!懲りずに何度も何度も!長門ぉ!エンタァプライズッ!奴を止めるぞ!」
「あの光……なるほど、致し方あるまい!」
「お母様!私も本気で行きますわ!
お母様!私も本気で行きますわ!」
えっ、なに?
臨戦態勢に入ったネバダに引きずられる私。
そこで私達が見たのは世にも恐ろしい物だったわ!
「ハッピーニューイヤー!」
げっ!デーモンコアちゃん!?
そう!そこにいたのは上機嫌で青白い光を放つデーモンコアちゃん!
当然ネバダとナガトとナガオルはクロスロード思い出してめっちゃ怒ってたわ!
(世にも恐ろしいってそう言う…いや、確かに恐ろしいけど……)
「エンタァプラァイズッ!!あの傍迷惑な爆弾娘を止める!俺と長門と長門の娘で前線を張る、援護しろ!」
いや、貴方達(自主規制)浴びるの慣れてるかもしれないし、宝具効かないけど私直撃喰らったらヤバいし……
あ、さては私のことサラトガの代わりだと思ってるわね!……私はサラじゃない!私を見て!
「めんどくさい小娘か、お前は!いいから爆撃機出すなりなんとかしろ!いつかのように一面焼き払うなよ!」
あー! 人が結構気にしてる事言ったわね!!
「ネバダ、エンタープライズ!漫才は後にしろ!奴がペンダントを手に取った!」
「これヤバイですわ!
これヤバイですわ!」
そしてデーモンコアちゃんがペンダントを胸元に衝突させて、一面を青い光が包み込んだわ……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「それでどうなったの?」
核の光に引き寄せられたのか、ツァーリボンバーやミスターノイマンまで出て来ててんやわんやの大騒ぎ。
新年早々ネバダ&長門&ナガオル&私VSデーモンコア&ツァーリボンバー&ミスターノイマンの地獄みたいな光景よ!
……なんか後から聞いたら瑞鶴は振り袖着て、鳳翔さんや双龍たちと部屋でのんびりしてたらしくて帰りに出会してなんでこの人半裸なんだろう…?みたいな目で見られるし、あんまりな状況の違いに泣きそうになったわよ!
その結果、服は当然使い物にならなくなって廃棄!
けど予備なんてないから新年早々カルデア半裸で彷徨いてたらこの前知り合いになった水滸伝?の龍子さんって人の伝で霊衣解放して貰ってストリッパーから抜け出したって訳!
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「おやぁ、そこに見える半裸のは、この間の魚屋じゃあないかい?」
散々な目にあった初詣の帰り、新年早々ズタボロになった私の耳に聞き覚えのある声が届く。
あら、いつぞやの眼鏡の集会の……魔術師?それとも妖術師さん? えーと龍子さんで良かったかしら?
「イヒヒ…あっしのことは魔術師でも陰陽師でも妖術師でも好きに呼ぶといいさ」
その女性、とある集会で出会った水滸伝?の日本改変版?の英雄であるらしい龍子さんは相変わらずの怪しげな笑みを浮かべていた。
ごめんなさい、どうにもオカルトというか魔術方面には疎くて……
「気にすることはないさ。で、どうしたんだいその格好? 修験者でもないあんたが滝行ってわけでもないだろうに」
いやぁ、実は戦艦!空母!核爆弾!三大厄新年早々大決戦でかくかくしかじか……
「……これこれうまうまってわけかい。 ヒヒヒヒ…そりゃ愉快なこって」
いやいや、全然愉快じゃないから!
「バケツ…?」
ああ、ごめんなさい。 変な記憶が混線したみたい…まぁ、私には魔力を編んで服作るなんて出来ないから半裸な訳。
「ふーん、ならちょっと手を貸してやろうかい?」
え?デジマ!?
「マジ、マジ。 偶には世の為、人の為ってのも悪くないからねぇ」
ありがとう! 今度アイス持っていくから!……梁山泊?江鎮泊?の108人分!
「いや、いる奴の分だけでいいよ……」
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「なるほど、何故白い服かは分かりましたが……! ネバダは、ネバダはどうしたの!?」
いやぁ、流石に新年早々大乱闘で直撃喰らったのはネバダでもキツかったらしくて部屋で寝込んでるわ。
「……なんでそう言う大切な事を教えてくれないんですか!」
だって、ネバダが周りに心配かけたくないから黙ってろって言ってたし……あ、そうだ、ミズーリお見舞いに行って上げたら?
「……! そうね!寝込んでいるなら看病が必要ね! 早速行きます!」
足早に立ち去っていくミズーリ。
いやぁ…若いって良いわねぇ……はっくしょん!
あれ、なんか急に寒気が……サラ丸でもないのに(自主規制)を浴びたからかしら?
いや、でもなんか物凄く嫌な予感が……?
このグレイなレディかつレックスみたいでブルーのゴースト的な感じは。
それに何か気配だけで思わず拳を握り込んでしまいたくなる気配はまさか……………………
…………………………よし! こういう時は何も考えずに寝酒にビール飲んで寝て忘れよう!そうしよう!
この後また滅茶苦茶二日酔いになって寝込んだ。
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