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nevadakagemiya 2023年05月20日(土) 20:37:54履歴
「人々を導く王ではなく、その道行きを阻む苦難を斬り払う剣として、私は君の力となろう!」
“天からの声”を聞き、最適な行動を取る。
直感は戦闘における第六感だが、啓示は目標の達成に関する事象全て(例えば旅の途中で最適の道を選ぶ)に適応する。
根拠がない(と本人には思える)ため他者にうまく説明できないが、宝具『民を護りし聖王冠 』を装備している間は啓示の内容を味方に信じさせることができる。
直感は戦闘における第六感だが、啓示は目標の達成に関する事象全て(例えば旅の途中で最適の道を選ぶ)に適応する。
根拠がない(と本人には思える)ため他者にうまく説明できないが、宝具『
武器ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出することで能力を向上させる。
ヴァーツラフのそれは聖人・聖女・聖騎士にのみ許される亜種魔力放出であり、悪属性に対してアドバンテージを有する。
聖なる光は秘蹟を除いたあらゆる魔術を払う力を発揮し、聖剣と合わせて振るわれる一撃は悪しき存在を根本から断ち切る。
ヴァーツラフのそれは聖人・聖女・聖騎士にのみ許される亜種魔力放出であり、悪属性に対してアドバンテージを有する。
聖なる光は秘蹟を除いたあらゆる魔術を払う力を発揮し、聖剣と合わせて振るわれる一撃は悪しき存在を根本から断ち切る。
『民を護りし聖王冠 』*1 ![](https://static.seesaawiki.jp/img/usr_second/common/icon_pen.gif)
ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大捕捉:500人
正統なボヘミア王にのみ戴冠を許される『聖ヴァーツラフの王冠』。
これを装備している間はステータスと対魔力の常時強化、自軍及び同盟する味方軍の士気向上、召喚された時代におけるボヘミア王への信仰に応じた疑似知名度補正の獲得といった様々な恩恵が付与される。
また「資格の無い簒奪者が被ると一年以内に死んだ」という逸話から、王冠とそれを戴くヴァーツラフに触れた者が「善き王」あるいは「王の資格を持つ者」でない場合、相手のステータスをダウンさせる効果を発揮する。
戴冠時にのみ機能する宝具だが、手で直接王冠を外さないと効果は失われないため、装備を霊体化させて着替える分には問題ない。
ボヘミア王の王権を示す王冠だが、ヴァーツラフにとってはより大きな意味を持つ物でもある。
というのも、生前のヴァーツラフはボヘミア公であってボヘミア王ではなく、この王冠を戴いたことはなかった。
しかし後世において神聖ローマ皇帝のカール四世がボヘミア王として戴冠する際、用意させたこの王冠をチェコの守護聖人である聖ヴァーツラフに捧げた。
即ちこの王冠はボヘミア王だけでなく、ヴァーツラフ個人を王として示す物でもあるため、他のボヘミア王のサーヴァントよりも与えられる恩恵が強力となっている。
正統なボヘミア王にのみ戴冠を許される『聖ヴァーツラフの王冠』。
これを装備している間はステータスと対魔力の常時強化、自軍及び同盟する味方軍の士気向上、召喚された時代におけるボヘミア王への信仰に応じた疑似知名度補正の獲得といった様々な恩恵が付与される。
また「資格の無い簒奪者が被ると一年以内に死んだ」という逸話から、王冠とそれを戴くヴァーツラフに触れた者が「善き王」あるいは「王の資格を持つ者」でない場合、相手のステータスをダウンさせる効果を発揮する。
戴冠時にのみ機能する宝具だが、手で直接王冠を外さないと効果は失われないため、装備を霊体化させて着替える分には問題ない。
ボヘミア王の王権を示す王冠だが、ヴァーツラフにとってはより大きな意味を持つ物でもある。
というのも、生前のヴァーツラフはボヘミア公であってボヘミア王ではなく、この王冠を戴いたことはなかった。
しかし後世において神聖ローマ皇帝のカール四世がボヘミア王として戴冠する際、用意させたこの王冠をチェコの守護聖人である聖ヴァーツラフに捧げた。
即ちこの王冠はボヘミア王だけでなく、ヴァーツラフ個人を王として示す物でもあるため、他のボヘミア王のサーヴァントよりも与えられる恩恵が強力となっている。
