吊城哀歌
最終更新：
nevadakagemiya 2024年03月01日(金) 22:28:53履歴
「負けて、たまるか」
基本情報 
【氏名】吊城 哀歌
【性別】女性
【年齢】16歳
【出身】日本
【身長・体重】159�僉�49kg
【肌色】白【髪色】黒【瞳色】黄
【スリーサイズ】79/55/83
【令呪の位置】右手甲
【属性】秩序・悪
【魔術系統】黒魔術
【魔術属性】水
【魔術特性】特になし
【魔術回路】質：C 量：D+ 編成：正常
【契約サーヴァント】
【性別】女性
【年齢】16歳
【出身】日本
【身長・体重】159�僉�49kg
【肌色】白【髪色】黒【瞳色】黄
【スリーサイズ】79/55/83
令呪デザイン
【属性】秩序・悪
【魔術系統】黒魔術
【魔術属性】水
【魔術特性】特になし
【魔術回路】質：C 量：D+ 編成：正常
【契約サーヴァント】
魔術・特殊技能・特性など
基礎魔術
瞑想や簡単な暗示、発火など、魔術としては教科書の一番最初に載っているような触りの魔術のみ習得している。
全く魔術師として才能が無いわけではないのだが、例えば時計塔にあってはそれなりに見どころがなくもない、という程度に留まる。
また哀歌が魔術師を目指す必要性が彼女の“生産”理由に無かったことから大して教えられておらず、哀歌もこれ以上熟達しようとする意志が薄い。
極稀に日常において便利に使うだけなので道具感覚であり、魔術師ではなく魔術使い、あるいはそれ未満といえる。
当然ながら吊城家固有の音響魔術を扱うことはできない。ただし、姉である恋果から多くの話を聞かされたことから『魔法』というもののアプローチについて漠然としたイメージを持っている。
もっともそれも現在では忘却しており、思い出すにはそれ相応の切っ掛けが必要となる。
全く魔術師として才能が無いわけではないのだが、例えば時計塔にあってはそれなりに見どころがなくもない、という程度に留まる。
また哀歌が魔術師を目指す必要性が彼女の“生産”理由に無かったことから大して教えられておらず、哀歌もこれ以上熟達しようとする意志が薄い。
極稀に日常において便利に使うだけなので道具感覚であり、魔術師ではなく魔術使い、あるいはそれ未満といえる。
当然ながら吊城家固有の音響魔術を扱うことはできない。ただし、姉である恋果から多くの話を聞かされたことから『魔法』というもののアプローチについて漠然としたイメージを持っている。
もっともそれも現在では忘却しており、思い出すにはそれ相応の切っ掛けが必要となる。
声音
哀歌は無口そうに見えて意外と他者とのお喋りを楽しむタイプではあるものの、口数が多いわけではない。
だがその語りかけは不思議と心に染み入るような独特のテンポや波長を持っていて、つい会話を重ねてしまうと感じる者が多い。
哀歌曰く、そんな気がすると哀歌に人が言ってくるようになったのは大火災以降のことだという。
だがその語りかけは不思議と心に染み入るような独特のテンポや波長を持っていて、つい会話を重ねてしまうと感じる者が多い。
哀歌曰く、そんな気がすると哀歌に人が言ってくるようになったのは大火災以降のことだという。
「あなたはあなたの望むままに」
外見・容姿の詳細など
ウルフヘアーの黒髪。セミロングほどの長さなのを普段は括って短めのポニーテールにしている。
目と肌は日本人離れ。目はほぼ黄色と呼べるほどに明るいブラウンカラーだし、肌は黄色人種とは思えないほど白い。
薄い唇。左目の目元に泣き黒子あり。鼻筋も通っているし、美人と呼べるだけのポテンシャルを持つ顔だが、伸ばした前髪でそれを隠している。
痩せ気味で細い身体である反面、女性として出るべきところは出ているので実際のサイズの割に大きく見える胸や尻をしている。
外出時にはパーカーを愛用する。重ね着する冬場はもちろん、夏でも涼しい素材のパーカーを着用する念の入り用。
私服であればそのまま羽織るし、登校時にはパーカーの上から学校指定のブレザーに袖を通す。
腰から下は基本的にどの季節もタイツを穿いている。タイツを履いた上からズボンやショートパンツなど動きやすい格好をする。スカートは登校時以外には殆ど履かない。
学校へは指定のスカートとパーカー、寒くなってくるとその上からブレザー、靴はいつも履いているスニーカー、というスタイルで通っている。
部屋着にあまりこだわりは無いらしく、キャミソールに柔らかい素材のショートパンツ（そして気温に応じてパーカー）というラフな格好で歩き回っている。
激しく表情を動かす人間ではなく、仏頂面を崩さない。人によってはそれが気怠げであったり、冷ややかであったり、何事にも興味なさそうなドライな顔に見える。
シニカルで陰気な微笑みを浮かべることはあるが、陽気に笑うことは滅多に無い。もし見るようなことがあれば相当レアな状況。
慣れてくるとほんの小さな表情の変化が彼女にとっての感情表現であることが分かり、だんだんと考えたり感じていることが分かるようになってくる。
目と肌は日本人離れ。目はほぼ黄色と呼べるほどに明るいブラウンカラーだし、肌は黄色人種とは思えないほど白い。
薄い唇。左目の目元に泣き黒子あり。鼻筋も通っているし、美人と呼べるだけのポテンシャルを持つ顔だが、伸ばした前髪でそれを隠している。
痩せ気味で細い身体である反面、女性として出るべきところは出ているので実際のサイズの割に大きく見える胸や尻をしている。
外出時にはパーカーを愛用する。重ね着する冬場はもちろん、夏でも涼しい素材のパーカーを着用する念の入り用。
私服であればそのまま羽織るし、登校時にはパーカーの上から学校指定のブレザーに袖を通す。
腰から下は基本的にどの季節もタイツを穿いている。タイツを履いた上からズボンやショートパンツなど動きやすい格好をする。スカートは登校時以外には殆ど履かない。
学校へは指定のスカートとパーカー、寒くなってくるとその上からブレザー、靴はいつも履いているスニーカー、というスタイルで通っている。
部屋着にあまりこだわりは無いらしく、キャミソールに柔らかい素材のショートパンツ（そして気温に応じてパーカー）というラフな格好で歩き回っている。
激しく表情を動かす人間ではなく、仏頂面を崩さない。人によってはそれが気怠げであったり、冷ややかであったり、何事にも興味なさそうなドライな顔に見える。
シニカルで陰気な微笑みを浮かべることはあるが、陽気に笑うことは滅多に無い。もし見るようなことがあれば相当レアな状況。
慣れてくるとほんの小さな表情の変化が彼女にとっての感情表現であることが分かり、だんだんと考えたり感じていることが分かるようになってくる。
人物像
イメージカラー：黒
特技：（本人は認めていないが）人間観察、精密作業
好きなもの：（本人は認めていないが）甘いもの、生野菜のサラダ
苦手なもの：夜の自分の家、学校、ホラー作品
決戦の日：
CV：土屋李央
【一人称】私 【二人称】あなた、君 【三人称】あの人たち
台詞例
来歴
吊城家の成り立ちについては吊城恋果の来歴を参照のこと。
魔術師の家の跡継ぎではなくスペア、それも圧倒的な能力を持つ長女がいる中で生まれた哀歌だったが、はっきりとした冷遇はされずに育った。
