kagemiya@ふたば

【元ネタ】アーサー王伝説
【CLASS】バーサーカー
【真名】サー・ランスロット
【異名・別名・表記揺れ】“湖の騎士”“裏切りの騎士”
【性別】男
【身長・体重】186cm・86kg
【肌色】白人種　【髪色】赤紫　【瞳色】赤金
【外見・容姿】黒赤の甲冑を纏う騎士。精悍な顔付きに無表情が張り付いた、機械の如く人間味を感じさせない男。
【地域】イギリス
【年代】5世紀前半
【属性】混沌・悪
【天地人属性】地
【その他属性】人型・男性・円卓
【ステータス】筋力：A　耐久：A　敏捷：A　魔力：C　幸運：E　宝具：A

「狂戦士」のクラス特性。
理性と引き換えに驚異的な暴力を所持者に宿すスキル。
全ステータスが1ランク上昇し、筋力・耐久・敏捷のステータスは瞬間的に更に増加させる事が可能。

魔術に対する抵抗力。一工程によるものを無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。
生前手に入れた魔除けの指輪の効果により有する。

ひとつの時代で無双を誇るまでに到達した、極められた武芸の手練。
心技体の完全な合一により、いかなる精神的制約の影響下にあっても十全の戦闘能力を発揮できる。
武装を失うなど、たとえ如何なる状態であっても戦闘力が低下することがない。

機能していない。彼は誰の祝福も受けない。

名称通り、戦闘を続行するための能力。「往生際の悪さ」あるいは「生還能力」と表現される。
決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の重傷を負っても戦闘可能。
肉体の損傷や疲労は彼に何の痛痒も与えない。
物理的に稼働不可能になるまで、彼は決して主の前で斃れない。

『精神汚染』の類似スキル。このスキルはマスターに対しても秘匿されている。
破綻した精神を持つ者が己の有り様を正確に認識し、精神が破綻したまま・・・・・・・・・自己を冷徹に運用する、その異形の精神性がスキルとなったもの。
最初から壊れているモノはそれ以上壊せない。一切の精神系干渉を遮断した上で、自己の精神状態を完全にコントロール出来る。
高ランクの狂化を付与されていながら判断力や会話能力を維持しているのもこのスキルに依るもので、自分の意思で狂化のオンオフを完全に制御している。
（即ち、普段は狂化スキルの効力を全く受けていない。表記上のステータスは彼の素の実力である）
また、それが「◯◯に好意を抱け」「××することに同意しろ」といった精神・意思を曲げさせる意図のモノであれば、令呪による命令ですら・・・・・・・・・・完全に無効化出来る。
事実上、いかなる魔術を用いても彼の人格を変容させることは出来ない。
そしてこの耐性は吊城恋果の魔舌に対しても同様。彼は恋果の接吻呪いを受けながら何の支配も受けていない。
……この事実が露見しなかったのは、当の恋果が想像さえしていなかった己が能力の欠陥が原因でもある。
魔舌はあらゆる人間に絶対の服従を強いる。しかし、だからこそ恋果は、初めから服従している相手を支配出来ているかどうかは確認出来ない・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
彼は誰にも理解されないし、誰のことも理解しない。だからこそ、誰からも支配されない。
その上で、彼が彼女の命令に従う理由があるとしたら──

ランク：A++　種別：対人宝具　レンジ：1〜2　最大捕捉：1人
『無毀なる湖光』に過剰な負荷を与え、一種の暴走状態を誘発。その上で荒れ狂う魔力を自身に逆流させることで、身体は魔剣から溢れ出す膨大な魔力を取り込み、暴発寸前の火薬庫と化す。
結果として、到底身に収めきらぬ魔力が己の霊基をも破壊してしまうが、同時にその膨大な出力によってステータスを大幅に強化することが可能となる。
具体的には、通常開放時から更に・・・・・・・・・全ステータスを2ランク向上させる。
この宝具を開放した状態のランスロットは文字通りの凶戦士。ただ剣を振るうだけで山嶺を弾き飛ばし大地を殺す。白兵戦で是を打倒することは文字通りに神話に等しい。
そして同時に、魔力の消費量も数十倍にまで跳ね上がる。魔剣の無尽蔵な魔力消費は言うまでもなく、その出力によって破壊される肉体の補完にも多大な魔力が費やされるのである。
例え魔力供給に特化したホムンクルスであろうと秒と保たずに生命を枯渇させて即死する。実質的に、この宝具を発動した彼を維持できる魔術師マスターは存在し得ない。
また何らかの反則を用いて魔力問題を解決したとしても、過剰出力は霊核へ致命的な破損を齎す。よって宝具を発動した時点でランスロットの消滅は確定する。
決して毀れること無きと讃えられたその刃は、容赦なく使い潰されて軋み罅割れ砕け散ることだろう。
切り札と呼ぶにも烏滸がましい暴挙。しかし彼はこの状態をこそ己が本性として歓迎する。
彼が荒れ狂ったその時、生存可能な生命体は存在しない──故に、彼は嘯くのだ。
私は何も望まない・・・・・・・・。