『民に仇なす者よ、去れ 』*2 ![](https://static.seesaawiki.jp/img/usr_second/common/icon_pen.gif)
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:1〜60 最大捕捉:600人
ボヘミアの伝承において語られる伝説の王ブルンツヴィークの聖剣。
命じるだけで空中を飛び回って敵の首を悉く斬り落とすというこの剣の正体は、本来の持ち主であるブルンツヴィークの魂が宿った意思を持つ剣 である。
剣自体が自立しているため真名解放の必要がなく、ヴァーツラフや敵の行動を見て自動的に最適な攻撃を繰り出す。
祖国の危機に蘇る王として信仰されながらも生前に目立った戦争経験のないヴァーツラフと異なり、冒険の旅を繰り広げ竜殺しをも成し遂げたブルンツヴィークの宿る剣の太刀筋は極めて洗練されており、ヴァーツラフと剣の連携攻撃は敵に全く異なる太刀筋を見極め対処するという戦いにくさを味合わせる。
また、ヴァーツラフの光の魔力放出で敵の視界を奪ったところを忍び寄った剣が攻撃するという連携攻撃も敵にとっては脅威となる。
更にヴァーツラフの持つスキルは剣も使用可能であり、啓示によって攻撃は更に的確となり、魔力放出で攻撃力は更に強化される。
真名解放しなくても機能する宝具だが、真名解放することで全力攻撃を繰り出すことができる。
剣を手に取り魔力を込めて「国民の敵は去れ 」と唱えることで、剣は黄金に光り輝き、空を翔けて巨大な斬撃を放つ。
真名に込められた「祖国の敵を退ける」という意思を強く示すことで、斬撃は強力な切断力と同時に斬れなかった物を弾き飛ばす強力なノックバック効果を発揮する。
更に護るべき祖国で、或いはその祖国の民を背にした状態で使用すればその力はより強く発揮され、大英雄の聖剣魔剣に劣らぬ一撃となるだろう。
ボヘミアの伝承において語られる伝説の王ブルンツヴィークの聖剣。
命じるだけで空中を飛び回って敵の首を悉く斬り落とすというこの剣の正体は、本来の持ち主であるブルンツヴィークの魂が宿った
剣自体が自立しているため真名解放の必要がなく、ヴァーツラフや敵の行動を見て自動的に最適な攻撃を繰り出す。
祖国の危機に蘇る王として信仰されながらも生前に目立った戦争経験のないヴァーツラフと異なり、冒険の旅を繰り広げ竜殺しをも成し遂げたブルンツヴィークの宿る剣の太刀筋は極めて洗練されており、ヴァーツラフと剣の連携攻撃は敵に全く異なる太刀筋を見極め対処するという戦いにくさを味合わせる。
また、ヴァーツラフの光の魔力放出で敵の視界を奪ったところを忍び寄った剣が攻撃するという連携攻撃も敵にとっては脅威となる。
更にヴァーツラフの持つスキルは剣も使用可能であり、啓示によって攻撃は更に的確となり、魔力放出で攻撃力は更に強化される。
真名解放しなくても機能する宝具だが、真名解放することで全力攻撃を繰り出すことができる。
剣を手に取り魔力を込めて「
真名に込められた「祖国の敵を退ける」という意思を強く示すことで、斬撃は強力な切断力と同時に斬れなかった物を弾き飛ばす強力なノックバック効果を発揮する。
更に護るべき祖国で、或いはその祖国の民を背にした状態で使用すればその力はより強く発揮され、大英雄の聖剣魔剣に劣らぬ一撃となるだろう。
『先駆ける聖王の路 』*3 ![](https://static.seesaawiki.jp/img/usr_second/common/icon_pen.gif)
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1〜60 最大捕捉:500人
ボヘミアのキリスト教化を推し進めた者、民族主義の象徴たる守護聖人、祖国の危機に誰よりも先に蘇り先頭を往く王────多くの伝承、思想、歴史において先駆者であり続けたヴァーツラフの在り様が宝具として昇華されたもの。
ヴァーツラフの肉体に宿る能力であると同時に、聖ヴァーツラフの象徴の1つである白馬として具現化することもできる特殊な宝具。
両足が地面に付いている、または白馬に乗っている状態で真名解放することで、魔力を纏って正面方向へ強力な突進攻撃を行う。