（これは哀歌を可愛がっていた愛果が不当な扱いをさせぬよう両親の意志を操作していたのが理由として多分にあったが、それを哀歌が知る由はない）
内情は歪ではあったものの、哀歌はそれなりに恵まれた幼少期を過ごす。
哀歌と比べればふた回りほど上の才能を持った父。日本の旧家出身で何か不思議な能力を持っていた母。そして彼らとは一線を画す力のある姉。
彼らに家族愛とコンプレックスのふたつを同時に感じつつも、一般の魔術師の家における跡継ぎのスペアとしてはかなり愛情を持って育てられたといえるだろう。
そんな哀歌にも吊城家の聖杯戦争への参加という転機が訪れる。
哀歌は直接関わったわけではない。何か特別な魔術の儀式を行うということは聞かされたが、それだけだ。
吊城の敷地内で普段通りの生活をしていた。普通に小学校に通い、普通に家に帰り、食事をし風呂に入って床についた。その繰り返し。
変わったことといえばその儀式にあわせて新宿のより中心部にある別邸へ一時的に住処を移ったことだ。
哀歌自身は小学校へ通うまでの道のりが短くなって何も知らずに喜んでいた。
ある日、最近外で物騒な事件が頻発しているからと小学校の授業時間が短くなった。それを喜んだのか、残念がったのか、16歳の哀歌はよく覚えていない。
帰ってきた時、知らない偉丈夫が姉と一緒に敷地内へいたことは覚えている。たまたまふたりきりになり、彼と何か話をしたことも。
もう顔も覚えていないが幼心なりに惚れ込むほど格好いい器量の男性だったということだけ記憶に残っている。
それが姉の召喚したサーヴァントであったのだということを勘付くのは全て終わってから数年経った後のことだ。
新宿の街が大炎上したのはその遣り取り直後のことである。
吊城の別邸も例外ではなくあっという間に炎に包まれた。何が起こったかも分からず呆然とする哀歌を負傷した両親が最後の力を振り絞って恋果の魔術工房へと押し込んだ。
哀歌が覚えているのはそこまでだ。炎の勢いは凄まじく、防護の備えがあった魔術工房も無事では済まなかった。
中で蒸し焼きにされた哀歌は救助された後も一時は臨死状態にまでなったが奇跡的に回復した。
哀歌が目覚めたのは後の世間で言うところの『新宿大火災』から一ヶ月後のこと。集中治療室の寝台の上で意識を取り戻した。
しばらくは現実を受け止められずに空っぽのまま医師たちの言うことを聞いていたが、状況の理解が進むにつれて現在の哀歌を形成するような狂おしい煩悶が精神を襲い始める。
どうして私だけが生き残ったの。
どうして私だったの。
どうして生き残ったのが父や母、それに姉ではなかったの。
どうして価値のない私だけが生き残って、価値のある彼らだけが死ななければならなかったの。
どうして私は生かされたの。
どうしてたくさんの人たちが死んだのに私が生きなければいけなかったの。
どうして。
火災前とは別人のように暗く落ち込んだ人格へ変貌していく哀歌にはカウンセリング担当の医師もつけられたが功は奏さず、やがて身体が正常に戻った哀歌は退院することになった。
傷が身体に残らなくて良かったと慰めるように言う医師たちに哀歌は心の中で呟いていた。
いっそ消えないような大きな傷跡が残っていれば良かったのに。
日常は様変わりした。
一度に家族全員を失った哀歌の保護者には遠縁の親族が名乗り出てくれた。お陰で孤児院送りになることはなかった。
東京の郊外にある彼らの住まいで共に暮らすことを提案されたが、哀歌は小学生の女の子とは思えないほど強い意志で固辞した。
表向きには既に友人もいる小学校を離れたくないなどと主張したが、新宿にあって辛うじて延焼を免れた吊城の本邸を無人にしたくなかったというのが本音だった。
そこにはあまりにも多くの思い出が残っていて、いるだけで哀歌は苦しんだが───その苦しみを哀歌は求めていたのだ。
遠縁の親族の人たちは親切な人々だった。先祖が魔術師を廃業して久しい彼らは哀歌が小学校を卒業するまで当時大学生だった娘を吊城の本邸に住まわせ、哀歌の面倒を見させることで意志を汲んでくれた。
やがて中学生になった哀歌は遠縁の親族の人々の勧めを振り切り、本邸でひとり生活を始める。
時折かつて同居していた女性が様子を見に来るその生活は哀歌が16歳になるまで続いた。筮亀大学附属高校の生徒になった哀歌は表情こそ昏いものの美しい少女へと育っていた。
吊城の家は魔術を失った。
あの日、連綿と紡いできた歴史も魔術刻印も燃えて灰になった。だからもう自分が魔術の世界へ直接関わることはないだろう。
時折小手先の魔術で日常に起こるトラブルを乗り切るようなことはしていたものの、哀歌自身はこのまま魔術とは関係のない大衆へと自分は埋没していくのだと考えていた。
だから、ある日突然自分の身体に刻まれた痣を信じられないような目で見つめたのだ。
聖杯戦争への参加権にして、拒否することはできない殺し合いへの招待状。勝機などあるわけもない。虫けらのように潰されて死ぬのだろうと震えた。
本邸に遺された書庫や資料をひっくり返しても生き残る手段などどこにも記されてはおらず、生きる覚悟も死ぬ覚悟も定まらないままその日を迎えた。
それでも───運命は訪れた。
8年前に本邸の薔薇園に刻まれた、英霊の召喚陣が励起して。
運命と出会ったのだ。
魔術師の家の跡継ぎではなくスペア、それも圧倒的な能力を持つ長女がいる中で生まれた哀歌だったが、はっきりとした冷遇はされずに育った。
（これは哀歌を可愛がっていた愛果が不当な扱いをさせぬよう両親の意志を操作していたのが理由として多分にあったが、それを哀歌が知る由はない）
内情は歪ではあったものの、哀歌はそれなりに恵まれた幼少期を過ごす。
哀歌と比べればふた回りほど上の才能を持った父。日本の旧家出身で何か不思議な能力を持っていた母。そして彼らとは一線を画す力のある姉。
彼らに家族愛とコンプレックスのふたつを同時に感じつつも、一般の魔術師の家における跡継ぎのスペアとしてはかなり愛情を持って育てられたといえるだろう。
そんな哀歌にも吊城家の聖杯戦争への参加という転機が訪れる。
哀歌は直接関わったわけではない。何か特別な魔術の儀式を行うということは聞かされたが、それだけだ。
吊城の敷地内で普段通りの生活をしていた。普通に小学校に通い、普通に家に帰り、食事をし風呂に入って床についた。その繰り返し。
変わったことといえばその儀式にあわせて新宿のより中心部にある別邸へ一時的に住処を移ったことだ。
哀歌自身は小学校へ通うまでの道のりが短くなって何も知らずに喜んでいた。
ある日、最近外で物騒な事件が頻発しているからと小学校の授業時間が短くなった。それを喜んだのか、残念がったのか、16歳の哀歌はよく覚えていない。
帰ってきた時、知らない偉丈夫が姉と一緒に敷地内へいたことは覚えている。たまたまふたりきりになり、彼と何か話をしたことも。
もう顔も覚えていないが幼心なりに惚れ込むほど格好いい器量の男性だったということだけ記憶に残っている。
それが姉の召喚したサーヴァントであったのだということを勘付くのは全て終わってから数年経った後のことだ。
