ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。





────────200■年、アメリカ某所にて

『いよぉ、捗ってるかい?』
一人の爺さんが俺に向かって話しかけて来た。眼帯をしている金髪の爺だった。
「捗ってるように見えるか?こちとらその日ぐらしすらままなってねぇよ」
「おう、そりゃすまなかったねぇ」
カカカ、と軽快に爺は笑う。なんだこいつは?ただの酔っ払いか?
「ただアンタぁ、昔軍人だったんだろぉ?だったらすげぇ儲けてっかねぇと思ってな。」
……………………………この爺、──────ただ物じゃねぇな?
このジジイの言っていることは、間違っちゃいない。
そうだ。確かに俺はかつて軍人をやっていた。
だがしかし、今となっちゃ昔の話だ。

俺は目の前で、仲間を見捨てて逃げ出した臆病者だ。
もう既に、軍人を名乗る資格なんざ毛頭ねぇ。

「だがよぉ、なんで軍人が凝んな所にいる?
ここ魔術協会の施設だぜ?まさか、魔術でも嗜むんかい?」
「俺は死に時を逃した腐れ軍人だ。もうその名で呼ぶんじゃねぇ」
「死に時だぁ?クッ!ハッハッハッハッハッハァ!!」
爺は突然腹を抱えて笑いだした。周囲に人がいないとは言え、少しははばかりやがれ。
「なんだ?何がおかしい?」
「ああいやすまねぇ。人間に死に時なんざねぇと考えているのが俺の矜持だ。
人間は生き延びたら生き延びる。死ぬときは死ぬ。こりゃ天命じゃねぇ。そいつの決めた道だ。」
「爺…………、おめぇ喧嘩売ってんのか?」
ガタリ、と俺は感情に任せて椅子から立ち上がる。
「おぉっと、気に障ったんなら謝ろう。
そうだ!なんならとっておきの情報を教えてやるぜェ?」
「………………とっておき、だぁ?」
俺はいぶかし気に爺をにらみつける。だが爺はそんな俺に不敵に笑い返すだけだ。
なんだ…………?このジジイ、いったい何を話そうってェんだ?
「タダで話すんじゃぁねぇぜ?おめぇさんが気に入ったから話すんだ。
だから、他の連中に漏らしたりしんじゃあねぇぞ?俺とお前だけの情報だ。」
「もったいぶってんじゃねぇ。さっさと話せ」
そう俺が言うと、爺は口端をニィと釣り上げて話し始めた。

「聖杯戦争を知っているか?」
「ああ、願いを叶えるだか何だかと言う聖杯を求めて戦い合う儀式か?
俺も詳しくは知らねぇが、名前くらいは聞いたことは在るぜ?」
「そうだ。それぞれ参加した魔術師共がサーヴァントと呼ばれる使い魔を持って殺し合う儀式だ
今現在、この世界じゃ大なり小なり様々な聖杯戦争がドンパチ引き起こされてる。」
「大なり小なりだぁ?俺が聞いた話じゃ、日本のちっちぇえ都市で続いてると聞いたが。」
「ああ、それもそうなんだがな?そりゃ全ての大元の聖杯よ」
トン、と爺は机を人差し指で叩く。
「全てはかの御三家。マキリ遠坂アインツベルンから始まった。
しかし、ある事件が起きてその聖杯は世界中にバラバラに飛び散っちまったわけだ。」
「何故?」
「そんなんわかりゃあしねぇよ、当事者じゃねぇんだしよぉ。
で、その散った欠片でも十分願いは叶える能力は在るってもんだからさぁ大変。
世界中の魔術師が出現の情報を聞きつければ全速前進して駆けつけて、ドンパチやるって話よ。」
「ふむなるほど。」
正直このジジイの話には信ぴょう性は一切ねぇ。
だがしかし、なかなか惹きこまれる語りだったもんでついつい聞き入っちまった。
まぁ…………、暇つぶしにはちょうどいい。
「しかしその中で重要となるのが、その聖杯の核だ!
これは言うなれば大聖杯とも呼ばれる物で、まさに根源到達に金銀財宝、権力女なんでも来いだ!
飛び散ったモノでも十分願いを叶えられるが、その中心となるこいつはまさに格が違うのだ!」
「ほう、そりゃすげぇーなー」
「だがそれを拾ったある魔術師は悟った。
これをそのままにしていれば悪しき魔術師に利用される。
聖堂教会に預けたとしても?安全は保障されるとは限らねぇ、となぁ」
爺はわざとらしく肩を竦める動作をする。まるで三流通販番組のMCだ。
「そうこうしているうちに魔術師の元へ駆けつけるは噂を聞きつけた魔術師共。
しかも運悪くナチス第三帝国の残党に神殺しの組織共!更にはかの紋章院に
更に更に弦糸五十四家やらオリジンストーンまで乱入しまさにドッタンバッタン大騒ぎだった!!」
一気に胡散臭くなってきやがったぞこのジジイ。ナチス残党に魔術界有数の名門が大集合だぁ?
おいおい初心者の映画監督でももうちょっと物語をディープにするぜ?
「さて、そこで必死になるはその魔術師だ。この核が見つかれば世界がヤバい。
隠してもいずれは見つかる、隠さねばやはり見つかる。」
ニィィイ………ッ!と爺は笑みを強めて意地の悪い笑みを作り上げる。
「アンタならどおする?どぉやってこの聖杯の核を隠す?
世界中に散らばった聖杯の核であり、根源到達すら夢じゃない代物を!」
「どうしたってんだよ爺、もったいぶらずに教えろよ。」

