最終更新:ID:7ToHrP3C6Q 2017年06月17日(土) 00:19:26履歴
蟲這市聖杯戦争リプレイ
GM:あなた達はしゃれこうべ教会に辿り着いた
GM:監督役が緊急の招集をかけたからだった
GM:教会の周りは、扉の外からでも分かる鉄の匂いが充満している
ベアズリー:「なにがあったんだろーね?」
バーソロミュー:「オイオイマスターさんよぉ。呼ばれるってのは明らかに異常事態ってことだぜ?」
ベアズリー:「んー?でもぉ、呼ばれるってことは呼んでくれる人がいるってことだし」
ベアズリー:「平気だと思うよ?」
平イルマ:「…これは…」
平イルマ:「いや…グロ画像は慣れてまスけどこれどう考えても…」
藤田五郎:「…むう」
藤田五郎:「主よ、辛いなら栓でもしておくといい…恐らく…」
カリン・デイノヤーガ:「何でしょうかー?中止のお知らせなら、嬉しいんですけどー…」
タイタス・クロウ(♀):「はたしてそうかしら?呼ぶ者が人とは限らないわよ?」
バーソロミュー:「鬼が出るか蛇が出るか・まあ、ろくなもんじゃねえよな」
GM:あなた達はおそるおそる扉を開けた
GM:扉を開くと、霧のような生暖かい空気が広がった
GM:血の匂いは強まったが、死体の発する腐臭は無い
GM:教会の中はひどく散らかっている
GM:中でも、欠けた聖母像の前に広がる血だまりが目立つ
GM:血痕の上には十字架をあしらったネックレスと砕かれた黒鍵が残されている。監督役が所持していたものだ
GM:肉や骨の類は見当たらない
タイタス・クロウ(♀):「ふむ…………これは…」
ベアズリー:「誰もいないねー」
藤田五郎:「…遅かった、かのう」
平イルマ:「…死骸の気配は?」
藤田五郎:「否。持ち去られたか、逃げ延びたか。或いは…」
バーソロミュー:「こりゃ陸での略奪かねえ?悪党でももう少しスマートにやるべきだぜ」
バーソロミュー:「こんなことをするようじゃあ、人間では無く魔獣か怪物の類と扱うべきだな」
カリン・デイノヤーガ:「駄目ですね 死骸はなさそうですー。しかし、血痕を残したまま死骸を抹消とはおかしいですねぇー?」
カリン・デイノヤーガ:「証拠隠滅なら血痕を残さないでしょうし、」
タイタス・クロウ(♀):「確かに…………妙ね」
バーソロミュー:「まあ、ありがちなところじゃあ魂喰らいとかだろうな」
藤田五郎:「うむ」
バーソロミュー:「俺はしねえが、反英雄の輩ってのはそういう手段を好んでする奴もいる」
バーソロミュー:「レディはレディだ。探すは探すし生きていたら保護はするがまあ、絶望的だろうな」
ベアズリー:「それじゃあ、食べられちゃったの?」
平イルマ:「…!そうッス、血の鮮度は!?」
平イルマ:「新しいとなると近くに…!」
GM:血はまだ新しい。ここで何かが起こってから、そう時間は経っていないようだ
バーソロミュー:「つまり、まあアレだ」
バーソロミュー:(血を手に取り、舐める)
バーソロミュー:「参加者の中にヤバいのが紛れ込んでたってわけだな」
ベアズリー:「舐めたけど、美味しいの?」
藤田五郎:「…主よ、鋭いな。この血は…」
平イルマ:「つまりヤバいのが近くに…?」
タイタス・クロウ(♀):「となると?死骸または加害者は…………」
バーソロミュー:「少なくともこの開催地にはいるだろうが、すなわち近くにいるとは限らないだろうよ」
GM:この惨状がバーサーカーの仕業であることは、全員が理解した
GM:あなた達はバラバラに教会を後にした
GM:あなた達は敵であり、味方でもある
GM:何をしようとあなた達の自由
GM:バーサーカーを見つけ、真相を確かめるも
GM:混乱に乗じて聖杯を奪い去るも
GM:全てはあなた達が決めること
GM:聖杯戦争 再開
戦争が再開して一時間
ベアズリー:「んー。大丈夫かなー?」
バーソロミュー:「なるようにしかならねえよマスター」
バーソロミュー:「まあ、悪党なりにこんなことを起こす奴は気に食わねえし、ぶっ倒すのも聖杯をもらうのも俺たちってことさ」
ベアズリー:「誰がどんな人だか、分かったー?」
バーソロミュー:「さっぱりだな。戦闘しているところを見るしかないだろ」
平イルマ:「…さて、どうするッスかねえ」
藤田五郎:「儂としては積極的な行動は推奨せん」
藤田五郎:「かの狂戦士がどのようなものであるにせよ、外道であるのは確かよ」
平イルマ:「…そッスね、了解ッス」
カリン・デイノヤーガ:「アーサー所長が言ってた…。この聖杯戦争は何かがおかしい、君じゃないとダメだって………。」
カリン・デイノヤーガ:「…………この事だったんだ」
タイタス・クロウ(♀):「怖い?どうする?辞退する?」
カリン・デイノヤーガ:「そんな事、私はしない。」
カリン・デイノヤーガ:「私は今までで何度もああいう光景は見て来たし、慣れてる。でもね、
あんなことするような奴は生かしちゃいけないって思ってる。」
カリン・デイノヤーガ:「行くわよ私のサーヴァント!目指すはバーサーカー!!見敵必殺で行くよぉー!!」
タイタス・クロウ(♀):「だと思った、貴女だけは、私の居た世界と変わらないのね」
戦争が再開して二時間。
メディアでは大量殺人と怪物の目撃談を報じている。
バーソロミュー:「さて、予想が確かなら…」
ベアズリー:「確かなら―?」
バーソロミュー:「恐らくは教会を襲撃した奴は魂喰らいに躊躇を持たない。時間が経てば経つほどに厄介になるだろうな」
平イルマ:「戦闘らしき反応はなし、と」
バーソロミュー:「さて、どうしたもんかねえ」
戦争が再開して三時間。
バーソロミュー:「……」
バーソロミュー:「不味い、かもな」
バーソロミュー:「恐らくは少し前までは奴は商店街にいた」
バーソロミュー:「と、なると行ける距離は限られるはずなんだが」
平イルマ:「誰もいないッスね」
藤田五郎:「…魂喰いをするとなると…不味いか」
カリン・デイノヤーガ:「な、なんかさっきから嫌な予感がぁぁぁ………!!」
戦争が再開して四時間。
バーソロミュー:「こりゃ、手遅れかもな」
バーソロミュー:「ニアミス、か」
バーソロミュー:「俺の読みでは一手遅いな…」
平イルマ:「バーサーカーどころか他の人とも合わないッスね」
カリン・デイノヤーガ:「どうもすれ違っているような気配がする………。」
そしてプレイヤー達がバーサーカーに辿り着けないまま、既に30名近くが犠牲になった。
バーサーカーの魔力はこの上なく強大に膨れ上がっている。
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):聖杯はどの様な願いも叶える願望器。私はそう聞いていた
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):決して他人の願いを踏みにじるつもりはない。それでももし、もしも私に願いを叶える機会が訪れたのなら
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):その時は、色彩を見たいと
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):私の世界に彩りを与えてほしいと
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):その期待が淡く胸をくすぐっていた
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):そう。決して自分だけが願いを叶えようと
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):そんな身勝手なことは考えてもいなかったのに……
自らのサーヴァントが人を殺め、肉を食らう。マスターは血の海の中で絶望していた。
蟲這市のバーサーカー:んぐおあああああああ!!!!