湖の乙女ニミュエが鍛えた聖剣。
最早見る影もない。

宝具発動時には軽量化のため脱ぎ捨てる。
尚、外皮の強度が高過ぎるため防御力の低下はない。

──サー・ランスロット。騎士王の円卓に集った数多の騎士達の中でも最強と謳われた男。
だが彼にとって、騎士として生きた生前はその全てが虚飾にすぎない。
彼は一度として、人間を理解したことなどなかったのだから。
サーヴァントして顕界した彼の振る舞いは余りに投げやりかつ虚無的で、生前の“サー・ランスロット”を知る者らからすれば信じがたいものに映る。
しかし、そうした虚無こそが彼の地金であり、飾ることのない有りの侭の姿である。

彼は人々が愛する美しいもの、尊ばれる美徳を愛せず、同様に嘆き怒りを覚えるような悪行に痛みを感じることがない。
正義に不実で、悪徳に無関心。己に対しても、他者に対しても、何の関心も持ち得ない虚無的な感性。
生まれながらの破綻者。共感能力の著しく欠落したサイコパス。
彼を育てた湖の乙女は養育の過程でこの歪みに気付いたものの、正すことは叶わず、旅立ちのその時に至ってもついぞ勇士への祝福を授けることは出来なかった。
それでも尚、辛抱強く人として──騎士としての“正しい生き方”を教え込んだが故に、ランスロットは騎士としての生涯を歩むことになる。

彼にとって騎士道とは自己の裡に在る信念ではなく、他者から求められるもの──単なる処世術に過ぎない。
彼は機械的に、教わった通りに騎士を演じた。
多くの同胞に囲まれ、数多の騎士と友誼を交わし、王からの信頼も篤い高潔なる“湖の騎士”──その姿を、何の感情もなく淡々とこなしてきた。
弱き者を守り、強きに臆せず、勇気と正義を忘れることなく、責務を守り、誇り高く、けれど同時に驕ることなく、謙虚な心で人々を慈しむ──
その意味を何一つ解さぬまま振る舞う非人間が“騎士の中の騎士”と讃えられたのは、一体何の皮肉だろうか。
彼の騎士王が、人としての情を排したが故に“理想の王”として在ったように──
人の情を持ち合わせない彼が“理想の騎士”として在ったことは、一体誰の諧謔だろうか。

そんな彼の騎士道にも転機が訪れる。王妃ギネヴィアとの不義の恋である。
無論、これは彼に人間らしい愛情の芽生えを意味する訳ではない──彼の演じる騎士らしさ・・・・・が、理想と現実の間に苦悩する女性の心の隙を満たしてしまっただけだ。
主君の妻を抱くことは正しい騎士の行いではないが、心を擦り減らし拠り所を求める手弱女を見捨てることもまた正しい騎士の行いではない。
彼はやはり無感情な取捨選択で、王妃の心を癒やすことを選択した。
望まれた通りに彼は演じた──結果は、誰もが知る通りの破滅である。

全てが滅び去ったカムランの戦いの後、彼は己が城で王妃と最後の会話を交わした。
自分と共に生きて欲しい、と彼は告げる。何処までも無機質に、忠義と愛の間で苦悩しながら生きた騎士を演じながら──表情とは裏腹に何の呵責もなく。
それを聞いて、王妃は──彼の予想とは外れて──小さく笑った。