「魔術師は全員皆殺しにしたのさ………ッ!禁術を使ってなぁ……!
そして残るは7人のサーヴァント。そのサーヴァントにそいつは言った!
『この聖杯の核を今から七つに分割し、お前たちを受肉させる。世界中に逃げてくれ』となぁ。
今もその7人のサーヴァントは、この世界に紛れ込んで生きているって訳だぁ!
つまり、この世界に生きるその連中7人を見つければ!なんでも願いが叶うってぇわけだ!」
バンっ!と爺は興奮しながら机をぶっ叩いた。
「ああそうかい、なかなか面白い小噺だったぜ爺さん。
ただ、ナチス残党に紋章院はちょっと盛りすぎかな?」
「あってめぇ!!信じてねぇなぁコノヤロウ!?」
爺はふざけ気味に笑いながら立ち上がる。
「当たり前だろ!なぁにが聖杯の核だぁふざけやがって!
盛るならもっと派手に盛りやがれぇ!!」
「んだとコラぁ!?」
ちょっとした乱痴気騒ぎになりかけるという所で、爺の動きがピクリと止まる。
「ん?おいどうした、ぎっくり腰か?」
俺はふざけながら問い返すが、どうも爺の様子はそうでもない。
何やら真剣な顔つきで壁のほうを見つめている。
「………ッ!畜生魔術盗聴かァ!!」
そう叫ぶと爺は突然走り出した。なんだ?ボケの症状の一つか?
そういや歳とると統合失調症の気が出てくるとは聞い────────

ズゴォォォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!!という爆音と共に、俺の居た施設が半壊した。

「………………………ッ!?」
爆風で吹き飛ばされそうになりながらも、爆音の発生源へと振り返る。
するとそこには二人の女の子がいた。一人は軍服に身を包んだ年端もいかねぇよな子。
そしてもう一人は、明らかに眼が正気じゃねぇガキだった。見るだけで分かる。アイツはヤバイ。
なんだ………ッ!?アイツらが………この施設をぶち壊したのか!?
そいつらは施設内を一通り見渡すと、どこかへと通信を始めた。
『………………ダメです。既に逃げ出した後とみられます。』
『…………はい、……はい。了解しました。
はい、十数年逃げ回っていた”七基目”です。必ず捕えます』
『……………行くわよ、バーサーカー。』
『うぅ…………飯ぃ、まだかー?食って良い人まーだー?』
『ちょっと待ちなさいバーサーカー。もうちょっとだから』
そう会話をするとその女の子たちは、そのまま風穴開いた施設から飛び出していった。
………………まて、今なんて言った?”七基目”…………だと?
その単語がさっきの爺さんを差しているというのは、勘の鈍い俺でも分かった。
七”基”…………その数え方は明らかに、使い魔やそういった類を差す数え方だった。
そして7という数字、さきほど爺が言っていた、聖杯の核の欠片を埋め込まれたサーヴァントの数と一致する。
………………そして、サーヴァントは使い魔の一種、現代まで受肉し生き延びている……………

つまり、さっきの爺こそが、その話の生き延びたサーヴァントの一人だと言う事か?

