kagemiya@ふたば

【氏名】ヴィオラ・フォスキーア
【性別】男性
【年齢】16，17頃
【出身】イタリア
【身長・体重】172cm・68kg
【肌色】色白【髪色】紫【瞳色】赤紫
【外見・容姿】長い髪を編み込んだ美少年。整った容姿をしているが、機械のような無機質な雰囲気が人を寄り付けない。

【属性】秩序・悪
【魔術系統】錬金術
【魔術属性】火
【魔術特性】強化
【魔術回路】質：E+ 量：E+ 編成：異常（“竜血”による補強の影響か、若干の変質が観られる）
【起源】『歯車』

【所属】フォスキーア・ファミリー／黒の陣営
【階位・称号・二つ名】『不吉の菫』『鉄砲玉<pallottola>』


(作成:Picrew「少年少女好き？２」)

騎士殺し。所謂、暗殺剣。
一対一での戦闘を想定し、しかし決闘のような華々しい場で振るわれることのない剣術。
過去にストゥーラに棲まう悪漢達により独自に洗練された、卑劣を是とする決闘術。
不意を討つ、背後を狙う、といった単純な騙し討ちに留まらない。正対した状態からでも死角を創り出して肉片と切り刻む暗剣。
実践的な剣術が廃れて久しい現代では極少数人が扱う大道芸程度の扱いだったが、ヴィオラはこれを対魔術師戦闘を想定してアレンジして使用する。
加護の隙間。結界の綻び。実像と幻視の境。
そうした穴とも云えぬ微小な神秘の揺らぎを縫い、魔術師を斬殺するための道具として、アウトローの伝統は昇華された。

組織内で実力と忠誠を示したこと、多少の魔術的素養を有していたことから、使える手駒を欲していたヴィスコンティ家の術士から手解きを受けたもの。
使い魔の作成や簡易の暗示など、基礎的な魔術のみ習得している。
基本的に練度は低いが、唯一物質構造の分析・理解には適性を示しており、適切に魔力を流し込むことによる強化のみ習熟度が高い。

西洋拵えの細身の鋭剣。剣にも鞘にも何の飾り気もない、無骨な造りの品。
数世紀前に打たれた業物で、銘は残っていないが切れ味は確か。
逆に言えば、あくまでもその程度の品。魔術による強化は加わっているがそれだけで、特異な概念を付与された魔剣ではない。
ある意味でヴィオラ本人と同質の、『高品質で代替可能な兇器』である。
剣士としてのプライドも持っておらず、銃火器、爆薬、毒物、魔術と、全て必要に応じて使い潰す。

年若い、紫髪の美少年。
さらりとした美しい長髪を編み込んだ上で更に低い位置で纏め三編み、背中に垂らしている。
キチンとアイロン掛けされたシャツやズボンを着込んだフォーマルな装いは大人びて、年相応の少年らしさよりも冷然とした雰囲気を人に印象付ける。
加えて眉目の秀麗さ、姿勢の正しさ、乱れぬ呼吸に佇まい、本当に少年のソレとは思われぬ程に研ぎ澄まされた鋭い気配。
それらは人間としての美しさではなく、凶器としての合理を追求した結果生まれる類のものだ。
強い殺気を讃えた双眸は鋭く、纏った剣呑な空気は彼自身が一個の兵器であるかのような錯覚を人に与えるだろう。

普段、身体の線を隠すようなファーコートを羽織っているが、これは身に備えた凶器を隠すためのもの。
髪を伸ばしているのも正統な魔術師に対し魔力量に乏しい自身の不利を補う意図があるだけ。
身綺麗にしているのは（元々整った容姿をしているのもあるが）主人の道具として恥じないよう在るためで、年相応な感性は乏しい。
実際、普段の勤めと無関係に洋服店にでも連れて行かれれば、酷く困惑してしまいそうである。

フォスキーア・ファミリーにより養成された魔術使いの暗殺者。
十代の少年という若輩ながら、幼少期から多くの鉄火場を経験し、魔術師・非魔術師問わず多くの標的を斬殺してきた一級の刺客。
淡々として命じられるままに組織の敵を抹殺する姿は機械そのものに無機質で、同時に昏い耽美に溢れている。
紫<viola>という識別名だけを与えられ、凶刃として使い潰されるだけの生に何一つ報酬がなかったとしても、彼は決して嘆かない。