新宿の街が大炎上したのはその遣り取り直後のことである。
吊城の別邸も例外ではなくあっという間に炎に包まれた。何が起こったかも分からず呆然とする哀歌を負傷した両親が最後の力を振り絞って恋果の魔術工房へと押し込んだ。
哀歌が覚えているのはそこまでだ。炎の勢いは凄まじく、防護の備えがあった魔術工房も無事では済まなかった。
中で蒸し焼きにされた哀歌は救助された後も一時は臨死状態にまでなったが奇跡的に回復した。
哀歌が目覚めたのは後の世間で言うところの『新宿大火災』から一ヶ月後のこと。集中治療室の寝台の上で意識を取り戻した。
しばらくは現実を受け止められずに空っぽのまま医師たちの言うことを聞いていたが、状況の理解が進むにつれて現在の哀歌を形成するような狂おしい煩悶が精神を襲い始める。
どうして私だけが生き残ったの。
どうして私だったの。
どうして生き残ったのが父や母、それに姉ではなかったの。
どうして価値のない私だけが生き残って、価値のある彼らだけが死ななければならなかったの。
どうして私は生かされたの。
どうしてたくさんの人たちが死んだのに私が生きなければいけなかったの。
どうして。
火災前とは別人のように暗く落ち込んだ人格へ変貌していく哀歌にはカウンセリング担当の医師もつけられたが功は奏さず、やがて身体が正常に戻った哀歌は退院することになった。
傷が身体に残らなくて良かったと慰めるように言う医師たちに哀歌は心の中で呟いていた。
いっそ消えないような大きな傷跡が残っていれば良かったのに。
日常は様変わりした。
一度に家族全員を失った哀歌の保護者には遠縁の親族が名乗り出てくれた。お陰で孤児院送りになることはなかった。
東京の郊外にある彼らの住まいで共に暮らすことを提案されたが、哀歌は小学生の女の子とは思えないほど強い意志で固辞した。
表向きには既に友人もいる小学校を離れたくないなどと主張したが、新宿にあって辛うじて延焼を免れた吊城の本邸を無人にしたくなかったというのが本音だった。
そこにはあまりにも多くの思い出が残っていて、いるだけで哀歌は苦しんだが───その苦しみを哀歌は求めていたのだ。
遠縁の親族の人たちは親切な人々だった。先祖が魔術師を廃業して久しい彼らは哀歌が小学校を卒業するまで当時大学生だった娘を吊城の本邸に住まわせ、哀歌の面倒を見させることで意志を汲んでくれた。
やがて中学生になった哀歌は遠縁の親族の人々の勧めを振り切り、本邸でひとり生活を始める。
時折かつて同居していた女性が様子を見に来るその生活は哀歌が16歳になるまで続いた。筮亀大学附属高校の生徒になった哀歌は表情こそ昏いものの美しい少女へと育っていた。
吊城の家は魔術を失った。
あの日、連綿と紡いできた歴史も魔術刻印も燃えて灰になった。だからもう自分が魔術の世界へ直接関わることはないだろう。
時折小手先の魔術で日常に起こるトラブルを乗り切るようなことはしていたものの、哀歌自身はこのまま魔術とは関係のない大衆へと自分は埋没していくのだと考えていた。
だから、ある日突然自分の身体に刻まれた痣を信じられないような目で見つめたのだ。
聖杯戦争への参加権にして、拒否することはできない殺し合いへの招待状。勝機などあるわけもない。虫けらのように潰されて死ぬのだろうと震えた。
本邸に遺された書庫や資料をひっくり返しても生き残る手段などどこにも記されてはおらず、生きる覚悟も死ぬ覚悟も定まらないままその日を迎えた。
それでも───運命は訪れた。
8年前に本邸の薔薇園に刻まれた、英霊の召喚陣が励起して。
運命と出会ったのだ。
性格
哀歌に初めて出会った者は第一印象として、彼女のクールさを感じ取るだろう。
淡白で愛想に欠け、表情の温度差が小さく常に澄まし顔、冷ややかで非友好的。差しあたりのない相槌くらいは返すものの明らかに壁を感じる対応。
仮にこちらからフレンドリーに話しかけても一定の距離からは踏み込まさせないよう振る舞い、まるで仲良くする気がないように見える。
事実として学校でも似たような調子でクラスメイトとは過ごしており、例外を除いて誰に対しても関係を深めようとはしない。
淡々と登校してきて淡々と授業を受け、下校時間になれば速やかに淡々と下校していく。そんな生徒だ。
年齢の割に落ち着いているともとれるし、年齢の割に可愛げがないともとれる。
基本的にいつも冷静で慌てて取り乱すようなことは少なく、誰に対しても突き放した接し方をし、現実的で冷めている。
まるで何もかも興味が無いようなアンニュイな表情をいつも浮かべている様は、交友関係に興味を持てない人間嫌いのよう。
そのドライな態度の印象にぴったりな要素を揃えた少女のように見える。
この時点で彼女と仲良くなるのを諦めたり、哀歌の方が興味を持てない相手には、第一印象通りの人格である。
実際には自身のパーソナルスペースを大事にしている、あるいは踏み込まれるのを恐れているのであって、全く他人に興味がないのではない。
他人との距離感を慎重に測るタイプ。人見知りするのは相手に関わりたくなくてではなく、相手がどんな相手か分からないから。
仲良くしようとしてくる相手や仲良くしたいと思う相手には最初こそ素っ気ない態度を取りながらも、ふと気がつくとそばに哀歌がいるというのはよくあること。
こちらから近づくとすぐに距離を置いてしまうものの、放っておくと哀歌の方から能動的に接触を試みてくる。少しずつ適切な距離感を探っているのである。
この段階に入った時点でもう半分くらいは相手に心を許している。そうすると、第一印象では見えてこなかった哀歌の姿が見えてくる。
淡々とした喋り口ながら意外にもおしゃべり。他愛無いことでも不意にぼそりと聞いてきて、答えると「ふぅん」と相槌を打ってくる。
哀歌にとっては相手の分析の精度を上げるための質問であることが多いが、逆に言えば興味を持っているという意思表示の裏返しでもある。反対にこちらから質問してもよっぽどのことではない限り答えてくれる。
結構はっきりと物を言う。普通は多少言いにくいことでもずばりと口にしたりする。
人によってはそれを歯に衣着せずというふうに見えたり、あるいは単純に口が悪いと思う者もいるだろう。不思議と的を外したことはあまり言わない。
結構気分屋なところがあり、順序立てて計画を進めたりするのは苦手な一方でアドリブでその場を間に合わせたりするのは得意。
本人は全くそういうつもりはないのだが自由人な一面を持ち、出たとこ任せで物事を何とかしてしまう小器用さを備えている。
ところどころ、自己肯定感が欠如していると思しき態度を取る。「こんな自分よりも他者が報われてほしい」という意志が見え隠れする。
他人の幸福は案外素直に喜ぶが、自分が気遣われることに対しては感謝よりも先に居心地の悪さや相手への申し訳無さが先立ってしまう。
実は寂しがり。孤独を愛するタイプではなく、むしろ孤独は哀歌を苦しめるものだが自分を省みるため定期的に接種しないとならない苦い薬のようなもの。
かといって多人数で騒ぐのを好むわけではなく、気心の知れた相手と同じ空間をゆっくり共有するのが好き。たまには騒いでもいいけれど、あくまでたまに。