じゃあ、さっき爺さんが話したことは、全てが事実と言う事になる。
いや全てとは言わずとも、聖杯が分かれてそれを埋め込まれた英霊は実際にいると言うのは確かだ。
………………つまり、全ての願いを叶える聖杯は、実際に………………っ!?
「マジかよ……………!」
気が付いたときには、俺は先ほど爺が走り出した方向へと走っていた。
本当にさっきの爺が英霊なら追い付けるかどうかは分かんねぇが、
こんな所でぼーっとしているよりはマシだろう。

それが、とんでもなく果てしないロングランになるとは、
この時の俺には知る由も無かった──────────。





──────────これは、死すべき時に死ねなかった者たちの物語。


──────────────あるいは、死ねなかった軍人

『俺はただ一人、あの戦争から生き延びた軟弱者だ。
そんな俺が、まさかこの年になってから戦争に再び参加するとはな』
『ふん、戦争に軟弱も蛮勇も、老いも若きもねぇよ。
あんのはただ、そこにかける願い、熱情だけさ』

──────────────あるいは、ナチスの生き残り

『我らが偉大なるヒットラー復活の為に!!
我らシュランゲ・デ・リーンには聖杯が必要なのだァ!!』
『ちっ!どうして軍人ってぇのはドイツもこいつも頭がおかしいのかねぇ!?』
『それ、ワタシにも言っているのか?』

──────────────あるいは、神殺しの徒

『我ァがウィルマース財団の科学力はァァァァァアアアアア!!!
世界一ィィィィィィィイイイイイイ!!!』
『んなぁーマスター?あれ食って良いぃー?くしし、腹ぁ減っちゃって』
『あんな機械まみれの食べたって美味しくないでしょう?』

『神代の怪物だと言うなら、私の出番ですね』
『オイオイオイオイ大丈夫かぁカリンンン!?奴は我が装備すら喰らっちまったんだぞぉ!?』
『…………大丈夫ですよピースリーさん。……彼女も私も、同じ化け物ですから』

──────────────あるいは、復讐者

『私はレッドストーンの悲劇を知る!!
それが唯一生き残った私の使命だ!!』
『ほう、お前も生き残ったわけか。なら俺と同じだ』
『………?何が同じだと言うのだ?』
『死に時を逃した者同士、さ』

『私は妹を…………シャルロッテを殺す……ッ!!』
『復讐は何も産みませんっ!例えその一時は心が満たされますが!
その先に在るのは永劫の苦しみだけです!』
『黙れぇ!!例え貴様と同じ末路を辿る事となっても!
私はリントフェルデ一族の復讐を為し遂げる!』

──────────────そしてあるいは、死徒

『キャハハハハハハハ!!すっごーい!
英霊共が蟻の如く小突きあいしててたーのしぃー!』
『あ、あのさぁフラン?ホントにやるの?マジで?』
『いいから!アビエルにはとことん働いてもらうわよぉー?
だってこの先に、貴方の求める最強が在るんだから!』
『あ、はい………。』

『むずかしい言葉多すぎてよくわかんないんだけど』
『おまえ本当にシリアスぶっ壊していくなぁ!』
『うん、でもこれだけは分かるよ。殺せばいいんでしょ?』
『お、おう………分かってんじゃねぇかヨハン』

──────────────そして彼らの背後に蠢く、陰謀の影

『ようやく大聖杯の欠片が全て見つかったか。』
『ふむ、そろそろ動き出すべきかな?』
『大八島計画もようやく動き出す時、と言う事か』

『まぁ、そろそろかと思ったよ』
『ようやく私も、本格的に動き出せそうだ』
『………にしても、何故アビエルの坊ちゃんがいるんだ?』
『えっ?………あっ!ホントだ!!しかも死徒連れてないアレ!?』


───世界中を股に駆け、今聖杯戦争の真実が解き明かされる!!


『聞けィ我が名を!!恐れェい俺を!!そして走れ雷光よぉ!!』
『我が名はァッ!!ハンニバル・バルカ也ッッッ!!』


『Fate/golden Grail』

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https://www9.atwiki.jp/f_go/pages/1341.html
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http://www.hajimeteno.ne.jp/dhtml/dist/js06.html

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