バーサーカーは吠えた。
美味そうに人の肉を噛みちぎり、咀嚼する。
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):視覚を失った代わりに得た、人より優れた耳が怪物の鳴き声と骨の砕ける音を捉えてしまう
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):肉の千切れる音と、血の滴る音が私の感覚を犯し尽くす
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):血煙からは鉄のニオイが世界に満ちる。私の肌を、生温くべっとりと舐め回す
蟲這市のバーサーカー:は、はらへっだだぁ……。まだぐいだんねぇ……
バーサーカーはマスターをじろじろと睨みつけた。
そしてーー
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):バケモノは私の身体を握った
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):嫌な音が鳴り、腕の関節が余分に増えた
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):もうこれじゃあ、ピアノを弾けない
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):だって、私の腕はほんの少しの皮膚と筋肉組織でかろうじてぶら下がっているだけなんだから
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):枯れたはずの涙がぼろぼろと零れ落ちた
蟲這市のバーサーカー:んだぁもうずごぢだ……もうすごぢだがんなぁ……
バーサーカーは口を開けた。バーサーカーの単独行動スキルは、人を食らうごとに強化されていく。
もう既に、バーサーカーはマスターを必要としていなかった。
今までは本能でマスターを食べていなかったが、それは目前にいる獲物を捕らえられない首輪のついた獅子の様なものだった。
もう我慢をする必要は無い。
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):これで楽になれる……
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):だけど……だけど……
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):死ぬのは嫌……痛いのは嫌……
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):助けて……ルールー……
大切な友達に思いを馳せた。
今までずっと寄り添ってくれた、何より大事な友人に。
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):もう光なんていりません
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):音も香りもいりません
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):だから神様
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):少しでも長く、この世にいさせて……
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):私のせいでたくさんの人が死んでしまったけど
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):だけど、だけど、死ぬのは嫌なの
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):やっぱり怖いの……
今までに何度もバーサーカーを召喚してしまったことを悔い嘆いていた。
その罪の重さを分かっていても、目前に迫った死は少女にとって贖罪ではなく絶望と恐怖でしかなかった。
バーサーカーは最後ににんまりと笑い、大きく口を開けた。
蟲這市のバーサーカー:いただぎまぁず
戦争が再開して五時間。
蟲這市の霊地でバーソロミュー陣営と藤田五郎陣営が再会した。
平イルマ:「あ、ようやく…」
藤田五郎:「……ふむ」
バーソロミュー:「……」
バーソロミュー:「外れ、か」
藤田五郎:「そちらは、狂戦士の居場所に検討は?」
バーソロミュー:「俺ぁ『同類』意外とは協力関係を結ばないと決めているんだが、まあ良いだろう」
バーソロミュー:「俺たちは教会へ出てから商店街に向かい、奴と恐らくニアミスした」
バーソロミュー:「次に霊地へ進みまたもやトンネルで奴とニアミスした」
バーソロミュー:「俺の予想としては、奴はこの町を反時計回りで移動していると見る」
バーソロミュー:「ま、予想でしかないがな」
ベアズリー:「んー、それじゃあ次は…?」
藤田五郎:「こちらは最初に霊地、そして教会、駅、もーる…?と移動し、未だ遭遇しておらん」
平イルマ:「気配遮断ですれ違ったスかねぇ…」
藤田五郎:「…とはいえ、ならば次は」
バーソロミュー:「商店街、か」
藤田五郎:「…盟約は組まないと言ったな」
藤田五郎:「…それにはこちらも同意だ」
バーソロミュー:「俺の戦闘スタイル的に波長の合う奴とじゃないと互いに損するだけなんだよ」
藤田五郎:「故に、あくまで儂らは一と一」
バーソロミュー:「相互不干渉。俺ぁ悪党だがこの状況で無駄に消耗するつもりはねえよ」
藤田五郎:「うむ…儂らは商店街に行く。…それだけじゃ」
藤田五郎:「行くぞ主」
バーソロミュー:「言っておくが俺の宝具は大規模だ。加減はするつもりはないから精々巻き添えで死なないことだな」
平イルマ:「了解ッス」
藤田五郎:「生き延びるのは得意でな、では」
ベアズリー:「ねえライダー」
ベアズリー:「さっきの人、ライダーみたいに決めたルールは守る人に見えたよ?」
バーソロミュー:「同じルールでも悪党と軍人や役人のそれは違うんだよ、マスター」
バーソロミューと藤田五郎達は商店街に向かった。
商店街では既に、タイタス・クロウがバーサーカーの動きを待っていた。
カリン・デイノヤーガ:「…………来る………」
戦争が再開して六時間。
商店街に全ての陣営が集結した。
バーサーカーも含め、全てが。
カリン・デイノヤーガ:「ッ!!タイタスちゃん陣地張って!!」
タイタス・クロウ(♀):「えっ!?」
カリン・デイノヤーガ:「来る……………近づいてくる………!!」
平イルマ:「全員ッスかこれ」
バーソロミュー:「おーおーこれが最終決戦って奴か」
バーサーカーが姿を現した。その巨躯は5メートルにも達するだろう。
禿げ上がった頭と、不潔な一枚だけの腰巻。そして何より大きなギョロリとした一つ目が不気味さを際立たせている。
蟲這市のバーサーカー:ぐひ、ぐひひひひ……
蟲這市のバーサーカー:…………あぁ?
バーサーカーはプレイヤー達に気付き、見た目どおりの愚鈍さで首を傾げた。
藤田五郎:「…お出ましか」
平イルマ:「こいつドラ○エで見たッス!」
バーソロミュー:「ギニア湾を思い出すねえ…今回はブドウ弾をぶちこんでくる奴は見当たらないが」
ベアズリー:「ライダー、頑張ってね」
カリン・デイノヤーガ:「………………見るだけで吐きそうになる。あの日会った魔女殺し以下ね」
藤田五郎:「魍魎の類かのう」
蟲這市のバーサーカー:「なんだおめぇら……ぐっでいいのがぁ?」
タイタス・クロウ(♀):「じゃあ、やっちゃう?そちらのお二人は、協力してくれるかしら?」
バーソロミュー:「俺は同類意外とは組まないことにしているんだ、レディ」
タイタス・クロウ(♀):「あらそう、残念 そちらの叔父様は協力してくれそうね」
藤田五郎:「こやつを斃すまでならば、良かろう」
バーソロミュー:「ただまあ、一つ目の巨人って言ったら有力な候補は一つだけだろ」
バーソロミュー:「サイクロプス?」
ベアズリー:「そこは大きな声で行ったほうが格好いいと思うよ、ライダー」
平イルマ:「サイクロプスって三人いるんスよね確か」
平イルマ:「(外見的にはギガンテスとかアトラスとかなんスけど)」
平イルマ:「名前呼んだら反応するッスかね?」
バーソロミュー:「俺たち航海をする奴に取っちゃあキュクロプスのが言い慣れているか」
バーソロミュー:「ま、ポリュペモスとなっちゃあ神モドキになるがな」
バーサーカーはポリュペモスという言葉に反応し、バーソロミューを睨み付けた。
バーソロミュー:「おいおい、マジでポリュペモスか」
バーソロミュー:「まさか海賊である俺以下の知識量の神性退治のエキスパートなんざいるとは思えないが」
タイタス・クロウ(♀):「ぜんぜんわかんない」
カリン・デイノヤーガ:「ちょっと!!それでも抑止力!?」
タイタス・クロウ(♀):「神霊以外は全然なんですぅー!!というかまだ抑止力見習い状態ですぅー!!
あーぁ!!なんでこんな時にもう一人の私がいないのかし…………ってあれ?真名分かったの!?」
カリン・デイノヤーガ:「………………神性持ちですが、何か弁明は?」
タイタス・クロウ(♀):「さぁって!!張り切って倒すわよ!!そりゃあもうけちょんけちょんにぃ!!」
藤田五郎:「ともかくそこの女童、儂らが一度組む、ということで良いのか?」
タイタス・クロウ(♀):「えっ?あ、そうね!!お願いしますわステキな叔父様!」
ベアズリー:「あんな怖い神様、嫌い…」
バーソロミュー:「元がなんであろうとサーヴァントである以上は砲弾も銃弾もカトラスも効くもんだ」
バーソロミュー:「見るからに弱点の目玉にデカいのをぶち込むとするか!」
GM:タイタスのスキル3は神性押し付けなので
GM:使うとしたら海賊に汝は神することになるね
GM:ポリュペモスは既に神性持ちなので
バーソロミュー:ワシは神だった…?
タイタス・クロウ(♀):流石にこの状況で海賊に神性押し付けは空気読めない過ぎるので封印します……………
バーソロミュー:良いんです?神性を押し付けないとその…巻き添えがヤバいですよ
平イルマ:押し付けられるがわにメリットがあればのう
タイタス・クロウ(♀):あぁ〜 そっか……………じゃあ 神性は付与るけど攻撃はしない感じで
ベアズリー:「ライダー凄いね…神様だったんだ」
バーソロミュー:「そこまで崇められた記憶はねえなあ」
タイタス・クロウ(♀):「勘違いしないでよね!これは神もどきとして一時的に扱うだけなんだから!」
バーサーカーは空腹に耐え切れず、プレイヤーに襲い掛かった。
蟲這市のバーサーカー:はあぁぁ……はあぁ、がまんでぎねぇだぁ
蟲這市のバーサーカー:いぎだまま食ってやるぅ
バーサーカーの動きは緩慢だった。
プレイヤーのサーヴァント達は、少なくとも敏捷性で劣るものではなかった。
平イルマ:「こいつ遅いッス!」
蟲這市のバーサーカー:おめぇら、うるぜえ! おれはらへっだだあああああ!!!
平イルマ:「アサシン!宝具で行くッスよ!」
藤田五郎:「…了解した!」
藤田五郎:アサシンが、その手に持つ竹刀を左手に持ち替える。
藤田五郎:「『第三突』…」
竹刀の先が二回地を突くと、突如としてアサシンの足運びが加速する。
藤田五郎:「『缶貫』」
左片手より繰り出された瞬速の一撃が、正確無比にバーサーカーを捉えた。
藤田五郎:「手応えは…」
藤田五郎:「…善し、中々よ」
藤田五郎:「女童、任せたぞ」
藤田五郎はバーサーカーのわき腹をえぐり飛ばした。
バーサーカーは痛みに悲鳴を上げる。
蟲這市のバーサーカー:ぐええええええ!?
蟲這市のバーサーカー:ぎ、ぎざまあああああああ!!!!
藤田五郎の産んだ隙に合わせて、タイタス・クロウが追撃をかける。
タイタス・クロウ(♀):「さ、さっきは赤っ恥だったけれど……………これで汚名挽回!!一度奴の音を止めてやるわ!!」
カリン・デイノヤーガ:「タイタス、そこはオメー返上、よ?」
タイタス・クロウ(♀):「し、しってるわよぉ!!」
タイタス・クロウ(♀):「わが拳は抑止力!!喰らいなさいデカブツ!!」
カリン・デイノヤーガ:「銃で撃ってるのになんで拳?」
タイタス・クロウ(♀):「お、男の私の癖だったみたい」
タイタスの魔力を篭めた拳(銃撃)がバーサーカーを捉える。
しかし、バーサーカーの対魔力は魂喰いによって既にEXランクに達していた。
蟲這市のバーサーカー:あぁ?