突進中はスーパーアーマーを獲得し、防御力を突破・無視する攻撃を受けてもある程度は耐えることができる。これを利用し、限界を超えた出力を出しての超吶喊攻撃を繰り出すことも可能。
このように攻撃宝具としてもそれなりに優秀だが、この宝具の最大の強みは後続への支援効果にある。
宝具発動中にヴァーツラフが通った進路上の天候・地形などの障害を無効化し、また後に続く味方に攻撃力上昇、スーパーアーマー付与、HP継続回復などの様々な奇蹟を与える。
また第一宝具『民に仇なす者よ、去れ 』と同様、祖国かその民を背にした状態で使用することで突進の威力や味方に与える奇蹟の効果は強化される。
ちなみに徒歩時と白馬に乗った状態での宝具効果の違いは殆ど無い。騎乗時の方が突進の速度が当然出るが、徒歩だと小回りが利きやすい程度。
ボヘミアのキリスト教化を推し進めた者、民族主義の象徴たる守護聖人、祖国の危機に誰よりも先に蘇り先頭を往く王────多くの伝承、思想、歴史において先駆者であり続けたヴァーツラフの在り様が宝具として昇華されたもの。
ヴァーツラフの肉体に宿る能力であると同時に、聖ヴァーツラフの象徴の1つである白馬として具現化することもできる特殊な宝具。
両足が地面に付いている、または白馬に乗っている状態で真名解放することで、魔力を纏って正面方向へ強力な突進攻撃を行う。
突進中はスーパーアーマーを獲得し、防御力を突破・無視する攻撃を受けてもある程度は耐えることができる。これを利用し、限界を超えた出力を出しての超吶喊攻撃を繰り出すことも可能。
このように攻撃宝具としてもそれなりに優秀だが、この宝具の最大の強みは後続への支援効果にある。
宝具発動中にヴァーツラフが通った進路上の天候・地形などの障害を無効化し、また後に続く味方に攻撃力上昇、スーパーアーマー付与、HP継続回復などの様々な奇蹟を与える。
また第一宝具『
ちなみに徒歩時と白馬に乗った状態での宝具効果の違いは殆ど無い。騎乗時の方が突進の速度が当然出るが、徒歩だと小回りが利きやすい程度。
第二宝具。ボヘミアの英雄ブルンツヴィークの黄金の聖剣。
ブルンツヴィークは獅子と共に三つ首の竜を倒したとされる英雄で、伝説ではこの剣は自在に飛び回って彼の敵を切り裂いたという。
戦闘では独立した武器としてヴァーツラフを補助する。手に取って振るうこともあるが、剣に自由に戦わせる方が動きが良い。
基本的に戦闘以外では動かず戦闘中も黙々と戦うが、どうしても何かを伝えたい場合は空中に軌跡で文字を描いて意思表示する。
ブルンツヴィークは獅子と共に三つ首の竜を倒したとされる英雄で、伝説ではこの剣は自在に飛び回って彼の敵を切り裂いたという。
戦闘では独立した武器としてヴァーツラフを補助する。手に取って振るうこともあるが、剣に自由に戦わせる方が動きが良い。
基本的に戦闘以外では動かず戦闘中も黙々と戦うが、どうしても何かを伝えたい場合は空中に軌跡で文字を描いて意思表示する。
『王を導く聖白馬 』*4 ![](https://static.seesaawiki.jp/img/usr_second/common/icon_pen.gif)
聖ヴァーツラフの象徴のひとつにして、第三宝具の化身でもある白馬。
死後に作られた聖人伝説によって生まれたものだが、ヴァーツラフはまるで生前からの愛馬かの如くこれを巧みに乗りこなす。
これは騎乗スキルだけでなく、ヴァーツラフが死後の伝説を受け入れ、共に戦う同胞として歩み寄っているからこそ成せる芸当である。
また、ヴァーツラフの「山中の王」伝説にも登場することから、第四宝具発動時には宝具の化身であると同時に一個の英霊として蘇る。
死後に作られた聖人伝説によって生まれたものだが、ヴァーツラフはまるで生前からの愛馬かの如くこれを巧みに乗りこなす。
これは騎乗スキルだけでなく、ヴァーツラフが死後の伝説を受け入れ、共に戦う同胞として歩み寄っているからこそ成せる芸当である。
また、ヴァーツラフの「山中の王」伝説にも登場することから、第四宝具発動時には宝具の化身であると同時に一個の英霊として蘇る。
ヴァーツラフ一世。英語読みではウェンセスラス一世。
907年から935年まで生きた史実の人物で、チェコ西部・ボヘミアを統治していたプシェミシル朝の四代目ボヘミア公である。