総じて、話しぶりや態度の冷涼さこそ変わらないものの、哀歌は歩み寄ると決めた相手には積極的に友好的な関係を築こうとするのである。分かりづらいが。
自己肯定感の希薄さは哀歌の過去が深く関係している。
魔術師の家の次女として生まれた哀歌は優れた両親とそれよりもさらに並外れて優れた姉の元で育った。
尊敬の念と劣等感の両方が同時に哀歌の心の中で積み上げられていった。凡庸な自分と優秀な彼ら。家族を評価する一方で劣っている自分に対して嘆息する日々。
そこで嫉妬といった負の感情に囚われなかったのは哀歌が生来持っていた心の正しさだったのかもしれない。だがそうした感情があった方が逃げ道があったろう。
自分だけを遺して家族が死去したことで事実を受け止めきれなかった哀歌の心の歪みは決定的となった。
『優れた彼らではなく、劣った私が代わりに消えれば良かったのに───』
哀歌の心の根底に根付いたそんなどす黒い罪悪感が彼女の態度を頑なにさせ、自分がのうのうと生きていることを認め難くさせている。
考えてもどうしようもないことという認識はあるものの、それでも鬱屈とした無力感と後悔を払拭することができなかったために彼女の人格はすっかり捻くれてしまった。
これは哀歌の生への執着にも繋がっている。生かされた自分は故なくして死ぬわけにはいかないという強い自負があるためだ。
しかしそれは逆さにすれば、故があるならば自分の命は使用されても構わないという希死観念にも繋がりかねないということなのだが。
前述の通りその臆病さがためにパーソナルスペースを重要視する哀歌にとって、ずかずかと無神経に踏み込んでくるだけの人は苦手分野。そして決してその姿勢を改めない手合に心を開くことはない。
そういう意味では学校は哀歌にとって不得意な場所である。同い年の人間ばかり集められ、ごく近い距離感を形成することを強制されるこの空間にいることは哀歌にとって苦痛。
なので哀歌は学校を「通うことで社会的な地位や権利を得るための場所」としか認識しておらず、そこで思い出を作ろうなどといった願望は微塵も持っていない。
同い年の友人はほぼゼロ。“先輩”あるいは“後輩”という立場の垣根が生まれる間柄でのみ、数は少ないが会話をする相手がいる程度。
（極端に孤立しているのでいじめの対象になりかけたこともあったが、それ自体はどうでも良かったものの面倒を嫌った哀歌が該当者にこっそり暗示の魔術をかけて事なきを得た）
また自分ひとりしかいない夜の洋館も過去を思い出すので苦手にしており、それを嫌って夜な夜な街へと繰り出す非行少女でもある。
（非行であって不良ではない。哀歌は法に触れるような行いに興味があるわけではなく、単に夜間に己の居場所がどこにもないだけである）
夜の街の盛り場における独自のコミュニティは互いに正体無くして繋がり合う空気があり、哀歌にとって学校よりも居心地のいい場所。
誰が自分によって有益か、誰が自分にとって危険か、その観察力で嗅ぎ分けて安全と判断したグループの元へ身を寄せてよく夜を過ごしている。
外面は淡々としているが、実際には独特の人懐こさを持った哀歌はその人寂しさを勘付ける者には可愛がられやすい。
それら深刻な問題とは別にホラー作品が苦手。
『人為的に恐怖を煽り立てることを目的として作られたもの』がその対象であり、小説、漫画、映画、アニメ、ゲームなど、ジャンルは問わない。
怖がりでひとりでは絶対に見ず、そうした作品に向き合わねばならない場合は普段の冷静沈着ぶりが嘘のように一緒に視聴する者へと縋り付く。
が、そのホラーの出来が悪い場合は話は別。最初こそびくびく怯えているが、それが判明するにつれてだんだん不満そうな顔をしだし、ねちねちと批評を始める。
しまいには怒り始める。取ってつけたようなホラー描写に舌打ちするなど。不愉快な態度を隠そうともしない。
怖がらせようと作られた名作に目一杯怖がり、怖がらせようと作られた駄作に否定的な立場を取るのは、要するにホラー作品ファンであり、つまり好きなのでは？
そう他人から指摘すると真っ向から否定するのできっとそうなのだろう。たぶん。
「好きなものなんて………特に無い」
………と哀歌は言うがそんなことはない。全然ない。指摘されると誤魔化すが。
何よりお稲荷さんが大好き。甘じょっぱいやつ。中に具がいっぱい入ってるの。五目。胡麻は多め。これを出されるとちょっとしたお願いならホイホイ聞いちゃう。
お稲荷さんじゃなくてもとにかく甘じょっぱいものに弱い。哀歌にとってこれが幸福の形らしい。
どちらかといと洋菓子よりは和菓子派だが（洋菓子を好まないわけではない。むしろ好き。甘いもの全般が好き）、醤油を使ったおかきなどには目がない。
そうでなくともハッ○ー○ーンなどは最大の弱点。なにこれ美味しすぎる。無限に食べられる。怖い。
口寂しさを覚える方であり、その解消のためによく棒付きキャンディーを口にしている。
というか、哀歌はそもそも割と大食漢である。
生野菜にドレッシングをどばどばかけたものをわしわし食べて胃を満たすことに幸せを見出す人間であり、好物が功を奏して一人暮らしでありながら食生活はかなり健康的。
別に肉や魚が嫌いなわけではないのだがとにかく野菜が好き。じゃがいもはホクホクにするより炒めてシャキシャキにしたい。セロリ嫌いとか言う人間の気持ちが分からない。
それなりに長い一人暮らしによって料理もある程度得意。材料さえ揃っていれば後は出たとこ任せの調理でもそれなりに美味しいものができるぐらいの腕前。
また前述の通り、他者の笑顔のために動くことについては然程苦にしない。
自分が幸福になることは素直に受け止められないが、他人が幸福になることは素直に受け止められるからである。
必ずするというわけではないが、困っている他人がいたりすると気付かれないようそっと先回りして手助けをしておくということもある。
その後、自分の行った善行の白々しさで勝手に不機嫌になり落ち込むまでがセット。
特技として人間への観察力が高い。
寂しさを誤魔化せない一方で心の中へいきなり踏み込まれることを恐れる脆弱な精神を持つ哀歌は、それ故に目の前の相手がどんな人間か見抜かねばならなかった。
後天的に身につけたスキルであり、出会った人間の本性をたちまち見抜くような才能はないが、ひとつずつ証拠を拾い集めて相手の人格を推理することができる。
哀歌にとってそれは必要性があったから会得したものであり誇れるものではない。むしろ己の臆病さの証明であり恥ずべきことであるとさえ考えている。
見知らぬ相手と関係を築くのは恐ろしいが、相手のことを知らないままでいるのはもっと恐ろしいため、後ろ向きのまま後ろ歩きで積極的に詰めてくる。
そんな柔らかな人間観察が、もしくはそうしてまで相手のことを深く理解しようとするいじらしさが、哀歌の意図しないところで何かを助けることもあるかもしれない。
また、手先が器用という特殊能力を持つ。こちらは先天的な才覚。
そうした技能が求められることなら満遍なく力を発揮するが、中でもナイフや彫刻刀といったサイズの刃物を用いた作業には高い適性を示す。