蟲這市のバーサーカー:なんがじだのが……?
藤田五郎:「ふむ、守りは硬いか」
カリン・デイノヤーガ:「全然ダメージ通って無いじゃないの莫迦ぁ!!」
タイタス・クロウ(♀):「ごめんなさい…………」
カリン・デイノヤーガ:「何が神殺しよ!この穀潰し!!」
言い合うタイタス・クロウに代わり、バーソロミューが魔力を高めた。
バーソロミュー:「うーし、悪党と言えど超えちゃあいけねえラインはあるよなあ?」
バーソロミュー:「マスター!令呪一画貰うぜ!あとそこのレディ!せいぜい死なないように気を付けな!」
バーソロミュー:「最後にして最大の海賊の戦いって奴を見せてやるよ」
バーソロミュー:「一、武装の整備は徹底すべし!」
バーソロミュー:「一、女子供を虐げる目的で船に乗せた者は死罪!」
バーソロミュー:「一、船を見捨て降伏した者は死罪!」
バーソロミュー:「今回は省略するが、以上11の規則を持って我が愛船と愛すべき馬鹿どもと共に戦闘を開始する!」
バーソロミュー:「最後にして最大なる略奪(ハウス・オブ・ローズ)!」
バーソロミューは宝具で生前の船団を呼び出し、一帯に大砲撃を浴びせた。
蟲這市のバーサーカー:ご、ごろぢでやるううううううう!!!!
カリン・デイノヤーガ:「う゛わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!こっちにも砲撃来でる゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」
タイタス・クロウ(♀):「魔力を全力で回してマスター!!これ多分全力投球しないとガチで防げないかも!」
カリン・デイノヤーガ:「ぜ、全力投球!?どれくらい!?」
タイタス・クロウ(♀):「わかんないけど令呪二画くらい!!」
カリン・デイノヤーガ:「一画で良くない!?」
タイタス・クロウ(♀):「じゃあ一画!!」
平イルマ:「ここは全力で耐えてくださいッス!」
藤田五郎:「ぬうん!」
藤田五郎:「…ふむ(砲弾を全て叩き落した)」
平イルマ:「流石アサシン…ッス…」
タイタス・クロウ(♀):「これが抑止力の底力ァァァァァアアアアア!!!」
藤田五郎は令呪の力も合わせ全ての砲撃をさばいたが、タイタス・クロウの防御は砲撃の貫通力には及ばなかった。
しかし、バーソロミューはタイタス・クロウのスキルで神性を得ていた。
このことがバーソロミューの砲撃軌道に変化を与え、タイタス・クロウはかろうじて致命傷を免れた。
カリン・デイノヤーガ:「防げてないじゃないのぉ!!」
タイタス・クロウ(♀):「だってアナタが1画で良くない?とか言ったんじゃない!!」
カリン・デイノヤーガ:「何よ!!マスター様に逆らおうって言うの!?」
バーソロミュー:「流石に調子が良くなりすぎちまった!悪いなレディ!」
タイタス・クロウ(♀):「あ、い…いえーっ!お構いなくー!!」
バーソロミュー:「おっと!そっちもわざとじゃあないぜわざとじゃあ!」
藤田五郎:「良い。今の目的はアレの排除じゃ」
平イルマ:「…」
藤田五郎:「…」
藤田五郎:「…さて、来るぞ」
バーサーカーは獲物三人を睨み付け、どれを食おうか逡巡している。
バーソロミューと藤田五郎はバーサーカーに大きな打撃を与えている。
プレイヤー達はどちらかに復讐をしにくると思っていたが……
タイタス・クロウ(♀):(ホッ…)
バーサーカーが選んだのはタイタス・クロウだった。
理由は単純明快。女の子の柔らかい肉を食いたかったのだ。
タイタス・クロウ(♀):「って私ぃ!?」
ベアズリー:「んー」
ベアズリー:「ライダー、あの娘もルールなの?」
タイタス・クロウをバーサーカーが襲う。
その瞬間、ベアズリーの令呪が輝き、バーソロミューがタイタス・クロウを庇った。
タイタス・クロウ(♀):「っ……………!!海賊さん!?」
平イルマ:「ちょ、あんなの…!」
バーソロミュー:「正確には女子供を守るってわけじゃねえが」
バーソロミュー:「レディを守るのは、やっぱまあハンサムの役目だろ?」
藤田五郎:「……見上げた男よ」
バーソロミューの肩の付け根が抉り取られ、バーサーカーは美味そうにそれを口に運んだ。
バーソロミュー:「ぐっおおおおお!!!」
バーソロミュー:「だが甘いなあ!怪物!」
藤田五郎:「…耐えたか」
蟲這市のバーサーカー:あり?
蟲這市のバーサーカー:おんなのごねらっだのになあ……
バーソロミュー:「俺たち海賊はてめえらとは身体も性根も鍛え方もちげえんだよ」
蟲這市のバーサーカー:でもおめぇもうめぇ……
蟲這市のバーサーカー:ぜんぶ、ぜんぶぐいでええええええ!
平イルマ:「え?いま…え?」
藤田五郎:「…根性、よ。フッ」
蟲這市のバーサーカー:にげるなああ! おめぇらぜんいんぐっでやるぅぅぅぅぅ!
カリン・デイノヤーガ:「……………そろそろ、本気出すの?」
タイタス・クロウ(♀):「流石に海賊さんが命かけて私を守ってくれたんだもん
ここでアイツを殺さなきゃ…………って思って」
タイタス・クロウ(♀):「行くわよ腐れ神性!!!」
カリン・デイノヤーガ:「でも、どこ狙う?さっきかっこつけて討ってノーダメだったけど…………」
タイタス・クロウは思い出した。
バーソロミューが、バーサーカーの弱点を目だと言っていたことを。
タイタス・クロウ(♀):「あの海賊さんには助けられてばっかりね……ホント、」
タイタス・クロウ(♀):「いつか海の邪神に襲われたら叫んで!タイタスー!!って、
私が何処にいようと助けに行くわ!!」
蟲這市のバーサーカー:だいだず……?
タイタス・クロウ(♀):「狙うはあの目!!それしかないわね!」
バーソロミュー:「おうよ!デカいのぶち込んでやりな!」
ベアズリー:「頑張ってー」
タイタス・クロウ(♀):「これが私の全力よ!!」
タイタス・クロウの攻撃は正確にバーサーカーの目を射抜いた。
先刻の攻撃は対魔力により弾かれたが、サーヴァントの『弱点』として知られる箇所なら別である。
今度こそ、タイタス・クロウの宝具は神殺しにふさわしい威力を見せた。
タイタス・クロウ(♀):「ようやく汚名返上できたぁ………………(へなへな…」
バーソロミュー:「っははははは!!!あんな隠し玉を持っていたとはな!」
カリン・デイノヤーガ:「安心するのは、まだ早いみたいだけど?タイタス」
藤田五郎:「ほう、素晴らしいな」
蟲這市のバーサーカー:ぐえ……ぐええええ…………
蟲這市のバーサーカー:はらへっだ……ぐっでやる……ぐっでやる……
」
カリン・デイノヤーガ:「驚いた、まだ立ち上がるとは。前会った食屍鬼よりしつこいわね」
藤田五郎:「…さて、隙の内に
藤田五郎:「穴は残っておるのう…此処を!」
よろめくバーサーカーに、藤田五郎は神速の突きを見舞った。
バーサーカーの腹に、竹刀とは思えぬ大きな洞を空け貫く。
しかし、バーサーカーはそれでもなお生きていた。
藤田五郎:「仕留め損なうか…!」
蟲這市のバーサーカー:はら、あなあいぢまっだ……
蟲這市のバーサーカー:ゆるざねえ……ゆるざねえ……
蟲這市のバーサーカー:ぜっだいにぐっでやる! ごろぢでやるううう!