ヴァーツラフが生まれた頃のボヘミアはキリスト教が伝来しつつも浸透しておらず、祖父のボジヴォイ世と祖母ルミドラ、父である三代目ボヘミア公ヴラチスラフ一世はキリスト教に改宗した一方、母ドラホミーラはスラヴの流れを組む異教の部族長の娘であり、ヴラティスラフと結婚する際に洗礼を受けるも心までキリスト教に改宗してはいなかった。
ヴラティスラフの死後、未成年であったヴァーツラフの代わりに摂政となったルミドラは彼を敬虔なキリスト教徒として育てようとした。
しかしドラホミーラにとって自らの母の行いは認め難いものであり、ヴァーツラフの教育、即ち今後の国家の方針を巡って2人は激しい対立関係を築いていった。
そして921年、とうとうドラホミーラは決定的な行動に出た。あろうことか自分の母であるルミドラを暗殺したのである。
ドラホミーラは摂政の位を継ぎ、すぐにキリスト教徒に対する弾圧を始めた。しかし残っていたキリスト教貴族たちの反乱を受け、彼女は権威を失った。
そうして丁度成人となり、父の後継者としてボヘミア公となったヴァーツラフはその最初の公務として、祖母暗殺の黒幕であるドラホミーラを追放することとなった。
公国を引き継いだヴァーツラフは父の時代の国力を取り戻すためにキリスト教化を推進した。しかしボヘミアには未だ異教徒や改革に反対する派閥が多く存在した。
また問題は国内だけではなく、マジャール人(後のハンガリーを築く騎馬民族)による襲撃や、東フランク王国(後の神聖ローマ帝国)の圧力にも対処しなければならなかった。
ヴァーツラフは東フランク王国に多額の税金を支払ってでも平和条約を結ぶことで圧力を緩和し、その在位期間の中でキリスト教を利用して公国の一体化を図り続けた。
しかし935年、ヴァーツラフは反改革派の勢力によるクーデターを受け、教会で礼拝中のところを襲われてしまった。
クーデターの中心核であったのは、血を分けた兄弟であり、ヴァーツラフと共にリュミドラに育てられたボレスラフであった。
改革の道半ばで死したヴァーツラフはキリスト教徒たちに殉教者として崇敬され、チェコ出身最初の聖人にしてチェコの守護聖人・聖ヴァーツラフとして信仰された。
チェコにおけるヴァーツラフへの信仰は篤く、今なおチェコの国民的英雄として尊敬されている。
その額や背後に天使と十字架を見た、遺体の傷が聖堂に運ばれている間に癒えていた、などの聖人伝説は幾つもあり、またチェコに危機が迫ると蘇り、ブラニーク山に眠る騎士たちを引き連れて危機を打ち払うといういわゆる『山中の王』伝説も残されている。
生前はボヘミア公であったが、10世紀の神聖ローマ皇帝オットー一世によって王として追認され、1347年には正統なボヘミア公の戴冠に使うものとして「聖ヴァーツラフの王冠」が製作された。
プラハ城の正門にはヴァーツラフの騎馬像があり、1848年にはとある広場に置かれたヴァーツラフの騎馬像の下に民族主義者たちが集ったことからその広場は「ヴァーツラフ広場」として改名され、1918年のチェコスロバキア独立宣言、1968年のいわゆる「プラハの春」、1989年のビロード革命など、チェコ史の節目に必ず登場する場所となっている。
ボヘミアの歴史・信仰を語る上で、ヴァーツラフ王は欠かすことのできない存在としてその名を残しているのだ。
907年から935年まで生きた史実の人物で、チェコ西部・ボヘミアを統治していたプシェミシル朝の四代目ボヘミア公である。
ヴァーツラフが生まれた頃のボヘミアはキリスト教が伝来しつつも浸透しておらず、祖父のボジヴォイ世と祖母ルミドラ、父である三代目ボヘミア公ヴラチスラフ一世はキリスト教に改宗した一方、母ドラホミーラはスラヴの流れを組む異教の部族長の娘であり、ヴラティスラフと結婚する際に洗礼を受けるも心までキリスト教に改宗してはいなかった。
ヴラティスラフの死後、未成年であったヴァーツラフの代わりに摂政となったルミドラは彼を敬虔なキリスト教徒として育てようとした。
しかしドラホミーラにとって自らの母の行いは認め難いものであり、ヴァーツラフの教育、即ち今後の国家の方針を巡って2人は激しい対立関係を築いていった。
そして921年、とうとうドラホミーラは決定的な行動に出た。あろうことか自分の母であるルミドラを暗殺したのである。
ドラホミーラは摂政の位を継ぎ、すぐにキリスト教徒に対する弾圧を始めた。しかし残っていたキリスト教貴族たちの反乱を受け、彼女は権威を失った。