没頭しだすとその集中力から周りの音が聞こえなくなるほど。その才覚について彼女はなんとなく得意かなという印象しか持っていないが、出来の良い刃物を目にするとつい惹かれるような器質を持っている。
哀歌の精神に問題点を見出すとすればやはりその自己肯定の乏しさが挙げられる。
『自分が生きているべきではなかったのではないか？』『もし自分ではなく家族の皆が生きていればより良い成果を導いていたのではないか？』という認識が哀歌をずっと苛んでいる。
自分の生存を疑問視するそれが自分自身を認め難くしており、ひいては深い関係を恐れてパーソナルスペースを確保することの重視に繋がっている。
相手を好むか好まないかというのもそれはそれとして理由にはあるのだが、同時に『こんな私はこの人と接するに値するのか』という惑いが哀歌に二の足を踏ませているのだ。
理性では『何を示せるわけでもなくただ生きているだけの自分に価値はない』と悲嘆しつつも人寂しさには抗えず、それらがせめぎ合った結果として自分の全てを開け放たずとも付き合える距離感の模索を行っているのである。
精神構造こそ複雑だが哀歌と仲を深めるために必要な工程はシンプルだ。
辛抱強く接し、自分を理解してもらえるよう努めること。そうすることで哀歌は相手のことを好ましいと思えば自分から相手の分析を行って少しずつ距離を縮めてくる。
その中で彼女の自己肯定感が育まれるような出来事があれば、あるいは哀歌のパラダイムシフトに繋がることがあるかもしれない。
自己肯定感の希薄さ、それに付随する臆病さ、それらを隠す淡白な態度のペルソナ、そういうものを取り払うと哀歌が元々持っていた要素が残る。
即ち誠実さや他者への慈愛といった、善人らしい因子だ。
もともと凄まじい素質を持つ姉のスペアにもならない、という認識の元に置かれていながら、腐ることなく両親や姉を尊敬していたことからそれは伺える。
自分の身に降り掛かった理不尽を誰かのせいにせず自分ひとりで抱えてしまうように、良くも悪くも真面目すぎる素養を持つ。
繊細で傷つきやすくひとり落ち込みやすいのもそうした真面目さや優しさといったものが起因していることが多い。
自分が寂しいから他者を理解しようとするというのは、翻れば他者という人間を尊重しようとするということであり、聖杯戦争を戦う人間としては優しすぎるが逆にそれが救いとなるような者もいるだろう。
哀歌は自分自身を誤解しているが、本当は自分に突きつけられた事柄へ怯えながらも少しずつ向き合おうとするような強靭で逞しい意志を持っている。
形を変えればそれは勇気にさえなる。きちんとピースが噛み合えばこの身体と精神のどこに眠っていたと驚くほどの意志を内包し、リスクを承知で踏み込んでくるだけの強さを持つ。
覚悟さえ定まれば諦めることも挫けることも忘れ去り、強靭な意思で前進し目的を達成しようとする前向きな積極性を示して周囲を引っ張る素質を持つ。
ただ彼女の肩に積み重なったものと彼女自身の心の化学反応によってこれまでは後ろ向きな選択肢しか選ぶ余地がないだけ。
哀歌が本当に自分が思うような意志薄弱な人間であるならば、とっくの昔に自らの重荷に磨り潰されて向き合う選択肢さえ持てなかった。本来の哀歌は強い子なのだ。
精神の表側の部分は後ろ向き、精神の裏側の部分は前向き、そんな精神構造が哀歌の精神の歪さを象徴している。
自分の価値を疑問視し、自己存在の曖昧さに苦しみながらも、よく食べたり相手にはっきりとした物言いをする姿勢にそれは現れている。表側で自分の生に悩みながら、裏側は懸命に生きようとしている。
哀歌を理解し、そばに立ち、共に支えられるようなパートナーを得られれば、彼女はとうとう自分の本道へと立ち返ることができるだろう。
淡白で愛想に欠け、表情の温度差が小さく常に澄まし顔、冷ややかで非友好的。差しあたりのない相槌くらいは返すものの明らかに壁を感じる対応。
仮にこちらからフレンドリーに話しかけても一定の距離からは踏み込まさせないよう振る舞い、まるで仲良くする気がないように見える。
事実として学校でも似たような調子でクラスメイトとは過ごしており、例外を除いて誰に対しても関係を深めようとはしない。
淡々と登校してきて淡々と授業を受け、下校時間になれば速やかに淡々と下校していく。そんな生徒だ。
年齢の割に落ち着いているともとれるし、年齢の割に可愛げがないともとれる。
基本的にいつも冷静で慌てて取り乱すようなことは少なく、誰に対しても突き放した接し方をし、現実的で冷めている。
まるで何もかも興味が無いようなアンニュイな表情をいつも浮かべている様は、交友関係に興味を持てない人間嫌いのよう。
そのドライな態度の印象にぴったりな要素を揃えた少女のように見える。
この時点で彼女と仲良くなるのを諦めたり、哀歌の方が興味を持てない相手には、第一印象通りの人格である。
実際には自身のパーソナルスペースを大事にしている、あるいは踏み込まれるのを恐れているのであって、全く他人に興味がないのではない。
他人との距離感を慎重に測るタイプ。人見知りするのは相手に関わりたくなくてではなく、相手がどんな相手か分からないから。
仲良くしようとしてくる相手や仲良くしたいと思う相手には最初こそ素っ気ない態度を取りながらも、ふと気がつくとそばに哀歌がいるというのはよくあること。
こちらから近づくとすぐに距離を置いてしまうものの、放っておくと哀歌の方から能動的に接触を試みてくる。少しずつ適切な距離感を探っているのである。
この段階に入った時点でもう半分くらいは相手に心を許している。そうすると、第一印象では見えてこなかった哀歌の姿が見えてくる。
淡々とした喋り口ながら意外にもおしゃべり。他愛無いことでも不意にぼそりと聞いてきて、答えると「ふぅん」と相槌を打ってくる。
哀歌にとっては相手の分析の精度を上げるための質問であることが多いが、逆に言えば興味を持っているという意思表示の裏返しでもある。反対にこちらから質問してもよっぽどのことではない限り答えてくれる。
結構はっきりと物を言う。普通は多少言いにくいことでもずばりと口にしたりする。
人によってはそれを歯に衣着せずというふうに見えたり、あるいは単純に口が悪いと思う者もいるだろう。不思議と的を外したことはあまり言わない。
結構気分屋なところがあり、順序立てて計画を進めたりするのは苦手な一方でアドリブでその場を間に合わせたりするのは得意。
本人は全くそういうつもりはないのだが自由人な一面を持ち、出たとこ任せで物事を何とかしてしまう小器用さを備えている。
ところどころ、自己肯定感が欠如していると思しき態度を取る。「こんな自分よりも他者が報われてほしい」という意志が見え隠れする。
他人の幸福は案外素直に喜ぶが、自分が気遣われることに対しては感謝よりも先に居心地の悪さや相手への申し訳無さが先立ってしまう。
実は寂しがり。孤独を愛するタイプではなく、むしろ孤独は哀歌を苦しめるものだが自分を省みるため定期的に接種しないとならない苦い薬のようなもの。
かといって多人数で騒ぐのを好むわけではなく、気心の知れた相手と同じ空間をゆっくり共有するのが好き。たまには騒いでもいいけれど、あくまでたまに。
