kagemiya@ふたば

ランク：EX　種別：対天宝具　レンジ：天上まで　最大捕捉：2人

　彼をライダーたらしめる所以。
　恐らく、この日本……及び世界に於いて最も著名な『星の海を征く列車』。
　発動と同時に星の果てよりレールが引かれ、汽笛とともに美しく透き通った銀河鉄道が現れる。

　第一宝具に拠る星界の具現、及び第二宝具によるあらゆる場所への通行権限。
　この両者を組み合わせ、ジョバンニという英霊に刻みつけられた『銀河鉄道』を召喚し、もう一度『あの夜』を造り出すもの。
　空は拓け、星は煌めき、水晶は輝きとなって海を舞う――――それは一夜の奇蹟の旅路、天の川を超えて征く星の物語。
　
　
　彼という存在は、物語に於いては銀河鉄道の「乗客」に過ぎなかった。
　導かれるままに乗り込み数奇な旅を続けた最後に、独り星の果てへと向かっていった。
　けれど、その星の果てに「さいわい」は見つからない。タールを超えて夜の向こう、あの時溢れた友の涙が心をつなぎとめているのだと知った。
　友を失い少年は一人。その夢から覚めて尚、あの日駆けた天の景色を、夜の海を、友の涙を拭い去ることなど出来なかった。
　だから、きっと。少年はいつまでもそれを目指して――――そうして、ここまで辿り着いたのだ。

　銀河鉄道。それは空も、星も、海も、時すらも飛び越えて征く“次元列車”。
　時の流れにすら抗い辿り着いた少年は、いつしか銀河鉄道の“車掌”として認められ、これを運行する権限を得る。
　やがて運命すらも乗り越えて、本当の幸いに至るために。

　そしてもう一度。友人の涙の意味を知るために。


　「すすめ、銀河鉄道。」