kagemiya@ふたば

「俺様を誰だと思ってやがる！津田極星様だぞ！！」

「俺の前でカルトな話はするな、耳から脳みそハミ出させるぞ。いいな？」

「あ？ウチの子が暴走したってか？またかぁ……ＯＫ、詳細寄越せ」
「すぐに躾直してくる。そっちは謝罪の方をヨロシクな……俺が出たら余計に拗れるだろ、頼むわ」

「人間の感情は電気信号だ。AIを動かすのも電気信号だ」
「そこに違いがあるとは思えねぇな。だからこそ……そこに心は、魂は宿る」

「俺はな、絵に描いた龍の目に瞳を描き込みてぇんだよ」
「画竜点睛……数億の名画を残すよりも空に飛び立つ龍を見上げて、アレがウチの自慢の子供だって胸を張りてぇのさ」

「俺はな、別にAIだけの世界を作りたいって訳じゃねーんだぞ。AIと人間が同じ目線に立って互いに縛られる事のない世界を作りたいんであってだな……」
「それを邪魔する人間が居たらどうするか、だって？　そりゃお前……」
「全員徹底的にブッ潰すだろ、当然」


「あーんもう！ねがいちゃんはかわいいでちゅねー！おねーたんかわいいかわいいしてあげまちゅよー！」
「あん？なんだよ衛星、苦笑いしやがってよぉ。俺が可愛い妹を可愛がっちゃヘンだってのか？」
「ヘンかよ、そうかよ。きっぱり言うな、テメェ」

「彗星姉貴がついにパクられたか！」
「よっしゃあ！あの天然カルト乱造女め、二度とシャバに出て来るんじゃねぇｚっってぇ！！」
「……悪かったよ、お袋」



「衛星、悪いなこんな正月の夜中だってのに連れ出しちまって。懐かしいよなぁ……この公園も。良く二人でバカやったって遊んだっけ」
「……俺はラジメカでお前はカリガネ。お互いに場所は違えど技術屋の人間になっちまったな」
「ガリベンオタクのお前はともかく、喧嘩三昧の俺もだぜ？ハハッ……感謝してるよ、お前にはさ」
「お前が居なきゃ俺は、ヤクザかチンピラにでもなってただろうからなぁ……ホント、自慢の弟だよ」
「今度、神戸に遊びに来てくれ。俺とお前なら視察名義で来られるだろ？なんてな」
「おう、いい店知ってるんだ。久しぶりに二人で飲みに行こうぜ」

その津田一族特有のキ〇ガイっぷりからか精神汚染の影響を受ける事無く、その内側に隠れた女神を見ていた稀有な人間。やっぱアレ見えるのって黄色い救急車案件だって。
会話は無くとも心で通じており、カルト宗教が嫌いな自分とオカルトに塗りつぶされたバーサーカーとで強い友情に結ばれていた。
自身が凄鋼に飲まれる前にラジアルメカニカの遺産の一つ……ロストHCUに相当するであろう物を託しており、それがバーサーカーにとって形見であり楔となっている。

範浄レオン
HCUの一つ、三島技研の魔術顧問。
仕事の都合で顔を合わせる事も何度かあり、関係は（少なくとも極星としては）良くも無く悪くもなく。
仕事の合間に顔を合わせたら世間話をする程度の仲だったが「面白い奴」と印象には残っていた。

「札幌に寄る事があったら弟の衛星に会ってみろ」
「アイツは俺よりも技術屋らしい人間だ、きっと面白い話が出来るだろうぜ」

「あっ、けど妹の流星には半径１km以内に近づくなよ？近づいたらブン殴るからな」
「おう、目ん玉が飛び出して耳と鼻から脳みそが全部出るまでブン殴る。口とケツからハラワタと昨日の朝飯が飛び出すまでブン殴る。いいな？」
「なんで？あ？オイ！六歳か七歳のガキに手ェ出したクセに「なんで」っつったかテメー！」
「…………」
「そんなビビんな、冗談だよ冗談」



極星の死後、生き伸びたラジアルメカニカの技術者達の一部も彼に合流して神戸を脱出。
自分達の知る限りの神戸の惨状を、そして彼女の死を然るべき場所へと伝えると言う大役を果たしている。