総じて、話しぶりや態度の冷涼さこそ変わらないものの、哀歌は歩み寄ると決めた相手には積極的に友好的な関係を築こうとするのである。分かりづらいが。
自己肯定感の希薄さは哀歌の過去が深く関係している。
魔術師の家の次女として生まれた哀歌は優れた両親とそれよりもさらに並外れて優れた姉の元で育った。
尊敬の念と劣等感の両方が同時に哀歌の心の中で積み上げられていった。凡庸な自分と優秀な彼ら。家族を評価する一方で劣っている自分に対して嘆息する日々。
そこで嫉妬といった負の感情に囚われなかったのは哀歌が生来持っていた心の正しさだったのかもしれない。だがそうした感情があった方が逃げ道があったろう。
自分だけを遺して家族が死去したことで事実を受け止めきれなかった哀歌の心の歪みは決定的となった。
『優れた彼らではなく、劣った私が代わりに消えれば良かったのに───』
哀歌の心の根底に根付いたそんなどす黒い罪悪感が彼女の態度を頑なにさせ、自分がのうのうと生きていることを認め難くさせている。
考えてもどうしようもないことという認識はあるものの、それでも鬱屈とした無力感と後悔を払拭することができなかったために彼女の人格はすっかり捻くれてしまった。
これは哀歌の生への執着にも繋がっている。生かされた自分は故なくして死ぬわけにはいかないという強い自負があるためだ。
しかしそれは逆さにすれば、故があるならば自分の命は使用されても構わないという希死観念にも繋がりかねないということなのだが。
前述の通りその臆病さがためにパーソナルスペースを重要視する哀歌にとって、ずかずかと無神経に踏み込んでくるだけの人は苦手分野。そして決してその姿勢を改めない手合に心を開くことはない。
そういう意味では学校は哀歌にとって不得意な場所である。同い年の人間ばかり集められ、ごく近い距離感を形成することを強制されるこの空間にいることは哀歌にとって苦痛。
なので哀歌は学校を「通うことで社会的な地位や権利を得るための場所」としか認識しておらず、そこで思い出を作ろうなどといった願望は微塵も持っていない。
同い年の友人はほぼゼロ。“先輩”あるいは“後輩”という立場の垣根が生まれる間柄でのみ、数は少ないが会話をする相手がいる程度。
（極端に孤立しているのでいじめの対象になりかけたこともあったが、それ自体はどうでも良かったものの面倒を嫌った哀歌が該当者にこっそり暗示の魔術をかけて事なきを得た）
また自分ひとりしかいない夜の洋館も過去を思い出すので苦手にしており、それを嫌って夜な夜な街へと繰り出す非行少女でもある。
（非行であって不良ではない。哀歌は法に触れるような行いに興味があるわけではなく、単に夜間に己の居場所がどこにもないだけである）
夜の街の盛り場における独自のコミュニティは互いに正体無くして繋がり合う空気があり、哀歌にとって学校よりも居心地のいい場所。
誰が自分によって有益か、誰が自分にとって危険か、その観察力で嗅ぎ分けて安全と判断したグループの元へ身を寄せてよく夜を過ごしている。
外面は淡々としているが、実際には独特の人懐こさを持った哀歌はその人寂しさを勘付ける者には可愛がられやすい。
それら深刻な問題とは別にホラー作品が苦手。
『人為的に恐怖を煽り立てることを目的として作られたもの』がその対象であり、小説、漫画、映画、アニメ、ゲームなど、ジャンルは問わない。
怖がりでひとりでは絶対に見ず、そうした作品に向き合わねばならない場合は普段の冷静沈着ぶりが嘘のように一緒に視聴する者へと縋り付く。
が、そのホラーの出来が悪い場合は話は別。最初こそびくびく怯えているが、それが判明するにつれてだんだん不満そうな顔をしだし、ねちねちと批評を始める。
しまいには怒り始める。取ってつけたようなホラー描写に舌打ちするなど。不愉快な態度を隠そうともしない。
怖がらせようと作られた名作に目一杯怖がり、怖がらせようと作られた駄作に否定的な立場を取るのは、要するにホラー作品ファンであり、つまり好きなのでは？
そう他人から指摘すると真っ向から否定するのできっとそうなのだろう。たぶん。
「好きなものなんて………特に無い」
………と哀歌は言うがそんなことはない。全然ない。指摘されると誤魔化すが。
何よりお稲荷さんが大好き。甘じょっぱいやつ。中に具がいっぱい入ってるの。五目。胡麻は多め。これを出されるとちょっとしたお願いならホイホイ聞いちゃう。
お稲荷さんじゃなくてもとにかく甘じょっぱいものに弱い。哀歌にとってこれが幸福の形らしい。
どちらかといと洋菓子よりは和菓子派だが（洋菓子を好まないわけではない。むしろ好き。甘いもの全般が好き）、醤油を使ったおかきなどには目がない。
そうでなくともハッ○ー○ーンなどは最大の弱点。なにこれ美味しすぎる。無限に食べられる。怖い。
口寂しさを覚える方であり、その解消のためによく棒付きキャンディーを口にしている。
というか、哀歌はそもそも割と大食漢である。
生野菜にドレッシングをどばどばかけたものをわしわし食べて胃を満たすことに幸せを見出す人間であり、好物が功を奏して一人暮らしでありながら食生活はかなり健康的。
別に肉や魚が嫌いなわけではないのだがとにかく野菜が好き。じゃがいもはホクホクにするより炒めてシャキシャキにしたい。セロリ嫌いとか言う人間の気持ちが分からない。
それなりに長い一人暮らしによって料理もある程度得意。材料さえ揃っていれば後は出たとこ任せの調理でもそれなりに美味しいものができるぐらいの腕前。
また前述の通り、他者の笑顔のために動くことについては然程苦にしない。
自分が幸福になることは素直に受け止められないが、他人が幸福になることは素直に受け止められるからである。
必ずするというわけではないが、困っている他人がいたりすると気付かれないようそっと先回りして手助けをしておくということもある。
その後、自分の行った善行の白々しさで勝手に不機嫌になり落ち込むまでがセット。
特技として人間への観察力が高い。
寂しさを誤魔化せない一方で心の中へいきなり踏み込まれることを恐れる脆弱な精神を持つ哀歌は、それ故に目の前の相手がどんな人間か見抜かねばならなかった。
後天的に身につけたスキルであり、出会った人間の本性をたちまち見抜くような才能はないが、ひとつずつ証拠を拾い集めて相手の人格を推理することができる。
哀歌にとってそれは必要性があったから会得したものであり誇れるものではない。むしろ己の臆病さの証明であり恥ずべきことであるとさえ考えている。
見知らぬ相手と関係を築くのは恐ろしいが、相手のことを知らないままでいるのはもっと恐ろしいため、後ろ向きのまま後ろ歩きで積極的に詰めてくる。
そんな柔らかな人間観察が、もしくはそうしてまで相手のことを深く理解しようとするいじらしさが、哀歌の意図しないところで何かを助けることもあるかもしれない。
また、手先が器用という特殊能力を持つ。こちらは先天的な才覚。
そうした技能が求められることなら満遍なく力を発揮するが、中でもナイフや彫刻刀といったサイズの刃物を用いた作業には高い適性を示す。
没頭しだすとその集中力から周りの音が聞こえなくなるほど。その才覚について彼女はなんとなく得意かなという印象しか持っていないが、出来の良い刃物を目にするとつい惹かれるような器質を持っている。