そうして丁度成人となり、父の後継者としてボヘミア公となったヴァーツラフはその最初の公務として、祖母暗殺の黒幕であるドラホミーラを追放することとなった。
公国を引き継いだヴァーツラフは父の時代の国力を取り戻すためにキリスト教化を推進した。しかしボヘミアには未だ異教徒や改革に反対する派閥が多く存在した。
また問題は国内だけではなく、マジャール人(後のハンガリーを築く騎馬民族)による襲撃や、東フランク王国(後の神聖ローマ帝国)の圧力にも対処しなければならなかった。
ヴァーツラフは東フランク王国に多額の税金を支払ってでも平和条約を結ぶことで圧力を緩和し、その在位期間の中でキリスト教を利用して公国の一体化を図り続けた。
しかし935年、ヴァーツラフは反改革派の勢力によるクーデターを受け、教会で礼拝中のところを襲われてしまった。
クーデターの中心核であったのは、血を分けた兄弟であり、ヴァーツラフと共にリュミドラに育てられたボレスラフであった。
改革の道半ばで死したヴァーツラフはキリスト教徒たちに殉教者として崇敬され、チェコ出身最初の聖人にしてチェコの守護聖人・聖ヴァーツラフとして信仰された。
チェコにおけるヴァーツラフへの信仰は篤く、今なおチェコの国民的英雄として尊敬されている。
その額や背後に天使と十字架を見た、遺体の傷が聖堂に運ばれている間に癒えていた、などの聖人伝説は幾つもあり、またチェコに危機が迫ると蘇り、ブラニーク山に眠る騎士たちを引き連れて危機を打ち払うといういわゆる『山中の王』伝説も残されている。
生前はボヘミア公であったが、10世紀の神聖ローマ皇帝オットー一世によって王として追認され、1347年には正統なボヘミア公の戴冠に使うものとして「聖ヴァーツラフの王冠」が製作された。
プラハ城の正門にはヴァーツラフの騎馬像があり、1848年にはとある広場に置かれたヴァーツラフの騎馬像の下に民族主義者たちが集ったことからその広場は「ヴァーツラフ広場」として改名され、1918年のチェコスロバキア独立宣言、1968年のいわゆる「プラハの春」、1989年のビロード革命など、チェコ史の節目に必ず登場する場所となっている。
ボヘミアの歴史・信仰を語る上で、ヴァーツラフ王は欠かすことのできない存在としてその名を残しているのだ。
銀の髪を肩まで伸ばし括らない長髪。邪気を感じさせない透き通ったターコイズブルーの瞳が特徴的な好青年。
顔立ちには線の柔らかい優しげな色合いがありつつ、そんな中にも勇ましさや凛々しさ、血の気高さを同居させている。
そんな貴公子の優男といった印象を受ける容貌とは裏腹に、首から下は非常に頑健。
筋骨隆々とまでは行かないが、必要な筋肉を必要な部位に必要なだけ配置した、とでも言うべき優れた体格。顔付きが貴種の雰囲気を漂わせているならば、肉体には戦士としての猛々しさが具わっている。
だが不思議とアンバランスには感じず、その柔らかい表情が肉体の厳しさを包み隠しているのか、相手に威圧感を与えない。
サーヴァントとしての霊装は白色基調の騎士甲冑。鎧の下に着るインナーは暗色系。
王という立場上、威厳を示すことの重要性を理解しつつもそれ以上に実用性を重視した鎧は、彫金や小さな宝石などの装飾を施しつつ、装甲の頑丈さと動きやすさを両立させた物となっている。
その合理性は聖杯戦争において現代服を着る機会が訪れた際にも発揮され、着心地が良く動きやすく、目立ちにくい物を選んで着る。
「身分相応の振る舞いは大事だが、私がボヘミア公であったのは昔の話。現代に蘇ってまで威張る気なんてこれっぽっちもない!」とは本人の弁。
朗らかに微笑み、堂々と振る舞い、自信に満ち溢れた大人物。明朗快活とした態度と喋り方をし、和を以て貴しとなすという気質の持ち主。
もともと為政者なので人の話を聞くのは必須とされたスキルだが、それ以上に人と対話することを非常に好んでいる。
公明正大であり誰に対しても分け隔てなく接する。社会的な道徳を重んじ、見ず知らずの相手であろうと誰かが困っているのを見れば無視できない。
同時にその公平さは自らの敵対者にも及ぶ。相手がこちらに刃を向ける者であろうとその背景を理解しない理由にせず、出来る限り把握に努めようとする。
このように立派な人物なのだが、一方で『啓示』スキルの影響で降って湧いた直感から思い付きで動くことが多く、加えて楽しいことは共有したいと考える方なのでその突拍子の無い(ように見える)行動にマスターや周囲の人間を巻き込むこともしばしば。
