ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。

前回のあらすじ

アーチャー、キスキル&リラを召喚し、少年、姫咲薫は怪異に包囲された学校からの脱出を試みる。

たどり着いた一階には、キャスターとそのマスターがいた。

先制攻撃を仕掛けるも、キャスターのマスターが呼びだした巨大な怪異に阻まれる。

弱小サーヴァントであるアーチャーではかなわない相手。死を覚悟したとき。

突如黒衣の少女が全ての攻撃を切り捨てた。彼女はアサシンのサーヴァントを名乗り。

そのままアーチャーと協力して、巨大な怪異を完全に滅ぼしたのだった。











                        Fate/Split Sisters








                           **





「戦闘は終わった。まだやるか。キャスターとそのマスター。」
アサシンは涼しげな顔でいう。アーチャーも臨戦態勢を崩さない。

「――――――アサシンだと?それなら私に探知されずにここへ入り込んだのにも説明がつくか…
いや、アサシンが正面切って戦闘に出てくるとは。アサシン、お前のマスターはとんだ戦略眼の持ち主だな――――――」
言って、キャスターのマスターは地面を蹴った。キャスターは相変わらず耳元で何かを言い続けている。
つまりこのマスターは、依然支援を受けた状態。先ほどの召喚魔術からして、並のサーヴァント以上の能力を持っているとみて間違いない。

「遅い。」
しかしアサシンは、捉えた。キャスターの身体に短刀を突き立て。そのマスターの腕を左手で止め。

「なるほど。こいつの口を止めればお前の力も抜けるようだな。いくら例外があるとはいえ、キャスターを引き当てて自分から戦闘に赴くとは。
そちらこそ、とんだ戦略眼の持ち主だな?」
キャスターから短刀を引き抜き。そのマスターを蹴り飛ばす。
飛ばされた女がうめき声をあげる。キャスターのほうは不思議なことに傷一つなく、マスターのもとへ駆けつける。
「どうしましょ、マスター。にげたほうがいいかもですね。」

「それと、一つ言っておく。確かにマスターの許可は得ているが、この行動は我の独断だ。
マスターをとやかく言われるのは心外だな。」

(ねえ、さっきから蚊帳の外じゃない?リラ。)(うん、ちょっと腹が立ってきたよ。キスキル。)

「やいやいやい!ちょっとあたしたちのこと舐めてるっていうか!」「忘れてるっていうか。」
ふいに、アーチャーが声を上げる。もうキャスターたちは撤退しようと傷ついた体を動かしているが。

「ちょっとさっき"閃いた"んだから!」「あれっ、もう?はやいね。キスキル。」
なんだなんだ。眺めていたが、どうもアーチャーが何かやるらしい。
「薫!やるからね!かっこいいから見ててよね!よろしく!」

「その名のごとく、迸るは神雷!人理すべての偉業はわが手に!
神速貫通、『崇高なる人の力は、雷をも手に入れたイコール・ケラウノス』 !!!!」
突如、キスキルが叫び。あたりが激しい閃光に包まれる。
閃光が収まったあと、残ったのは。
キャスターたちがいた場所に、大きな穴が一つ。姿自体は、跡形もなかった。

「あれ?まさか、強すぎた?」
キスキルが青ざめる。
「そんな、そんな、殺すまで行くのはちょっといやなんだけど」「落ち着いて、キスキル。『当たってない』。」
リラが冷静になだめる。

「令呪…というやつだな。それで瞬間移動したと見える。――――――そこの二人、アーチャーといったな。そしてそのマスター。」
アサシンがこちらに向き直る。ひとまず戦闘は終わったのだろうか。次はこのアサシンが、攻撃してきたりはしないだろうか。

「身構えなくともよい。我は…そう。無辜の民の味方というやつだ。」
アサシンが得意げに言う。…確かに、敵意は感じられないし。敵意があっても、おそらく勝てないし。

「よろしくね!アサシン!あたしはキスキル!で、こっちが」「リラで〜す。今後ともよろしく。」
キスキルとリラはすっかり気を許している。見た目が自分と同年代以下に見えるからか?
「友好のあかしとして受け取っておくが、真名を晒すのはいかがかと思うが。」