“ありがとう”“けれど、もう良いのですよ・・・・・・・・”と。

──硬直した彼をまた小さく笑って、彼女は彼の元から去った。
それは、心にもない愛を口にし続けた男への──それを知りながら甘え続けた己への自虐を込めた──ささやかな意趣返しだったのかもしれない。

その拒絶は彼にとって初めての経験だった。
弱き者を守り、強きに臆せず、勇気と正義を忘れることなく、責務を守り、誇り高く、けれど同時に驕ることなく、謙虚な心で人々を慈しむ──
彼は常に、そんな“理想の騎士”を演じてきた。その演技を誰もが信じ、心を持たない怪物に騙され、讃えて来たのだ。
それを──あの女が。
あの哀れな女が──己の心の裡を見透かしていたのだと──そして、それでもいいと微笑んで、愛していたのだと。

──彼は、笑うことにした。何も可笑しくはないのだが、そうするべきと考えた。
けれど上手くいかない。
笑うことは得意だった。戦を治め、凱旋の祝に仲間と酒を飲み、笑みを交わす──同じようにしようとしたのだが、上手くいかない。

──哀れな女だったのだ。そのように、彼は王妃を定義していた。
彼が王妃を愛したことなど一度もない。虚飾に塗れた繰り言に瞳を潤ませる女を、彼は無感情な機械で在りながらも哀れんでいた。
けれど、本当に哀れだったのは──憐れまれていたのは──誰だったか。
その滑稽さを、みっともない不格好な笑顔で彼は笑った。生まれて初めて、本心から。
養母が己を送り出すその時に浮かべていた、悲しげな表情の意味を──漸く悟った自分が、余りにも愚かしくて。
自分が最初から最後まで、滑稽な木偶だったことに気が付いたから──



その無様を以て、“サー・ランスロット”は死んだ。

無感情かつ冷徹な殺戮機械。騎士としての誇りの全ては既に死んだものとして一顧だにしない。
主の命令とあらばいかなる非道も許容し、例え無辜の民草の殺戮であろうと眉一つ動かさず実行する。
正義に不実で、悪徳に無関心。己に対しても、他者に対しても、何一つ顧みることがない。
全てに於いて不感症の彼が求める安寧があるとすれば、全てが死に絶えた後の虚無的な凪のみである。
生前を経て、彼はそのように己を再定義した。ただの力。善悪を問わず、全てを殺し尽くす暴力そのものが己であると。
彼はもう何者をも演じない──他者に望まれた正義を口にしない。
彼は己の感情の発露のみを追い求める。虚無であり、不感である自分が、その有りもしない心が求めたことだけを体現する。
例え──今生の主への忠誠が、世界を滅ぼすものだとしても。

それが悪逆と謗られるのであれば、在るが儘に鬼畜で在るまで。



イメージカラー：赤紫
特技：演技
好きなもの：討たれるべき世界の滅び
嫌いなもの：護られるべき無辜の民草
天敵：女
願い：私は何も望まない。

【一人称】私、己（おれ）　【二人称】貴方、貴様

・セイバー：最大の障害。
己がマスターの恋焦がれる相手であり、聖杯戦争に於ける最大の敵。
聖杯戦争の前半での戦いではマスターの命令のため加減していたが、最終決戦では全力を以って立ち塞がることとなる。
尚、マスターの歓心を得ていることについてのみ割と同情している。
その辺り、公正な評価をする男である。


・吊城哀歌：マスターの妹御。
──もしかしたら、吊城哀歌の真価に初めて気づいたのは彼だったかもしれない。
この戦いに於いて、バーサーカーが明確な嫌悪を抱く唯一の相手。


・吊城恋果：今生の主。絶対の忠誠を捧げる主君マスター。
己が彼女にとってただの人形であり、道具であることについて、彼は一切の感情を覚えない。
そのような人間的な機能嫉妬は彼の人格に実装されていないのだ。意味も意義も何ら見出さないしどうでもいい。
何の見返りもない。報われることはなく、失うのみの忠義であろう。
けれど──真の騎士道とは、元よりそうしたものではなかったか。

有りもしない心が求めるがままに、彼は彼女の騎士である。

キャラクターコンセプトは「一方的な愛」。
Q.強過ぎない？
A.己は円卓最強だが？