ただしそれは啓示によるものなので、道中色々とあっても最終的にはその行動で最善の結果を招いている。
当初こそ面食らうだろうが、ヴァーツラフと親交を深めれば深めるほど彼の突然の行動には彼なりの理由があると分かるようになるだろう。
総じて国を治める為政者というよりは船の乗組員を纏める冒険家のような人物、というのが付き合いの浅い人が彼に抱く所感である。
しかし精神の奥底ではヴァーツラフは自らを「国を統治し、民を庇護する為政者」として規定し、それを重んじている。
前述の通り他人からはふとした思い付きで行動しているように見えがちだが、実際は『啓示』の閃きすらも参考までに留め、熟慮の結果に出している答えだ。
何故ならば彼は土地を治める立場であり、深慮遠謀なくしてはそれは成り立たないためである。
払う代償と予想される成果、それぞれのリスクヘッジには常に気を配っており、傍から見れば気まぐれな行動には彼なりの計算が組み込まれている。
即断即決をしているように見えるのはヴァーツラフが大局的に状況を俯瞰し、その上で決定していることに過ぎない。
彼は決して『啓示』を重要視しない。それが最大限の成果を出すとしても、その成果の代償として支払わなければならない犠牲の内容によっては啓示に逆らうこともある。
犠牲の内容が人の命、すなわち彼にとって民草のものであるのならば猶更であり、ヴァーツラフは彼らを護るために自らの命を賭す選択を躊躇しない。
生前にボヘミア改革のために自らの死を受け入れたことからも、ヴァーツラフの為政者としての有り様にその芯が通っていることが分かるだろう。
このように冷徹な部分も持ち合わせるヴァーツラフだが、自己を犠牲にするというのはあくまで天秤の動き方次第の事である。
基本的には「喜や楽は分かち合えばより幸福に、怒や哀は分かち合えばより負担が減る」という思想の人間のため、自分が誰かに頼られれば応えるのと同じように自らの悩みを他者へ隠さず、可能な範囲で打ち明けて問題を共有しようとする。
為政者でありながらひとりで抱え込んでしまう愚を知っている。過ちが人々に牙を剥かぬように抱えて秘め続けるのではなく。過ちを犯さないように人々に助けを求められる、そして人々が過ちを犯さぬように助けの手を差し伸べる。
人の命を預かる者としての責任を正しく理解している大人、それがヴァーツラフという男である。
上述したように人々とのコミュニケーションを好んでいるが、それ以外にも色々と好きなものは多い。
例えば街の散策。生前は民たちとの交流の機会を得るため、また為政者として統治する土地の有り様とそこに根付く人々の営みを理解するために暇があれば欠かさず行っていた。
それが習慣づいたのか、聖杯戦争においても霊体化に徹せず(マスターの許可をちゃんと貰った上で)実体化し自分の足で街を散策する傾向にある。
食の好みであれば葡萄が好き。これはキリスト教化の一環で葡萄酒を嗜むこともあったため。
生前であれば過度な飲酒は酩酊などの害を及ぼす可能性があるからと控えていただろうが、今は基本的に酒に酔うことのないサーヴァントの身なので食事を楽しむための適量であれば割と容赦なく飲む。
またトウモロコシも好き。もしも醤油で焼いたトウモロコシに出会うことがあれば目を輝かせて軽く50本はぺろりと食べてしまうだろう。
健啖家と呼べる程ではないが、人々の文化を楽しむ、もとい理解するという名目で色々沢山食べがち。好き嫌いが無い訳ではないが、食わず嫌いはしない。
好きなものが多い一方で嫌いなものは殆どない。が、苦手な物として「家族関係の不和」を挙げる。
これは生前、幼い頃からキリスト教を推す祖母とボヘミアに根付いていた信仰を重んじる母の対立をその目で見続け、またそれに巻き込まれてきたため。
見知らぬ相手や敵であっても思いやりの心を忘れず、故に元々親しい関係である身内にはより一層心を寄せるヴァーツラフにとって、母に祖母を殺され、その母を追放するという経験はトラウマとまでは行かずとも忘れ難い記憶として心に刻まれている。
家族だから仲良くあるべきという考えは自分のエゴに過ぎないと理解しているため、そういったものを見つけても直接的な干渉はしないが、それでも遠回しに「不和は解消した方がいいぞ」と言うし、もしも解消の手助けを求められたら喜んで応える。