「あの…ありがとうございます。アサシンさん。姫咲、薫です。本当に、助かりました。」
礼儀はしっかりしておこう。僕も挨拶と礼を言う。
「おお、よいよい。もっと気安く呼んでもいいぞ。この国で邪知暴虐を働くなど、我が赦さんからな。
我がいる限りは安心するといい。お前のような純朴そうなのだけを集めて、話し合いで平和に聖杯戦争を終わらせようぞ!」
「話し合い…ですか。」
「そうだ。もちろん争いを起こすものに容赦はしない。だが争いを起こさないものが争う必要などない。当然だろう?」
それは理想が過ぎるとも思ったけど。アサシンの目は、本気だった。

「さて、まだ動けるか?アーチャーのマスターよ。其方の気力があれば、一つことを成せるのだが。」
不思議とアーチャーから受ける負担は感じられない。よくわからないけど、さっき言ってた単独行動スキルによるものか。
「…なに、でしょうか。一応まだ動けますけど…。」

キャスターたちを仕留めに行くぞ。
なんだって?
「ああ、そうだ。キャスターを追撃する。一般人を巻き込むかもしれない場所で、無抵抗の其方を攻撃しただろう?
許す道理はない。これからも危険な行動に出るかもしれない。迅速に処すしかない。」
確かにそうかもしれないけど。
「えっと、いくつか疑問が。」
「場所か?場所なら既に捉えた。あとはそう、"光"さえ入れば問題ないだろう。いくら魔術師の本陣に入るとしても、対処できる。
その点、さっきの『宝具』。あれで協力してもらえるなら、盤石だ。」
なんだかわからないけど、居場所と戦力という疑問は解消されてしまった。

「問題なさそうだな。さあ、アーチャー、其方らも。そちらのお疲れのマスターを運んでくれ。」

「だいたいわかった!了解です!」「どっちが抱っこしてあげようか。キスキル。」
抱っこでちょっともめたのは割愛して。

聖杯戦争の開幕から。長い夜は、まだ終わらない。



【キスキルが『人の進化を見守るもの』によって『崇高なる人の力は、雷をも手に入れたイコール・ケラウノス』 を習得しました。】


                           **




ここだったのか。
キャスター陣営の根城にたどり着いて思った一言。
そこそこ有名な幽霊屋敷であった。一応人が住んでいるらしい、という噂もあったけど。
「さて。よくできているな。これは。」
アサシンが言う。うん。僕でもわかる。邪悪な気配がすごい。"工房"だ。それもかなりのものだ。
「真正面からの突入は。」「勘弁したいところだね。」「どこにいるかもわかんないし!」「何が出るかもわからないし。」
「そう。そこで先ほどのあれをお願いしたいのだが。」
アサシンには案があるらしい。




…。



「なるほどね!確かにそれはあたしの出番!」「よかったね。私は寂しく薫のお守。」
「まあ、計画自体に問題はなさそうだけど。」
何もしないはずの僕の負担が、それなりに大きそう。

「まあ、簡単な話だ。この結界の内部はわからないが、あいつらが一番奥に潜んでいると仮定して。
全て一度に貫けば、全ての階層に光が届く。それだけだ!行くぞ!頼んだ、アーチャー!」
それを合図に、一斉に跳ぶ。…リラは僕を抱えて。
「かわいいアサシンちゃんのため!」「薫のほうがかわいいと思うよ、キスキル。」「どっちもかわいい!これで解決!」「じゃあそれで。頼んだよ、キスキル。」

「神の雷はまさしく神速!そしてすべてを貫き通す!そうっ!その言葉に二言はなーい!
碩学結晶、『崇高なる人の力は、雷をも手に入れたイコール・ケラウノス』!!!!」

そう、計画といっても単純なもので。この場で一番瞬間火力を出せる存在が、真上から工房を貫く。
乗り込めないなら破壊するというだけ、そしてできた穴から一気に最深部に――――――

「――――――待ってたよ。アーチャーさんたち!」「まあ、じかんてきに、またざるをえなかったのですが。」
あちらももちろん、そんな手には備えている。
キャスター陣営は高度な工房にこもるのではなく、工房を破壊された後のことを考えていた。
すなわち、あらかじめ大量に召喚陣を書いておき。
「――――――――"Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn"」

