kagemiya@ふたば

ここは座のヨーロッパの英霊達がいる区画。
座に区画とかあるのかよ？とか座は地域で別れてんのか？などと言う言葉は私には聞こえない。
商売道具の宝具などを積んだF4F(1/2サイズ)を紐で引っ張りながら私、エンタープライズはアイスを売るために座を練り歩いていた。

アイス……アイスは要りませんか……？
などとマッチ売りの少女オルタちゃんの真似をしてみるが、全然売れない。
ヨーロッパ人はケチね……。

｢何やってるんだい、アンタ……｣
とそこに声を来たのは恰幅の良い中年女性……ウォースパイトさんかぁ
流石に大先輩にアイスの押し売りは出来ないわね……

ウォースパイトさん、お久し振りです。　まぁなんと言いますか、ちょっとお小遣い稼ぎをですね……
｢ふーん、そうかい。　まぁいいんだけどさ。　それにしても珍しいじゃないか、あんたが一人ってのは｣
いやぁ、ネバダに見付かるとうるさいので、今回はこっそり単独行動です。

｢にゃー｣
ウォースパイトさんと談笑していると足元から聞こえるネコの鳴き声。
もう動物でもなんでもお客さんならなんでも良いわ

あら可愛い……ってオスカーじゃない。
｢むっ……早速バレたか｣
そこにいたのはセーラー服を着た黒猫。
猫の英霊が何人かいるが、セーラー服を着た黒猫と言うと私は黒猫オスカーとオスカーに霊基を貸した戦艦、ドイツのビスマルクが合体した泥新宿のガンナーしか知らない

そりゃバレるわよ、セーラー服来た猫なんて。
私は屈んでオスカーを覗き込むように見ながらその辺に生えていた草を一本引き抜き、オスカーの前で左右に振る。

｢……ふっ｣
鼻で笑われて右手？右の前足？で草を払われてしまった。

｢しかし、ふむ、それは盲点だったな、年頃の女性なら私を前にすれば可愛い〜！などと言って…………嫌な事を思い出した｣
勝手に凹んでるけど大丈夫？おっぱい揉む？
｢胸ないだろ、君｣
言いやがったわね、この猫…！

｢猫と喧嘩するんじゃないよ、エンタープライズ！……全く大人気ない！｣
オスカー相手にムキになった私の間にウォースパイトさんが割って入る

｢ん……この霊気パターンは!?　貴様、ウォースパイトか！｣
オスカーはウォースパイトの顔をみた瞬間、全身の毛を逆立て威嚇しはじめる。
｢猫の癖に私を知ってるとは随分殊勝……ってどこの猫かと思えばアンタまさかドイツの戦艦かい！｣
オスカーの正体に気付いたウォースパイトも目を見開き、オスカーから距離を取った。

二人の間に立つ私、あ……これなんかマズい気がする……。

｢大洋艦隊ホーホゼーフロッテ無き今とて我がドイツ海軍は健在だ！　かつてと同じように再び死のダンスを踊らせてやろうか！……最も今度は踊り終える前に海の底だがな！｣
オスカーにしては随分攻撃的だ。
ビスマルクが表に出てきているのかしら？

｢はっ！　吠えたね、オムツも取れない小娘が、やれるもならやってみな！　ジュットランド沖の再現といこうじゃないか！｣
ウォースパイトさん！大人気ないって言ったの誰ですか！
ちょっと！喧嘩は止めてください！アイスが売れなくなっちゃう……

https://www.youtube.com/watch?v=KFlGfHCCZdQ
こ、この思想まで真っ赤になりそうな労働歌インターは！

｢むっ！　同志エンタープライズ！　この暑い中労働とはせいが出るわね！｣
空中階段から降りてきたのは戦艦ポチョムキンさんことレナさん！

って言うか私共産主義者じゃないから同志じゃないですから！

｢まぁ、細かい事は気にしなくていいわ！　貴女が人民の為に戦い、権力を振りかざさない限り私の同志よ！УРАААААААААА！！！！」
やっぱこの人バーサーカーだよ……話通じないよぉ……

｢因みに何を売っているの？｣
アイスですけど、要りますか？

｢アイスか……嗜好品ではあるが、この暑さでは冷たい物をたべたくなるわね、ちょうど良いわ。　一つ貰える？｣
…………あのお代は？

｢金だと！　貴様、まさか資本主義者か！　УРАААААААААА！！！！」
ﾋｯ
あまりの剣幕に思わず身動ぎしてしまう。
オスカーとウォースパイトさんは逃げ出してもういない。

｢……とは言え労働者に対価を支払わないのは人民を搾取する権力者と同じ！　おいくらかしら？｣
100QPになります……

｢はい、100QP。　……では、さらばだ、同志エンタープライズ！　次は世界革命を成し遂げた時に会いたい物だな！｣
あ、ありがとうございました！
来たときとは真逆に颯爽とエーテル階段をかけ登り空中へと去っていくレナさん
悪い人(艦)ではないんだけどなぁ……

｢あー……そのなんだ……アイス買ってやるから頑張れ｣
いつの間に戻って来たのか、ぽんっと私の靴に前足を置くオスカー。

｢私も買って上げるから元気だしな……｣
ウォースパイトさんも戻って来ていた。

ま、毎度ありー
なんかもう疲れた……暫くヨーロッパの方には来ないようにしよう……








まぁ、そうなると行く宛は一つしかないのが問題ね……