バーソロミュー:「いや、良い仕事だったぜ?オッサン」
怒りで暴れまわるバーサーカーの前に、バーソロミューの船団が立ちはだかった。
藤田五郎:「…ああ、任せる」
バーソロミュー:「最後のトリを飾れるとは俺も幸運だ。マスター!」
ベアズリー:「……うん!」
タイタス・クロウ(♀):「海賊さぁん!!やっちゃってぇー!」
バーソロミュー:「そのデカい目玉とオッサンの開けた穴にありったけの砲弾をぶちこんでやるよ!」
タイタス・クロウの攻撃で潰れた目に、砲撃が一斉集中した。
蟲這市のバーサーカー:い、いでえ……
バーソロミュー:「まっあの世での土産に憶えて逝きな。外道は更なる力に叩き潰される宿命だとな」
今度こそ、バーサーカーは倒れた。
蟲這市のバーサーカー:まだ、ぐいだりねえ……
蟲這市のバーサーカー:にんげん、ぐっでやる……
蟲這市のバーサーカー:ぐっで……
GM:バーサーカーは消滅しました
藤田五郎:「…今度こそ、倒れたか」
GM:バーサーカーの居た場所に、血に汚れた金色の髪がわずかに残っています……
バーソロミュー:「…遅かったか」
平イルマ:「これは…」
タイタス・クロウ(♀):「…………ごめん、私たちがもっと早く駆けつけていれば…」
規格外に膨れ上がったバーサーカーの魔力により、わずか4騎で聖杯が姿を現した。
しかし叶えられる願いは一つ。
この聖杯戦争ではまだ三つの陣営が生き残っている。
藤田五郎:「…む、早いな」
バーソロミュー:「海賊だ。それはそれとして財宝はいただく、と言いたいところだが」
バーソロミュー:「魔力から何からすっからかんだ。これ以上の戦闘は無理だな」
ベアズリー:「ライダー、頑張ったねー」
タイタス・クロウ(♀):「…………でも、サーヴァントは複数生き残れないって聞くけど…………どうなのかしら」
カリン・デイノヤーガ:「令呪を以って命ず────────」
GM:自害
タイタス・クロウ(♀):「自害は!!NO!!」
藤田五郎:「…そうさな、儂とて無抵抗な者を切るのはそこまで望まぬ」
藤田五郎:「…最も、主の命ならば…」
藤田五郎:「(チャキ)」
平イルマ:「いやいやいやいやいやいやいや」
平イルマ:「流石にそこまでアタシも必死じゃないッス」
平イルマ:「……それより、これを何とかする、とか…できませんかね?(髪を拾う)」
タイタス・クロウ(♀):「私も…………。貴方達2人がいたからこそあのデカブツに勝てたんだもの………。それなのに貴方達を倒して聖杯を…………なんてやったら、それこそ抑止力の名折れだわ」
ベアズリー:「きっとー聖杯を見れたからお父さんもお母さんも褒めてくれるんだー」
ベアズリー:「だから私はもう良いよー」
カリン・デイノヤーガ:「私も、正直あの聖杯とやらはそこまで欲しくないの」
カリン・デイノヤーガ:「願いがあるとしたら、この街を戻すくらいかなぁー」
バーソロミュー:「体力があるのなら新たな宝の地図でも得て」冒険に行くところだが――――
バーソロミュー:「なあ、聖杯って例えば今回の被害を回復だのなかったことにだのは出来るのかねえ?」
タイタス・クロウ(♀):「…………奇跡的に、三人の願い事が一致したようね」
藤田五郎:「…満場一致、か」
バーソロミュー:「誰も欲しがらない財宝なんざ無いも同じ。だったらその場の衝動で使っちまうのが良いもんだろ」
藤田五郎:「……ふ、流されやすいのは何時になっても直らんのう」
藤田五郎:「…主よ、儂にも願いはない。……そう、させてもらおう」
平イルマ:「アサシン……すいませんッス、アタシが良い奴で」
藤田五郎:「(バシィ)」
平イルマ:「あいた!」
カリン・デイノヤーガ:「はい、6分の5が同じお願いだけど、タイタスちゃんは?」
タイタス・クロウ(♀):「流石にココで私だけ別の願い言ったら空気嫁内にもほどがあるでしょ!?」
タイタス・クロウ(♀):「私も同じ意見よ!!というか、抑止力なんだから人類の為になる願い事なら基本OK出すわよ?」
平イルマ:「…いてて…じゃあ、皆さん一致ですけど…」
平イルマ:「誰か行きます?それとも……せーのとかしちゃいます?」
ベアズリー:「みんな一緒が良いなー」
カリン・デイノヤーガ:「いいよぉー」
藤田五郎:「この後に及ぶのも難だが、一人に任せるのは信用ならぬ」
平イルマ:「んもー…」
バーソロミュー:「俺もヤキがまわったかねえ」
平イルマ:「じゃあ、えっと…せーの…?」
カリン・デイノヤーガ:「それじゃあ3,2,1で行きますぅー?」
平イルマ:「あっ、はい!オナシャス!」
ベアズリー:「いつでもいーよー」
カリン・デイノヤーガ:「じゃあ、3!」
平イルマ:「2!」
ベアズリー:「1!」
人を生き返らせる。これは現代の技術では到底不可能な魔法の域。
否、魔法ですら到達しえない神の如き力。
しかし今回の犠牲者は全て、バーサーカーに喰われた者達だった。
バーサーカーが消滅した時点で犠牲者の魂は魔力として、聖杯に満たされていた。
既に消滅していたサーヴァント3騎とバーサーカーの魂を合わせて、ほかの魔力は4騎分。
犠牲者の肉体だけを蘇らせるには充分だった。
あとは魂が元の肉体に戻っていくだけ。
本来消えいく魂が聖杯に残っていたことで、一度きりの例外になったのだった。
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):……………………
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):……ここは?
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):悪い夢……だったのかしら……?
平イルマ:「あ、目覚めたッスね」
ベアズリー:「起きたねー」
カリン・デイノヤーガ:「おはよう、悪夢から醒めた?」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):悪夢……?
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):すいません、あなたたちは一体……
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):私は何をしていたのでしょうか……?
平イルマ:「…悪夢ッスよ、単なる」
ベアズリー:「何もなかったんだと思うよー」
カリン・デイノヤーガ:「ただ一時の胡蝶の見せる夢。それだけよ。」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):夢……皆さんがそう言うのならきっとそうなのでしょう
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):ですが、一言だけ言わないといけないことがあると思います
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):何があったのかは分からないですが
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):ありがとうございました
ベアズリー:「んー?」
平イルマ:「…まぁ、神様が助けてくれたんスよ、だから大丈夫ッス」
ベアズリー:「えへへー、どういたしまして」
カリン・デイノヤーガ:「御礼なんて……良いですよ。頑張ったの、ワタシじゃないので」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):よろしければ、ピアノなどどうでしょうか
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):これでも多少、名が通っているつもりです
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):お礼の代わりにはなりませんが……是非聞いていただければと
カリン・デイノヤーガ:「ほう、良いですねぇ」
平イルマ:「確か教会にあったッスよねピアノ!行きましょ!」
監督役(画像無し):あらあら、マスターの皆さん
監督役(画像無し):なんかやり切った顔をしていてむかつきますね
平イルマ:「ピアノ借りるっすね!(銃)」
監督役(画像無し):私は便所掃除をしていますので祈り懺悔ピアノ全部お好きにどうぞ
平イルマ:「よし!じゃ、」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):「一曲、弾かせていただきます」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):「ショパン、子犬のワルツ」
天才ピアニストが弾くには簡単過ぎるとも思える調べ。
子供のピアノコンクールでよく耳にするような軽快で朗らかなワルツ。
ややもすれば稚拙とも思える選曲だが、至上の希望を感じさせる。そんな調べだった。
ベアズリー:「ピアノ、上手…」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(ルールー、あなたはどこに行ったのかしら?)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(また会いたい……)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(私のしたことは許されないけど……)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(でも、もう一度立ち上がらせてもらえたから……)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(だから、私は目を閉じて音を奏でます)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(光が無くても……いえ、無いからこそ)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(私にしか出来ないことがあるから……)
藤田五郎:(儂らはともかく、女童は良かったのか?)