一気に化け物を、解放する。

はず。だった。

「…変な気持ち悪いの、出てこなさそうだね。このまま落ちるよ。薫。」
リラに抱えられ、キスキルも共に、キャスターの本丸へと落ちていく。

…アサシンは、月を背に。宝具を展開していた。






「わが父から受けた命は、ただ一つ知らすことのみ。
其は世界。天下。裏側。告げられしは孤独の象徴。
―――言の葉は呪いに。覆え、『夜之食国よるのおすくに』」。


アサシン、ツクヨミの宝具は自然光を借りて発動する固有結界。
この結界に対してアサシンは二つの権能を振るうことができる。
一つは内外の遮断。結界内から何物も出られず、入れない。
もう一つは内側の管理。許可なく何かを"放出"できない。

つまり、魔術師にとっては。何も力を振るえないのと同義である。


「なぜだ!なぜ出てこない!!!」
「…どうやら、あのアサシンのほうぐのようですね。こゆうけっかいというやつです。ここはもうあちらのじんち。
ぜんぶこっちにつごうわるいくらいに、かんがえておいたほうがよさそうですよ。」

キャスターのマスターの魔方陣は一切起動しなかった。何も間違ってないはずなのに。
「とりあえず、せんとうですよ。もうにげられないんですから。がんばりましょう?」
キャスターは衣装をマスターに用意し、あくまで冷静に対処する。
「あんたがこうしてれば勝てるっていうからやったんだろ!どういうことだ!」

「たしかにあたしのアドバイスはさいぜんてだったとおもいますよ。
しいていうなら、あきらかにかくうえのあいてに、けんかをうることになったさいしょのしゅうげきが、わるかったかもですね。」
「たしかにせんてをうつのはよかったとおもいますけど。おおさわぎすぎましたね。」
「きますよ。またおうえんしますから。かまえてください。」

崩壊し、固有結界に侵食された工房の最深部に降り立つ。…リラに抱えられて。なんとも恥ずかしい。
「覚悟しな!追い詰めたよ!キャスター!」「流石に、先に攻撃してきた相手は見過ごせない。観念して。キャスターのマスターさん。」
ほどなくして、アサシンも降りてくる。…宝具は維持したまま。
一触即発。なぜか口を開いたのは、キャスターだった。

「うーん。ふんぎりがつきました。ああえっと。しかたないですね。マスター。ちょっと、いやかなりはやいですけど、マスターならたえれるとおもいます。
くちぐるまにもすぐのりましたし、衣装だって抵抗なく着ました。意外とそういうのお好きだったりしたんですかね?
とにかく。典型的な魔術師ぶってるわりに、聖女的な適性はかなり高かったです。甘ちゃんなのはマスターのほうでしたね。
ああいや、もう聞こえないか――――――――――――――――――――――――」
異変を感じたアサシンが短刀を構え、高速で飛び掛かる。目標は小さな妖精の姿をした、キャスター。

「―――――遅い。でしたっけ。お返しします。」
アサシンの攻撃をキャスターのマスターが勢いよくはじき返した。何とか受け身を取るアサシン。

「あれ、あきらかに。」「うん。同類か、それより悪いね。」
キスキルとリラがどよめく。僕にはついていけなかった。
なぜ、先ほどまでと空気が一変しているのか。明らかに様子がおかしい、キャスターのマスターはどうしたのか。

「無限の慈愛を貴方に。変わり果てるのは"良いこと"です。さあ、もう言葉は要りませんね。
――――――――――――――――――『私のための神話アイオーン・デバイス』。起動せよ。」

「改めまして。アサシンさん。アーチャーさん。この子が私、『永遠のアイオーン』バルベロの宝具でありサーヴァント。『私のための神話アイオーン・デバイス』です。
さあ、依然魔術の類は封じられてるみたいですが。私を魔術が封じられたくらいで止まるキャスターと思わないでくださいね?」

キャスター、バルベロとその宝具と化したマスター。
対するは、アサシンのツクヨミ、アーチャーのキスキルとリラ。

数では上。でも、先ほどアサシンが弾き飛ばされた一幕。相当な格のはずのアサシンが押し負けたということは。
圧倒的な力の差が、あるのかもしれない――――――――――――――――――――――――






                           第二話:終

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