無意味な程に高性能かつ不毛なまでに芸術的。
殺戮という機能に特化した殺人器械だけに備わる機能美。
ヴィオラ・フォスキーアは、フランチェスカ・ヴィスコンティのための道具である。


イメージカラー：紫
特技：手品
好きなもの：フランチェスカ・ヴィスコンティ
苦手なもの：人懐こい動物
天敵：ロドルフォ・フェッツクオーレ、フォイン
願い：そんなことを考える必要はない。

【一人称】僕／自分　【二人称】お前／貴方

父親は初めから居なかった。
母親は薬に溺れて死んだ。
名前を呼ばれることさえ一度もなく、独りになった。

元はストゥーラで路上生活をしていた子供。
名を持たず親を知らず、生きる意志さえ希薄な少年が他者の指図で動くだけの人形になるのにそう時間は掛からなかった。
始めは同じ路上生活者に顎で使われ、チンピラの使い走りになり、その内マフィアの小間使い。
区別を付けるための色と、出来の悪い拳銃だけを持たされて、片道切符で送り出される鉄砲玉。
いつ死んでもおかしくはない──というより、生還を全く考慮されていない扱いだったが、それでも生き残り続けたのは一つの才能だったのだろう。
何度死地に送られても務めを果たした上で戻ってくる子供を大人達は不気味がってさえいたが、そんな環境でも当の少年に不満はなかった。

生きる意味も理由もない。
安っぽいナイフと同じことだ。
刃が欠けて擦り切れるまで使われるだけの安価な道具が自分なのだろう。
いくらでも代わりの利くただの道具を、労う言葉などないのが当然だ、と。

──当然だと、思っていたのだ。

その後、刺客としての優れた才覚を認められた少年は高度な訓練と任務に没頭する日々を与えられ、より上質な兵器として養成されることになる。
数年を掛けて、少年──ヴィオラ・フォスキーアは、殺人器械として研ぎ澄まされた。
血を吐きながら積み重ねた研鑽を以てファミリーの実働要員筆頭として扱われるに至った、今の彼の裡に在るものは、ボス・フォスキーアに対する絶対の忠誠だけである。

寡黙な少年。ただただ主人の為に働く走狗。
自分自身の目的意識や趣味性は殆ど欠如しており、また自身の生命にも余り価値を見出していない。
この自己の希薄さは過去の体験から“自分はただ人を殺すための道具だ”と定義してしまっているのが大きな要因だが、同時に自分自身の意志で感情を律しようとも務めている。

何も求めず、何も感じず、ただ奉仕する。
それが道具として理想的な姿だと思案し、奉仕を喜びと感じる自身の忠誠さえ余分な感傷ではないかと考えているのだ。
無感動な人間が強いて無感情であろうと務めており、故に実際、多くの場面ではその通りの機械めいた立ち振舞を崩さないが、時折主人を想うが故の激情が噴出する。
あるいはただただ不器用な、年相応の少年。

主人の命令に絶対服従。
暴力装置を任ぜられる立場もあって好戦的な判断基準を持っているが、上の指示を優先。

仕えるお嬢様に色々抱えてる、何があっても絶対に裏切らない美少年。

フランチェスカ・ヴィスコンティ

主人。絶対に護らねばならない相手。
きっと、少年のちっぽけな世界のすべて。

ロドルフォ・フェッツクオーレ

実質的に組織を取り仕切っている存在。従うべき上役で有ると共に殺人者としても上位に当たる相手。
その組織への貢献、ボスへの鉄の忠誠は敬意に値するものである。
……そのはずなのだ。しかし、何か……違和感がある。
彼の忠誠の行き着くところは、本当に自分と同じなのか……？

フォイン

ヴィオラにとって、魔力榴弾は決して不幸な存在ではない。
何も知らず、何も想わず、無垢なまま死んでいくいのち。
そこには喜びも悲しみもなく、ただ目的に対する奉仕だけが在る。
余分な荷物を抱えた自分などより、ずっとあの方の役に立つ存在だろう、と敬いさえ懐いていた。

──だからこそ、その環から外れ、尽くすべき主人へ憎悪を向けた。
フォインという“人間”を、ヴィオラはきっと憎悪する。

だけん。