哀歌の精神に問題点を見出すとすればやはりその自己肯定の乏しさが挙げられる。
『自分が生きているべきではなかったのではないか？』『もし自分ではなく家族の皆が生きていればより良い成果を導いていたのではないか？』という認識が哀歌をずっと苛んでいる。
自分の生存を疑問視するそれが自分自身を認め難くしており、ひいては深い関係を恐れてパーソナルスペースを確保することの重視に繋がっている。
相手を好むか好まないかというのもそれはそれとして理由にはあるのだが、同時に『こんな私はこの人と接するに値するのか』という惑いが哀歌に二の足を踏ませているのだ。
理性では『何を示せるわけでもなくただ生きているだけの自分に価値はない』と悲嘆しつつも人寂しさには抗えず、それらがせめぎ合った結果として自分の全てを開け放たずとも付き合える距離感の模索を行っているのである。
精神構造こそ複雑だが哀歌と仲を深めるために必要な工程はシンプルだ。
辛抱強く接し、自分を理解してもらえるよう努めること。そうすることで哀歌は相手のことを好ましいと思えば自分から相手の分析を行って少しずつ距離を縮めてくる。
その中で彼女の自己肯定感が育まれるような出来事があれば、あるいは哀歌のパラダイムシフトに繋がることがあるかもしれない。
自己肯定感の希薄さ、それに付随する臆病さ、それらを隠す淡白な態度のペルソナ、そういうものを取り払うと哀歌が元々持っていた要素が残る。
即ち誠実さや他者への慈愛といった、善人らしい因子だ。
もともと凄まじい素質を持つ姉のスペアにもならない、という認識の元に置かれていながら、腐ることなく両親や姉を尊敬していたことからそれは伺える。
自分の身に降り掛かった理不尽を誰かのせいにせず自分ひとりで抱えてしまうように、良くも悪くも真面目すぎる素養を持つ。
繊細で傷つきやすくひとり落ち込みやすいのもそうした真面目さや優しさといったものが起因していることが多い。
自分が寂しいから他者を理解しようとするというのは、翻れば他者という人間を尊重しようとするということであり、聖杯戦争を戦う人間としては優しすぎるが逆にそれが救いとなるような者もいるだろう。
哀歌は自分自身を誤解しているが、本当は自分に突きつけられた事柄へ怯えながらも少しずつ向き合おうとするような強靭で逞しい意志を持っている。
形を変えればそれは勇気にさえなる。きちんとピースが噛み合えばこの身体と精神のどこに眠っていたと驚くほどの意志を内包し、リスクを承知で踏み込んでくるだけの強さを持つ。
覚悟さえ定まれば諦めることも挫けることも忘れ去り、強靭な意思で前進し目的を達成しようとする前向きな積極性を示して周囲を引っ張る素質を持つ。
ただ彼女の肩に積み重なったものと彼女自身の心の化学反応によってこれまでは後ろ向きな選択肢しか選ぶ余地がないだけ。
哀歌が本当に自分が思うような意志薄弱な人間であるならば、とっくの昔に自らの重荷に磨り潰されて向き合う選択肢さえ持てなかった。本来の哀歌は強い子なのだ。
精神の表側の部分は後ろ向き、精神の裏側の部分は前向き、そんな精神構造が哀歌の精神の歪さを象徴している。
自分の価値を疑問視し、自己存在の曖昧さに苦しみながらも、よく食べたり相手にはっきりとした物言いをする姿勢にそれは現れている。表側で自分の生に悩みながら、裏側は懸命に生きようとしている。
哀歌を理解し、そばに立ち、共に支えられるようなパートナーを得られれば、彼女はとうとう自分の本道へと立ち返ることができるだろう。
行動規範・行動方針
魔術刻印を喪失し、家伝を継ぐ者もいなくなった以上、もう魔術の世界と自分や自分の家系は断絶したと認識して普通の日々を送ってきた。
聖杯戦争に対しては当初こそ巻き込まれるままひたすら状況に対応していたが、セイバーとの関係が好転の兆しを見せ強敵との対峙を乗り越えだしてからはあれこれ理由をつけつつ前向きに取り組みだす。
その裡へ無意識に芽生えた願いが『過去の再演。浪費されるべきではない人々が浪費されず、必要ならば消費されるべき人間が消費されること』という自死を想定に入れたものだというのが途中までのこと。
それを突きつけられ、積み上げてきたものが崩れ落ち、それらの再構築を果たす頃には健全な別の理由が聖杯戦争へ臨むにあたって芽生えているだろう。
聖杯戦争に対しては当初こそ巻き込まれるままひたすら状況に対応していたが、セイバーとの関係が好転の兆しを見せ強敵との対峙を乗り越えだしてからはあれこれ理由をつけつつ前向きに取り組みだす。
その裡へ無意識に芽生えた願いが『過去の再演。浪費されるべきではない人々が浪費されず、必要ならば消費されるべき人間が消費されること』という自死を想定に入れたものだというのが途中までのこと。
それを突きつけられ、積み上げてきたものが崩れ落ち、それらの再構築を果たす頃には健全な別の理由が聖杯戦争へ臨むにあたって芽生えているだろう。
参戦理由
当初はただ巻きまれるままに。
己の生存と勝機の香りが薄っすらと漂ってきてからは無意識の内にあった願いを叶えるために。
それら全てが壊れた後には、全てに決着をつけるために。
己の生存と勝機の香りが薄っすらと漂ってきてからは無意識の内にあった願いを叶えるために。
それら全てが壊れた後には、全てに決着をつけるために。
サーヴァントへの態度
※（ここについてはサーヴァントが決定するまで保留です）
（流れとして「サーヴァント側が最初から無理に関係を築こうとしたで哀歌の地雷を踏んで遠ざかってしまい、仲直りする中で哀歌のことを知っていく」というのは盛り込みたいです）
（流れとして「サーヴァント側が最初から無理に関係を築こうとしたで哀歌の地雷を踏んで遠ざかってしまい、仲直りする中で哀歌のことを知っていく」というのは盛り込みたいです）
役どころ・コンセプトなど
主人公。
因縁キャラ
- セイバー
- 自分のサーヴァント。
召喚直後にランサーを追い払うが、喚ばれた時点で既に瀕死の状態であった哀歌にセイバーが己の宝具を行使することで哀歌は一命を取り留め、翌朝目覚めることになる。
召喚から暫くの間の両者の関係は悪いと言って差し支えない。
哀歌からするとセイバーは己の命を救ってくれた恩人でありその借りを返さねばならないという意識があるものの、都合の良すぎるその召喚やセイバーからの過干渉によりどうしても距離を置きがち。
過去の経験から守護の意識だけが先立ち哀歌自身を見ようとはしないその姿勢へ特に不信感を持ち、夜を乗り越えるパートナーとして認めつつもスタンスを変えないセイバーを疎みがち。
それらが解消するまでは哀歌はセイバーに対して歩み寄らない態度を取り続ける。（だがその間もさり気なく理解を深めようとする姿勢を取るのが哀歌の哀歌たる所以である）
余所余所しさが解消される頃からはセイバーに対して信頼を置き始め、“借りを返すべき相手”というだけだった認識も少しずつ変じていくことになる。
ブッカーにセイバーを奪われた際は『セイバーには命を救われた借りがある』という理由だけではない、哀歌自身がまだ意識していない理由がセイバーに対する執着の理由となっている。