藤田五郎:(…それではな主よ、次があったら、また儂を呼べ)
藤田五郎:(…その時は、我が剣の真髄をお見せしよう)
藤田五郎:(スゥー)
平イルマ:「…え?まだ真髄とかあったんスか!?」
タイタス・クロウ(♀):「………………誰とも会わないわね」
カリン・デイノヤーガ:「ねぇー」
タイタス・クロウ(♀):「(あぁ〜〜………。もう散々だったわ………。)」
タイタス・クロウ(♀):「(攻撃は失敗するし防御も防ぎきれなかったし………。)」
タイタス・クロウ(♀):「(でも、あの攻撃だけは効いたわね………。あの、アイツの宝具………。)」
タイタス・クロウ(♀):「(…………………。)」
タイタス・クロウ(♀):「(……………やっぱり、ワタシじゃアイツには敵わないと言うの? あいつからもらった宝具を使わなきゃ、あんな神性にも勝てないと言うの……?)」
タイタス・クロウ(♀):「(……………それは、少し悔しいわね)」
タイタス・クロウ(♀):「(いつか絶対、必ずアイツを越えて見せる!!私一人で!!神をも殺せるようになって見せる!!)」
カリン・デイノヤーガ:「……………行くの?」
タイタス・クロウ(♀):「ええ、とても良い演奏の途中で申し訳ないけど、」
カリン・デイノヤーガ:「そっか、………………………あの馬鹿(タイタス)、まだ囚われの身なんだっけ?」
タイタス・クロウ(♀):「はい………………。とりあえず、あちこちに聞いて回ります。」
カリン・デイノヤーガ:「そっか、応援してるよ。」
タイタス・クロウ(♀):「はい!」
カリン・デイノヤーガ:「はやく、貴女も一人前の神殺しになってね?」
カリン・デイノヤーガ:「貴女は…………強い子だから。」
タイタス・クロウ(♀):「………………ありがとう。」
タイタス・クロウ(♀):(スゥー)
バーソロミュー:(ま、あそこに混ざるような野暮な真似はしねえよ)
バーソロミュー:(じゃあなマスター。場所は陸地だったが、良い航海だったぜ)
バーソロミュー:(スゥーッ…)
ベアズリー:(さようなら、ありがとうねライダー)
GM:あなた達はしゃれこうべ教会に辿り着いた
GM:監督役が緊急の招集をかけたからだった
GM:教会の周りは、扉の外からでも分かる鉄の匂いが充満している
ベアズリー:「なにがあったんだろーね?」
バーソロミュー:「オイオイマスターさんよぉ。呼ばれるってのは明らかに異常事態ってことだぜ?」
ベアズリー:「んー?でもぉ、呼ばれるってことは呼んでくれる人がいるってことだし」
ベアズリー:「平気だと思うよ?」
平イルマ:「…これは…」
平イルマ:「いや…グロ画像は慣れてまスけどこれどう考えても…」
藤田五郎:「…むう」
藤田五郎:「主よ、辛いなら栓でもしておくといい…恐らく…」
カリン・デイノヤーガ:「何でしょうかー?中止のお知らせなら、嬉しいんですけどー…」
タイタス・クロウ(♀):「はたしてそうかしら?呼ぶ者が人とは限らないわよ?」
バーソロミュー:「鬼が出るか蛇が出るか・まあ、ろくなもんじゃねえよな」
GM:あなた達はおそるおそる扉を開けた
GM:扉を開くと、霧のような生暖かい空気が広がった
GM:血の匂いは強まったが、死体の発する腐臭は無い
GM:教会の中はひどく散らかっている
GM:中でも、欠けた聖母像の前に広がる血だまりが目立つ
GM:血痕の上には十字架をあしらったネックレスと砕かれた黒鍵が残されている。監督役が所持していたものだ
GM:肉や骨の類は見当たらない
タイタス・クロウ(♀):「ふむ…………これは…」
ベアズリー:「誰もいないねー」
藤田五郎:「…遅かった、かのう」
平イルマ:「…死骸の気配は?」
藤田五郎:「否。持ち去られたか、逃げ延びたか。或いは…」
バーソロミュー:「こりゃ陸での略奪かねえ?悪党でももう少しスマートにやるべきだぜ」
バーソロミュー:「こんなことをするようじゃあ、人間では無く魔獣か怪物の類と扱うべきだな」
カリン・デイノヤーガ:「駄目ですね 死骸はなさそうですー。しかし、血痕を残したまま死骸を抹消とはおかしいですねぇー?」
カリン・デイノヤーガ:「証拠隠滅なら血痕を残さないでしょうし、」
タイタス・クロウ(♀):「確かに…………妙ね」
バーソロミュー:「まあ、ありがちなところじゃあ魂喰らいとかだろうな」
藤田五郎:「うむ」
バーソロミュー:「俺はしねえが、反英雄の輩ってのはそういう手段を好んでする奴もいる」
バーソロミュー:「レディはレディだ。探すは探すし生きていたら保護はするがまあ、絶望的だろうな」
ベアズリー:「それじゃあ、食べられちゃったの?」
平イルマ:「…!そうッス、血の鮮度は!?」
平イルマ:「新しいとなると近くに…!」
GM:血はまだ新しい。ここで何かが起こってから、そう時間は経っていないようだ
バーソロミュー:「つまり、まあアレだ」
バーソロミュー:(血を手に取り、舐める)
バーソロミュー:「参加者の中にヤバいのが紛れ込んでたってわけだな」
ベアズリー:「舐めたけど、美味しいの?」
藤田五郎:「…主よ、鋭いな。この血は…」
平イルマ:「つまりヤバいのが近くに…?」
タイタス・クロウ(♀):「となると?死骸または加害者は…………」
バーソロミュー:「少なくともこの開催地にはいるだろうが、すなわち近くにいるとは限らないだろうよ」
GM:この惨状がバーサーカーの仕業であることは、全員が理解した
GM:あなた達はバラバラに教会を後にした
GM:あなた達は敵であり、味方でもある
GM:何をしようとあなた達の自由
GM:バーサーカーを見つけ、真相を確かめるも
GM:混乱に乗じて聖杯を奪い去るも
GM:全てはあなた達が決めること
GM:聖杯戦争 再開
戦争が再開して一時間
ベアズリー:「んー。大丈夫かなー?」
バーソロミュー:「なるようにしかならねえよマスター」
バーソロミュー:「まあ、悪党なりにこんなことを起こす奴は気に食わねえし、ぶっ倒すのも聖杯をもらうのも俺たちってことさ」
ベアズリー:「誰がどんな人だか、分かったー?」
バーソロミュー:「さっぱりだな。戦闘しているところを見るしかないだろ」
平イルマ:「…さて、どうするッスかねえ」
藤田五郎:「儂としては積極的な行動は推奨せん」
藤田五郎:「かの狂戦士がどのようなものであるにせよ、外道であるのは確かよ」
平イルマ:「…そッスね、了解ッス」
カリン・デイノヤーガ:「アーサー所長が言ってた…。この聖杯戦争は何かがおかしい、君じゃないとダメだって………。」
カリン・デイノヤーガ:「…………この事だったんだ」
タイタス・クロウ(♀):「怖い?どうする?辞退する?」
カリン・デイノヤーガ:「そんな事、私はしない。」
カリン・デイノヤーガ:「私は今までで何度もああいう光景は見て来たし、慣れてる。でもね、
あんなことするような奴は生かしちゃいけないって思ってる。」
カリン・デイノヤーガ:「行くわよ私のサーヴァント!目指すはバーサーカー!!見敵必殺で行くよぉー!!」
タイタス・クロウ(♀):「だと思った、貴女だけは、私の居た世界と変わらないのね」
戦争が再開して二時間。
メディアでは大量殺人と怪物の目撃談を報じている。
バーソロミュー:「さて、予想が確かなら…」
ベアズリー:「確かなら―?」
バーソロミュー:「恐らくは教会を襲撃した奴は魂喰らいに躊躇を持たない。時間が経てば経つほどに厄介になるだろうな」
平イルマ:「戦闘らしき反応はなし、と」
バーソロミュー:「さて、どうしたもんかねえ」
戦争が再開して三時間。
バーソロミュー:「……」
バーソロミュー:「不味い、かもな」
バーソロミュー:「恐らくは少し前までは奴は商店街にいた」
バーソロミュー:「と、なると行ける距離は限られるはずなんだが」
平イルマ:「誰もいないッスね」
藤田五郎:「…魂喰いをするとなると…不味いか」
カリン・デイノヤーガ:「な、なんかさっきから嫌な予感がぁぁぁ………!!」
戦争が再開して四時間。
バーソロミュー:「こりゃ、手遅れかもな」
バーソロミュー:「ニアミス、か」
バーソロミュー:「俺の読みでは一手遅いな…」
平イルマ:「バーサーカーどころか他の人とも合わないッスね」
カリン・デイノヤーガ:「どうもすれ違っているような気配がする………。」
そしてプレイヤー達がバーサーカーに辿り着けないまま、既に30名近くが犠牲になった。
バーサーカーの魔力はこの上なく強大に膨れ上がっている。
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):聖杯はどの様な願いも叶える願望器。私はそう聞いていた
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):決して他人の願いを踏みにじるつもりはない。それでももし、もしも私に願いを叶える機会が訪れたのなら
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):その時は、色彩を見たいと
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):私の世界に彩りを与えてほしいと
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):その期待が淡く胸をくすぐっていた
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):そう。決して自分だけが願いを叶えようと
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):そんな身勝手なことは考えてもいなかったのに……
自らのサーヴァントが人を殺め、肉を食らう。マスターは血の海の中で絶望していた。
蟲這市のバーサーカー:んぐおあああああああ!!!!