聖杯にかける願いは「祖国とその民草の平穏」だが、基本的にこの願いを叶えようとはしない。
チェコに危機が迫っていなければ、或いはその危機を今を生きる人々ならば乗り越えられるだろうと思ったのならば聖杯はマスターに譲るだろう。
自分はあくまでも過去の人間、既にその役目を終えた者であり、未来を創るのは今を生きる人間でなくてはならない、という考えを徹底している。
だが、もしも助けを求められたのなら────その時は迷うことなく、剣を執って駆け付けるだろう。
人々をより善い未来へ牽引する王としてではなく。人々から未来を拓く権利を奪わんとする者を退ける剣として。
イメージカラー:ライムグリーン
特技:乗馬、即断即決
好きなもの:コミュニケーション、街の散策、葡萄、トウモロコシ
苦手なもの:家族関係の不和
天敵:弟、母
願い:祖国とその民草に平穏あれ/弟にもう一度会って、労って、謝って、怒られて、そして語り合いたい
【一人称】私(公的な場や戦場)、俺(素を出している時) 【二人称】君、貴方、お前(最も親しい相手にのみ)、貴様(許してはならない悪と断じた相手に) 【三人称】彼、彼女
顔立ちには線の柔らかい優しげな色合いがありつつ、そんな中にも勇ましさや凛々しさ、血の気高さを同居させている。
そんな貴公子の優男といった印象を受ける容貌とは裏腹に、首から下は非常に頑健。
筋骨隆々とまでは行かないが、必要な筋肉を必要な部位に必要なだけ配置した、とでも言うべき優れた体格。顔付きが貴種の雰囲気を漂わせているならば、肉体には戦士としての猛々しさが具わっている。
だが不思議とアンバランスには感じず、その柔らかい表情が肉体の厳しさを包み隠しているのか、相手に威圧感を与えない。
サーヴァントとしての霊装は白色基調の騎士甲冑。鎧の下に着るインナーは暗色系。
王という立場上、威厳を示すことの重要性を理解しつつもそれ以上に実用性を重視した鎧は、彫金や小さな宝石などの装飾を施しつつ、装甲の頑丈さと動きやすさを両立させた物となっている。
その合理性は聖杯戦争において現代服を着る機会が訪れた際にも発揮され、着心地が良く動きやすく、目立ちにくい物を選んで着る。
「身分相応の振る舞いは大事だが、私がボヘミア公であったのは昔の話。現代に蘇ってまで威張る気なんてこれっぽっちもない!」とは本人の弁。
朗らかに微笑み、堂々と振る舞い、自信に満ち溢れた大人物。明朗快活とした態度と喋り方をし、和を以て貴しとなすという気質の持ち主。
もともと為政者なので人の話を聞くのは必須とされたスキルだが、それ以上に人と対話することを非常に好んでいる。
公明正大であり誰に対しても分け隔てなく接する。社会的な道徳を重んじ、見ず知らずの相手であろうと誰かが困っているのを見れば無視できない。
同時にその公平さは自らの敵対者にも及ぶ。相手がこちらに刃を向ける者であろうとその背景を理解しない理由にせず、出来る限り把握に努めようとする。
このように立派な人物なのだが、一方で『啓示』スキルの影響で降って湧いた直感から思い付きで動くことが多く、加えて楽しいことは共有したいと考える方なのでその突拍子の無い(ように見える)行動にマスターや周囲の人間を巻き込むこともしばしば。
ただしそれは啓示によるものなので、道中色々とあっても最終的にはその行動で最善の結果を招いている。
当初こそ面食らうだろうが、ヴァーツラフと親交を深めれば深めるほど彼の突然の行動には彼なりの理由があると分かるようになるだろう。
総じて国を治める為政者というよりは船の乗組員を纏める冒険家のような人物、というのが付き合いの浅い人が彼に抱く所感である。
しかし精神の奥底ではヴァーツラフは自らを「国を統治し、民を庇護する為政者」として規定し、それを重んじている。
前述の通り他人からはふとした思い付きで行動しているように見えがちだが、実際は『啓示』の閃きすらも参考までに留め、熟慮の結果に出している答えだ。
何故ならば彼は土地を治める立場であり、深慮遠謀なくしてはそれは成り立たないためである。
払う代償と予想される成果、それぞれのリスクヘッジには常に気を配っており、傍から見れば気まぐれな行動には彼なりの計算が組み込まれている。
即断即決をしているように見えるのはヴァーツラフが大局的に状況を俯瞰し、その上で決定していることに過ぎない。