東京崩壊後は状況を打開するパートナーとして共に行動する内に、マスターとサーヴァントという関係を超えた感情を彼に対して抱くようになっていく。
でも姫はやめて。せめて人前ではやめて。
- 吊城恋果
- 姉。
当然ながらその感情に対しても大きな操作はされておらず、あるがままに育つようにして感情の機微を観察されていた。
幼い哀歌は恋果を前にするとうまく喋れなくなることを不思議に思ってはいたものの、ずば抜けて優秀な姉へ無邪気な憧憬と劣等感を覚えつつ何も知らずに慕っていた。
恋果が「魔法使い」であることを直接彼女から語られる形で知り、それを幼子ならではの混ざりけのない心で感心して喜んだ。
その他、両親が教えないような世間や魔術師の間での常識といったもの、更には魔法へと辿り着くためのアプローチの途上などを恋果は面白がって哀歌に仕込んだのである。
哀歌に対して自身の人形なりに情が移っていた愛果は両親へ「万が一の時は哀歌を守るように」と命令を仕込んでおく。それが哀歌の『新宿大火災』における生存へと繋がることになった。
8年後の聖杯戦争における再会では自分よりも生きているべきだと考えていた相手のまさかの登場に激しく動揺する。
それまでで薄っすらと無意識の中で培われていた『死にたくない、生きて明日の続きを見たい』と感じている自分を自覚したのもその動揺の理由となっている。
この聖杯戦争で二度目の臨死体験を経た哀歌は恋果の登場に呼応するかのように稀な素質を獲得し、恋果の目論見を真っ向から破る最大の要因となっていく。
- 九条遥
- 先輩。
が、唯一哀歌の内面のみはそうではない。妙に親しく接してこようとする遥に対し、密かに人間観察を欠かしていない。遥が自分に何を求めているのか？ 何故興味を持つのか？
かつての聖杯戦争について自分の家の顛末しか知らない哀歌には遥の執着の理由が理解できず、故に距離を置いていただけだ。実際には分からないなりに分析を進めていた。
聖杯戦争が始まり、遥が敵に回ってからは急速にその意図を理解しだす。
同時に遥の態度に対して少しずつフラストレーションを溜め込みだす。
哀歌からすればいきなり初日に殺されかけた上に、その後も勝手に軽んじたり、勝手に期待したり、勝手に協定を結んで勝手に距離感を設定し、勝手にその立場に自己満足している。
そんな、ひたすら自分のエゴイズムを押し付けてくる人という風に哀歌の目には映った。哀歌はただ一晩ずつを乗り越えていくのに必死だったのに。
遥と哀歌の関係の転機は哀歌がセイバーを失った時に訪れる。
哀歌へ壇上から降りることを勧める遥───それに対し、哀歌は「まだ何も終わっていない」と語る。
「私はまだ何も諦めない。だから九条先輩。私で救われようとするのはやめてください。───勝手にラクになるなよ。気持ち悪い」
- 上村花奏
- 先輩。
おまけに哀歌はその理由を知る由も無いが花奏側は哀歌に対して最初から敵意MAX。話し合う余地さえない。
故にひたすら追い立てられ、最優のクラスであるセイバーを有しながらそのセイバーにマスター同士の差を埋める助けを強いることになり、ひたすら相手の攻勢を凌ぎながら逃げ延びるという戦いになってしまう。
哀歌側からすると「花奏とライダーを同時にセイバーが相手取る」という状況を作らなければならないのだが、それがままならないのは当然であった。
転機は怜の登場。
彼が現れることで怜の語っていた少女が目の前で敵マスターとして立ちはだかる花奏だということに哀歌はようやく気づき、反転攻勢が始まる。
- 台杜怜
- 先輩。
その時点では怜が聖杯戦争の関係者などという予想を哀歌は全くしていない。
不意に話しかけてきた、女慣れしていなさそうな先輩。顔立ちはまずまず、割と整ってる方。眼鏡はたぶん伊達。何故か私に興味があるみたい。と、認識はその程度。
哀歌にすげなくされた………と怜が慌てている一方、哀歌はいつもの調子で突き放した態度を取りつつ怜を観察し、それでも怜が立ち去らないのでそれとなく会話を振ってみた。
以来、校舎の離れのスペースで黙々と並んで昼食を食べるのが日課になる。何か喋りかけるとしたら哀歌側からの方が多く、少し喋ったらまた黙るという関係。
その沈黙を彼が良しとしたので哀歌としては怜と並んで過ごす昼休憩は嫌いではなかった。怜の態度に滲む独特の孤独感を嗅ぎ取っていた。
怜側は哀歌から情報を抜き出すためという立場があったものの、少しずつ相手への理解が深まるのにそう時間はかからなかった。
夜間に花奏との接敵も経た後、未だ哀歌は花奏が怜と関係者であることを知らぬまま、ある日怜の何気ない言葉に胸中を曇らせた哀歌は伝える。
「先輩。身近な人がいつまでもいてくれるなんて幻想ですよ。大事な人は………ある日、突然いなくなるんです。本当にあっという間に。何もかも分からない内に」
劫火の記憶が蘇る。顔に陰を落としてその記憶の香りが漂う言葉を哀歌は告げた。
それが無意識の中で自分も含めた多くが安全圏にあると感じていた怜の不安を遮二無二煽り立てたことで事態は動き出すことになる。
- ブッカー・フェルディナント
- 監督役、後の敵マスター。
そのためブッカーと実際に面識を持つのは聖杯戦争が始まってからではあるものの、新宿中央教会については既知。
聖杯戦争に自分が関わることはないと高をくくっていたため立ち寄ったり連絡を取ることはなかったが、もし聖杯戦争が行われる場合ここに監督役が構えているということのみ知っていた。
印象は悪くない。継続した関係を築いてないため相手を知る期間が短いというのもあるが、ブッカーの人となりには好感を持つ。
雰囲気こそ「頼りない」と感じる側だが、聖杯戦争が始まったばかりでまだ気が動転している哀歌にとってはその穏やかさに僅かながら安心を覚えたというのがある。
「失ったものは失ったままのほうが良いかもしれない」という指摘にも「そうかもしれない」と曖昧ながら肯定的な返事をする。
その後も親切なブッカーの態度に対して素直に感謝と好感の念を持っていたが、中盤において彼から裏切りを受ける。
当初は動揺したものの、受け入れ自体は速やか。出会ったばかりの頃はブッカーについて観察が進んでいなかったが、この段階だと「予想はしていなかったがこうしてみるとありえたかもしれない」という認識があるため。
それよりもセイバーをどんな手を使ってでも取り戻すという意志の方が強く、ブッカーを敵として認めるのに時間はかからない。
しかし実のところ敵対はしても嫌悪感はほとんど湧いておらず、セイバー奪還作戦の最中にバーサーカーの裏切りを受けたブッカーの最期を看取ることになる。
ブッカーがよく口にしていた一節はそのまま哀歌に受け継がれることになる。
コメント
近づかれるのはイヤ。近づくのはスキ。
つまり猫。元・飼い猫、現・野良猫。
そのうちお姉ちゃんぶっ殺しシステムが搭載される。
つまり猫。元・飼い猫、現・野良猫。
そのうちお姉ちゃんぶっ殺しシステムが搭載される。
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