バーサーカーは吠えた。
美味そうに人の肉を噛みちぎり、咀嚼する。
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):視覚を失った代わりに得た、人より優れた耳が怪物の鳴き声と骨の砕ける音を捉えてしまう
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):肉の千切れる音と、血の滴る音が私の感覚を犯し尽くす
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):血煙からは鉄のニオイが世界に満ちる。私の肌を、生温くべっとりと舐め回す
蟲這市のバーサーカー:は、はらへっだだぁ……。まだぐいだんねぇ……
バーサーカーはマスターをじろじろと睨みつけた。
そしてーー
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):バケモノは私の身体を握った
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):嫌な音が鳴り、腕の関節が余分に増えた
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):もうこれじゃあ、ピアノを弾けない
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):だって、私の腕はほんの少しの皮膚と筋肉組織でかろうじてぶら下がっているだけなんだから
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):枯れたはずの涙がぼろぼろと零れ落ちた
蟲這市のバーサーカー:んだぁもうずごぢだ……もうすごぢだがんなぁ……
バーサーカーは口を開けた。バーサーカーの単独行動スキルは、人を食らうごとに強化されていく。
もう既に、バーサーカーはマスターを必要としていなかった。
今までは本能でマスターを食べていなかったが、それは目前にいる獲物を捕らえられない首輪のついた獅子の様なものだった。
もう我慢をする必要は無い。
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):これで楽になれる……
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):だけど……だけど……
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):死ぬのは嫌……痛いのは嫌……
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):助けて……ルールー……
大切な友達に思いを馳せた。
今までずっと寄り添ってくれた、何より大事な友人に。
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):もう光なんていりません
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):音も香りもいりません
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):だから神様
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):少しでも長く、この世にいさせて……
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):私のせいでたくさんの人が死んでしまったけど
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):だけど、だけど、死ぬのは嫌なの
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):やっぱり怖いの……
今までに何度もバーサーカーを召喚してしまったことを悔い嘆いていた。
その罪の重さを分かっていても、目前に迫った死は少女にとって贖罪ではなく絶望と恐怖でしかなかった。
バーサーカーは最後ににんまりと笑い、大きく口を開けた。
蟲這市のバーサーカー:いただぎまぁず
戦争が再開して五時間。
蟲這市の霊地でバーソロミュー陣営と藤田五郎陣営が再会した。
平イルマ:「あ、ようやく…」
藤田五郎:「……ふむ」
バーソロミュー:「……」
バーソロミュー:「外れ、か」
藤田五郎:「そちらは、狂戦士の居場所に検討は?」
バーソロミュー:「俺ぁ『同類』意外とは協力関係を結ばないと決めているんだが、まあ良いだろう」
バーソロミュー:「俺たちは教会へ出てから商店街に向かい、奴と恐らくニアミスした」
バーソロミュー:「次に霊地へ進みまたもやトンネルで奴とニアミスした」
バーソロミュー:「俺の予想としては、奴はこの町を反時計回りで移動していると見る」
バーソロミュー:「ま、予想でしかないがな」
ベアズリー:「んー、それじゃあ次は…?」
藤田五郎:「こちらは最初に霊地、そして教会、駅、もーる…?と移動し、未だ遭遇しておらん」
平イルマ:「気配遮断ですれ違ったスかねぇ…」
藤田五郎:「…とはいえ、ならば次は」
バーソロミュー:「商店街、か」
藤田五郎:「…盟約は組まないと言ったな」
藤田五郎:「…それにはこちらも同意だ」
バーソロミュー:「俺の戦闘スタイル的に波長の合う奴とじゃないと互いに損するだけなんだよ」
藤田五郎:「故に、あくまで儂らは一と一」
バーソロミュー:「相互不干渉。俺ぁ悪党だがこの状況で無駄に消耗するつもりはねえよ」
藤田五郎:「うむ…儂らは商店街に行く。…それだけじゃ」
藤田五郎:「行くぞ主」
バーソロミュー:「言っておくが俺の宝具は大規模だ。加減はするつもりはないから精々巻き添えで死なないことだな」
平イルマ:「了解ッス」
藤田五郎:「生き延びるのは得意でな、では」
ベアズリー:「ねえライダー」
ベアズリー:「さっきの人、ライダーみたいに決めたルールは守る人に見えたよ?」
バーソロミュー:「同じルールでも悪党と軍人や役人のそれは違うんだよ、マスター」
バーソロミューと藤田五郎達は商店街に向かった。
商店街では既に、タイタス・クロウがバーサーカーの動きを待っていた。
カリン・デイノヤーガ:「…………来る………」
戦争が再開して六時間。
商店街に全ての陣営が集結した。
バーサーカーも含め、全てが。
カリン・デイノヤーガ:「ッ!!タイタスちゃん陣地張って!!」
タイタス・クロウ(♀):「えっ!?」
カリン・デイノヤーガ:「来る……………近づいてくる………!!」
平イルマ:「全員ッスかこれ」
バーソロミュー:「おーおーこれが最終決戦って奴か」
バーサーカーが姿を現した。その巨躯は5メートルにも達するだろう。
禿げ上がった頭と、不潔な一枚だけの腰巻。そして何より大きなギョロリとした一つ目が不気味さを際立たせている。
蟲這市のバーサーカー:ぐひ、ぐひひひひ……
蟲這市のバーサーカー:…………あぁ?
バーサーカーはプレイヤー達に気付き、見た目どおりの愚鈍さで首を傾げた。
藤田五郎:「…お出ましか」
平イルマ:「こいつドラ○エで見たッス!」
バーソロミュー:「ギニア湾を思い出すねえ…今回はブドウ弾をぶちこんでくる奴は見当たらないが」
ベアズリー:「ライダー、頑張ってね」
カリン・デイノヤーガ:「………………見るだけで吐きそうになる。あの日会った魔女殺し以下ね」
藤田五郎:「魍魎の類かのう」
蟲這市のバーサーカー:「なんだおめぇら……ぐっでいいのがぁ?」
タイタス・クロウ(♀):「じゃあ、やっちゃう?そちらのお二人は、協力してくれるかしら?」
バーソロミュー:「俺は同類意外とは組まないことにしているんだ、レディ」
タイタス・クロウ(♀):「あらそう、残念 そちらの叔父様は協力してくれそうね」
藤田五郎:「こやつを斃すまでならば、良かろう」
バーソロミュー:「ただまあ、一つ目の巨人って言ったら有力な候補は一つだけだろ」
バーソロミュー:「サイクロプス?」
ベアズリー:「そこは大きな声で行ったほうが格好いいと思うよ、ライダー」
平イルマ:「サイクロプスって三人いるんスよね確か」
平イルマ:「(外見的にはギガンテスとかアトラスとかなんスけど)」
平イルマ:「名前呼んだら反応するッスかね?」
バーソロミュー:「俺たち航海をする奴に取っちゃあキュクロプスのが言い慣れているか」
バーソロミュー:「ま、ポリュペモスとなっちゃあ神モドキになるがな」
バーサーカーはポリュペモスという言葉に反応し、バーソロミューを睨み付けた。
バーソロミュー:「おいおい、マジでポリュペモスか」
バーソロミュー:「まさか海賊である俺以下の知識量の神性退治のエキスパートなんざいるとは思えないが」
タイタス・クロウ(♀):「ぜんぜんわかんない」
カリン・デイノヤーガ:「ちょっと!!それでも抑止力!?」
タイタス・クロウ(♀):「神霊以外は全然なんですぅー!!というかまだ抑止力見習い状態ですぅー!!
あーぁ!!なんでこんな時にもう一人の私がいないのかし…………ってあれ?真名分かったの!?」
カリン・デイノヤーガ:「………………神性持ちですが、何か弁明は?」
タイタス・クロウ(♀):「さぁって!!張り切って倒すわよ!!そりゃあもうけちょんけちょんにぃ!!」
藤田五郎:「ともかくそこの女童、儂らが一度組む、ということで良いのか?」
タイタス・クロウ(♀):「えっ?あ、そうね!!お願いしますわステキな叔父様!」
ベアズリー:「あんな怖い神様、嫌い…」
バーソロミュー:「元がなんであろうとサーヴァントである以上は砲弾も銃弾もカトラスも効くもんだ」
バーソロミュー:「見るからに弱点の目玉にデカいのをぶち込むとするか!」
GM:タイタスのスキル3は神性押し付けなので
GM:使うとしたら海賊に汝は神することになるね
GM:ポリュペモスは既に神性持ちなので
バーソロミュー:ワシは神だった…?
タイタス・クロウ(♀):流石にこの状況で海賊に神性押し付けは空気読めない過ぎるので封印します……………
バーソロミュー:良いんです?神性を押し付けないとその…巻き添えがヤバいですよ
平イルマ:押し付けられるがわにメリットがあればのう
タイタス・クロウ(♀):あぁ〜 そっか……………じゃあ 神性は付与るけど攻撃はしない感じで
ベアズリー:「ライダー凄いね…神様だったんだ」
バーソロミュー:「そこまで崇められた記憶はねえなあ」
タイタス・クロウ(♀):「勘違いしないでよね!これは神もどきとして一時的に扱うだけなんだから!」
バーサーカーは空腹に耐え切れず、プレイヤーに襲い掛かった。
蟲這市のバーサーカー:はあぁぁ……はあぁ、がまんでぎねぇだぁ
蟲這市のバーサーカー:いぎだまま食ってやるぅ
バーサーカーの動きは緩慢だった。
プレイヤーのサーヴァント達は、少なくとも敏捷性で劣るものではなかった。
平イルマ:「こいつ遅いッス!」
蟲這市のバーサーカー:おめぇら、うるぜえ! おれはらへっだだあああああ!!!
平イルマ:「アサシン!宝具で行くッスよ!」
藤田五郎:「…了解した!」
藤田五郎:アサシンが、その手に持つ竹刀を左手に持ち替える。
藤田五郎:「『第三突』…」
竹刀の先が二回地を突くと、突如としてアサシンの足運びが加速する。
藤田五郎:「『缶貫』」
左片手より繰り出された瞬速の一撃が、正確無比にバーサーカーを捉えた。
藤田五郎:「手応えは…」
藤田五郎:「…善し、中々よ」
藤田五郎:「女童、任せたぞ」
藤田五郎はバーサーカーのわき腹をえぐり飛ばした。
バーサーカーは痛みに悲鳴を上げる。
蟲這市のバーサーカー:ぐええええええ!?
蟲這市のバーサーカー:ぎ、ぎざまあああああああ!!!!
藤田五郎の産んだ隙に合わせて、タイタス・クロウが追撃をかける。
タイタス・クロウ(♀):「さ、さっきは赤っ恥だったけれど……………これで汚名挽回!!一度奴の音を止めてやるわ!!」
カリン・デイノヤーガ:「タイタス、そこはオメー返上、よ?」
タイタス・クロウ(♀):「し、しってるわよぉ!!」
タイタス・クロウ(♀):「わが拳は抑止力!!喰らいなさいデカブツ!!」
カリン・デイノヤーガ:「銃で撃ってるのになんで拳?」
タイタス・クロウ(♀):「お、男の私の癖だったみたい」
タイタスの魔力を篭めた拳(銃撃)がバーサーカーを捉える。
しかし、バーサーカーの対魔力は魂喰いによって既にEXランクに達していた。
蟲這市のバーサーカー:あぁ?