彼は決して『啓示』を重要視しない。それが最大限の成果を出すとしても、その成果の代償として支払わなければならない犠牲の内容によっては啓示に逆らうこともある。
犠牲の内容が人の命、すなわち彼にとって民草のものであるのならば猶更であり、ヴァーツラフは彼らを護るために自らの命を賭す選択を躊躇しない。
生前にボヘミア改革のために自らの死を受け入れたことからも、ヴァーツラフの為政者としての有り様にその芯が通っていることが分かるだろう。
このように冷徹な部分も持ち合わせるヴァーツラフだが、自己を犠牲にするというのはあくまで天秤の動き方次第の事である。
基本的には「喜や楽は分かち合えばより幸福に、怒や哀は分かち合えばより負担が減る」という思想の人間のため、自分が誰かに頼られれば応えるのと同じように自らの悩みを他者へ隠さず、可能な範囲で打ち明けて問題を共有しようとする。
為政者でありながらひとりで抱え込んでしまう愚を知っている。過ちが人々に牙を剥かぬように抱えて秘め続けるのではなく。過ちを犯さないように人々に助けを求められる、そして人々が過ちを犯さぬように助けの手を差し伸べる。
人の命を預かる者としての責任を正しく理解している大人、それがヴァーツラフという男である。
上述したように人々とのコミュニケーションを好んでいるが、それ以外にも色々と好きなものは多い。
例えば街の散策。生前は民たちとの交流の機会を得るため、また為政者として統治する土地の有り様とそこに根付く人々の営みを理解するために暇があれば欠かさず行っていた。
それが習慣づいたのか、聖杯戦争においても霊体化に徹せず(マスターの許可をちゃんと貰った上で)実体化し自分の足で街を散策する傾向にある。
食の好みであれば葡萄が好き。これはキリスト教化の一環で葡萄酒を嗜むこともあったため。
生前であれば過度な飲酒は酩酊などの害を及ぼす可能性があるからと控えていただろうが、今は基本的に酒に酔うことのないサーヴァントの身なので食事を楽しむための適量であれば割と容赦なく飲む。
またトウモロコシも好き。もしも醤油で焼いたトウモロコシに出会うことがあれば目を輝かせて軽く50本はぺろりと食べてしまうだろう。
健啖家と呼べる程ではないが、人々の文化を楽しむ、もとい理解するという名目で色々沢山食べがち。好き嫌いが無い訳ではないが、食わず嫌いはしない。
好きなものが多い一方で嫌いなものは殆どない。が、苦手な物として「家族関係の不和」を挙げる。
これは生前、幼い頃からキリスト教を推す祖母とボヘミアに根付いていた信仰を重んじる母の対立をその目で見続け、またそれに巻き込まれてきたため。
見知らぬ相手や敵であっても思いやりの心を忘れず、故に元々親しい関係である身内にはより一層心を寄せるヴァーツラフにとって、母に祖母を殺され、その母を追放するという経験はトラウマとまでは行かずとも忘れ難い記憶として心に刻まれている。
家族だから仲良くあるべきという考えは自分のエゴに過ぎないと理解しているため、そういったものを見つけても直接的な干渉はしないが、それでも遠回しに「不和は解消した方がいいぞ」と言うし、もしも解消の手助けを求められたら喜んで応える。
聖杯にかける願いは「祖国とその民草の平穏」だが、基本的にこの願いを叶えようとはしない。
チェコに危機が迫っていなければ、或いはその危機を今を生きる人々ならば乗り越えられるだろうと思ったのならば聖杯はマスターに譲るだろう。
自分はあくまでも過去の人間、既にその役目を終えた者であり、未来を創るのは今を生きる人間でなくてはならない、という考えを徹底している。
だが、もしも助けを求められたのなら────その時は迷うことなく、剣を執って駆け付けるだろう。
人々をより善い未来へ牽引する王としてではなく。人々から未来を拓く権利を奪わんとする者を退ける剣として。
イメージカラー:ライムグリーン
特技:乗馬、即断即決
好きなもの:コミュニケーション、街の散策、葡萄、トウモロコシ
苦手なもの:家族関係の不和
天敵:弟、母
願い:祖国とその民草に平穏あれ/弟にもう一度会って、労って、謝って、怒られて、そして語り合いたい
【一人称】私(公的な場や戦場)、俺(素を出している時) 【二人称】君、貴方、お前(最も親しい相手にのみ)、貴様(許してはならない悪と断じた相手に) 【三人称】彼、彼女
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