蟲這市のバーサーカー:なんがじだのが……?
藤田五郎:「ふむ、守りは硬いか」
カリン・デイノヤーガ:「全然ダメージ通って無いじゃないの莫迦ぁ!!」
タイタス・クロウ(♀):「ごめんなさい…………」
カリン・デイノヤーガ:「何が神殺しよ!この穀潰し!!」
言い合うタイタス・クロウに代わり、バーソロミューが魔力を高めた。
バーソロミュー:「うーし、悪党と言えど超えちゃあいけねえラインはあるよなあ?」
バーソロミュー:「マスター!令呪一画貰うぜ!あとそこのレディ!せいぜい死なないように気を付けな!」
バーソロミュー:「最後にして最大の海賊の戦いって奴を見せてやるよ」
バーソロミュー:「一、武装の整備は徹底すべし!」
バーソロミュー:「一、女子供を虐げる目的で船に乗せた者は死罪!」
バーソロミュー:「一、船を見捨て降伏した者は死罪!」
バーソロミュー:「今回は省略するが、以上11の規則を持って我が愛船と愛すべき馬鹿どもと共に戦闘を開始する!」
バーソロミュー:「最後にして最大なる略奪(ハウス・オブ・ローズ)!」
バーソロミューは宝具で生前の船団を呼び出し、一帯に大砲撃を浴びせた。
蟲這市のバーサーカー:ご、ごろぢでやるううううううう!!!!
カリン・デイノヤーガ:「う゛わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!こっちにも砲撃来でる゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」
タイタス・クロウ(♀):「魔力を全力で回してマスター!!これ多分全力投球しないとガチで防げないかも!」
カリン・デイノヤーガ:「ぜ、全力投球!?どれくらい!?」
タイタス・クロウ(♀):「わかんないけど令呪二画くらい!!」
カリン・デイノヤーガ:「一画で良くない!?」
タイタス・クロウ(♀):「じゃあ一画!!」
平イルマ:「ここは全力で耐えてくださいッス!」
藤田五郎:「ぬうん!」
藤田五郎:「…ふむ(砲弾を全て叩き落した)」
平イルマ:「流石アサシン…ッス…」
タイタス・クロウ(♀):「これが抑止力の底力ァァァァァアアアアア!!!」
藤田五郎は令呪の力も合わせ全ての砲撃をさばいたが、タイタス・クロウの防御は砲撃の貫通力には及ばなかった。
しかし、バーソロミューはタイタス・クロウのスキルで神性を得ていた。
このことがバーソロミューの砲撃軌道に変化を与え、タイタス・クロウはかろうじて致命傷を免れた。
カリン・デイノヤーガ:「防げてないじゃないのぉ!!」
タイタス・クロウ(♀):「だってアナタが1画で良くない?とか言ったんじゃない!!」
カリン・デイノヤーガ:「何よ!!マスター様に逆らおうって言うの!?」
バーソロミュー:「流石に調子が良くなりすぎちまった!悪いなレディ!」
タイタス・クロウ(♀):「あ、い…いえーっ!お構いなくー!!」
バーソロミュー:「おっと!そっちもわざとじゃあないぜわざとじゃあ!」
藤田五郎:「良い。今の目的はアレの排除じゃ」
平イルマ:「…」
藤田五郎:「…」
藤田五郎:「…さて、来るぞ」
バーサーカーは獲物三人を睨み付け、どれを食おうか逡巡している。
バーソロミューと藤田五郎はバーサーカーに大きな打撃を与えている。
プレイヤー達はどちらかに復讐をしにくると思っていたが……
タイタス・クロウ(♀):(ホッ…)
バーサーカーが選んだのはタイタス・クロウだった。
理由は単純明快。女の子の柔らかい肉を食いたかったのだ。
タイタス・クロウ(♀):「って私ぃ!?」
ベアズリー:「んー」
ベアズリー:「ライダー、あの娘もルールなの?」
タイタス・クロウをバーサーカーが襲う。
その瞬間、ベアズリーの令呪が輝き、バーソロミューがタイタス・クロウを庇った。
タイタス・クロウ(♀):「っ……………!!海賊さん!?」
平イルマ:「ちょ、あんなの…!」
バーソロミュー:「正確には女子供を守るってわけじゃねえが」
バーソロミュー:「レディを守るのは、やっぱまあハンサムの役目だろ?」
藤田五郎:「……見上げた男よ」
バーソロミューの肩の付け根が抉り取られ、バーサーカーは美味そうにそれを口に運んだ。
バーソロミュー:「ぐっおおおおお!!!」
バーソロミュー:「だが甘いなあ!怪物!」
藤田五郎:「…耐えたか」
蟲這市のバーサーカー:あり?
蟲這市のバーサーカー:おんなのごねらっだのになあ……
バーソロミュー:「俺たち海賊はてめえらとは身体も性根も鍛え方もちげえんだよ」
蟲這市のバーサーカー:でもおめぇもうめぇ……
蟲這市のバーサーカー:ぜんぶ、ぜんぶぐいでええええええ!
平イルマ:「え?いま…え?」
藤田五郎:「…根性、よ。フッ」
蟲這市のバーサーカー:にげるなああ! おめぇらぜんいんぐっでやるぅぅぅぅぅ!
カリン・デイノヤーガ:「……………そろそろ、本気出すの?」
タイタス・クロウ(♀):「流石に海賊さんが命かけて私を守ってくれたんだもん
ここでアイツを殺さなきゃ…………って思って」
タイタス・クロウ(♀):「行くわよ腐れ神性!!!」
カリン・デイノヤーガ:「でも、どこ狙う?さっきかっこつけて討ってノーダメだったけど…………」
タイタス・クロウは思い出した。
バーソロミューが、バーサーカーの弱点を目だと言っていたことを。
タイタス・クロウ(♀):「あの海賊さんには助けられてばっかりね……ホント、」
タイタス・クロウ(♀):「いつか海の邪神に襲われたら叫んで!タイタスー!!って、
私が何処にいようと助けに行くわ!!」
蟲這市のバーサーカー:だいだず……?
タイタス・クロウ(♀):「狙うはあの目!!それしかないわね!」
バーソロミュー:「おうよ!デカいのぶち込んでやりな!」
ベアズリー:「頑張ってー」
タイタス・クロウ(♀):「これが私の全力よ!!」
タイタス・クロウの攻撃は正確にバーサーカーの目を射抜いた。
先刻の攻撃は対魔力により弾かれたが、サーヴァントの『弱点』として知られる箇所なら別である。
今度こそ、タイタス・クロウの宝具は神殺しにふさわしい威力を見せた。
タイタス・クロウ(♀):「ようやく汚名返上できたぁ………………(へなへな…」
バーソロミュー:「っははははは!!!あんな隠し玉を持っていたとはな!」
カリン・デイノヤーガ:「安心するのは、まだ早いみたいだけど?タイタス」
藤田五郎:「ほう、素晴らしいな」
蟲這市のバーサーカー:ぐえ……ぐええええ…………
蟲這市のバーサーカー:はらへっだ……ぐっでやる……ぐっでやる……
」
カリン・デイノヤーガ:「驚いた、まだ立ち上がるとは。前会った食屍鬼よりしつこいわね」
藤田五郎:「…さて、隙の内に
藤田五郎:「穴は残っておるのう…此処を!」
よろめくバーサーカーに、藤田五郎は神速の突きを見舞った。
バーサーカーの腹に、竹刀とは思えぬ大きな洞を空け貫く。
しかし、バーサーカーはそれでもなお生きていた。
藤田五郎:「仕留め損なうか…!」
蟲這市のバーサーカー:はら、あなあいぢまっだ……
蟲這市のバーサーカー:ゆるざねえ……ゆるざねえ……
蟲這市のバーサーカー:ぜっだいにぐっでやる! ごろぢでやるううう!
バーソロミュー:「いや、良い仕事だったぜ?オッサン」
怒りで暴れまわるバーサーカーの前に、バーソロミューの船団が立ちはだかった。
藤田五郎:「…ああ、任せる」
バーソロミュー:「最後のトリを飾れるとは俺も幸運だ。マスター!」
ベアズリー:「……うん!」
タイタス・クロウ(♀):「海賊さぁん!!やっちゃってぇー!」
バーソロミュー:「そのデカい目玉とオッサンの開けた穴にありったけの砲弾をぶちこんでやるよ!」
タイタス・クロウの攻撃で潰れた目に、砲撃が一斉集中した。
蟲這市のバーサーカー:い、いでえ……
バーソロミュー:「まっあの世での土産に憶えて逝きな。外道は更なる力に叩き潰される宿命だとな」
今度こそ、バーサーカーは倒れた。
蟲這市のバーサーカー:まだ、ぐいだりねえ……
蟲這市のバーサーカー:にんげん、ぐっでやる……
蟲這市のバーサーカー:ぐっで……
GM:バーサーカーは消滅しました
藤田五郎:「…今度こそ、倒れたか」
GM:バーサーカーの居た場所に、血に汚れた金色の髪がわずかに残っています……
バーソロミュー:「…遅かったか」
平イルマ:「これは…」
タイタス・クロウ(♀):「…………ごめん、私たちがもっと早く駆けつけていれば…」
規格外に膨れ上がったバーサーカーの魔力により、わずか4騎で聖杯が姿を現した。
しかし叶えられる願いは一つ。
この聖杯戦争ではまだ三つの陣営が生き残っている。
藤田五郎:「…む、早いな」
バーソロミュー:「海賊だ。それはそれとして財宝はいただく、と言いたいところだが」
バーソロミュー:「魔力から何からすっからかんだ。これ以上の戦闘は無理だな」
ベアズリー:「ライダー、頑張ったねー」
タイタス・クロウ(♀):「…………でも、サーヴァントは複数生き残れないって聞くけど…………どうなのかしら」
カリン・デイノヤーガ:「令呪を以って命ず────────」
GM:自害
タイタス・クロウ(♀):「自害は!!NO!!」
藤田五郎:「…そうさな、儂とて無抵抗な者を切るのはそこまで望まぬ」
藤田五郎:「…最も、主の命ならば…」
藤田五郎:「(チャキ)」
平イルマ:「いやいやいやいやいやいやいや」
平イルマ:「流石にそこまでアタシも必死じゃないッス」
平イルマ:「……それより、これを何とかする、とか…できませんかね?(髪を拾う)」
タイタス・クロウ(♀):「私も…………。貴方達2人がいたからこそあのデカブツに勝てたんだもの………。それなのに貴方達を倒して聖杯を…………なんてやったら、それこそ抑止力の名折れだわ」
ベアズリー:「きっとー聖杯を見れたからお父さんもお母さんも褒めてくれるんだー」
ベアズリー:「だから私はもう良いよー」
カリン・デイノヤーガ:「私も、正直あの聖杯とやらはそこまで欲しくないの」
カリン・デイノヤーガ:「願いがあるとしたら、この街を戻すくらいかなぁー」
バーソロミュー:「体力があるのなら新たな宝の地図でも得て」冒険に行くところだが――――
バーソロミュー:「なあ、聖杯って例えば今回の被害を回復だのなかったことにだのは出来るのかねえ?」
タイタス・クロウ(♀):「…………奇跡的に、三人の願い事が一致したようね」
藤田五郎:「…満場一致、か」
バーソロミュー:「誰も欲しがらない財宝なんざ無いも同じ。だったらその場の衝動で使っちまうのが良いもんだろ」
藤田五郎:「……ふ、流されやすいのは何時になっても直らんのう」
藤田五郎:「…主よ、儂にも願いはない。……そう、させてもらおう」
平イルマ:「アサシン……すいませんッス、アタシが良い奴で」
藤田五郎:「(バシィ)」
平イルマ:「あいた!」
カリン・デイノヤーガ:「はい、6分の5が同じお願いだけど、タイタスちゃんは?」
タイタス・クロウ(♀):「流石にココで私だけ別の願い言ったら空気嫁内にもほどがあるでしょ!?」
タイタス・クロウ(♀):「私も同じ意見よ!!というか、抑止力なんだから人類の為になる願い事なら基本OK出すわよ?」
平イルマ:「…いてて…じゃあ、皆さん一致ですけど…」
平イルマ:「誰か行きます?それとも……せーのとかしちゃいます?」
ベアズリー:「みんな一緒が良いなー」
カリン・デイノヤーガ:「いいよぉー」
藤田五郎:「この後に及ぶのも難だが、一人に任せるのは信用ならぬ」
平イルマ:「んもー…」
バーソロミュー:「俺もヤキがまわったかねえ」
平イルマ:「じゃあ、えっと…せーの…?」
カリン・デイノヤーガ:「それじゃあ3,2,1で行きますぅー?」
平イルマ:「あっ、はい!オナシャス!」
ベアズリー:「いつでもいーよー」
カリン・デイノヤーガ:「じゃあ、3!」
平イルマ:「2!」
ベアズリー:「1!」
人を生き返らせる。これは現代の技術では到底不可能な魔法の域。
否、魔法ですら到達しえない神の如き力。
しかし今回の犠牲者は全て、バーサーカーに喰われた者達だった。
バーサーカーが消滅した時点で犠牲者の魂は魔力として、聖杯に満たされていた。
既に消滅していたサーヴァント3騎とバーサーカーの魂を合わせて、ほかの魔力は4騎分。
犠牲者の肉体だけを蘇らせるには充分だった。
あとは魂が元の肉体に戻っていくだけ。
本来消えいく魂が聖杯に残っていたことで、一度きりの例外になったのだった。
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):……………………
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):……ここは?
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):悪い夢……だったのかしら……?
平イルマ:「あ、目覚めたッスね」
ベアズリー:「起きたねー」
カリン・デイノヤーガ:「おはよう、悪夢から醒めた?」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):悪夢……?
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):すいません、あなたたちは一体……
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):私は何をしていたのでしょうか……?
平イルマ:「…悪夢ッスよ、単なる」
ベアズリー:「何もなかったんだと思うよー」
カリン・デイノヤーガ:「ただ一時の胡蝶の見せる夢。それだけよ。」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):夢……皆さんがそう言うのならきっとそうなのでしょう
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):ですが、一言だけ言わないといけないことがあると思います
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):何があったのかは分からないですが
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):ありがとうございました
ベアズリー:「んー?」
平イルマ:「…まぁ、神様が助けてくれたんスよ、だから大丈夫ッス」
ベアズリー:「えへへー、どういたしまして」
カリン・デイノヤーガ:「御礼なんて……良いですよ。頑張ったの、ワタシじゃないので」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):よろしければ、ピアノなどどうでしょうか
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):これでも多少、名が通っているつもりです
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):お礼の代わりにはなりませんが……是非聞いていただければと
カリン・デイノヤーガ:「ほう、良いですねぇ」
平イルマ:「確か教会にあったッスよねピアノ!行きましょ!」
監督役(画像無し):あらあら、マスターの皆さん
監督役(画像無し):なんかやり切った顔をしていてむかつきますね
平イルマ:「ピアノ借りるっすね!(銃)」
監督役(画像無し):私は便所掃除をしていますので祈り懺悔ピアノ全部お好きにどうぞ
平イルマ:「よし!じゃ、」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):「一曲、弾かせていただきます」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):「ショパン、子犬のワルツ」
天才ピアニストが弾くには簡単過ぎるとも思える調べ。
子供のピアノコンクールでよく耳にするような軽快で朗らかなワルツ。
ややもすれば稚拙とも思える選曲だが、至上の希望を感じさせる。そんな調べだった。
ベアズリー:「ピアノ、上手…」
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(ルールー、あなたはどこに行ったのかしら?)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(また会いたい……)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(私のしたことは許されないけど……)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(でも、もう一度立ち上がらせてもらえたから……)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(だから、私は目を閉じて音を奏でます)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(光が無くても……いえ、無いからこそ)
ルフ・イオアーナ・ニコラーエワ(チェルノワ):(私にしか出来ないことがあるから……)
藤田五郎:(儂らはともかく、女童は良かったのか?)
藤田五郎:(…それではな主よ、次があったら、また儂を呼べ)
藤田五郎:(…その時は、我が剣の真髄をお見せしよう)
藤田五郎:(スゥー)
平イルマ:「…え?まだ真髄とかあったんスか!?」
タイタス・クロウ(♀):「………………誰とも会わないわね」
カリン・デイノヤーガ:「ねぇー」
タイタス・クロウ(♀):「(あぁ〜〜………。もう散々だったわ………。)」
タイタス・クロウ(♀):「(攻撃は失敗するし防御も防ぎきれなかったし………。)」
タイタス・クロウ(♀):「(でも、あの攻撃だけは効いたわね………。あの、アイツの宝具………。)」
タイタス・クロウ(♀):「(…………………。)」
タイタス・クロウ(♀):「(……………やっぱり、ワタシじゃアイツには敵わないと言うの? あいつからもらった宝具を使わなきゃ、あんな神性にも勝てないと言うの……?)」
タイタス・クロウ(♀):「(……………それは、少し悔しいわね)」
タイタス・クロウ(♀):「(いつか絶対、必ずアイツを越えて見せる!!私一人で!!神をも殺せるようになって見せる!!)」
カリン・デイノヤーガ:「……………行くの?」
タイタス・クロウ(♀):「ええ、とても良い演奏の途中で申し訳ないけど、」
カリン・デイノヤーガ:「そっか、………………………あの馬鹿(タイタス)、まだ囚われの身なんだっけ?」
タイタス・クロウ(♀):「はい………………。とりあえず、あちこちに聞いて回ります。」
カリン・デイノヤーガ:「そっか、応援してるよ。」
タイタス・クロウ(♀):「はい!」
カリン・デイノヤーガ:「はやく、貴女も一人前の神殺しになってね?」
カリン・デイノヤーガ:「貴女は…………強い子だから。」
タイタス・クロウ(♀):「………………ありがとう。」
タイタス・クロウ(♀):(スゥー)
バーソロミュー:(ま、あそこに混ざるような野暮な真似はしねえよ)
バーソロミュー:(じゃあなマスター。場所は陸地だったが、良い航海だったぜ)
バーソロミュー:(スゥーッ…)
ベアズリー:(さようなら、ありがとうねライダー)
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